早朝の閑散とした国道122号を通り、田元の信号で北上し赤倉を抜け三川合流の砂防ダムまでやって来たが、その先に工事車両以外通行止めの遮断機が設置されていて松木沢への林道に進入できない。以前、ここに遮断機はなく林道に入れたのだが…、どうも最近設置されたらしい。仕方ないのでワキの銅(あかがね)親水公園の駐車場に車を置き、ここから林道歩きになる。
遮断機のワキをぬけて、すぐに左折して久蔵沢の橋を渡る。道を少し西に進み、先のヘアピンカーブを右折して松木沢に沿った道に入る。風も少し吹いているが歩きやすい。
そこから、さらに松木沢左岸の林道を北西に行く。銅精錬の煙害で木々が枯れ、岩山が赤茶けてむき出しになったところを眺めながら進む。この景観は「松木キャニオン」とでも呼ぶにふさわしい。
松木沢右岸の荒々しい岩山を眺めながらしばらく行くと、林道奥の2つ目の遮断機の地点につく。以前は確実にここまで車で入れたのだが、近くで植林や治山の工事をやっているらしい。工事の邪魔になるので一般車通行禁止になってしまったのかもしれない。松木沢を歩く者には残念なことだ。
遮断機のゲートを抜け、右から大ナギ沢の小さな流れを横切ると、松木沢右岸に特徴的な岩峰群が見える。「ジャンダルム」と呼ばれる岩峰群だ。いかにも崩れそうな岩峰だが、ロッククライミングをやる人には有名らしい。平日早朝なので誰もいないが、休日になれば訪れる人がいるようだ。
そこから、松木沢につくられた砂防堰をいくつも左に見て進むと、やがて広い河原の地点につく。以前ここを歩いたとき、この辺を大型ダンプが走っていたのを思い出した。でも、今では広い河原の左岸についていた林道も流水で削られたのか途中で消えてしまっていた。
この辺からは北西の山肌に新雪が薄く積もっているのが確認できる。多く積もっていないことを祈り、岩石の多い河原の道を先に進む。途中、重機が土砂に埋まって放置されているところもあった。やがて松木沢最奥の砂防堰についた。
そこで、意を決して一段目の堰堤に上がりコンクリート部分を歩いて右岸から左岸に渡った。たちまち靴の中とズボンの裾がびしょ濡れになった。以前はここで濡らすことはなかったので、松木沢の水量が増えたのかもしれないと思う。
すぐに右から流れてくる三沢を渡り、小足沢のV字渓谷を眺め、沢の徒渉を続けていくと、ようやく正面に皇海山が見えてくる。ガレている部分が白くタテ縞に見えるので、雪が多いのかもしれない。ニゴリ沢取り付き点からモミジ尾根への急登は無理かもしれない。
左岸がザレ地になってゆるくカーブしていくあたりの先に、人為的に石垣状になった部分が見える。以前何か建物でも建っていた跡だろうか。それとも護岸工事の石垣だろうか。そこのワキから左岸の台地に上がる。このまま直進して小沢を渡って行けば松木沢の巻き道で、再び沢の方へ戻る。尾根に出るには、小沢を渡らずに斜面をトラバース気味に登って行く。
雪が融けてぬかるみ、歩きづらい。以前ここを歩いたときは地面が乾いていたので楽に歩けたが、今回はちょっと歩きづらかった。斜面の樹木はすっかり落葉していて、見通しがきく。
尾根が少し緩斜面になってくるあたりから展望がよくなる。西に皇海山や鋸山、南にオロ山から庚申山も見えてくる。北に三俣山からシゲト山に至る稜線上に聳える無名峰の山々も見える。
再び雪の融けた急斜面の登りにかかる。このあたりは笹が少なく、地肌の土が雪融けの水分で湿って、非常に滑りやすいぬかるみをつくっていた。ホールドできるヤブや立木も少なく、急な斜面を登るのにテコずった。
針葉樹の生えた枝尾根の上部をつめて、ようやく岩峰の主尾根にたどりついた。しかし今度は、深い笹と予想以上の積雪で岩峰北側を巻いて行くのに、またひと苦労する。笹ヤブの中を腰まで雪をかぶりながら進み、ついに県境尾根の登山道に出た。
1828m峰からカモシカ平へは釜ノ沢上部のガレた尾根の淵に沿って行く。展望は申し分なく素晴らしい。西は利根郡の山々の向こうに上州武尊の山も見える。正面に聳える皇海山も雪を被って荒々しい姿で控えている。天気は雲ひとつなく快晴だ。時間があれば皇海にも足をのばしたいのだが、今日はやはり無理だ。
東側がガレた稜線歩きが終わり、広い笹原の尾根歩きになる。白砂のサラ地を下りた笹原のあたりが「カモシカ平」と呼ばれるところだ。カモシカが生息しているのかもしれないが、このあたりでカモシカは見たことがない。ここから南方には皇海の手前に日向山の小ピークが見える。
日向山の登りにかかる途中で北をふり返ると、遠く県境の山並みのかなたに、三ヶ峰から笠ヶ岳そして錫ヶ岳へつづく稜線が見える。またその右に、白い雪を頂いた日光白根も見える。
日向山からまた笹原を下って行くと、すぐに草木の生えていないサラ地になる。この辺からが「国境平」と呼ばれているところだが、正式な道標が設置されていない。多分、このサラ地から皇海への登りにかかる笹原あたりまでをいうらしい。
国境平の最低鞍部からニゴリ沢の下降地点に行くには、少し登り気味に左のモミジ尾根へトラバースして行く。今回はロープが張られているので、迷う心配がない。このコースも今では日光山域独特の赤と黄の四角プレートが木に打ち付けられ、整備されているようだ。
さて、上手く下れるだろうかと考えながらニゴリ沢下降地点まで来てみたが、ここは皇海山の日陰になっているところなので積雪が多く、このまま下るには長いザイルかロープで補助しないと無理だとわかった。
岩で歩きづらいニゴリ沢左岸を15分ほど下ると、松木沢本谷の分岐点に至る。そこからは松木沢左岸を巻いて下るのだが、地図やガイドブックに紹介されているニゴリ小屋跡へは松木沢右岸を巻いて行くようだ。自分はいつも帰り際にここを通過するので、右岸を巻いたことはない。宿泊するのに適地なのだろう。
時刻は午後4時をまわり、日もすっかり沈んでしまうと、渓谷はすぐに薄暗くなる。ずぶ濡れの靴の中も気にせずに沢の徒渉をつづけて、ようやく暗くなる前に6号堰までたどりついた。ステップ代わりに使った丸太もそのままだったので、簡単に堰の下流の河原に降りることができた。
再び崩壊した林道を歩き、大ナギ沢先の遮断機のゲートを抜け、広い河原の林道を快調に飛ばし、ようやく午後6時前に最初の工事車両用遮断機のゲートにたどりついた。| 日程 | 2004年12月17日(金) |
| 天候 | 晴れ 微風 |
| 行程時刻 | 銅親水公園駐車場7:05→工事車両用遮断機ゲート7:10→松木沢への林道分岐7:15→松木集落跡地7:30→奥の遮断機ゲート7:45→大ナギ沢出合7:50→ウメコバ沢出合8:35→松木沢最奥6号堰9:00→堰手前右岸のカラ沢歩き(登行不可)→6号堰9:50→三沢出合9:55→小足沢出合9:58→左岸が石垣の地点(尾根取り付き点)10:40→平地のピーク11:35→1828m峰へ連なる岩峰の主尾根12:55→1828m峰県境登山道出合13:10→1736m峰13:50→白砂のサラ地13:55→カモシカ平14:00→日向山14:15→サラ地の鞍部14:25→(国境平)→モミジ尾根分岐14:35→モミジ尾根最南端部15:00→ニゴリ沢取り付き点手前左岸の河原15:15→ニゴリ沢分岐点(松木沢出合)15:30→左岸石垣の地点16:05→6号堰16:30→ウメコバ沢出合16:45→奥の遮断機のゲート17:35→工事車両用遮断機ゲート17:58→銅親水公園駐車場18:00 |
| 備考 | ※この行程時刻は正確な行程時間ではありません。あくまでも参考時間です。 |
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