上州武尊山(武尊高原キャンプ場口)



キャンプ場入口  2004年の秋は天候が不順で、晴れた日が少なかった。10月18日(月)台風22号が去り、のちに西日本に大きな被害をもたらした台風23号が本州にやってくる前のこの日、久しぶりに秋の山を歩いてみようと出かけてみた。コースは自分の体力が落ちていたので、初心者向きの上州武尊山(2158m)武尊高原キャンプ場口(川場スキー場口)にした。このコースは沼田のアルピニスト、故山田昇氏を記念して毎年高速耐久ハイク競争が行われるところだが、秋の平日なので静かな山歩きが楽しめるだろうと考えて決めた。
 当日は風もなく良く晴れて山歩きには絶好の日になった。登山口のある武尊高原キャンプ場入口の前にあるスキー場の駐車場に車を置き、キャンプ場へコンクリートの道を歩き出す。

案内板  キャンプ場奥の管理棟前の広場のわきには、登山道案内板と入山カード用ボックスが設置されている。そこから、1983年の赤城国体につくられたという登山道に入る。キャンプサイトから尾根道を少し登ると、三角点があるがヤブでまったく見晴らしのない高手山(1374m)につく。

遠くに前武尊・剣ヶ峰  高手山から下ってダラダラ見晴らしのない樹林帯を歩く。落葉松はまだ黄葉していないがダケカンバなどはきれいに色づいていて、秋の山をゆっくり楽しめた。しばらく尾根道を登っていくと、遠く北東方向に旭小屋口・川場キャンプ場口・花咲口からの登山道が通る前武尊と剣ヶ峰のピークが見えてくる。いかにも神々しく聳えているようだ。
 しばらく東側にスキーリフトの鉄塔などを見ながら登って行くと、西の方にゴツゴツした鬼岩も見えてくる。ますます高度をかせいでいくと、東には紅葉の川場谷を隔てて川場尾根の不動岩〜前武尊〜剣ヶ峰の稜線が荒々しい姿を現してくる。そしてその向こうには日光白根〜錫ヶ岳〜皇海〜袈裟丸の県境尾根の山々が霞んで見える。

樹間より西武尊  シラビソの生える樹林帯を登り下りしながら進んでいくと、樹間から西武尊(剣ヶ峰山2020m)のピークが見えてくる。樹林帯をぬけ、展望のきく尾根道に出ると、西に玉原湖や谷川連峰の山並みが青く霞んで美しい。景色に見とれてダラダラ休みながら登っていく。

鬼岩  登山道の右下にスキー場のゲレンデを見ながら登って行くと、展望はますます開けてくる。先ほど樹木の間に見えた鬼岩も谷川連峰をバックに無骨な姿を現した。今日は平日で登山者も少ないので、登山道を自分のペースでゆっくり歩いて行けるのが何とも心地よい。ねくらハイカーにはピッタリのコースだと実感する。

西武尊(剣ヶ峰山)  さらにシラビソの樹林を越えて行くと、西峰辺りの展望の良いところにつく。休憩台に座って休んでいると、右下にスキーリフト最終点が見えて、前方に巨大な断崖のドーム状台地の上に西武尊(剣ヶ峰山)のピークが見える。空は青く澄んで秋のなだらかな雲が流れている。ワクワクする登行気分に満ちて西武尊へと向かう。近づいていくと、ドーム状に見える岸壁は草紅葉を添えて荒々しく聳えているのがわかる。途中、再び展望のきく笹道のわきで休憩して素晴らしい眺望を楽しんだ。北西には獅子ヶ鼻の岩峰、その遥か遠方には朝日〜柄沢〜巻機〜小沢〜下津川〜本谷〜越後沢〜丹後へと連なる上越国境の山々が見える。

中ノ岳〜家ノ串〜剣ヶ峰〜前武尊  再び笹の生えた登山道を歩き出すと、西武尊のピークの右に沖武尊(武尊本峰)から東に伸びる稜線上に剣ヶ峰の岩峰が突兀として聳えているのが見える。


** 剣ヶ峰の岩峰については、以前はクサリとはしごを使って通行できたのだが、のちに剣ヶ峰南壁が崩落して通行止めになり、尾根道は廃道になってしまった。今では岩峰東側にエスケープルートが出来ている。剣ヶ峰からの展望も素晴らしいので、家ノ串側からクサリ・はしごを使って登り返してみるのも面白い。**

西武尊(剣ヶ峰山)山頂より谷川方面  さて、こちらのコースの剣ヶ峰山(2020m)いわゆる西武尊に登りついたのは午前11時半を過ぎてしまった。途中で休憩をとり過ぎたためなので仕方なかった。そしてここでも眺望が素晴らしいので、多めに休憩をとってしまった。遠く南に赤城、南西に浅間、西に四阿そして草津白根か横手の北信の山々も霞んで見える。北方に目をやれば、上越の山々の連なりの向こうに越後駒の中ノ岳が見える。残念ながら荒沢岳は見えないようだ。丹後から北へ越後駒中ノ岳の連なりに聳える大水上と兎岳はどうも確認できない。大水上から東へ県境稜線上にある平ヶ岳は確認できる。そして平ヶ岳から南にのびる稜線上に至仏・笠ヶ岳が見え、その右に武尊本峰(沖武尊)がどっしりと聳えている。

宝台樹キャンプ場への分岐点  西武尊北側を下りてすぐに、北西に武尊沢に沿って武尊神社・宝台樹キャンプ場へ下りる分岐点がある。あたりはピーク北側で陰になっているので、最近降った初雪らしきものが融けずに残っていた。冬の訪れはすぐそこに来ているのだ。しかし、武尊沢から宝台樹尾根にかけての山腹はまだ秋本番で、きれいに色づいて鮮やかだった。

武尊本峰(沖武尊)  分岐点を北に越えて稜線に出ると、大きな山体を持つ沖武尊のピークがせまってきた。しばらくは右に中ノ岳〜家ノ串〜剣ヶ峰の稜線を見ながら進む。南を振り返ると、今下りてきた西武尊が天に向かって鋭い剣を突き出している。やはり、西武尊は北から眺めると「剣ヶ峰山」という命名がピッタリだなと感心した。ようやく頂上直下の急登が始まる地点に来た。今まで休み休み来たので、また時間をロスしてしまったようだ。トシには勝てないなぁ、とため息をつく。

沖武尊山頂  山頂直下の急登の道には板状の岩のザレ場があり、一歩一歩休みながら登った。やがて頂上肩の中ノ岳方面への分岐点を西にたどって頂上(2158m)に着く。もうとうに午後1時を過ぎ、先ほどからうす雲も出てきたので展望は午前中ほどない。でも沖武尊に来てやっと、北側に燧ヶ岳が見えた。そこでまた一息入れる。

笠ヶ岳〜至仏〜燧ヶ岳  沖武尊頂上には方位盤が設置されているが、上越方面の山や燧ヶ岳から日光白根にかけての山はあまり詳しく書かれていない。もう少し詳しい山座同定方位盤を設置して欲しいと思う。また頂上から北西に奈良俣湖も見える。午前中にここに立てたら素晴らしい絶景が眺められただろうと、悔やんだ。
 ともあれ、「秋の日はつるべ落とし」ということなので、一休みした後同じ道を下山することにした。分岐点から中ノ岳へ少し下ったところに、数年前新しくなった日本武尊(ヤマトタケル)像があるのだが、今日は拝見は遠慮して西武尊への道を下った。

川場谷方面  帰り際に少し西日で暗くなった川場谷を眺めたが、まだ紅葉盛りの谷は錦の絨緞を敷き詰めたかのように美しかった。帰りはバテバテで、途中で何度も休み、キャンプ場をぬけてようやく登山口の駐車場にたどり着いたのが午後5時過ぎになってしまった。


日程2004年10月18日(月)
天候晴れ
行程時刻駐車場7:30→西武尊11:30→沖武尊13:10→駐車場17:10

◇ T N H C ◇

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