多野郡上野村の国道299号を西へ走り、父母トンネルの西側出口付近に停車して南方に聳える山尾根を眺める。南方へ延びる尾根上にはコブ状のピークが見えるが、どこが三角点ピークなのかハッキリ確認できない。
さて、このあたりが尾根の登り口になるのだが、適当な駐車スペースが見当たらない。林道は道幅が狭いので他車の通行の妨げとなり路上駐車は出来ない。耕作地の東側には作業小屋などの建物などが見えるのでそちらへ進む。
天候は一応晴れているが、うす雲がかかっていて何かどんよりした感じだ。日差しが弱いので気温は4℃ほど、いくらか肌寒い。
まずは手前の鉄塔を見物してみる。鉄塔の銘板を見ると、東京電力の「黒部幹線*587号」となっている。ということは、横田氏が通った巡視路の山道は586号鉄塔沿いということなので、西側にある鉄塔付近に巡視路があるようだ。
そこでヤブが刈り払われた斜面を西側へトラバースして行くと、途中に電柵が設置されていた。下のかんがい施設付近にあった電源装置と繋がっているので、通電はされているようだ。
そこからは、東京電力の「安曇幹線*2号線223号**に至る」と表記された黄色の標柱が示す巡視路の山道を南へ辿ることになる。多分先ほど尾根の上に見えた送電線の鉄塔が安曇幹線の鉄塔だろう。
さらに登って行くと、左側にフェンスのある建物が見える。モルタル塗りの門柱には「調整池」の銘板が付けられていた。
そこから広葉樹の雑木林にカラマツが混じる樹林帯を登って行くと、右下の樹間に乙父沢沿いの集落が少し見える。そのあたりから巡視路の踏跡は尾根から外れ左(東)側の斜面を進むようになる。
そこからは枯木の枝が少しうるさい尾根沿いを南へ登る。すぐに灌木類が刈り払われた見晴らしのあるところに出る。
ところでそこから巡視路の踏跡を追って東寄りに進んで行くと、また尾根を外れ山腹を行くヤブ道となってしまった。
そこからは鉄塔のある西側へ戻るのも面倒なので、途中の雑木林の斜面を右上(南西)へトラバース気味に登る。それから少しジグザグに登り、さらに北側へ折り返して行くと、ほどなく鉄塔から上のあたりに位置する尾根に出る。
そこから南方向へ登る。ひとつコブ状のピークを過ぎるあたりの斜面には赤茶色の礫が散乱していた。堆積岩のようだが、岩石の知識がないので何なのかわからない。
左には相変わらず高反山が見える。そして、主尾根の前方には上武国境付近の天丸山の尖峰や帳付山の特徴的な山容のシルエットがどうにか樹林越しに確認できる。
そのうちに岩の多いなだらかな傾斜の尾根となる。横田氏が「露岩の平頂」というところだろうか。そしてアカマツの多い尾根を南東方向へ登り大ツガと岩のある小ピークを越えて少し下ると、右側が杉林になった小鞍部を過ぎる。
登りついた小ピーク付近には赤ビニール紐の目印が付いていた。このあたりは横田氏が「前衛峰」と呼ぶ地点らしい。地形図では等高線950m付近にある肩状の尾根地点だ。
左側の岩が多い尾根筋を適当に登って行くと、やがて東からの朝日がまぶしい尾根状のピーク地点に出る。そこには横田氏の著書で見覚えのある少し古い感じの三等三角点の標石が埋設されていた。ここが大天幕ノ頭(雨降山)の山頂(1026m)のようだ。
山頂部をよく見ると、北西側の立木に白と灰色のツートンカラーの小さな山名プレートが付いている。青いビニール紐といっしょにねじ止めされているので、多分この尾根沿いに青紐の目印をつけた方が取り付けたものだろう。
天候はうす曇りだが先ほどからいくらか雲が取れて日が差してきた。気温も14℃ほどになっている。
それから、山頂部の南東側のカラマツ林には間伐作業が行われた跡が見える。伐り残された樹木には番号が付いたピンク色のタグが打たれている。上野村の林業も盛んなようだ。
ここからは社壇ノ頭をめざし尾根筋を南へ進む。尾根には赤い樹脂杭や赤く塗られた木の枝が打たれている。このあたりはカラマツやヒノキやスギなどの針葉樹が多いので植林地になっているのかも知れない。伐られた木の切り株を見ると生々しい感じなので、間伐作業はつい最近行われたようだ。
そのうちに主尾根の1070m峰への登りにかかるが、間伐を行った作業者が通ったような細い踏み跡が右(南西)側の斜面に付いている。ここは尾根を登らずにその細い踏み跡を進む。
林道の路肩には「群馬県環境・森林局」設置の工事区域を示す銘板が埋め込まれた礎石が見える。それには、この林道は「上野大滝線(東沢開設工区)」で、起工年度が平成18年となっていた*。
未舗装の平に整地された林道を横切り、南側の丸木で土留めされた尾根の斜面へ登る。樹木が伐採されてザレ地になった斜面からは見晴らしがいい。
すぐに1092m峰の山頂部に出る。そこは横田氏がいうところの二重山稜のような窪地のある地形で、落ち葉が膝丈まで溜まっていた。
何かがっかりした気分で再び林道に降り立つ。この地点も尾根が広く切り開かれているので見晴らしがある。特に北東方向は展望がいい。近くの大平戸山から遠方の赤久縄山から西・東御荷鉾山、そして旧鬼石町の雨降山までも見える。
ここからまた左側の斜面に取り付き、尾根沿いを辿る。微かな踏跡のある急斜面をハァハァいわせながら登って行くと、すぐにピーク地点に出る。
小休後、南へ下る。すぐに右側の斜面が伐採されている小鞍部を過ぎる。右下に延長林道の終点が見えた。
このあたりからスズタケが疎らに生えた尾根となる。すぐにブナの木のあるコブ状の地点(地形図の等高線で1120mほどの小ピーク)に着く。そこには赤ペンキが塗られた御影石の標石が埋設されていた。標石には「三五四」と番号が刻字されている。境界を示す標石のようだ。
やがて「三四六」標石が打たれているなだらかな小ピークを過ぎる。地形図でいうと、1221m地点ピークの北側にある等高線1170m圏の尾根だ。そのあたりの樹木には赤ペンキで標石の番号や下向きの矢印が落書きのように書かれていた*。
ほどなくアセビなどが疎らに生えたピーク地点に着く。1221mの標高点がある山頂だ。樹林に覆われて見晴らしはないが、南から南東方向に天丸山・P3・帳付山などが見える。
尾根沿いには大きな倒木や尖った岩などもあるが、すぐに「三二八」標石が埋設された南側のピーク地点に着く。そこには天丸山方面を示す朽ちた道標や「川和(不二洞)」方面を示す案内板が置かれていた。ここが「社壇ノ頭*」と呼ばれるピークだ。
昔ねくらハイカーが天丸山へ登ったときは不二洞の駐車場から滝ノ沢の寂れた登山道を登り、このピークに出た。その頃は道標などはなく、このあたりはヤブめいていて秘境のような雰囲気が漂っていた。ねくらハイカーは未知なる天丸山へのコースに多少の不安な気持ちと秘峰を登るという高揚した気分に満たされて、幾分興奮気味に歩いたものだ。
ここも樹林に覆われているので展望はよくないが、南方向に天丸山・P3・帳付山の山並みが樹間越しに見える。また、不二洞への踏跡がある東側の尾根沿いからは南東寄りの方向に門倉山・大山・焼岩の山並みも見えた。そして南東方向には大ナゲシへつづく上武国境の山尾根の稜線もわずかに見える。
尾根沿いを南へ下ると、すぐに大岩の岩稜がある。岩には直登のペンキマークが付いているが、左(東)側のヒノキ林の斜面に巻いて下る。この尾根沿いにも番号標石が設置されていた。やがて木の根元に祀られた小さな石の祠を過ぎると、道標の案内板がある社壇乗越に着く。
大岩の岩稜を右の植林地に巻き、北へ辿る。尾根筋をトロトロ登って行くと、社壇ノ頭の南東側斜面がゴツゴツした崖状になっているのが見えた。このあたりは尾根からちょっと外れるとかなり険しい斜面になっているようだ。社壇ノ頭標石地点で一息つき、いくらかヤブめいた主尾根を北へ進む。倒木を越えて再び1221m地点ピークに着く。
そこで暫し往路を北へ辿る。例のペンキマークがある尾根付近を通り北西へ下って行くと、ほどなく左下に林道終点がある伐採地の鞍部を過ぎる。作業者は昼休みらしく車中で休憩中だ。そこは気づかれずにゆるりゆるりと尾根沿いを進む。
山頂から北西へ下る。真下に幅広の林道が横切っている。ささっと林道に降り立ち、左側の整地された広い路肩へ進む。そしてゆっくり西方の山並みに目をやる。
そこからは主尾根の1092m峰へは登らずに2車線幅の林道を下る。1092m峰の東側を巻いていく道は新しい感じで、まだ法面にコンクリートが吹き付けられていない。土砂が剥き出しの斜面には丸木材などで土留めが施されている。
すぐに1092m峰北側の主尾根分断地点に着く。仮設事務所の建物付近から北側へ微かな尾根道がつづいているが、今日はまだ時間があるということで、この延長林道をさらに東沢方面へ下る。
1092m峰の西尾根をまわり込むカーブの西側に、林道工事などで削られた山の土砂が捨てられて残土置き場のようになった台地があった。樹木が生えていないので展望がよさそうだ。
それとは対照的に、南側の県境尾根付近の山々は特徴的な山容なので人目を引く。
それから林道をどんどん下り、東沢を渡ると林道の分岐地点に着く。そのあたりから南方に目をやると、P3らしきピークが沢上部に聳えていた。県境尾根もかなり近い感じだ。この地点からさらに東沢左岸の上流部へも林道が延長している。| 日程 | 2007年3月2日 (金) |
| 天候 | うす曇りのち晴れ |
| 行程時刻 | 乙父沢右岸尾根の耕作地東側7:54→黒部幹線587号鉄塔7:56→(西へ)→586号鉄塔(巡視路出合)7:59〜8:03→(巡視路を南へ)→かんがい施設付近8:05〜8:07→(東側斜面へ)→(枝尾根を南へ、休憩5分)→(南東へ進みルートミス)→(南西へ)→(北側へ登り返す)→主尾根出合(824m地点南東付近)8:40〜8:43→(南へ)→(南東へ)→前衛峰(?)付近9:01〜9:04→大天幕ノ頭(雨降山)9:15〜9:37→(南へ)→(やや南東へ)→林道分断地点9:58〜10:00→1092P 10:04→林道分断地点10:08〜10:09→1120P 10:12〜10:20→(南へ)→小鞍部(林道終点付近)10:21〜10:23→小ピーク(354地点)10:25→(南東へ)→1170P(346地点)付近10:40→(南へ)→1221P 10:52〜11:03→社壇ノ頭(328地点)11:07〜11:20→社壇乗越11:26〜11:28→(戻り)→社壇ノ頭11:36〜11:38→(北へ)→1221P 11:43〜11:53→1170P付近12:02〜12:04→354地点12:17→小鞍部(林道終点付近)12:19→1120P 12:23〜12:26→林道分断地点12:28〜12:30→(林道上野大滝線を北へ)→林道分断地点(1092P北側)12:32→(林道を南西へ)→1092P西尾根カーブ付近展望地12:34〜12:38→(南東へ)→(南へ)→東沢出合付近T字路13:08〜13:15→(乙父林道東沢線を北へ)→(北西へ)→T字路(乙父林道西沢線合流地点) ?:? →(乙父沢集落を抜け乙父沢左岸の舗装林道を北へ)→林道分岐14:12→(乙父沢右岸へ)→(コンクリート道)→右岸尾根耕作地の駐車地点14:25 |
| 備考 | ♦この記録は横田昭二 著『私が登った群馬300山』(上毛新聞社刊)を参考にしていますが、「大天幕の頭」という山名を「大天幕ノ頭」としました。これは、すでに山頂に取り付けられていた先人の標識に倣ったもので、別に深い意味はありません。 ♦記録中に林道上野大滝線東沢工区の開削地点を適当に推測していますが、現在工事中の林道が実際にどのようなルートでつくられるのかはわかりません。 |
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