Boeing B787の製作

       ようやくボーイングの新型機 B787 が世界最初にANAから飛び立つことになりました。
       さっそく製作に掛かります。 (2011/12)

基になる図面が無くてどうしたものかと悩んでいましたが、11月にイカロス出版社から「ANA 787 ファンブック」という冊子が出まして即入手、その記事にあった図面を拡大コピーしてそれを基本として、有難い事にサイトには随分多くの資料となる写真が山ほどありましたので、細部はそれをよく読みこんで取り掛かる事にしました。
写真資料はそのごく一部です。
先ずは胴体の木取りです。
前のB777は薄板を張り合わせての工作でしたが、それぞれ一長一短が有り今回は元どおりのブロック作りとしました。
15_の板を4枚張り合わせ直径約60_の胴体を取り敢えず8角形に削ります。
上から2枚目の位置に窓が来ますのでそこはブロックの板ではなく約5_の板に窓よりやや大きめの穴を穿ち、取り外しができるように嵌めこんだ状態です。
窓の透明化には前のジャンボでは見事に失敗をしましたが今度は一層気合を入れて取り掛かるつもりです。
B787はジャンボやB777に比べ若干窓が大きいですからデカールで逃げるのは惜しい気がしての事です。
コックピットの木取りの組み合わせです。
いろいろ考えてこんな風になりました。
角を鉋で削り一応の整形です。
真円を出すのは何時もの事ながら難儀なことですが、先輩よりそのコツを教えて頂きましたのでのでそれを実行しました。
お蔭様で今までよりはより一層真円に近いのではないかと思っています。
透明の塩ビ板を熱整形するためのコックピット窓の型です。
縦に入っている色違いの薄板には意味が有るのですが、それは後々にご説明することになりそうです。
こうして見るとその昔テレビでやっていたドリフの加藤茶のおじさんの鬘みたいに見えますね。
中央翼の製作。
イラストや写真から割り出した形や寸法で整形ですが、写真を眺める限りまだまだ不明な部分が多く確かめなくてはなりません。
中央翼の整形には先ずその対象である主翼が無くては整合性も測れませんので先に主翼を作ることにしました。
飛行中は翼全体が、この新鋭機の特徴でもある上部へ緩やかなカーブを描いていて随分優美に見えますが、地上姿勢では殆どまっすぐピンと伸びているようです。
どちらにしようかと迷いましたが基本は地上姿勢ですのでその様にすることにしました。
787の最大特徴である主翼後ろへ流れるような先端部分の加工が難問ですね。一応木で作ってみましたがこれから先のいろんな作業での途中で欠けてしまう事は目に見えていますので真鍮板などに置き換えるべきと思っています。只それはなるべく後の事にしないといけないわけです。
水平尾翼も後縁の付け根が緩いカーブになっているようです。中央翼と主翼との関係も一筋縄では行かないようでこれから先かなり面倒な仕事が待っているようです。
この機体は胴体の大きさに対してコックピット窓のサイズが相対的に大きく作られていますので、内部を作らずに逃げるという訳には参りませんので作ることにしまして先ずは床面の掘り下げです。
一応前面パネル、操縦桿、機長・副機長席、コントロールスタンドそしてその後ろに2席ぶんの椅子を配置しました。後席は真ん中と右側は資料写真で設置が確認できましたが左側は確認できませんでした。もしも有るとしたら乗員の出入り口はどこに設定するかと云う疑問が沸きましたので、独断で無いものと勝手に決めました。
コックピット窓のマスキング。
加藤茶の髷みたいになった薄板の組み合わせはこの時に大いに手助けになりました。水平・垂直のラインや位置関係がズバリと判りテープが大変貼りやすく過去の苦労が嘘みたいでした。
ガラス面は従来はマスキングテープを切り抜いて貼ってましたがなかなか思うような形にならずこれも悩みの種でしたが今回はクレオスのマスキングゾルを使いました。
もし旨く行かなかったらまた従来の方法で初めからやり直せばよいだけです。
胴体と中央翼のライン。
今まで作った機体はすべて前後の曲線を除けば殆ど水平の直線でしたが、この機体は模型を作る側にとってはいやらしく二つの山の波線になっています。しかも前よりも後ろの方がやや高めでこの機体のスマートさを強調しているみたいです。
このラインは今のうちに出して置かないと後付けは出来ませんがまだまだサフェッサー、下塗り、上塗り、仕上げ塗りが控えています。
このラインを最後まで保持するために0.35_のワイヤーを仕込んでみました。
途中の適当な段階でこれを剥がせばラインだけが残るのでは・・・と考えています。
主翼先端の鎌型の成形。
木製の先端を切り落として真鍮板で作り変えです。
膨らみを出すため小型のハンマーで内側からたたき出しでそれらしくし反対側は切り落とした木の部分を更に小さくして埋め戻しパテで整形です。
最先端に後方に向けて1_の真鍮線をハンダ付けし航法灯とします。
窓型のマスキングテープ打ち抜きには例によって皮ポンチを焼きなまして刃先を整形し、以前に作った打ち抜き用の道具を使用して製作します。前のジャンボのときその貼り付けに失敗しましたので、今回は段取りを変更しました。
窓を1枚抜くたびにポンチの内側に潜っているシールを抜きとりガムテープ等に貼り付けて貯めて置いていたのですが、それを変更して切抜いたのをそのまま残すようにして、ポンチ作業が終わった後に全体を剥がす時窓型と残りのテープと一緒に剥がすことが出来るようにバラバラにならないよう色違いの細テープを張ってから剥がして、それをそのまま機体の所定の位置に貼り付け、そのあと当座不要の残りのテープを剥がすことにしました。ただそのテープは後で必要になりますので大事に保管しておきます。
上の写真の主翼の前縁フィレットに3角の穴が掘ってありますがここに着陸灯を仕込みます。
100均で若い女性が使うネールアートの材料なのかキラキラ光る直径1〜2_の色々綺麗な飾り用の素材を見つけましてこれはいけると思い購入しました。
従来の機種は殆どの場合照明具は前縁いっぱいの大きさで正面から見るとまん丸の形になっていましたが本機は三角形になっています。
そこで2_径の透明なネールアート材を仕込んでみました。
見る角度によってきらきら光りますのですごく感じが良いようです。
しかし資料写真をよく眺めて見ますと電球は1灯ではなく3灯あるようです。恐らくLEDを使っているのでしょうか。ちょっと無理かなと思いましたが1_の材料3個を3角形の塩ビ板に接着しまして埋め直しをしてみました。
この上にフィレットにフィットするように透明塩ビ板を嵌めこみました。
コックピット窓のマスキングゾルですがやはり長丁場には不向きのようです。いろいろゴチャゴチャと工作をしているうちにうっかり触ってしまうようで、淵がビロビロになってしまってこれでは駄目です。
取り掛かった時はこれは楽でいいやと思いましたが残念です。
やむなく剥がして従来通りマスキングテープのお出ましとなりました。
胴体と翼の整形は一応終わりましたので、極少傷を埋めるための意味を含めてサフェッサーを薄めないでそのまま筆でコテコテに塗りまして暫く乾燥の養生をすることにして、その間にエンジンを作ります。
素材の前後にインテークとエクゾーストの穴をあけ八角形に削ってそのあと旋盤で整形。後部に10_幅で水平の削り込みを入れます。
0.5_の真鍮板に鋸歯状の切り込みを入れたのを後部に巻きつけ接着します。
そのあと段差の部分を薄板とパテで埋めてサンドペーパーで形を整えます。
最初にこの787を作ろうと思った時、ここの処置をどうしたものかと悩みましたが、何とか解決できたようです。
ここは主翼先端の鎌型部分と併せてこの機体の最大の特徴でもありますので入念に作らなければならないと思っています。
エンジン後部のスカート部分とコーン部分。
資料図面でサイズは凡そ判りましたが全体像は写真が頼りです。印象を基にそれなりに尤もらしく脚色し整形。
エンジンの真後ろから内部を写した写真によると、バイパスする空気のポット内での出口が放射状のグリッドで囲まれていることが分かり、一考して髪を梳く櫛を利用して薄く細く削って円形に曲げてみました。
ただ完成してもここがよく見えるかどうかは甚だ疑問です。
第1段階のサフェッサーが充分乾きましたがここで考えてみました。今までは翼類は展示会などへの出品の時など輸送の都合を考えてすべて着脱できるように作ってきましたが、それにより製作中の取り回しも楽になってこれでいいやと思っていましたが、水平尾翼はそれ自身が飛行中は動く部分ですので胴体との境界線がはっきり出ても自然なことですが垂直尾翼はラダー部分を除き固定されているのではっきりしたラインが出るのは不自然だと気が付きました。
いつもその部分が気になっておりましたので今回からは垂直尾翼だけは着脱式をやめて接着固定にすることにしました。その結果なだらかなでつながる前縁の胴体への接続部分も随分スマートに決まる結果となりました。
機首のプロフィールですが今まで作った機種はすべてコックピット窓と機首の鼻先へのラインはすべてくびれていましたが、本機はその辺りが甚だ疑問でありました。雑誌の図面のイラストではくびれが無くフラットに斜めに下がっているようですが、別に入手できたイラスト的な図面では僅かにくびれが有る様になっていました。
またNetで集めたり雑誌に載っている写真でもそれが有ったり無かったりで、これは光線によるものと思われますが真実は実機を自分の目で確かめるしかないかと思いましたが、それも適わないことで、自分ではわずかに有る物として成形をしました。
(写真が拙くてよく写っていないようですね)
先日三点クラブの例会にこれを持って行ったとき、やはり先輩の皆様方からこの点についていろいろご意見を頂きましてどうしたものかと悩んでいましたところ、東京TSMCの先輩から参考までにとB787のイラスト図面を送って頂きました。
それを拝見したところ矢張りフラットに描かれていました。これで資料としたイラストの3枚のうち2枚がフラットという事になりましたのでこれが結論と考えまして急遽整形のやり直しをいたしました。
漸く塗装の第1段階に到達。
先ずは全体にサフェッサーとなりました。
昨年の秋に大阪における全国大会に参加した時、この世界の大御所中の大御所でいらっしゃる田中祥一先生にお会いすることが出来その時伺ったお話の中で「ソリッドモデラーは形を作るときは物凄い意気込みでやっているのに、最後の塗装の段階で息切れして無意識に手を抜いている方が多い。一番大切なのは仕上げの塗装工程であって、そこに今まで以上のエネルギーをつぎ込まなければ駄目ですよ」と云われてまして、成程まったくその通りだと自分の気持ちと併せてみて得心したばかりですので、そのつもりで意気込んでやってみようと思ってますが果たして結果はどんなことになるのやら・・・・。
この機体の特徴は先ずは主翼の先端、そして主翼と中央翼との境界の波型のライン、さらにエンジンの後縁のギザギザの切り込みなど独特の点が多いのですが、もう一つ悩ましいのが機首先端のレドームのラインです。どの写真を眺めても何となくわざと目立つように描かれているようにしか見えません。それも単純な輪切りにしたラインでは無く上部の一部が少し位置をずらしていることです。
恐らく設計者が機能的な単純な境界線では面白くないと考えスマートさを出すためにワザとそんなラインにしたのであろうとさえ思われます。
簡単そうに見えますがそれを表現することは容易ではないと思いまして、いっそのこと省略しようかとも思いましたが、失敗したら埋めるだけの事と考えあえて挑戦してみました。
案の定写真のとおり見事に失敗です。
ラインの太さと滑らかさが物凄く難しそうと感じました。
しかしやり直しに制限はありませんのでパテで埋めてもう一度方法を考え直してやって見ます。
サフェッサーを吹いては乾燥、吹いては乾燥を繰り返す間に小物の製作を進めてます。
必然的な小物もあり、また付けなくてもいいような物もありその判断が微妙なのもありますが、その辺りなるべく付けたことにより却って見っとも無いようなのは省略することにしています。
その典型的なのがメインとノーズの脚ですね。省略する訳にはゆかないものの凝りだせば切りの無い部分です。おおいに適当、それらしくをモットーに進めます。
ロールス・ロイスの最新鋭のトレント1000 エンジンはファンブレードがS字型になっています。大変だなと思ってましたが直径が約27_と今まで作ったなかで一番大きく、しかもブレードの枚数が20枚と逆に一番少なく1枚当たり18度で切りこめばよいと判り駄目で元々と挑戦した結果失敗もなく無事完成です。
いよいよ本塗装の開始です。
先ずはMr Hobby のスーパーホワイトを半ダース分つかい基本色の白を塗装、なぜそんなに沢山使ったかの訳は機体が大きい事もありますが、下地のパテや一部使ったサフェッサーのグレーの色がなかなか消えてくれなくてこんな事になりました。
機体後部の滑らかなラインの表現ですが先ずは細いマスキングテープをそれらしく貼れば簡単に決着がつくと思ってましたが、意外や意外どうしょうもなく難しいことが分かりました。
イラスト図面を頼りに色々な方面から撮られた写真を参考にしながら悪戦苦闘一応それらしくなったようです。決して単純な曲線では無くどの方向から眺めても綺麗な曲線が出るようにとのデザイナーの苦心がよく判りました。このラインだけで延べ3日を費やしましたがこれ以上は自分では無理と悟りまして決着です。
一番前のラインは胴体の白色との境がぼかしになっていますのでケント紙を斜めに少し浮かせて貼り付けます。
資料の写真はたくさんありますが機体の上面の様子の写真が非常に少なく、しかもANA塗装の上から撮られたのが1枚も見つからず、特に垂直尾翼とのつながりの確かなことが分かりませんがある程度推測での決着です。
ANAのシンボルカラーのフタロシアンブルーを吹きました。
この写真を見る限り一応成功のように見えますが、現実はさに非ず嫌になるほどの修正個所が表れています。うまく誤魔化せるのかなあと思うばかりです。
一番の修正必要箇所がこの窓の形です。
実機ではメイドインジャパンの炭素繊維製の胴体により強度性が増しその分窓が大きく取られ、実機の写真のように幾分上下が長くなっています。
これは最初から分かっていましたので窓型のマスキングを打ち抜くとき、そのつもりでポンチを加工したのですがなかなか旨く整形が出来ず、3本失敗して遂に諦めてこの形になってしまったのです。
ただ修正する手段は思いついていますがそれの実行は段取り上もう少し先になります。
最後部のAPUの塗り分けを先にやらないといけないのに、後方へ流れる縞のラインを描いてしまい後で気が付いて完璧なアウトです。
それにしてもこのラインのお粗末なこと、当然やり直しです。
垂直尾翼の前部頂点のホワイトとブルーの塗り分けの所がカーブでなくてはいけないのに角のままです。何を考えて仕事をやっているのか全く情けない事です。
こんな事はほんの一部で修正を施さなくてはならない処が山ほどあります。
翼の前縁などのシルバーと仕上げのクリヤーを残して一応塗装はほぼ終了しました。
この後デカール作りとその貼り付けへと進みます。
課題であった窓の形の修正ですがなかなか思うように結果が出ません。窓枠のデカールを張れば何とかなるのではと思っていましたが、
先ず第一に窓の面と外側の面との間には塗料の厚みの段差がありますのでそれをクリヤー塗料で埋める事から始めました。
その上にシルバーで印刷した窓枠を張ってみたのですが段差が完全に解決できていない為、かえってゴテゴテになってしまいむしろやらない方が良かったという結果になってしまいました。左側の6個の窓がそれです。
ここで諦める訳にはゆきませんので、すでに張った窓枠デカールを全部はがし改めてクリヤーを重ね塗りして水ペーパーで慣らしコンパウンドで磨き上げてデカールを窓枠のサイズをもう少しだけ大きめに刷り直し再貼り付けをいたしました。何とか誤魔化せたようです。
結果論ですがここまで難儀をして透かしにした窓ですが、機体を水平にして真横から眺めない限り殆どその事は判りません。初めからデカールのみで進めれば良かったかもと反省しています。
塗装の乾燥の合間を縫って小物作りです。
脚の収納カバー、ファンブレードのスピンナー、VHアンテナ類など見かけ上でも必然なものを除きなるべく省略することにいたしました。
一応作ってはみたものの一番悩ましいのがワイパーです。ボーイング社としては当初は設計に入っていなかったらしいですが、ANA側から日本の気象条件では必然としてのオーダーメイドで付けられたものだそうです。
従って模型としては付けるべきと思いますが、付けるべきかどうかいまだに迷っています。何故ならば付けたことによって少しでも格好良くなれば何ら問題はないのですが自分の場合逆に見苦しくなる可能性の方が大だからです。
その気になれば後からでも出来ますので当分保留とします。
デカールの貼り付けと仕上げのクリアー塗装が終わりコンパウンドでの艶出し作業も完了しました。
これでいよいよコックピット窓のマスキングを剥がすことが出来ます。
一番緊張をするときですね。これが思うように仕上がっていなければ今までの苦労は水泡に帰することになります。
ドキドキしながら慎重に剥がし作業終了。
まずはそこそこに仕上がったようで一安心です。
先輩方の作品を拝見する時、窓の透明感が抜けるように綺麗ですっきりとしていますが小生の場合はやはりまずいようです。木型で熱整形するときの方法がまだまだ勉強不足である事を痛感いたします。

脚とか小物を取り付けるといよいよ完成となります。
ついに出来ました。
ロールスロイスのトレント1000 エンジンも何とかそれらしくなったようです。
ここに至るまでにどれほど多くのご先輩の方々から資料のご提供やアドバイス、励ましのお言葉などを頂けたことか、心から感謝を申し上げます。自分だけの独りよがりでは絶対にここまでは来られなかったと心から思います。
本当に有り難うございました。
5月に静岡で開催されるホビーショーに旅客機のブースに展示参加させて頂けるようで、会場にお越しいただけるようでしたらどうか一目ご覧になってください。
拙い工程の記述を最後までご覧いただけましたことを嬉しく思っております。

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