6時頃になるといくらか明るくなってきた。まずは駐車場から出て左(西)の万沢林道へつづく細い車道に進む。民家の住宅地を抜けて左側を見ながらノロノロ走る。横田氏の記録では途中に高野山への遊歩道の入口があるそうだ。しかし、遊歩道の入口を示す標識はない。代わりに林道の入口が見えた。地図には出ていない道なので、最近開削されたものらしい。
登り口がわからないので再び車に乗り込み、西側にある四万野外スポーツ林広場へ進む。平日の早朝ということで、大きな水溜りがあるスポーツ林広場の駐車場には先客の車は1台もなかった。すぐに出発の準備をして再度GPSを見る。
右手にグランドを見ながら雑木林の緩斜面を南へ進む。草ヤブの斜面には獣道のような微かな踏み跡が通っていた。しかし、それも小さな流れを渡って右岸を登って行くと、たちまちヤブの中に消えてしまった。今さら戻ってもしょうがないので、そのまま南へ進む。
そこで、盛土の斜面を直登して林道に上がる。林道はさらに南方向へ延びていた。ということは、この林道は「栃寺沢治山資材運搬路」ということなので、先ほど渡った小さな流れが「栃寺沢」らしい。
しかし5、6分トボトボ行くと、涸沢に突き当り、林道はそこで終点となってしまった。さて、これからどうするか考える。GPSを眺めると、ここから涸沢を南へ直登すれば高野山の西側にある1129m峰あたりに上がれるようだ。しかし、沢筋を観察するとかなり急峻で、相当な体力が必要な感じに見える。ねくらハイカーは体力に自信がない。
林道を北へ下って行くと、前方に朝日の当たる山尾根が見えてきた。新湯川北岸に聳える新行山(しんぎょうさん)*らしい。新行山は地形図では尾根上の一起伏のような感じだが、このあたりから眺めるとひとつのまとまった山体として認識できる。
林道の出口から車道を東へ進む。民家の作業小屋が見えるところまで来ると、右に車道をショートカットする脇道があった。そこでその道に入って行くと、右手(南)に森林管理署が設置した保安林の黄色看板が見えた。そして、その看板地点から刈り払いされたような道跡が南へ通っていた。他に標識類はないが、これが横田氏のいう遊歩道かもしれない…。そう考えて、ねくらハイカーは雑草が茂るその道跡を進んでみる。
そこから道なりに南東方向へ進んで行くと、明け方車を停めた無料駐車場近くまで来てしまった。これは高野山の登り口はないようだ…。ここからまた車道を西へ戻ってもしょうがないので、今日は腹を括ってこの国道沿いの駐車場付近からスギの植林地を登ることにする。
地形図やGPSの画面を参照すると、このまま登れば高野山の北側にある等高線で1080m圏のピークから北へ延びる尾根*に乗れそうだ。この尾根を南へ辿れば高野山に行けるかもしれない…。そのように考えて下草のヤブを掻き分けたり間伐木を乗り越えたりしながら杉林を登って行くと、ほどなく雑木類の灌木が茂る尾根地点に出る。
まずは、この登りついた地点で一息入れる。気温は4℃。ヤブの斜面を直登して火照った体にはちょうどいい。この地点からは北西に新行山から西へつづく山尾根が樹林越しに見えた。小倉沢川の源頭部にあるなだらかな山稜が木戸山らしい。
そこからは少しヤブめいた尾根ルートを南へ辿る。残念ながら横田氏のルートではないが、雑木類の灌木はそれほど密生していないので歩きやすい。尾根沿いには微かな踏み跡も付いている。それから古い切り株などもある。林業関係者が歩いているようだ。
自分のペースでトロトロ登って行くと、そのうちに傾斜が少し急になってきた。それから、樹木はスギに混じって広葉樹の雑木類が多くなる。雑木類のヤブは疎らなので比較的歩きやすい。しかし、見通しはよくない。広葉樹の森は落葉がチラホラ始まったばかり。
さらに高度を稼いで行くと、左(東)から朝日が差してきて明るい樹林帯を登るようになった。それから、周囲の樹木も落葉しているものが多くなり、いくらか見通せるようになる。
そのうちに傾斜が緩くなってきた。さらに落ち葉を踏みしめて一歩一歩ゆっくり登って行くと、ほどなくコブ状のピーク地点に着く。1080m峰の山頂らしい。
小休後、尾根筋を南へ進む。落ち葉が少し厚めに積もった緩斜面を下って行くと、間もなく雑木類が薄っすら紅葉した鞍部付近に降りる。
そこからは、横田氏が辿った尾根筋をいくらか南西寄りに進む。樹木には何やら丸形のペンキマークが見えるようになる。林業関係者の目印だろうか?ちょっとわからない。もしかすると遊歩道のルートを示すものかもしれない。
そこから緩やかな落ち葉の尾根ルートをカサコソ踏みしめながら登って行くと、やがて平坦なピーク地点に着く。そこには枯木に灰色のブリキ板の標識が付けられ、落ち葉が敷かれた地面には三等三角点の標石が埋設されていた。高野山*の山頂(1112m)だ。
山頂部は樹木に覆われているので展望はそれほどない。北側の樹間にコシキの頭から栂の頭あたりにかけての山尾根が見えた。北の方は雲がかかっているので、イマイチすっきりとは見えない。どうも、今日は天気がよくない感じだ。
高野山からは本日の目的地・大戸谷山へ向かう。山頂部からは明瞭な尾根が南へつづいているが、ここはいくらかフラットな感じの斜面を西へ下って落ち葉の積もった尾根筋に進む。尾根沿いの立木には赤テープの目印も付いている。それから、樹木の幹には古いペンキマークなども見えた。これは林業関係者の目印らしい。
なだらかな尾根筋を少し上り下りしながら進む。1129m峰の登りにかかると、尾根沿いに笹が見え出した。笹は小笹なので歩くのに別段問題はない。
笹尾根を下って行くと、右前方の樹間にちょっと目立った感じの山影が見えた。方向からすると、目的地の大戸谷山らしい。このあたりはまだ樹木の葉が茂っていて、ねくらハイカー御用達の安物カメラでは葉陰越しに山影を上手く撮ることができない。
笹尾根をトボトボ行くと右前方(南西)の樹間に再び大戸谷山が見えてきた。しかしながら上空には雲が出てきたので、遠くをハッキリ見通すことはできない。
そのうちに笹が疎らになり落ち葉が敷かれた尾根筋を進むようになる。尾根沿いの樹木は葉が茂っているので、日陰になっている部分が多い。展望もほとんどない。左の樹間にわずかに高田山の山影が確認できる程度。
幾分小ぢんまりとした1120m峰*の山頂に出ると、そこには御影石の標石が打たれていた。何の標石かと側面に顔を近づけてジロジロ眺めると、「図」の字が辛うじて読み取れた。図根点の標石だ。地元の旧営林署または森林管理署が設置したものらしい。

少し行くと、岩稜っぽい岩尾根の登りになる。横田氏の記録と若干違う*が、これが「馬の背状の短い岩稜」らしい。尾根の両側は切れ落ちているので巻き道はなさそうだ。ここも滑らないように慎重に登る。
そろそろ1133mの標高点だろうと思いながら雑木類が茂った尾根筋を進んで行くと、前方にゴツゴツした感じの岩尾根が見えてきた。そこは左(南)側に巻いて通過する。そしてその先で再び尾根に上がり位置を確認する。
仕方がないので、いくらかトラバース気味に1133m峰南面の山腹まで戻り、そこからフラットな笹地の斜面を南西寄りの方向に下る。少し下ると傍らの立木に黄色いビニール紐の目印が付いていた。やはり、ルートはこちらのようだ…。
軟弱ハイカーは自分のペースでゆっくり登る。笹は膝丈から腰丈くらい。周囲の雑木類は紅葉しているものが多い。紅葉狩り気分でダラダラ行く。尾根沿いの立木には古い感じの赤布やビニール紐等の目印が各種表示されていた。やはり、この尾根ルートは相当以前から登られていたようだ。
雑木林の尾根沿いからは時折前方の樹林越しに大戸谷山の山頂部が見える。残念ながらこの時期はまだ葉が茂っているので、山体を見通すことはできない。今回はちょっと早すぎた。落葉の頃や残雪期、または新芽の頃なら見通しが利くようだ。
そのうちに大戸谷山の山頂部から北東側にある等高線で1290m圏のピークへの登りにかかる。この登りは傾斜がちょっときつい。ねくらハイカーは休みながらダラダラ登るしかない。
そこからさらに多少フラットな感じの急斜面を登る。ねくらハイカーは普段の運動不足が災いしているようで、長つづきしない。少し登ってまた休憩となる。
このあたりの広葉樹の雑木類や針葉樹のカラマツには落葉しているものが多い。樹林の枝越しに多少見通しがあるが、北側は依然として雲の影に入った山の稜線が見える程度。

そこを登り切ると再び緩斜面になった。山頂部らしい。さらにそこから膝丈ほどの笹地を西へ進むと、間もなく木製の山名板が表示された地点に着く。山頂らしい。
この山頂付近も周囲に樹木が茂っているので展望はそれほどない。北側は樹林枝越しに遠方の山尾根が見える程度。北の木戸山からコシキの頭あたりが確認できる。北西の相ノ倉山も樹林越しに何とか見ることができた。南側は部分的にヒノキ林になっているのでほとんど展望はない。
この山は展望を楽しむ山ではないようだ。休憩しながら山名板などの標識を見物する。三角点近くに付けられた木製標識をよく見ると、大戸谷山の「谷山」の部分がマジックのようなもので薄く消され、その上部に「矢」という文字が書き足されていた。これは多分、望月・岡田氏の著書を参考にして登られた方が修正したのだろう*。やはり、望月・岡田氏の記録を頼りにこの山に登っておられる方がいるようだ…。
さらに山頂部を北西側に15mほど進んで行くと、立木にまた別の山名板が付いていた。最近山でよく見かける小さなプレート型の標識だ。こちらは「大戸谷山」となっている。これは、おそらく尾根沿いに青いビニール紐の目印を付けてきた方の標識らしい。
さて、これからどうするか考える。当初の計画はここから北西方向に下って1258m標高点付近まで進み、そこから四万自然歩道のルートを辿って駐車地点に戻ろうと考えていた。しかして、今日は天気が一向に回復せず、北の空はどんよりとした鉛色の雲に覆われている。見通しが悪いので、ヤブ尾根歩きを延長しても展望は得られない感じだ。これは何とも面白味がない。往路を戻った方がよさそうだ…。

1133m峰南側の鞍部まで快調に下る。そこからは1133m峰山頂部の南面を東へトラバース気味に進む。
そこで、左上の尾根に上がってヤセた尾根筋を東へ辿る。斜面を巻くより尾根を歩いた方が楽だ。
1120m峰からはわらび峠に行くルートを外れ、急斜面を北東へ下る。そこからまた笹尾根をダラダラ進む。往路を戻るだけなので何の問題もない。
高野山の山頂からはなだらかな落ち葉の尾根ルートを北東へ進んで1080m峰手前の鞍部付近に降りる。往路と同じルートを下っても面白くないので、今日はここから横田氏のルートを下ってみる。
笹の斜面には薄っすら踏み跡らしきものが付いてた。横田氏がいう遊歩道の道跡らしい。
途中の立木に古いビニール紐の目印が1本付いていた。しかし他の目印は一切ない。やはり、現在ここを歩いている人は少ないのかもしれない。
そこで近寄ってよく見ると、崖の下に小僧のような顔立ちの座像が安置されていた。耳たぶがやけに大きいこの大師様は、右手に金剛杵、左手に数珠を持ち、眠るような薄目で正面を見据えている。
大師像の傍らには鉄製の柱が1本立っていた。これは以前あった道標の支柱らしい。それから、大師像の下あたりには何か廃材のような木製の板が落ちていた。板には矢印が彫られ黄色のペンキ書きで文字が見える。
大師像の地点からさらに細い踏み跡のような道筋を北へ辿る。そのままこの踏み跡を辿ることができれば、横田氏が歩いた遊歩道のルートが明らかになる。
さらに進むと、踏み跡は完全に消えてしまった*。もしかすると、ルートはこの付近で右下(東)へ折り返しているのかもしれない。そこで、とりあえず下側の斜面を偵察したが、岩や倒木が転がった斜面には枯葉が積もっていて、道跡を見つけ出すのは不可能にみえた。これはダメだ。
倒木や枯れ枝などが散乱して荒れた斜面を適当に北西方向へトラバースして行くと、すぐに尾根状の地点に着く。朝登った尾根だ。
そこから少し下ると、朝方東側から登りついた地点を過ぎる。そのあたりから北の方を眺めると、雲が取れて晴れ上がっていた。これは、ねくらハイカーの下山とともに天気が回復したらしい。どうも、ねくらハイカーは普段の心掛けが悪いので天気に恵まれない感じだ。まぁ、これも仕方がない。
そこからさらに2分ほど下ると、尾根筋に境界標の標石が打たれていた。それから、尾根沿いには古い前橋営林局の境界見出標の赤プレートや赤ペンキが塗られた木の枝が見えるようになった。やはり、この尾根が林班の境界になっていたようだ。
車道に出て位置を確認すると、保安林の看板があった脇道入口の東側付近だった。ということは、やはり保安林の看板から南へつづいていた道跡が昔の遊歩道のルートだったのかもしれない…。| 日程 | 2010年11月5 (金) |
| 天候 | 晴れのち曇り 稜線上、北または北西の微風 |
| 行程時刻 | 四万野外スポーツ林広場駐車場6:15→(南へ ※ルートミス)→林道中途合流地点6:25→(林道を南へ)→林道終点6:32〜6:34→(林道を北へ戻り)→(途中のカーブ付近から東側の窪地へ)→(踏み跡を北へ)→(踏み跡消失)→(林道へ戻り)→林道出入口付近6:52→(車道を東へ)→(途中、右の脇道へ)→保安林看板地点6:53〜6:55→(道跡を南へ)→(先ほどの窪地の踏み跡に合流)→(北へ戻り)→脇道東側出入口付近6:58→(車道を東へ)→無料駐車場西側付近(斜面取り付き地点)7:07→(スギの植林地を西へ直登)→(作業道を南へ)→(植林地を西へ直登)→(作業道を南へ)→(西へ直登)→1080P北尾根地点(780m付近)7:24〜7:35→(南へ)→(途中2回休み、計8分)→1080P 8:18〜8:23→1080P南側鞍部8:25〜8:27→(南西へ)→高野山8:35〜8:48→(西へ)→1129P 9:00〜9:03→(南西へ)→(途中2、3分休み)→1120P(図根点P)9:33〜9:42→(西へ)→1133P付近9:50〜9:53→(尾根沿いを北へ下ってルートミス)→(南へ戻り)→(途中の地点から西へ下ってルートミス)→(南東へ戻り)→(1133P南面付近から南西へ)→1133P南側鞍部付近10:02→(西へ)→(北西へ)→(途中、休み5分)→(西へ)→(途中、休み5分)→1290P付近10:54〜10:54→(南西へ)→(途中、2分休み)→(山頂部を西へ)→大戸谷山[大戸矢山]11:10〜11:33→(東へ戻り)→(北東へ)→1290P付近11:45〜11:46→(東へ)→(南東へ)→(東へ)→(北東へ)→1133P南側鞍部付近12:17→(1133P南面を東へ)→(途中から尾根に上がって、小休)→(東へ)→1120P(図根点ピーク)12:25〜12:40→(北東へ)→1129P 13:02〜13:04→(東へ)→高野山13:15〜13:20→(北東へ)→1080P南側鞍部13:22〜13:25→(道跡を東へ)→(山腹を北へ)→弘法大師像地点(旧分岐地点)13:40〜13:45→(途中、道跡消失)→(山腹を北東へ)→1080P北尾根地点(950m付近)13:55→(北へ)→朝方登りついた地点(780m付近)14:10→(植林地下の窪地を横断し北へ)→車道合流地点(脇道東側出入口付近)14:25→(車道を西へ)→林道出入口付近14:30→スポーツ林広場駐車場14:35 |
| 備考 | ♦この記録は横田氏や望月・岡田氏の著書以外にネットに上がってる個人のHPやブログの記録等を拝見し参考にさせていただきました。 |
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