そこで途中から引き返し、新田沢に架かる橋を渡って左の川古温泉方面への分岐道に入る。そして赤谷川沿いの旧道へ進み、小出俣沢に架かる小橋を渡って行くと、左側の路肩に駐車スペースがある地点に着く。
天気は曇り。気温は6℃。ちょっと肌寒い。遮断機のゲートが林道の道幅いっぱいに設置されているので、まずはゲートを乗り越えて林道に入る。路面はいくらか湿っぽい。前夜に通り雨があったのかもしれない…。
そこから小出俣沢右岸を北方向へ進む。林道はかなりの高巻き道となっていて、3、40mほど崖下に沢筋が見える。
現在工事中ということで、林道沿いの樹木には蛍光ピンクテープの目印が付いている。それから草刈りされた路肩部分には、新しい樹脂杭や木杭が多数打たれていた。
そこからさらに落ち葉が積もった道を西寄りに進んで行くと、フェンスで囲われたところに着く。看板を見ると、「東京発電株式会社*赤谷川第二発電所調整池」とある。
右下に調整池の青い水面を眺めながら雑草が生えた道を進むと、傍らの樹木が茂って少々ヤブめいてくる。
調整池から2、3分ほど行くと、左側が開けた伐採地となり、斜面上部に尾根の稜線が見えた。十二社(じゅうにしゃ)ノ峰から南へ延びる尾根のようだ。
そこから暫くはスギ林の中にカラマツや雑木類が茂っている樹林帯を進む。右側の樹間には少しガスがかかった山尾根が見える。阿能川岳へ通じる南側ルートの尾根らしい。晴れていれば、真っ赤に色付いた山尾根を眺めることができるのだが、今日は生憎の曇り空。天気予報では午後から晴れると出ていた。しかし、どうなるかわからない。
落ち葉が積もった林道を上り気味に進み、左に作業道のような小道が分岐する峠状の地点を過ぎる。
そのうちに周りがいくらか開けたような平坦地となり、右下に涸れ沢状の河原が見えてきた。どうも、このあたりが小出俣沢二俣近くの「千曲平(せんげんだいら)」というところらしい。林道の左側には先人のネットの記録に出ていたカツラの大木もある。
橋の上で立ち止まって左俣の上流方向を眺めてみる。ネットの記録によると、このあたりから小出俣山の西尾根が見えるということだが、遠方はガスっていて何も見えない。
そこからさらに右カーブを進み、落ち葉が厚めに積もった坂道を辿る。このあたりから左の斜面に取り付いてもいいのだが、人為的に開削された法面が急傾斜となっているので登れない。
そこで傍らの樹木を見ると、テープの目印が付いてた。やはり、ここが小出俣山南尾根*への取り付き地点らしい…。
ひとまず林道で一息つく。気温は9℃くらい。日が昇って気温が少し上がってきた。
まずは雑木類が茂る斜面を北西寄りに登り、左からくる尾根っぽい斜面と合流する。そこからは急斜面を北へ登る。尾根沿いは笹が茂っているが、疎らなので登るのに何の支障もない。
尾根沿いの斜面にはブナやミズナラなどの大木もいくらか生えている。ここは伐採が入っていると思われるので、伐り残されたものらしい。暫くは腰丈から胸丈ほどの笹が疎らに生えた急斜面を登る。一時的にシャクナゲが生えたところもあるが、すぐに広葉樹の雑木類と笹が茂る穏やかな植生の斜面になる。笹地には微かな踏み跡のようなものも確認できる。やはり、ここを登る人が多いようだ。
途中で何度も立ち止まりながら登る。傾斜が緩くなると一時的に笹が背丈以上になるが、それほど密生していないので、別段登りの邪魔にならない。標高はそろそろ1000mを越えてきたようだ。
古い倒木などを乗り越えて登って行くと、右方向に小出俣沢右俣(大穴沢・大木穴沢)の対岸にある山の稜線がぼんやり見えてくる。少しガスが取れたので、遠方の見通しがよくなってきた。このまま晴れ上がればいいのだが、まだどうなるかわからない。今日は風がほとんどなく、先ほどから日差しが出てきた。気温は18℃に上がっている。関東地方は10月下旬になっても暖かい日がつづく。
そうこうするうちにまた傾斜が急になってくる。足腰が衰えたねくらハイカーは笹や樹木の枝を掴みながら登る。途中、クロベ(ネズコ)が2本生えたところを過ぎる。それから少し尖った岩のあるところを通る。
暫し自分のノロノロペースで登って行くと、左前方(北西)の樹間に小出俣山から南西へ延びる山尾根も見えてきた。
やがてネマガリダケと雑木のヤブを掻き分けながら登るようになる。すでにバテ気味のヘタレハイカーは、途中、長めの休憩をとる。
さらに登りつづけると、前方が岩稜となった。ここではクロベが巨大な盆栽のように根や幹を岩の上へ乗り上げて生えている。クロベが岩の上へ伸びようとする生命力は何とも力強く頼もしい。
笹や灌木の枝を掴みながらヤブの斜面をトラバース気味に登る。それから、適当なところで上に向かって樹木を掴んで登ってみる。
そこからは雑木類の灌木とネマガリダケの密ヤブ帯となる。傾斜もかなりきついのでペースがガクンと落ちる。
上空を見ると、また雲がかかってきた。笹と灌木のヤブの中ではほとんど見通しが利かない。
密ヤブ帯を我慢して北へ登って行くと、やがて展望のある小ピーク地点*に出る。そこからようやく前方(北西)に小出俣山の山頂部が見えた。ちょっとガスっているがいい姿をしている。
それから、北東方向にはガスがかかった川棚ノ頭や俎ー(まないたぐら)あたりが望める。谷川岳は完全に雲に隠れていた。
南方には赤谷川の谷の先に赤谷湖が微かに見えた。
小休後、北側へ少し下って笹と雑木類の密ヤブ帯を登る。笹や灌木を掻き分けたり笹を掴んだりしながら登るのだが、これが中々上へ登れない。ペースが極端に落ちる。残雪期なら一歩一歩着実に雪面を捉えて行くのだろうが、無雪期はそうは行かない。
そこからまたヤブを漕ぎながら登る。フラットな斜面を北西から西へ方向を変えて登って行くと、そのうちに尾根状の地点に出る。最初は山頂かと思ったが、まだ山頂ではなかった。南側からくる小さな枝尾根の上らしい。
灌木の枝や笹を掻き分けながらゆっくり進む。尾根沿いを時間をかけて登って行くと、やがて東西に延びる山稜*に出る。そこからは好展望が広がっていた。東の谷川岳から西の平標山へ連なる上越国境尾根が一望の下に見渡せる。新潟側は雲が取れて晴れ渡った秋空になっていた。
山稜のさらに西側に最高地点があるようなので、膝丈ほどの笹地を10mほど進んで小ぢんまりとしたピーク地点に立つ。
小出俣山は三角点ピークなので、是非とも標石を見物したい。周囲は笹が茂っているので、石柱の頭は出ていない。そこでいつものように標石を探そうとリボンテープ付近をちょっと歩いたら、左足の踵にコツンと岩の感触があった。そこで笹を脚で払うと、足元に三等三角点の標石が現れた。
山頂地点からは、先ほどと同じく北側の上越国境の山々や小出俣山から西へつづく山稜がよく見える。東側の阿能川岳はちょうど山頂部のヤブ尾根に隠れて見えない。それから、南東方向には吾妻耶山の特徴的な山影が確認できる。群馬側はまだどんよりとした雲がかかっている。ここからの展望は上越国境の山々を眺めるだけで十分だ。雪を頂いた上越の山も美しいが、この時季の上越国境尾根の山肌も渋い感じでいい味を出している。
さて、帰りは往路を戻ってもいいのだが、ちょっと面白味がない。ここから山稜を西へ辿り、十二社ノ峰の方へ下れば変化のある山歩きができそうだ。長丁場になりそうだが、時刻はまだ正午前。何とかなるだろう…。そのように気安く考え、山頂から西へ辿る。
膝丈から腰丈ほどの笹と雑木類の灌木が生えたヤブ尾根を下り、いくらか登り返すと、肩状の小ピーク地点に着く。
一息ついて西へ下る。尾根沿いは笹地に灌木が密生している。なるべく灌木の枝を避けながら進む。
このあたりの尾根沿いは、左(南)側がガレていて急傾斜で小出俣沢左俣の谷へ切れ落ちてる。右(北)側はなだらかな傾斜地だが、笹と灌木の密ヤブ帯になっている。できるだけヤブの少ない尾根の境界に沿って進む。
眺めはいいのだが、次の1720m峰への登りがちときつい。笹の中には矮小化したシャクナゲが混生していて、かなりの密ヤブになっている。笹を掴んで登っても、シャクナゲの枝に体が引っ掛かって登れない。分速2mほどの超スローペースで進む。
途中の笹ヤブで一息つき、東方向をふり返ると、幾分尖った感じの小出俣山を見ることができた。小出俣山は西側から見ても結構いい姿をしている。
そこから胸丈ほどの笹を掴みながら密ヤブ帯を何とか登り、1720m峰の山頂部に出る。
それから北の万太郎・東俣ノ頭から大障子ノ頭あたりの稜線も秋の日差しに映えている。
ところで、小出俣山からこの1720m峰まで30分くらいで来られると想定していたのだが、実際は1時間以上かかってしまった。この調子で行くと、このあとの行程がちょっと厳しいかもしれない…。
急斜面の尾根筋を下る。左側が崖状になっているところは灌木が茂る右斜面をトラバース気味に進む。このあたりは岩稜っぽいヤセ尾根となっていた。しかし、笹やシャクナゲ、雑木類の灌木が密生しているので歩くことはできる。
途中、何回もシャクナゲのヤブに嵌まり込み中々ペースが上がらない。
そのうちに前方に小さな岩峰*が見えてきた。暫しその岩峰に向かって密ヤブになっているヤセ尾根を笹や灌木の枝を掴みながら進む。
そこで笹や枝を掴みながら直登してみる。えっちらおっちら時間をかけて登り、何とかヤブが茂ったピーク地点に出る。そこで一息つき、すぐに南側へ下る。
次の1621m峰を眺めながら鞍部に下る。鞍部からまた超スローペースで登る。笹とシャクナゲの密ヤブ帯には蔓が混じっているので、進むのに時間がかかる。
そこからまたヤブ尾根を登りつづけると、1621m峰北側のピークに辿り着く。1621m峰の山頂は、ネットに記録通り南北二つのコブに分かれていた。地形図をよく見ると、南側のピークに標高点があるようだが、バテバテのヘタレハイカーはこの北側で一息つき、遠方の山並みに目をやる。
また、北の万太郎山もまだ見えている。こちらは東俣ノ頭などの支稜のピークを従えて依然として威厳を保っている。それから、北西方向には毛渡乗越からエビス大黒や仙ノ倉にかけての荒々しい痩せた山肌が際立っていた。こちらは重厚鉄壁な風貌を見せ付けている。谷川連峰の山々は何度見ても飽きさせない。
そこから山頂部を南へ辿る。ネットの記録によると、残雪期にこのあたりで大キジの残留物を見たそうだ。無雪期は尖った枝ヤブが茂っているので、とても用が足せるような場所にはみえない。
このあたりも歩きづらいシャクナゲの密ヤブがつづく。
そのうちに前方にちょっと目立つ岩峰が見えてきた。昭文社の地図では、「赤ー」という名前が付いた岩稜付近にあるピークだ*。何か西上州の天丸山を超ミニサイズにしたような感じに見える。
ヤブ尾根を進み岩場を下って手前の鞍部から岩峰を眺めると、尖ったリッジ状の岩壁がそそり立っていた。
すると、途中に何やら上へ延びる踏み跡があった。ねくらハイカーは岩峰のトラバースルートかもしれないと考え、その細い踏み跡を辿ってシャクナゲや灌木の枝を潜りながらほぼ垂直に近い斜面を5mほど登ってみる。
そこから慎重に岩峰西側を巻き、南側の尾根沿いに下る。
さらに岩稜や岩峰のような小さな岩場を巻いたり直登したりしながら進み、次の「松ホド山」と呼ばれる1481m峰の山頂部北側に登りつく。山名は南東側の沢の名前から来ているらしい。
1481m峰の最高地点を過ぎて左側の樹間が少し開けたところから北東方向をふり返ると、小出俣山から1720m峰あたりの稜線がくっきり見えた。1720m峰は結構尖っている。よそ者の凡人ハイカーとしては、このピークを「三尾根岳」とか「オゼノ田」と呼ぶよりも「小出俣山西岳」とか、単純に「西岳」と呼んだ方がいいように思う。
1481m峰の山頂部を下り、ヤブを掻き分けながら尾根筋を進んで南側の小ピークを越えると、前方になだらかな山尾根が見えてくる。十二社ノ峰*だ。
尾根沿いはそのうちに傾斜がなくなり、膝丈から腰丈ほどのクマザサが茂る広尾根になってきた。先ほどまで十二社方面の尾根筋が見えていたのだが、このあたりから落葉していない雑木類が多くなってきて見通しが利かなくなる。
途中、クロベが生えたなだらかなピーク地点を越えヤブ尾根を南へ進んで行くと、いつの間にか尾根から外れてしまった。そこから再び尾根に沿って左(南東)方向に下り、笹ヤブの斜面をいくらか登り返して行く。すると、途中の尾根沿いに古い立ち枯れのクロベが見えた。何か曰く有りげな感じがする。
この山は三角点ピークということで、標石があるはずだ。しかして、標識が付いた枯木の周りにそれらしきものはない。今日はもう標石探しのための時間はない。
地形図では十二社ノ峰から南方向へ主尾根がつづいているように描かれているが、三角点から南側はフラットなヤブの斜面となっていた。周囲を見回したが先人の目印などは確認できない。さて、どの方向へ下ればいいにのかわからない。
時間切れということで、意を決して、そこからは南東側の小出俣林道へ下ることにする。ルートミスの地点からそのまま雑木林の急斜面を南東または南方向へ下る。
それから15分くらい南寄りに下ると、下の方から沢音が聞こえてきた。多分、小出俣沢だろう。ということは、下に林道が通っているはずだ。
そこからヘッドランプの灯りで足元を照らして慎重に崩落地を通過し、ノロノロ南西方向へ進み、林道入口のゲート地点に辿り着く。| 日程 | 2009年10月23日 (金) |
| 天候 | 曇りのち晴れ 無風 |
| 行程時刻 | 駐車地点(赤谷川左岸の駐車スペース)5:58→小出俣林道入口遮断機ゲート5:58→(林道を北東または北へ)→林道の崩落現場[2009年10月現在]6:17〜6:19→(西へ)→赤谷第二発電所調整池6:22〜6:24→(北へ)→自然林復元試験地付近6:27〜6:32→千曲平橋6:53〜6:57→(南東へ)→824m地点付近6:58〜7:08→(スギ林に入り北へ)→(尾根筋を北または北西へ)→(途中、休憩7回ほど計30分弱)→1410m付近の岩場9:10→(巻き足らずタイムロス2分)→(途中、休憩10分弱)→展望地(1600m?付近のコブ)10:12〜10:18→(途中、休憩3回計15分強+ヤブでタイムロス)→(途中から西へ)→山頂部南側枝尾根地点11:22〜11:23→(北西へ)→山頂部尾根地点(北西稜分岐地点)11:28〜11:30→(西へ)→小出俣山山頂(三角点)11:30〜11:55→(西へ)→(途中、休憩2、3回計10分強+ヤブに嵌まり込みタイムロス)→1720P(三尾根岳・オゼノ田)13:03〜13:10→(南西へ)→(途中、休憩5分以上+ヤブでタイムロス)→1621P北峰13:55〜14:02→1621P南峰14:04〜14:05(南または南東へ)→(途中、赤ー?付近でタイムロス5分弱)→(途中、休憩5分+ヤブでタイムロス)→1481P(松ホド山)北側付近15:20〜15:25→(途中、小休+ヤブでタイムロス)→十二社ノ峰16:28〜16:31→(南東または南へ)→(途中から尾根筋を外れ南東の斜面に下りルートミス)→(そのまま南東または南へ)→(途中からスギ林に下り東または南東へ)→(途中、休憩5分以上)→小出俣林道(調整池西側林道崩落現場付近)17:47〜17:50→(林道を西または南西へ)→林道入口遮断機ゲート18:13→駐車地点18:13 |
| 備考 | ♦この記録はHP「等高線の狭間から」・「山の写真集『あの山この沢』」・「Tomoの奥利根山歩き」・「あおちゅうと山歩き」・「気ままな男の山歩き」やその他のHP・ブログ等の記録を拝見し参考にさせていただきました。 ♦記録中の途中の標高や位置は山行後の大体の推測によるもので、正確なものではありません。 |
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