山吹沢の橋手前右の旧道のスペースに駐車して、歩き出したのが午前6時半すぎだった。山吹沢の橋を渡ると、都合よく左に沢へ下りる道がある。多分、治山工事か河川工事用の道だと思う。すぐに沢を渡り尾根の突き当り部分に取り付くと、よく歩かれた踏跡が見つかった。やはり地図に紹介されているので、結構歩かれているようだ。
やがて北西には、上武県境の山並も見えてくる。広河原沢沿いの山腹に上野大滝線の林道が貫いているのも見える。側壁のコンクリートが新しく、県境の山肌を縫うように走っている。朝日で上武国境の山々は輝いて見える。その中で見覚えのある山は、やはり帳付山だ。中腹から上が濃緑色の針葉樹で覆われていて特徴的だ。
急な尾根道をようやく登りきったところが南天山から西に位置する肩のピークだ。何の表示もないが、山用の石柱が設置されている。そこから南側に下りると南天山からの登山道がついていた。南天山は一般には南の鎌倉沢口から登られているので、林業作業用の道がこのような遊歩道に整備されているようだ。さて、そこからは東に南天山の鋭鋒が朝日をバックにして聳えている。西には帳付から連なる稜線が見える。
その肩のピークの分岐点にデポして、南天山に向かう。5分も歩かないうちに鎌倉沢からの分岐点についた。あたりには黒く焦げた木株があり、以前に起こったという山火事の痕跡をとどめている。そこから岩尾根を少し登れば南天山(1483m)頂上だ。
今日は北西の風が強いので少し寒い。休憩もそこそこに西の肩のピークに戻る事にした。西のピークの分岐点からは尾根の南側につけられた歩道を西に進む。道は地図上の1374m地点は通らずに南の枝尾根の方に巻いていく。枝尾根の地点でまたその尾根を北の稜線上に登り返していく。歩道はやはり林業用の作業道らしい。尾根道は少しヤブめいてくるが、まだ比較的歩きやすい。
針葉樹がまばらに生えた稜線からは、広河原沢の上を走る林道と県境の山並みがよく見える。このあたりから笹がやや多くなり、踏跡もまばらになる。方向はこのまま西の方へ尾根を進んで行けばいい訳だし、時間も充分あるので少しピッチを上げて県境をめざすことにする。
今日は北西の風が強く、稜線上に出ると寒風に吹かれて寒い。朝方は雲も少なかったが、午前10時をまわるころには灰色の雲が広がってきて、より冷たくなってきた。県境が通る滝谷山へはまだいくつもの黒々としたピークを越えて行くしかないようだ。北の県境尾根には稜線上に天丸らしきピークが頭を出しているが、よく確認できない。これから天気が悪くなりそうなので先が思いやられる。
肩のピークから1時間半以上西へ歩いてきたが、そこら辺りの稜線上にも山火事で黒く焦げた木株が目立つ。かつて南天山北面であった山火事の爪痕なのだろうか。そうなら、南天山北面の火災は相当広範囲にわたるものだったのだろう。幸いにも、黒く焦げた木の根元から新しい木が芽吹いて育っているのが見られた。自然の偉大さには敬服するばかりだ。
そうこうする間にヤブめいた稜線を進んで行くと、白く岩肌が崩れたピークにやってきた。地図を見たがどのピークなのか確認できない。1538mのピークかもしれない。標高点などは確認できないので何ともいえない。そのピークの基底部には白い石灰岩のかけらが散乱している。木があまり生えていないので、火災で岩肌が崩れたのかもしれない。東からは崩れたところが白く見えたのだろう。側面は草地になっていて、シカの糞がやたら多く見られた。どこの山へ行っても、シカは大繁殖しているらしい。木肌が食べられて枯木になっているのも結構見られた。
なおも背丈ほどもある笹を掻き分け稜線を進む。倒木もあって踏跡をたどることが出来ないが尾根筋を何とか苦労して行くと、ひょっこりヤブの中のピークについた。山名板がつけられ、苔むして古そうな標石が設置されていたのでここが滝谷山(1659m)頂上だとわかった。頂上の周りはヤブで展望がきかないが、落葉した木々の間から北へ続く県境尾根のピークが見える。少し休んで北へ県境を進むことにする。
空模様は先ほどより雲が多くなり日差しが少なくなって、本当に寂しい稜線歩きになってしまったようだ。尾根道は針葉樹と広葉樹が混生していて、周りは深い笹で覆われている。進むには笹を掻き分け行くしかない。展望は樹間から何とか見えるくらいで、先ほどの滝谷山から西へ三国山にのびる県境尾根は確認できない。まぁ、地図を見ると角度から無理なのかもしれない。
木々がまばらになったところで北の稜線を見ると、稜線のヤブのピークのわきに見覚えのある針葉樹に覆われた帳付山の一部が見えた。そこから少し進んで行くと、打田著エアリアマップに載っている乙父沢西沢からの取り付き点らしき地点についた。ピンクのリボンが付けられているのでどうもその分岐点らしい。地図で見ると、ブドー沢の頭と次の1609m峰の間のコルあたりなので、多分ここだろう。
そこから、再び笹ヤブを漕ぎ倒木を越えて行くと、帳付が見える少し見晴らしのきく針葉樹のピークについた。ここが地図の1609m峰のようだ。そこから北西方向に諏訪山が見える。諏訪のとなりには下ヤツウチグラのトンガリが見える。また、諏訪山からブドー沢の頭へ続く稜線もきれいに見える。ここからは帳付も間近に見えるようになったので、今日の周遊コースも中間点に来たようだ。
1609m峰の尾根を少し西方向に下り、再び県境尾根を北上するようになると歩きづらい岩稜の道になる。岩場を巻けるところは巻き、直登できるところは直登して行くと、ようやく帳付の針葉樹林が近づいてきた。右を見れば、遥かかなたに両神山から赤岩岳や大ナゲシが霞んで見える。少し時間をロスしたが、何とか岩場を通過すると、今度は帳付の広い山腹歩きになった。
帳付の東にあるピークからは、P3・天丸山・大山・倉門山がきれいに並んで見える。天気は午後になって風が止み、暖かい日差しが戻ったのでハイキング気分で歩くことができた。
そうこうするうちに天丸の岩峰がぐっと近づいてきた。天丸も以前山火事にあって、岩がむき出して本当に岩山っぽくなってしまった。少しずつ緑が回復して、昔の黒々とした峰になってほしいものだ。
馬道のコルから県境の稜線をたどると、すぐに北からの天丸山直登コースの分岐点につく。天丸はまたの機会ということにして、県境を東へ進む。木々の間に大山の岩峰も見えてくる。西をふり返れば、相変わらず天丸が剛毅な姿で聳えている。
倉門山を下ると、登山道はたちまちヤブ道になってしまった。刈り払いがやられていないようだ。そこから次のピークを少し左ぎみに行くと、再び岩場の道になってしまった。まぁ、ここまで来れば今日のコースの9割くらいは達成できたということで景色のよい岩場で休憩した。
さて、ここら辺の岩場に焼岩(1496m)へ行く秘められたルートの分岐があるはずだが、どうも確認できない。仕方ないのでそのまま厳しい岩場を直登して進む。すぐに道は急な下り坂となった。坂の途中で北側を見ると、木々の間から焼岩らしき岩肌が見えた。しかし、ハッキリとは確認できなかった。
坂を下りきったところが「六助」で、ここも昔の峠だと思われる。以前ここから群馬側に下ったとき、林道工事中で通過できずに林道下のヤブを巻いて通ったことがある。今では立派な舗装道路が通っているようだ。
林道とトンネルは新しく、やはり一般車は通行していないようだ。ここから群馬県に行くには、道路を少し東に行って次のトンネルで群馬県側に抜けるらしい。それにしても道幅の広い林道だ。将来、県道にでも昇格するのだろうか。
山吹トンネルを抜けると、これまた立派な山吹橋を渡る。それにしても道幅が広い。大型車が余裕を持って対面通行できる幅だ。途中、西日に映える秀麗な1510m峰のピラミダルな姿が見えた。山吹沢とその対岸に聳える南天山も見事だ。また、林道から西方向に帳付山も確認できた。
そうこうするうちに林道は未舗装になり、夕日は西に傾きだしたので、思わず足を速める。途中、広河原沢の河川工事現場を通った。ここではさまざまなところで伐採作業や工事が行われているようだ。この林道に一般車が走るようになれば、この山域の山はお手軽なハイキングコースになってしまうのかもしれない。そんな事を考えながら林道を下り、ようやく薄暗くなる午後5時前に山吹沢わきの駐車地点についた。
| 日程 | 2004年11月25日(木) |
| 天候 | 午前…晴れ時々曇り 北西の風強し・午後…晴れ 無風 |
| 行程時刻 | 山吹沢わき駐車地点6:30→南天山西の肩のピーク7:55→鎌倉沢口分岐8:00→南天山頂上8:05→肩のピーク8:25→石灰岩の崩れたピーク付近10:30→滝谷山11:00→ブドー沢の頭11:50→乙父沢分岐点12:10→1609m峰12:20→帳付山頂上13:20→馬道のコル14:25→天丸尾根分岐14:35→倉門山頂上14:40→県境尾根岩場のピーク15:05→六助15:40→山吹トンネルわき林道出合(六助登り口)15:55→(林道 上野大滝線)→山吹沢わき駐車地点16:45 |
| 備考 | ※この行程時刻には休憩時間も含まれるので、正確な行程時間ではありません。あくまでも参考の時間です。 |
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