尾瀬岩鞍スキー場から西山



 今年(2006年)は夏場に片品村にある山を少し歩いた。その際、沼上山のスキー場ゲレンデや尾瀬の富士見峠南東側の山尾根から上州武尊山の北東にある西山が見えた。西山は地味な藪山なので、ネットの記録を見ると冬場の山スキーのツアーや春の残雪期に歩かれたものがほとんどだ。

 横田昭二 著『私が登った群馬300山』にも春の残雪期に岩鞍スキー場からの記録が載っている。スキー場の上部ゲレンデから西山山頂まで距離が短いので、無積雪期でもそれほど苦労せずに登れるのではないかと10月上旬の連休のころ出かけてみた。
 国道401号から岩鞍スキー場への坂道を車で上がって行くと、剣道着を着た総勢40人くらいの集団が道路をぞろぞろ歩いていた。どこかの学校のクラブの合宿だろうか。訝しく思いながら集団を追い越して行くと、先頭の方では背の高い外国人のグループがお揃いの剣道着を着て悠然と歩いている。剣道の国際大会でもあるのだろうか…。片品村の民宿や旅館は体育系のクラブの合宿地として売り出しているので、多分連休を利用しての合宿だろう。

 スキー場へ上がる道沿いにはシーズン中に使われる広い駐車場があるのだが、今はチェーンやロープで閉鎖されていて駐車できない。仕方ないのでそのまま道路を上がって行く。スキー場近くの道路沿いは売店やロッジの建物になっていて路上駐車するにはちょっと気が引ける。

 そこで道路終点の左側にある岩鞍リゾートホテルの駐車場に車を入れてみる。連休ということで、駐車車両も多く宿泊客も多い感じだ。しかし宿泊客でない者がホテルの駐車場に無断で車を置いてもかまわないのだろうか…。

 小心者ゆえ駐車の許可を得ようかと少し迷っていると、下から走って来た軽トラがスキー場内の細い道に入って行くのが見えた。地元の人が山へ入るのだろう。そこで、ねくらハイカーも車をホテルの駐車場からスキー場入口の細い道に進入させる。

 先ほどの軽トラはゴンドラリフト乗り場の建物前の広場あたりに停まっていた。ねくらハイカーも近くに車を停め、地元の人らしい軽トラのドライバーにここに駐車できるか訊いてみた。すると、今日はスキー場の従業員は休みなので邪魔にならないように奥に駐車すればかまわないということなので、ゴンドラリフトの建物付近に寄せて駐車させてもらうことにする。

 それから2、3分後、他の軽トラが3台ほど広場に集まってきた。そこで今日は何をやるのかと訊いてみた。すると、集まってきた5、6人の地元の人たちはスキー場に雇われていて、この時期にゲレンデ内の草刈作業をしているとのことだった。建物の壁際に設置された出勤カードのホルダーに各自カードを入れてから、それぞれ今日の作業場へ向かうようだ。つまり、ねくらハイカーはスキー場の草刈作業者の朝の出勤現場に遭遇したわけだ。
北西方向へのびるゲレンデ沿いの車道  後から来た作業者に何しに来たのか訊かれたので、西山へ登りに来たと答える。すると、<いかにも物好きなヤツがいるなぁ、ご苦労さん!>という表情でゲレンデ上部まで車で上がれるということを教えてくれた。しかし、部外者が無断でゲレンデ内を走行するのもマズイので、今日はここから歩くことにする。

 草刈の作業者たちが銘々の軽トラで作業地へ去って行った後、ゴンドラリフトの建物前からゲレンデ沿いの車道を歩き出す。周囲にはシラカバなどが植えられていて高原気分だ。

 今日は秋の嵐が去った直後で、多少雲はあるが先ほどからきれいに晴れ上がってきた。気温は15℃ほどで山歩きにはちょうどいい。

ゲレンデを左へ曲がる車道  ゲレンデ沿いをダラダラ行くと、やがてコンクリート舗装の車道はゲレンデを左へ曲がって行く。しかし踏跡はそのままゲレンデ沿いの草地に付いているので、そのまま直進する。

 要は標高1685m付近のゴンドラリフトの山頂駅まで上がればいいので、車道を辿って遠回りをしても仕方ない。

 このあたりから駐車地の方をふり返ると、南東に三ヶ峰や峰山あたりの稜線が見えた。

ゆり園の跡地  そこからは左側に初心者用ゲレンデ「ファミリーコース」の緩斜面にユリの枯れ株が多数見える。これは岩鞍スキー場が夏場の人寄せにユリ園*を開設した跡地だ。このままユリの球根をゲレンデに自生させておくのかもしれない。

(*尾瀬岩鞍高原と呼ぶ岩鞍スキー場内のゲレンデに50万株約70種のユリが植えられ、毎年7月上旬から8月下旬にかけて有料の「尾瀬岩鞍ゆり園」が開設されている。)

 さらにゲレンデ沿いを進むと、右側になだらかなゲレンデのコースが見える。「ミルキーウェイ」と呼ばれるゴンドラ山頂から東尾根沿いを下るゲレンデだ。計画ではこのゲレンデを登って東側からゴンドラ山頂まで行こうと考えていたのだが、ゲレンデ分岐(合流)付近にはぴったりとネット*が張られていて進入できない。仕方ないので、計画を変更してこのまま緩斜面のゲレンデを直進する。

(*ネットはゆり園にシカやイノシシが進入するのを防ぐためのものらしい。)
ゲレンデから東方向に、錫・笠〜三・峰の稜線  そこからさらにゲレンデ沿いを登る。ゲレンデわきの広葉樹はいくらか紅葉が始まっている。カラマツ林は薄っすら黄葉している程度だ。道端の山野草はいくらか秋の花が咲いているが、ユリ同様枯れ始めていた。

 ユリの植栽地が一時途切れたあたりからゲレンデをふり返ると、東方向には三ヶ峰の左に錫ヶ岳や笠ヶ岳も見えてきた。

前方に国体男子コース、左が国体女子コース  それからゲレンデの緩斜面は再びユリの植栽地になる。そのあたりから西から北西の山の斜面には中級者・上級者用のゲレンデが見える。

 なおも登って行くと右前方に急斜面のゲレンデが見えはじめる。「国体男子コース」呼ばれる上級者用のゲレンデらしい。そのゲレンデ出口付近もネットで封鎖されているようだ。

 そして、そのあたりから右の山尾根をよく見ると小さなゴンドラ山頂駅の建物が何とか確認できる。

国体男子出口沿いのネット、後方は西側の上級者コース 上のユリ植栽地から南東方向、錫・笠〜三・峰〜皇〜袈裟  ネットで封鎖された国体男子コース出口付近を左へ曲がって行く。そのあたりからも南東方向には錫ヶ岳から峰山にかけての稜線がバッチリ見える。峰山から右側の尾根の上に皇海山らしきピークも確認できた。皇海山の右にあるなだらかな感じの山尾根は袈裟丸連峰のようだ。

 ねくらハイカーは岩鞍スキー場からこれだけの展望があるのには少し驚いた。

国体女子沢コース出口付近の簡易ゲート  ネット沿いを進んで行くと、また下の方から上がってくるコンクリートの車道に出合う。車道はそのまま北西へのびる「国体女子(沢)コース」のゲレンデ沿いに付いている。しかし、国体女子コース出口付近にはネットが張られたゲートがつくられ進入できない。

 アルミ梯子でつくられた簡易ゲートをよく見ると、貼り紙が付いている。貼り紙には「野生動物により球根の食害発生中!開けたら必ずゲートを閉めて通過してください。」と書かれていた。ネットはやはりユリ根の食害防止用のためのものだった。

 ところで、このゲートは右側の支柱にワイヤーやロープで雁字搦めに結ばれている。これを解いてまた結び直しておくのも面倒だ。どうしようか少し迷う。誰も見ていないようなので、梯子部分をステップ代わりにしてゲートを乗り越えてみる。<案ずるより産むが易し>で簡単にゲートを越えられた。

国体女子沢コース沿い、左下にもゲレンデ  そこから国体女子沢コースのゲレンデ沿いを歩く。気温は15℃ほどだが、コンクリート道の登りは足腰の弱ったねくらハイカーには少々応える。

 途中で少し休憩する。草刈の作業者たちは西側のゲレンデを刈っているようだ。下の方から草刈機の音が聞こえてくる。

 ゲレンデの左側の車道をさらに登って行くと、やがて国体女子コースのゲレンデは左側から上がってくるゲレンデと合流するようになる。左側のゲレンデも中級者用らしい。

右斜面に上がっていく車道 車道はヘアピンカーブで西へ、左に国体女子コース  ゲレンデの合流部あたりからコンクリートの車道は国体女子のゲレンデを右へ横切り、斜面を北東方向へ上がっていく。車道の方が面白そうなのでそちらを辿る。

 横溝が彫られたコンクリート道はゲレンデ右側の山腹に沿って付いていた。次のヘアピンカーブから左へ曲がって西方向へ向かう。このカーブ付近からも南東に皇海山がハッキリ見えた。

シュウメイギク(白一重咲き)  カーブから林道のような車道をダラダラ歩いて行くと、道端の山野草の枯れ草の中にちょっと派手な感じの白い花*を見つけた。ヨツバヒヨドリやヤマハハコなどのような地味な感じの山野草の中にあるとかなり目立つので、一応写真を撮ってみる。

(*帰宅後ネットなどで調べてみると、キンポウゲ科アネモネ属のシュウメイギクだとわかった。道理でアネモネの花に似ているなと思った。シュウメイギクは野生のものもあるが、現在では交配され色鮮やかな園芸種が多数栽培されているらしい。この道沿いには2、3株しか見られなかったので、人為的に植えられたものかもしれない。)

登りついた鞍部にレストラン「アルプ」 「アルプ」北側のリフト乗り場付近から武尊山方面  車道はやがて未舗装になるが、ほどなく終点の鞍部付近に出る。そこは各ゲレンデの合流分岐地点になっていて、「アルプ」と呼ばれる洒落たレストハウスが建っていた。国体女子沢コース上部付近から東方向を振り返ると、相変わらず日光白根山から三ヶ峰あたりまでがよく見える。奥白根はまだ多少の雲に覆われていた。

 また、「アルプ」北側の西山第5ロマンスリフト乗り場付近から南西方向に上州武尊山の山並みが見えた。家ノ串から北側はまだ雲がかかっているようだ。

西山第5ロマンスリフト(左側)と国体女子西山コース  ここからは北側の「国体女子(西山)コース」のゲレンデ沿いを北北東方向へ登る。ゲレンデの左側につくられた作業道のような林道を登って行くのだが、傾斜もきつく路面が荒れていて歩きづらい。

 ピッチが上がらないので、試しに右側のゲレンデの斜面を登ってみる。しかしこちらも同じく急勾配になっていて、最近刈られたばかりの枯れ草がフワフワして歩きづらい。

 仕方ないので再び荒れた林道を登る。

リフトの下を行く  林道はやがて西山第5ロマンスリフトの下を行くようになる。林道沿いのミズナラやダケカンバなどの広葉樹は紅葉が始まったばかりで秋山の風情満点だ。

 それから少し登ると、フキや山野草の枯れ草が繁るヤブになってしまった。どうもこの道は現在使われていないようだ。さらに林道を上がって行くと、左側の「ななかまどコース」のゲレンデとを区切るためのネットが張られていて、林道は消えてしまう。

 しかし、微かな踏み跡のようなものが右の国体女子コースのゲレンデに斜めに走っているのが見えた。

国体女子ゲレンデの国体男子分岐付近、右上にゴンドラ駅 国体男子コース上部から東方向、金精峠〜皇海山  そこでそのトレースを辿って国体女子西山コースを横切って行くと、右側の国体男子コースの分岐地点に出る。南東方向に急傾斜で下る男子コースのゲレンデには丈の高い雑草が見えるので、まだ草刈は行われていないようだ。

 そのあたりで一息入れ東方向を見ると、まだ少し雲がかかっているが金精峠から皇海山あたりまでの稜線が見渡せた。また南西方向には武尊山の雄大な姿も見られる。ねくらハイカーは岩鞍スキー上部からの眺めの良さに改めて驚いた。

ゴンドラ山頂駅の建物  そこから国体女子コースのゲレンデ沿いを北東へ登る。前方右側に見える建物がゴンドラ山頂駅のようだ。その建物めざして草刈の済んだゲレンデをえっちらおっちら登る。このあたりから北西方向に西山へつづく山尾根がようやく見えてきた。

 登りついたゴンドラ山頂駅の建物付近が標高1685mほどの地点で、そこからは「ミルキーウェイ」と呼ばれる中級者コースのゲレンデが東方向に下っている。そちらの方の展望も素晴らしく、奥白根や金精峠北側の山並みを見渡すことができた。

国体女子西山コース上部から武尊山方面 北西尾根沿いのゲレンデ  ゴンドラ山頂駅からは先ほど上がってきた「西山女子(西山)コース」や「ななかまどコース」のゲレンデを左に見て通り過ぎ、さらに北西方向へ尾根の南面につくられたゲレンデを進む。

 このあたりは山尾根を削ったなだらかな斜面が西山第3ロマンスリフト降り場までつづいている。

ゲレンデ行き止り、西山第3リフト降り場付近  途中、右側の尾根筋が低くなったところから試しに尾根に上がってみる。尾根沿いは灌木と笹が密生するヤブになっていて踏跡などは全く付いていない。

 やむを得ず再び左下のゲレンデに降り、第3リフト降り場の方へ進む。

笹ヤブの斜面に微かな踏み跡あり  西山へは残雪期に歩かれているので、笹ヤブの斜面には多少の踏み跡くらいは付いているはずだ。

 そこで西山第3ロマンスリフト降り場から左側の雑木林の笹地に入ると、はたして北西尾根に上がって行く微かな踏跡があった。やはり、残雪期にこのあたりから尾根に取り付いているようだ。

尾根沿い、1751m地点(?)付近  腰丈ほどの笹ヤブの斜面を登って行くと、すぐに尾根の地点に出る。尾根沿いにハッキリした踏跡はないが、この尾根を辿れば西山へ行けるはずだ。そこからちょっと北西に登ったあたりが地形図の1751m地点だろうか。

 ところでこの付近はブナが多く、紅葉が美しい。東北や新潟のブナ林と比べると貧弱でミニチュアのような規模だが、気持ちがいい感じの樹林帯だ。

右側の樹間越しに西山のピーク  そこから笹ヤブの尾根沿いを登って行くと、右方向の樹間になだらかな山尾根のピークが見える。横田氏の著書の写真と同じような形なので、西山のピークらしい。

 そこからさらにブナの多い笹ヤブの尾根を登って行くと、笹丈は胸丈ほどになり、やがては背丈くらいになってきた。多少のヤブは覚悟していたので、安物の皮手袋をはめて笹を漕ぎながら登る。

尾根沿いにヒメコマツの木  笹と灌木を掴みながら急斜面を登って行くと、大きな松の木が生えた地点に出た。これが横田氏の著書でいうところの「ヒメコマツ(ゴヨウマツ)の大木」らしい。樹皮が少し剥がれているが、立派な松の木だ。

 多少の展望があるので少し休憩する。南西に聳える武尊山方面がよく見える。ようやく沖武尊の山頂部を覆っていた雲も取れてきたようだ。

 ここから上の西山へつづく尾根沿いも笹ヤブが深そうなので、このあたりから熊除けの鈴以外にもラジオをつけて歩くことにする。

尾根沿いの1800m圏あたり  そこから北西へ深い笹と灌木のヤブ尾根を登る。やがてシラビソなどの針葉樹が多くなってくると、ひとつの小ピーク状の地点を過ぎる。地形図でいうと1800mの等高線付近だ。

 このあたりから右の東方向に金精峠や日光白根山方面の山並みが見えた。白根山付近の雲も大分取れてきたようなのでじっくり観察すると、奥白根の山頂部に薄っすら雪が見える。どうもこの秋初めての降雪のようだ*。

(*10月7日から8日にかけて日本列島に秋の嵐が通り過ぎ、標高の高い山は大荒れになった。北アルプスでは秋山トレッキングで訪れた中高年の方々が降雪のため亡くなっている。)

1830P(?)から西山方面 北東に荷鞍山方面、左側の燧は雲で見えない  そこから少し下り胸丈から背丈以上の笹ヤブを掻き分け尾根沿いを進む。そして少し登りまた下り気味に尾根沿いを辿って行くと、右方向の樹間に西山がよく見える。

 このあたりが地形図の等高線1830mのピーク付近だろうか。ここからは北東方向に先月登った荷鞍山が見えた。尾瀬方面の紅葉もかなり進んでいる感じだ。燧ヶ岳方面はまだ雲かかかっていて見えない。

間近になってきた西山  さらに針葉樹が多い笹ヤブの尾根を微妙に上り下りしながら進んで行くと、前方の右寄りに西山のピークが間近に見えてくる。

 そろそろ片品村とみなかみ町*の町村界尾根に出るのではないかと期待しながら笹ヤブを北方向へ進む。

(*旧水上町は2005年10月に隣接する月夜野町・新治村と合併して「みなかみ町」になった。)

町村界尾根(1840m)付近  そのあたりでNHKのラジオ放送を聴きながらヤブ尾根を登っていると、北朝鮮の核実験実施のニュース速報が入ってきた。<あぁ、これで日本の立場も相当ヤバくなってきたなぁ>と、ため息をつき感慨に耽って笹ヤブの斜面を漕いで行く。

 するとまもなく、前方の笹ヤブの斜面に2本のペンキマークが付いた立ち枯れの木が見えた。別の枯木には真っ赤に紅葉したツタが絡み付いている。多分ここが地形図の等高線で1840mほどの町村界尾根だろう。

 このペンキマークは冬場の山スキーコースの目印のようだ。あたりは笹が深く迷いそうな感じのところなので、一応自分用に近くの灌木の枝にテープの目印を付ける。

シラビソと笹ヤブの町村界尾根  そこからシラビソなどの針葉樹が多い笹ヤブの町村界尾根を北東へ進む。

 やや笹が浅めになったところを進んで行くと、左下のみなかみ町側の斜面でガサガサ音がする。多分シカだろうが、ちょっとヤバそうだ。そこで一旦立ち止まり、鈴をチャランチャラン鳴らしながらラジオのボリュームをあげる。

 それから少し間を置いて様子を見る。5分ほど待つと、あたりはひっそりと静かになったようなので再び尾根沿いを進む。

立木に山名板の標識、後方は白根山方面  そして倒木などがある尾根沿いを登り気味に進んで行くと、ほどなくなだらかな笹地のピーク付近に着いた。

 周りを見ると、右側の立木にブリキの標識が付いていた。ここが西山の頂上(1898m)だ。山頂部は樹林に覆われているが、東側は多少開けていていくらか展望がある。

黒岩山〜奥白根の稜線、左下に戸倉スキー場 錫ヶ岳〜袈裟丸連峰あたりへの稜線  北東の黒岩山から東の奥白根、そして南東の皇海山や袈裟丸連峰あたりまでの稜線が何とか見渡せる。

 また南方には先ほど辿ってきた尾根の1830m峰付近遥か後方に赤城山北面の山影が確認できた。そして南東には武尊山の一部が見える。北側の尾瀬方面はよく見えない。北東にある荷鞍山が樹間越しに見える程度だ。

南東に武尊山、左側後方に赤城山 遠方左に皇・袈裟〜右に赤城の稜線、手前の尾根に1830P  西山も三角点ピークなので標石があるはずだが、腰丈ほどの笹ヤブが繁っていて標石は見えない。三角点の標石を確認できないとなると、わざわざ無積雪期に登った意味がない。

 そこで笹を手足で払いながら標石探しを始める。南東側の山名板が付いた樹木の根元に山スキー用の目印に使われる赤いポールがあるので、そのあたりを探してみるが全く手応えがない。

西山の三角点 奥白根〜錫ヶ岳の稜線(ズーム画像)  仕方ないので山頂部の笹地を足で払いながら時間をかけて探してみる。10分ほど探してようやく山名板の付いた樹木から北側3、4mほどのところに標石が見つかった。標石の状態は長い間笹の枯葉の中に埋まっていた感じだ。

 標石も見つかったということで、薄っすら白くなった奥白根を眺めながらゆっくり休憩する。気温は相変わらず15℃くらいで寒くも暑くもなく快適だ。

左に再び西山、中央奥に雲がかかった燧  帰りは同じコースを辿る。南西方向へ笹ヤブの尾根を下り気味に進む。倒木のあるところを過ぎ小ピークを越えて行くと、深い笹ヤブになった1840m付近の尾根の分岐地点に着く。ここは目印のペンキマークの枯木ではなく、もう1本の枯木に絡んだ真っ赤なツタの葉が見えたので分岐地点だとわかった。

 そこからは笹ヤブの斜面を南寄りに下って行く。今日はまだ時間的に早いので左手の山並みを眺めながら行くことにする。15分ほど尾根沿いを進むと、左の樹間に再び西山の山頂部が見えた。その右側には尾瀬の燧ヶ岳がようやく姿を現してきた。

荷鞍山方面、その後方右側に袴・赤〜黒〜鬼〜燕の稜線  そしてそこからちょっと登って行くと少しなだらかな尾根沿いになる。1830m圏の小ピーク付近だろう。笹ヤブの尾根からは東方向に相変わらず日光白根山方面の山並みを望むことができる。

 また、北東の荷鞍山方面も午後の日差しで山腹の紅葉が進んでいるのがよくわかる。燕巣山から鬼怒沼山方面の稜線もくっきり見える。

1800m付近から左方向、白〜錫・笠〜三・峰の稜線  そこからまた笹ヤブの少し急な斜面を下る。左方向に白根山方面の稜線を眺めながら下り、緩やかになったところを少し登り返したところが地形図の1800m圏付近で、ここから下が広葉樹中心の樹林帯になる。

 このあたりから正面に錫ヶ岳から三ヶ峰や峰山そして皇海山方面が見える。

ヒメコマツの地点から正面の遥か遠方に皇海山 南西に武尊山(前〜剣〜家〜中〜沖)  そこから少しヤブ尾根を南東に下ると、例のヒメコマツの地点に着く。往路と同じようにここでまた休憩する。尾根沿いはいくらか風が吹いているが、日差しが強く気温は20℃ほどに上がっていた。

 ここからは南西方向にも展望があるので、遥か南方の赤城山方面が見えた。そして西側には魁偉な容貌の武尊山が猛々しく聳えている。武尊山北東側の山腹はブナ林があるので、鮮やかに紅葉した樹林帯が武尊田代あたりまで錦の絨毯を敷いたかのように見事だ。

左に2091・2099・2100・2130・燕〜四の稜線(ズーム画像) ブナ林の尾根筋  小休後、紅葉の樹林帯を下る。樹間越しに左に燧岳や荷鞍山方面、右に武尊山方面を眺めながら下る。往路と同じようにブナやダケカンバの紅葉した樹林の美しさは素晴らしい。錦秋の山歩きの気分で笹ヤブを下る。

 途中、左側の多少落葉した木立の間に8月に歩いた燕巣山方面が見えた。燕巣山はこのあたりから見るとかなり尖った感じに見える。カメラのズームで見ると、物見山へつづく県境の微妙なピークの連なりが手に取るようにわかる。

斜面下に西山第3ロマンスリフト降り場  紅葉したブナ林の尾根筋を下って行くと、すぐに1751m地点付近を過ぎ午前中に登りついた地点にくる。

 そこから南方向へ笹ヤブを下ると、まもなく西山第3ロマンスリフト降り場のわきに出た。ここからは気楽なゲレンデ歩きだ。急ぐ必要もないので、リフト降り場の管理小屋の日陰で休む。

リフト降り場から南方へ、右下に「ぶなの木コース」  リフト降り場から南方向へなだらかなゲレンデを下る。右側には上級者コースの「ぶなの木コース」、そして次の「ななかまどコース」・「国体女子西山コース」を見てゴンドラ山頂駅の方へ向かう。

 午後は日差しの角度によって東方向の山々がよく見える。

西山第5ロマンスリフト降り場付近からゴンドラ山頂駅方面 「ミルキーウェイ」ゲレンデ上部から東方向の眺望  ゴンドラ山頂駅から東尾根につくられた「ミルキーウェイ」のゲレンデ上部からは北東の尾瀬方面の山から南東の皇海・袈裟丸方面の山まで一望の下に見渡すことができた。

 展望を楽しむだけなら、わざわざ西山まで登る必要はなさそうだ。天気のいい冬の日の午後にゴンドラリフトに乗ってここまで来れば、お手軽にこの眺望が得られるということだ。まぁ、冬場にここを訪れるとなると展望というよりスキーやスノボーを楽しむ人がほとんどだろうが…。

国体女子コース上部から南東方向、右に武尊山  ゴンドラ山頂駅からは国体女子西山コースのゲレンデを南東へ下る。斜面には刈られた枯れ草がまだ残っている。

 ここも上級者コースということなので、途中からかなりの急斜面になっていた。南西の武尊山を眺めながらの下りとなる。

 やはり岩鞍スキー場の上部ゲレンデのロケーションは素晴らしいと思う。冬の日の雪を被った武尊山や日光白根山を眺めながら滑降できるのだから爽快だろう。

 やがてレストハウスのある鞍部状の地点に降りる。そこから東方向にも初雪を頂いた奥白根から三ヶ峰や峰山に至る稜線が午後の日差しの中でバッチリ見えた。

 ここからは往路では登らなかった国体女子沢コースのゲレンデを東へ下る。この斜面も中級者コースらしいので、傾斜が急だ。ゲレンデには横に走る排水溝が段差になっていて、ちょっと歩きづらい。あっという間に左側からコンクリートの車道が通るゲレンデ分岐付近に降りた。ここからは往路と同じ左のゲレンデ沿いを下る。

 それから例のネットが張られたゲートを乗り越え、ユリの植栽地沿いを快調に下り、ゴンドラリフト乗り場付近の駐車地点に戻った。まだ午後の早い時刻なので、草刈の作業者たちは就業中のようだ。

 今日はスキー場を歩いて西山へ登ったわけだが、山頂からの展望はスキー場上部から見たものとほとんど変わらなかった。わざわざオフシーズンに登るほどの価値はなさそうだが、何とか三角点の標石が確認できたのでヨシとしよう。

 帰りは国道401号に出ると、尾瀬帰りの車や坤六峠越えの車がひっきりなしに通っていた。紅葉狩りを楽しんだ観光客やハイカーの車のようだ。心地よい秋の山の一日を皆それぞれ楽しんだことだろう。

日程2006年10月9日 (月)
天候晴れ
行程時刻ゴンドラ駅付近駐車地7:40→(車道)→(ファミリーコース沿い)→国体女子沢コース簡易ゲート7:58〜8:00→(国体女子沢コース沿い、途中休憩)→(右の車道へ)→ゲレンデ鞍部・「アルプ」付近8:35〜8:40→(国体女子西山コース沿いの林道)→(途中で林道消え、ゲレンデを右へ横断)→国体男子コース分岐付近8:58〜9:05→(国体女子コース沿い)→ゴンドラ山頂駅9:10〜9:15→(北西へ、途中ヤブ尾根に上がりタイムロス)→西山第3ロマンスリフト降り場9:25〜9:30→(左側の斜面に取り付く)→(尾根沿い)→1751地点(?)付近9:35→ヒメコマツの木9:53〜10:00→1800P付近10:05〜10:07→1830P(?)付近10:16→町村界尾根出合(1840P)11:44〜11:46→(途中、5分停止)→西山11:12〜11:35→(戻り)→町村界尾根分岐(1840P)11:50→(南寄りに下る)→1830P(?)付近12:10→1800P付近12:30→ヒメコマツの木12:33〜12:46→1751地点(?)付近13:00→(右斜面を下る)→西山第3ロマンスリフト降り場13:03〜13:13→(ゲレンデを南方向へ)→ゴンドラ山頂駅付近13:20〜13:25→(国体女子西山コースをへ下る)→ゲレンデ鞍部・「アルプ」付近13:42→(国体女子沢コースを下る)→簡易ゲート ?:?→(ファミリーコース沿い)→駐車地14:20
備考♦この記録では横田昭二 著『私が登った群馬300山』(上毛新聞社刊)を参照しました。
♦スキー場の各コースについては尾瀬岩鞍スキー場のHPのゲレンデマップなどをご覧下さい。

◇ T N H C ◇

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