ソリッドモデルの製作で老後の生きがい

Antonov An-124の製作

例によって基本的な資料はドイツRevell社から出た1/144のプラモデルです。国内ではハセガワから発売されています。
それを1/100で作りますので全長は730ミリほどになります。
胴体と主翼を整形、コックビットもOK。主翼の根本部分を仮付けします。
主翼の分割整形の理由はこの機体はウクライナで設計されたそうですが実用本位であっていい貨物機にも拘らずスラブ民族の美意識が為せるのか、コックピットの下側から主翼の上縁を通過して後ろへ流れるラインと鼻先から下縁を通るラインがとても優美に曲線を描いており、しかもそのラインを境に達磨さんのように胴体の断面が僅かにくびれているのです。しかも主翼の付け根あたりの成型が単純に突き出ているのではなくスポーツカーのフェンダーを思わせるかのように作られていて、それを再現するには主翼をつけてからではないと削りだす自信が有りませんので、と言ってフルサイズの主翼を付けての作業はとてもやり辛いと思い面倒でも分割する事にしました。

概略の胴体は簡単に出来たのですが、資料を見れば見るほど女体の曲線美を思わせるような胴体の造りに戸惑っております。なかなか思うようにラインが出ません。削っては埋め、張っては削ってとやり直しの悪戦苦闘のすえ何とかここまでたどり着けました。
フラップを整形するためその部分を主翼から切り取ります。不勉強で飛行機のフラップが基本的にどんな構造で成り立っているかということを知りませんので、さあどうすると言うとき月刊「AIRLINE」誌の昨年12月号の付録の「航空知識ミニ辞典」にそのメカニズムについて記載されておりまして、その上Netで検索しましたら図解入りの詳しい説明が見つかりまして、またもや救われました。
ただAn-124が具体的にどんなフラップ構造かは不明でしたが、Netで上田哲郎さんと言う方が運営されてる「新千歳空港写真館」に同機の写真が50枚余り掲載されており、これを参考にさせていただいて自分なりに構造を決めました。このHPは全くもって物凄いです。飛行機好きな方はゼヒご覧になってください。TSMCの会員の方に教えていただきました。
写真は主翼の裏側です。どう工作を続けるかを考えながら進めて行きます。
後縁フラップも完成。フラップの構造の資料によりますとフラップの種類は沢山あり本機がどのタイプのフラップかは図面ではわかりません。
Revell社の箱絵によりますと外側はスロッテッドタイプで内側と真ん中はダブル スロッテッドタイプのようです。そして上田哲郎さんの写真によりますと、すべてがスロッテッドタイプのように見えます。米欧の最新機種の写真を見ますと殆どが簾の様に見えますのでダブルまたはトリプルスロッテッドではないかと想像しいます。そこで本機では箱絵に従い独断と偏見で決めました。
フラップの整形に見通しが立ったので主翼を固定。尾翼の整形も済み、これでナメクジ状態から少し飛行機らしくなってきました。
エンジンパーツがほぼ完成。上から本体、後縁のナイフエッジ状の為のアルミ缶利用の筒状のリング、スカート状の排気ダクト、本体前縁のカウリング部分、最後部のコーン。排気ダクトは水道用の塩ビパイプとアルミ缶の組み合わせ。
カウリングは2ミリのアルミ板を削りだして整形後丸めて完成、塗装せず磨いてそのまま使うつもり、コーンは鉛筆を削って切断し黒鉛の芯をくりぬいて、代わりに真鍮釘の頭を切って押し込み先端はコーンの頂点とし、元の方はエンジン本体への取付け用のピンとします。丁度どちらも2_でピッタリでした。細かい部分の寸法は、プラモデルのパーツを実測し割り出していますが、実際は手近に有る材料に左右されたデッチ上げ寸法になります。
ファンブレードの切り出しとスピンナーの削り出し。以前の機体のときはブレードの角度が15°が限界と思っていましたが試しに10°で挑戦したら何とか旨く行き、その結果ブレードの枚数が36枚になりました。スピンナーはDC-6Bの時の経験が活きました。パイロンも完成しこれでエンジン周りはすべて完了です。
メインギアの製作。車輪の直径が13ミリなので約7ミリ角の朴木の角棒4本を十文字に張り合わせ、その時角材の一角に鉋を入れておきます。こうする事によって芯を確実に出す事が出来、あとの工程が大変楽になります。旋盤で丸棒に削り輪切りにした後、ドリルに咥えてサンドペーパーで擦りタイヤの丸みを出します。メインのタイヤが20個、前脚に4個あわせて24個の車輪を作ります。
見本にしているプラモデルでの主脚の引き込み装置、軸や緩衝装置の部分の組み立て。殆ど見えない部分なのに凄いこだわりで作ってあります。とてもこんな具合には作れませんので、「もっともらしくあればよい」の主義で行きます。
朴材で収容箱、缶コーヒーの空き缶でフレーム、ダンボールの留め金で軸受けと緩衝部分、銅線と真鍮パイプで脚支持具を作ります。フレームは苦肉の策の全くのでっちあげです。組み立ては半田付けで、半田鏝を使うのは何十年ぶりのことで松ヤニの焼けるにおいが凄く懐かしく感じられました。
缶コーヒーを使ったのは材料が鉄板である為で、鉄板は半田が効きますがビール缶はアルミの為半田がくっつきません。強度がある為フレームにはぴったりです。ただし細工はアルミのように楽ではありません。ダンボールの留め金は帯金として今後もおおいに利用価値がありそうです。
2週間がかりでムカデの足が漸く出来ました。車輪をつけて塗装をしてメインギアの完成です。胴体の曲線の表現とこの脚の仕事が今回の一番の苦労をしたところになるでしょうか。脚作りは初体験でしたがWebで諸先輩の技法を参考にさせていただき難関を乗り越える事が出来ました。
有り難い事です。
フラップレールとそのフェアリング。フラップレールは全くのでっち上げデザインで見る人が見たらこんな構造はありえないと言われそうですが、装着すればそれなりの格好が付くのではと思っています。
フェアリングは以前は木を削っていたのですが、今回釧路の先輩からアドバイスを頂き、アクリル板で作ってみました。これも初体験でしたが電熱コンロとの戦いで試行錯誤の結果何とか成功。
形の不揃いに悩むことなく同形の物が大量生産できました。先輩に感謝です。
仮組立て。自重2Kg超を車輪が耐えてくれるか心配でしたがさすが鉄と銅で出来ているせいか楽々支えてくれました。今回は必要な限り各セクションの部材は取り付けないで、個別に塗装作業に入り可能な限り塗装完了後に取り付け組み立てをしようと思っています。そのほうが広いところも狭くて小さいところもそれぞれに入念に仕上げる事が出来るのではないかと考えました。
色のホワイトと翼と胴体下部の明るいグレーそれに翼前縁のシルバーを塗装。明るいグレーは色々洞察した結果Mr.COLORのFS16440が最も相応しいようでしたが、この色はスプレータイプがありませんので始めてエアーブラシを使う事にしました。グンゼのプロスプレーMk-3です。理由は一番安く手に入れることが出来たからで、初体験です。缶スプレーに比べ使った後の始末が大変面倒ですが好みの色に調色できる事が今後大いに活用できそうです。
この機体はポルガ・ドニエプル航空だそうです。きれいなスカイブルーのラインがどうにか入りました。マスキングに延べ5日ぐらい費やし、塗装はシューッと数回、合計10数秒はかかっていません。まさに塗装作業と言うのはマスキング作業と言うべきかもしれませんね。
塗料が乾いてマスキングを剥がす時、鮮やかに現れる塗り際を見て作る喜びを最も感ずる時です。
デカールの原稿製作です。
DC−6Bの時、自作デカールの知識を得て用紙として「WAVE]のクリヤデカールを入手して自作し、これは凄いと思ったのですが今ひとつの難点は機体への接着が少し弱い事でした。試しにデカールの上からマスキングテープを貼りバリッとはがすと簡単にデカールがくっついてきてしまい、それなりに強く接着させる方法が有るようでしたが先回はその上に水性のトップコートを吹き抑えておりました。今回は私と相互リンクを張らせて頂いている「Kazi’s Airliner Modeling Room」を拝見していましたら、もっと良い用紙が発売されている事がわかり早速それを入手して使用致しました。MYK DESIGN DECALSと言うところから発売されている「クリアなデカール」と言う製品です。
マーキングはすべて完了で後は艶出作業とエンジン、ギヤー、フラップ等の取り付けです。
ロゴやマークについてですが初期の頃は苦肉の策としてプリントゴッコ、タットーシール、薄手のラベル用紙などを利用してこなしていましたが、プリントゴッコは繊細さに欠けること、タットーシールは透明部分が経年と共に黄ばみが出てくること、ラベル用紙はプリンターインクの関係で脱色が見られること等がわかりました。やはり永い目で見ると使えないことがわかりこれも貴重な経験です。
デカールの性能を確認する為、スタンドベースを試験台としてデカールを貼った上にMr.COLORのスーパ−クリアを盛大に吹いてみました。全く異常無しで差えなく、艶出しと押さえのために存分にクリヤーが吹けそうです。WAVEを使った場合かなり神経質に吹かないとデカールが解けてしまうと言われていましたからこれは有り難いです。フィルムも薄い上に腰が強いので張りやすく仕上がりも大変良いようです。
前述の「Kazi’s Airliner Modeling Room」を拝見していましたら、1/200のモデルでちゃんと操縦席の窓にワイパーが付いているのを発見、驚きです。そこまでこだわるつもりは無かったのですが、1/100で出来ないとは云えなくなりそうでここで発奮挑戦してみました。作った時はそこそこ上出来のつもりでしたが写真に撮って見るとかなりごっついですね。オール金属で半田仕上げ、根本からブレードの先まで約10ミリです。
艶出し完成。クリヤーを一日2回、5日かけて10回くらい吹き、2日程置いて800,1500,2000番の水ペーパーをかけその後コンパウンドで磨き上げました。大変質感の高い底光りするような艶が出てきまして大成功です。
何をやっても必ずついて回るのが失敗で、今度は磨きすぎてデカールがかすれてしまいました。アッと気がついた時は既に遅し、クリヤーの塗り厚にむらがあったようです。しかし心配ご無用、デカールを再印刷してその上から貼ってクリヤーをかければよいのです。デカールを手作りする事はこんな時にも便利です。
一杯に拡げられたフラップの取り付けが超難儀です。柄にも無く離陸時の迫力を再現すると豪語したのが運のつき、裏に嵌まってしまいました。難しい事難しい事、やっつけ仕事で適当に整形したフラップが全く思うように納まってくれません。艱難辛苦の末なんとか一応取り付け出来ました。飛行機がそう簡単に飛ぶ訳がありませんですよね。
もう一つフェアリングの取り付けが待っていますが考えただけでゾッとします。
フェアリング、メインギヤー、ノーズギヤーが無事取り付け完了。完成です。
3月から取掛かって丁度7ヶ月の行程でした。随分永い間気長にご覧くださいまして、多くの皆様からお励ましや、アドバイスを頂きました事を心から嬉しく思っています。本当に有難うございました。
資料として利用した独Revell社のプラモの箱絵と同じ角度で撮って見ました。バッチリ同じです。

左の写真をクリックしますと完成写真のページへ飛びます。

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