さて、駐車場のわきには箱があり、案内板と同じ内容のパンフレットが用意されていたので1枚拝借する。佐久町の観光係と観光協会の制作したものらしく、表は案内板と同じ茂来山ガイド、裏は茂来山についての情報や近辺の観光情報が載っていて、この山域に知識のない自分には面白かった。茂来山の名前については、もとは「貰井山」と書いたそうだ。しかし、八ヶ岳の名前をつけるのに峰の名が七つしかなかったので、東方に聳える貰井山の名をもらって八つにして「八ヶ岳」にしたそうだ。それで貰井山は同音で「茂来山」と表記されるようになったそうだ。真偽はどうであれ面白い話だ。
午前8時すぎに駐車場を後にする。林道の遮断機を抜けて少し歩いて露久保沢を右に橋で渡り、四方原林道を進む。明るい林道を15分ほど歩くと、右に登山道の入口に着く。登山道を少し進むと、人の気配に驚いたシカの親子が横から跳びだし逃げて行った。まぁ、足尾ほどではないと思うけど、この山域にはシカが多いのかもしれない。さらに少し行って、右に沢を渡って進む。しばらく右斜面が黄葉したカラマツ林の沢沿いの道を行く。沢が小さな流れになったあたりで沢を左へ渡り、日陰になったダケカンバやミズナラなどの広葉樹の道を進む。
登山道入口から30分すこしで「トチノキ・コブ太郎」の分岐点に着く。コブ太郎は右下の沢の方に見える。立派なトチの大木なので一見の価値がある。周囲に見物用の台や案内板も整備されているので、一休みして見物するとよい。パンフレットにも写真つきで載っているので、このコースの目玉のひとつなのだろう。
さらに登ると、ダケカンバなどの広葉樹と羊歯の生える原生林になり、登山道は苔むした岩で歩きづらい。ようやく急登の九十九折りの道を登りきったところが槙沢コースからの分岐点だ。雑木であまり展望がないが、南西からの明るい日差しの中でホッと一息できる場所だ。そこから尾根道を数分で茂来山(1718m)頂上に着く。
細かい事を考えるのはそれくらいにして、さっそく茂来山からの展望を楽しんだ。西に蓼科山から八ヶ岳の雄大な連嶺、北西になだらかにひらけた佐久平、北に紅葉の佐久の山々を越えて遥かかなたに微かな噴煙を上げる浅間山、北東から東にかけて重層に連なる西上州の山々の中に独特な航空母艦の山体をした荒船山も見える。これから行こうとする四方原山はどれなのか確認できない。わずかに南東の雑木の間に、西上州の盟主・御座山が見える。
後で確認した事だが、茂来山からは標高の関係で四方原山は良く見えない。茂来から見て四方原の方向に見えるのは、四方原から県境の栂峠へつづく郡境尾根の稜線にある1685mのピークだ。四方原はその1685m峰の手前の低い稜線上にあるのだ。それで茂来山からは確認しにくい。
しばらくヤブ気味の岩尾根を登り下りして、ようやく南側が伐採されて見晴らしが良くなった所に着く。ここがいわゆる地図上での1662mのピークなのかもしれない。南西に八ヶ岳、南東に御座山がみえる。南方の野辺山方面のかなたに南アルプスらしき山影が見えるはずだが、霞んでいてよく見えない。少し休憩することにする。
そこから、やや東寄りに少し笹の生えた雑木の尾根道を登り下りしていく。目標にするものがないので、しばらくダラダラ歩いて行くと三方向の枝尾根をもつピークに着いた。三角点があり、立木に山名板が付いていたので、ここが「赤羽の頭」だとわかった。でも地図上で三角点のあるピークは、二方向の尾根のピークにあるはずだ。自分としてはここが「赤羽の頭」ではないと思うが、実際に三角点が設置されているのでここなのだろう。まぁ、一介のねくらハイカーが地図の記載に文句をつけても致し方ないのでやめておく。
赤羽の頭から南に下ったり登ったりしていくと、南東方向のカラマツ林の間に少し標高の高そうなピークが見えるが、それは後でわかったことだが、この登山道が通る笹ヤブの多いピークから南方にのびる枝尾根にある1715m峰だった。
さて、そこから落葉した雑木の尾根道を進んでいく。途中で迷いやすいピークの尾根道があるので、赤テープやリボンなどで確認しながら行く。やや笹が深くなったピーク(ここが南方に見える1715m峰のある枝尾根の分岐らしい)を東方向に行くと、「東山線」の看板のある分岐点に着く。ここから南に下れば白岩からの林道東山線に出るらしい。白岩からの沢沿いのコースを四方原山に登って、帰りはここを下れば周遊コースになるのだろう。
そこから東へ少し行くと、針葉樹の間にひっそりと地蔵の石像が立っていた。ここが「地蔵の頭」というところだろう。いわゆる昔の道の峠だったところだと思う。
そろそろ四方原の山頂が見えるだろうと期待しながら緩やかな尾根を東に歩いていくと、美しく黄葉したカラマツの木立が見えたので思わず写真を撮った。そして登山道を歩いていくと、あに図らんやその木立の前が四方原山(1632m)の頂上だった。
頂上は登山道の北側のヤブの中にあって、夏場にヤブが繁茂しているとうっかり通り過ぎてしまうかもしれない。
帰りの行程は見覚えがあるので、少し早めに歩いた。やはり途中に尾根道をまっすぐ北に行ってしまいそうな、迷いやすい地点がある。テープやリボンを確認して行けば難なく西へカーブしていくところだ。急いでいたりすると迷ってしまうかもしれない。再び茂来山が見られる小岩のピークに着いて小休止。相変わらず、赤羽の頭から北東にのびる枝尾根に位置する1663m峰はカラマツの黄金色に染まって美しい。
秋の日の午後はあっという間に過ぎてしまうので、思わず歩みも速くなる。わずかに茂来の頭を樹間に見ながら、右へ左へ分岐しながら尾根道をたどり、茂来山山頂に戻ったのが午後3時半すぎだった。山頂からは午前中と同じで景色がよく、佐久平が午後の西日でまぶしく見えた。今歩いてきた南東方向の山並みもよく見えるのだが、やはりどれが四方原山なのか確認できない。一休みしてすぐに霧久保沢への道を下る。| 日程 | 2004年11月5日(金) |
| 天候 | 晴れ |
| 行程時刻(往路) | 霧久保沢口駐車場8:10→林道わき登山道入口8:25→コブ太郎分岐9:00→槙沢口分岐10:10→茂来山頂上10:15〜10:35→三角点1662mのピーク11:20→赤羽の頭11:50→小岩のピーク12:05→東山線分岐12:40→地蔵の頭12:45→四方原山頂上13:05 |
| 行程時刻(復路) | 四方原山頂上13:15→地蔵の頭13:30→東山線分岐13:35→小岩のピーク14:05→赤羽の頭14:35→三角点1662mのピーク15:00→茂来山頂上15:40→槙沢口分岐15:45→林道わき登山道入口16:30→駐車場16:45 |
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