ボンバルディア Q400 の製作

本来は作る機体のプラモデルを購入してそれをメインの資料として縮尺などを変更して図面をつくり製作に取り掛かるのですが、本機はプラモデルが日本では市販されておりません。従って資料がゼロからの出発となりました。幸いサイトを頼りに検索しましたところ細密イラストや写真などが入手できました。そして写真などは殆ど無尽蔵と言ってよいくらい手に入れることが出来ましたが只ここ一番というところの細部の写真がなかなか見つからなくて、遂にセントレア(中部国際空港)へ出かけて自分で写真を撮ってくる事になりました。一番手前の列の写真がそれですが残念ながら駐機場が遥か彼方の貨物機のエリアであったことで300ミリの望遠で引っ張ったのですがサイトで得られる以上の姿はとらえる事が出来ませんでした
朴ノ木を積層で張り合わせですが以前は木工ボンドを使用していたのですが接着力は申し分ないのですが水研ぎの時、合わせ目に水が沁みこむとその部分が膨張して面白くない結果がでる事を経験しましたので、今回は昔懐かしいセメダインを使いました。
瞬間接着剤だったら申し分ないですが張り合わせの瞬間がよほど手際よくやらないと正確な位置で接着する事が難しく自信がありませんので位置あわせが効く固まるのが遅いセメダインを敢えて使ってみました。今のところ接着力について問題はなさそうですが結論は最後になってみないとわかりません。
鉋で8角に、さらに16角に削って最後はサンドペーパーで丸みをつけます。
今回はコックピットと客席窓を透明にしたく、従ってコックピットの内部も作る事になります。客席窓の部分はくり貫いた状態になっていますが、この部分は最初から接着剤を塗らずにダミーとして材料を積層し丸みを削ってから抜き取りました。こうすることによってエッジの部分の削りすぎによる不整形を防止する為です。
コックピットの内部と窓のダミー、おでこの整形終了。窓のダミーは機首の整形の為と(A300の製作でご紹介済み)窓ガラスを塩ビ板で整形する時、木型にする為です。客席窓のくり貫きの内側にプラ板をはめ込む時のために周囲に棧を取り付けましたがこの写真では分かりにくいですね。
今回の作品からの新兵器。上はむかし懐かしい「肥後の守」で先日旅行で山陽道を走っているとき、或るサービスエリアで売っていたのを見つけ思わず買い求めました。大まかのところを削るのにもってこいの道具です。
下は知る人ぞ知る「ナイフマガジン」誌などで有名な山崎英雄氏の手作りの細工用ナイフです。斬れるのなんの朴ノ木が発泡スチロールの如き感触でサクサクと切れてしまいます。或る方からプレゼントとして頂きました。今回の作品が旨く出来上がるとすればこれらのナイフのお陰と考えております。
主翼の付け根部分の整形終了。
資料写真の読み違いなどがあり何度もやり直した結果まるで寄木細工のようになってしまいました。細長い矩形の穴は主翼の金具差込用です。
今回から主翼を取り外せるように製作する事にしました。展示会などに出品の時物凄い大きさの荷物になってしまい宅急便の運賃も馬鹿にならないからです。只繋ぎ目が綺麗に行くかどうかが随分心配です。
客席窓を1ミリ厚のプラ板で加工。5ミリ×3.5ミリで角に丸みのついた窓を左右で56個開けます。DC-6Bの時、窓の並びがどうしても千鳥になり苦労をしたので、今回はこれなら絶対と思って取り掛かったのが、先ず4隅にケガキ針でマークをつけ最初に0.5ミリの穴をピンバイスで開けその後1.5ミリの刃先をつけて開け直します。この作業を56組合計168回繰り返してその上にナイフで4辺を切り取り完成、根気との戦いでした。
こう書くと完璧に出来上がったとお思いでしょうが現実はさにあらず。見事に千鳥足になりました。理想と現実の格差はまるで我が人生の如くです。簪みたいに突き刺してあるのは主翼差込用のアルミの板です。
窓枠に当たるプラ板の上に窓ガラスとして0.4ミリの透明プラ板を重ね貼り。4隅に細く瞬着を塗り貼ったのですが少し塗りすぎた部分の透明ガラスが曇ってしまいました。こうなる事は分かっていたので瞬着を使わず他の接着剤を使うつもりでいたのですが、うっかり瞬着を使ってしまいこの失敗です。どうしましょう。
コックピット内部の計器盤の細工。実機の計器盤がどんなものか分かりませんので適当な写真を組み合わせてのでっち上げです。写真を光沢ラベル紙に印刷してプラ板に貼り付けて操縦席に埋め込んで一丁上がり。
主翼の素材です。付け根の部分に接続用のアルミ板を埋め込むための細工で、アルミ板の鞘にあたる部分を薄板で作りその鞘を主翼の上反角分の角度をつけて素材に埋め込む感じで接着します。これで主翼のアルミ部分を胴体に水平に差し込んだ際自動的に正確な上反角が出るつもりです。
主翼、尾翼共に一応の整形が終了。
これから後縁のアルミエッジ加工、フラップなどの細工に入ります。今度も離陸の瞬間を形にしたいのでフラップが伸びている格好にするつもりです。
操縦席。他機のプラモキットで操縦席の椅子等が使われてなかったのが有りサイズが偶然殆どぴったりでしたのでそれを着色してチャッカリ流用、なんでも有りです。透明プラ板を熱処理で整形し、おでこを貼り付けて初体験の操縦席は目出度く終了。
ここまでで正月を挟んで約一ヶ月、機体の整形はほぼ完成。本機の特徴であるT字形尾翼の付け根の整形も何とか旨く行きました。これからエンジンとプロペラの整形に掛かります。
エンジンとスピンナーの基本工程終了。
カウリング部の先端に加工前に丁度直径10ミリの金属製ワッシャーがありましたのでそれを貼り付けてそれに沿って円形部分を削りましたので旨く真円が出せました。スピンナーは一番小さい部品ですが木工旋盤、ドリル、グラインダー、小型ボール盤などフル動員での仕事で小粒なくせに随分大げさな作業となりました。
プロペラを作る。1.2ミリ厚のプラ板を加工、断面を翼形にサンドペーパーで削り根本にスピンナーに接続する為に0.9ミリの真鍮針金を瞬着で埋め込む。この針金を埋め込むために長さ5ミリほど、幅0.5ミリほどの切り込みを彫ったのですがここで山崎ナイフが凄い威力を発揮してくれて実にスムースに工程が進みました。このナイフを作られた山崎さんとこれを贈ってくれた方々に感謝感謝です。捻りの為の木型を作りプロペラを石油ストーブで焙りながら押し付けて一応それらしい形になりました。双発ながら一基に6枚のペラですので合計12枚となり4発のDC-6Bと同じ枚数になってしまいましたが今回は実機も塗装仕上げになっておりますのでプラ板を使った事により苦労が省けました。
脚の製作。
定年後40数年ぶりで再びソリッドを作り始めた時、先輩諸兄の作品をサイトで拝見して殆どの作品が脚が丁寧に作られて地上姿で発表されているのを見て、とても自分にはそこまで細かい事は出来ないと判断しあえて飛行姿勢が自分のモットーと勝手に決めてそうしていましたが、先回作のAn-124の場合離陸の瞬間の姿に惹かれてフラップを下げ脚を引っ込める寸前を表現する為、やむなく脚作りに挑戦したのですがその面白さに病みつきになり今回も脚を作る事にしました。
電気の屋内配線に使う2ミリのVAケーブルの銅線を使いその端をハンマーで一撃し羽子板状にしそこに2ミリの穴を開けて主軸とします。穴は車輪の軸を貫通させる為です。
こういう事が自分でも出来ると分かった時益々ソリッド作りに魅了されてしまいます。
T字形のは上記の主軸に車輪の軸を半田付けしたものです。必要な寸法よりかなり長めに作ってありますがそれは半田付けの作業のしやすさと直角を正確に出す為です。
初めから必要寸法で切り出して作業しますと半田付けの場合なかなかうまく仕上がってくれません。3ミリの真鍮パイプ、車輪、支柱、オレオ、それらしいリング等順調に出来上がっていましてこれからの工程が楽しみなところです。
間もなく胴体の組み立てと細部の整形に入るのですがそれが進んでしまうと窓のマスキングがやり憎くなりますのでそれから掛かります。今回は名古屋の三点クラブさんのサイトで拝見した「そりもがいど」の”No31マーキングの方法”を参考にさせていただきました。大薮さんによる詳しい解説でいつも重宝させていただいているガイドです。ガムテープの上で必要なマスキングを作りそれをセロハンテープで機体に転写するという素晴らしい発想で悩んでいた窓のマスキングが一挙に解決いたしました。
窓の4隅の角が実機と違ってアールがついていませんがこれは後ほど解決できる予定です。
工程が行ったり来たりしていますが脚の組み立てをしています。下にある円盤はホイールの部分です。ビール缶のアルミを皮ポンチで打ち抜きますと適当に膨らみがついてきますのでちょうど都合がよいです。この上にエクセル上で作画して作ったそれらしいパターンをデカールにして貼る予定です。大阪の彩雲会の福田和さんのサイトではドイツ機で全体もそうですが、特に脚の部分で気の遠くなるような細工を拝見出来ますがとてもあんな仕事は出来ません。
分をわきまえて趣味を楽しみます。
いよいよ塗装です。車用のプラサフを吹いて仕上がりの悪いところや不具合のところを見つけサンドペーパーをかけたりパテで修正をして再びプラサフを吹き、これを気が済むまで繰り返して、その後水研ぎのために車用のサフェッサーをこってり2〜3回筆塗りします。硬化剤を添加して塗るタイプですので乾燥のために数日待って2回目を塗るということがありませんので比較的早く下塗りが出来ますが、それでも水研ぎができるまで数日は掛かる予定です。
塗装の乾燥待ちの間にプロペラを完成させます。左は正確な組み立てを期する為に端材の板で治具を作り、その上でスピンナー、羽根を虫ピンやテープで固定して瞬着で接着します。
治具のお陰で思ったより簡単に正確に仕上がりましました。従来はこんな場合それほど重大に考えずエイヤッと手加減でやっつけておりまして、その結果旨く行かずやり直しの連続でしたが、面倒がらずに必要な事を根気よく攻めて行く事が何より一番大切なことを実感しました。
Q400の特徴あるプロペラが目出度く完成。
胴体の水研ぎが終りMr.Base White1000を吹いて、いよいよ最終工程の塗装です。基本色の白を全体に丁寧に数回塗ります。この後3日ほど乾燥を待ちます。ここで待ちきれずに次の彩色のためのマスキングテープを張るとそのテープの跡が歴然としてついてしまい悲しい眼に遭う事になります。手前にあるのはレーザー墨つぼです。
ANAの斜めに入るトリトンブルーのラインを出す為上記のレーザー墨つぼを使用。
真横から見た場合、機体前部の下側から垂直尾翼の下端まで一直線のラインですが、実際は機体が丸い為ラインが弓なりになります。特に後方上面では完成機を見下ろした場合左右が完全に対象になっていないとまずいのですが、それがなかなか実現できません。今回は何とか旨く行きそうです。
主翼を外せるようにして作ってきたのが、思いがけず製作するについて何かにつけ非常にやりやすいことが判りました。こんな作業も主翼が付いていたならこんなに簡単には出来なかったであろうと思われます。
明色のスカイブルーを先に吹いて2日置いて暗色のフタロシアニンブルーを吹く。
トリトンブルーが見事に一直線に仕上がり、真上から見た抛物線も殆ど左右が対象となり大成功。レーザー光線の墨だし器が威力を発揮してくれました。
ANAのロゴも決まってその方法を開示してくださった三点クラブの大薮さんに感謝です。
乾燥を待つ間の空き時間にデスプレイ用スタンドを作る。
色は機体と同じトリトンブルーで仕上げ、TSMCのマークや機体名などのデカールを作り貼り付け。
操縦席と客席の窓のマスキングを剥がす。かなり旅客機らしくなってきました。
窓の上にANAのロゴを書き込む。窓の角に丸みがついていませんがここはデカールで決めるつもり。窓を透明にした為に反対側の窓が透けて見えます。
先回に続きデカールはMYK DESIGN社の「クリアなデカール」を使ってALPSのプリンターで印刷します。このサイトではその作り方や使い方など親切に解説されています。
機体番号や搭乗口、日の丸、郵便マーク等のデカールを貼る。
コックピットの窓枠を銀で塗り、その上に鋲を表現する為にデカールで点線を作り貼り付ける。もう少しこまかくても良かったかと思うがそれなりの雰囲気が出たので良しとしました。

世の中甘くはありませんでした。客席窓のデカール張りは完全に失敗です。実機では角が丸い窓ですがマスキングではそうすることはかなり困難と思い角が出たままやり過ごし、その上にグレーの窓枠のデカールを張る事で旨くカモフラージュ出来ると思っていたのですが、ALPSプリンターの欠点であるグレーや薄色の表現が印字がドットである事の弱みが出て、窓枠がマダラ模様になってしまいました。仕方がないのでそのままにしようかと思っていましたがやはり気になりましてグレーに近い色としてシルバーに変更しようと考え、そのリボンを買いに行きましたら生憎シルバーだけが品切れで1週間程掛かるとの事、従って工程が1週間遅れる事になりました。
リボン到着を待つ間にフラップ、メインギアの取り付けなどをする。
メインギアの格納扉の手前側は撮影の為外してあります。
本機は離陸直後の瞬間を表現するつもりですので脚は格納されつつある状態で仕上げます。
フラップレールのフェアリングを取り付ければ主翼部分はほぼ完了ですがまだそれの塗装が終わっておりません。
予定より早くリボンが到着したので早速窓枠のデカールの印刷を済まし、貼り付けました。銀色で大成功でした。
ここでALPSプリンター君の名誉の為申上げなくてはならないのですが、グレーで仕上げようとしたのが失敗の原因と前に書きましたが確かにグレーは弱い事は確かですがそれでマダラになった事とは無関係である事に気が付きました。印刷の段階で手順を早飲み込みをして完全にマニュアル通りにしていなかったことがわかり、つまりは印刷の手順による失敗でした。正しく印刷をすればグレーでも旨くいったと思いますが怪我の功名でシルバーを使う事になりよい結果となりました。ALPSプリンター君には申し訳ないことをしました。
An-124と同じくワイパーを取り付けます。
0.5_の真鍮線をハンマーで叩き羽子板状になったのを切断しそこに0.5_の穴をピンバイスで穿ち軸を通し半田付け、同じく真鍮線をブレードとして半田付けして完成。
ブレードの部分が長くなっていますが後で取り付けのとき必要な長さで切断します。
アームの長さは8_、ブレードは5_になる予定です。
胴体の方の仕上げが終りMr.スーパークリアーを計6回ほど吹きひたすら乾燥を待っているところです。見えないところで爪を立ててみるとまだ少し跡がつく状態で、磨きが終われば完成かと思うと気がはやるのですが只今はじっと我慢の子です。主翼の方はすでに完成し胴体とドッキングするのをこちらも待っているようです。
磨き完了。
水ペーパーの800,1000,1500,2000番を力を入れないで磨き丁寧に水洗いした後、タミヤコンパウンドの細目、仕上げ目の2種類を使って仕上げました。いわゆる鏡面仕上げと言うのを試してみました。理想どおりには行きませんでしたが深みのあるテカテカしない奥ゆかしい光沢に概ね仕上がったようです。塗りわけ際の塗料の段差もデカールの段差も綺麗に無くなっています。
鏡面仕上げについてはMr.HOBBYのフィッシングクロスを使いますが、その袋の説明に詳しく記述されており今回はそれを参考
にして仕上げました。
プロペラ、アンテナ、前脚、収納扉、ワイパーなどを装備して無事完成。
大変嬉しいです。
メインギヤーは60%程引き込められて状態です。
特徴あるプロペラは艶消し黒で塗装し実感が出たようです。
怪我の功名の客席窓のフレームがシルバーで大変綺麗に出てくれました。窓については塩ビ板に一つひとつ窓の穴を開けその上にガラスに相当する透明板を重ねそしてデカールで枠を付けると言うおおいに凝ったつもりでしたが、結果的に位置が千鳥になったり、サイズが不揃いであったりして最後のデカールとの整合が取れず機体の壁の厚さを表現するつもりであったのが全く無意味に終わりました。文字通り骨折り損のくたびれ儲け、アイデア倒れでしたが良い勉強になりました。

左の写真をクリックしますと完成写真のページへ飛びます。

※ 説明の文中、色文字のところをクリックしますとそのサイトが開かれます。

製作記事につきましては、これをご覧になって自分も作ってみようかなと思われる方がひとりでも現れたら本当に嬉しい事と思いつつ記述しております。そのためにはもっと詳しく記述すべきだと思いますが、いろいろな方がご覧になっておられる事と考えますと、あまり細かい事や面白くもない事を書くのもと思いかなり省略しております。従ってご不明な点やここをもっと詳しくと思われる事がございましたらご遠慮なくメールでお問い合わせください。必ずご返事をさせていただく積りで居ります。

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