伊南川沿いを通る国道325号で桧枝岐村に入り、帝釈山登山口の案内板のある地点を左折して舟岐川沿いの林道に進む。すぐに未舗装の路面になるが、約1車線から1.5車線幅の林道は早朝なので対向車もなく順調に走れる。
仕方ないので手前の広い路肩に駐車して、そこから峠の登山口まで徒歩で行くことになる。さっそく準備をして歩き出すが、林道の路面は至って良く、どうして通行止めになっているのか不思議に思った。
しばらく林道を進んで行くと、帝釈山南面が見える峠方向から朝霧のガスが西側にあふれ出してくるように流れてくるのが見えた。こちらの福島側は天気が良くて晴れているが、栃木側は霧に覆われているようだ。今日は天気が良くなればいいが、どうだろう…。
水場から林道を少し東へ進むと、霧でガスった峠状の地点に着いた。ここが標高1790mの馬坂峠で、北側に帝釈山の登山口があり、南側に台倉高山の登山口がある。気温は10℃くらいで山歩きにはちょうど良いくらいだ。
峠の栗山側には営林署設置の治山工事の案内板がある。ねくらハイカーは20年ほど前におそらくこの付近を歩いたのだが、どこを歩いたのか見当もつかない。あの頃は余裕もなく深い原生林の尾根をひたすら倒木を乗り越えて辿って行ったので、こんな開けた峠状の鞍部を通った記憶がない。
少し休憩後、峠南側の台倉高山登山口に足を進める。ツガやシラビソが生えた斜面にはよく踏まれた登山道が見える。 そしてこの針葉樹の中の黒土の道には要所要所に桧枝岐村の赤色の杭が打たれている。
登山道は県境の通る1898m峰へは向かわずに西側の山腹を巻くようについている。以前ねくらハイカーが撤退した地点は1898m峰へ登る尾根沿いで、倒木があまりに多くて県境尾根を辿ることができなくなり、1898m峰の東斜面寄りに進んでしまい踏跡を見失ってしまったのだ。
やがて尾根沿いに登り返す途中でトヤス沢上流の小沢を渡り、再び県境尾根に戻る。尾根沿いには1898mピークからの踏跡もあるようだ。少し行くと登山道わきにはゴゼンタチバナの赤い実が一面に見える。このあたりはゴゼンタチバナの群生地のような感じだ。
そこからシラビソ林の中の道を西寄りに進むと、いくらか開けたところに着いた。そばに新しい道標がある。見ると「鹿の休み場」と書かれている。このあたりにシカが多く生息しているのだろうか。最近設置されたものらしい。近くには朽ちた倒木があり、ベンチ代わりに座ることができる。
それからほとんど見通しのない針葉樹林帯の中の道を進んで行くと、ようやくガスが取れて日差しが出てきた。黒土の登山道は相当数の人々に歩かれているようで、湿ったところではぬかるみができている。
やがてツガやシラビソの樹林帯を抜けると、木道が付けられた小さな湿原に出た。2033m峰の北東側の尾根にある湿原だが、草紅葉が朝日に美しく輝いている。このあたりは今までと一変してよく開けた場所なので、気持ちよく尾根歩きができるところだ。
登山道は「三段田代」の湿原から2033m峰のピークは通らずに西側へ下り、尾根を巻いていく。針葉樹の繁る巻き道を進むと、立木に日光周辺の山域で見られる菱形のブリキのプレートが打ち付けてあった。
そこから少し行くと、樹間から遠く南西方向に山のピークが見えた。台倉高山とその北峰(標高2060mピーク)のようだ。さらに巻き道を進むと、ヤブめいた樹木の間から県境の稜線沿いにある2028m峰の樹林帯も見えた。
やがて2028m峰のピーク付近に着いた。この山頂部は樹林に覆われてほとんど展望がないが、少しバテ気味なので一息入れる。
2028m峰を県境方向に下り、シャクナゲの灌木林を過ぎて少し上り気味に尾根を進む。やがて尾根道は2030mピークの西側の巻き道に向かう。
2030m峰の巻き道が終わると、また木道のある小湿原に着いた。2030m峰と次の2060m峰(台倉高山北峰)の鞍部にある湿原で、名前の付いていない箱庭のような小湿原だ。
巻き道を過ぎ、オオシラビソやシャクナゲが繁る尾根沿いを直登して行くと、周りがきれいに刈り払われた台倉高山(2067m)頂上に着いた。山頂ではいくらか風が吹いているが、晴れて日差しがあり気温が15℃くらいでちょうどよいハイキング日和だ。
休憩しながら南西方向の県境尾根の山並みを偵察する。一瞥すると、どうも黒岩山まで目印になるような特徴的なピークはないようだ。地形からいえば、黒岩山手前の県境に位置する孫兵衛山南峰から1981.7m峰ピークの間の緩やかな鞍部あたりに引馬峠があるようだが、どうだろう…。台倉高山から三角点のある1981.7m峰ピークまで行くのに、地図の1895m地点と1938m地点の間にある1950mピークが目安になるかと考えていたのだが、どうも現実の山並みは違うようだ…。
休憩後、台倉高山から南西へ下る。山頂直下にはシャクナゲとネマガリダケのヤブの中に踏跡があったが、笹ヤブを下るうちに見失ってしまった。立木に古い赤テープやピンクのリボンが気休め程度に付いているが、ルートはなくヤブ漕ぎで進むしかない。
下った地点は台倉高山と地図の1895m地点との鞍部(標高1880mくらい)だが、県境沿いはヤブがひどいので少し西側へ向かう。
そこからまた歩行困難な2m以上の深いネマガリダケの密生地を進み、東西にのびる尾根状の地点に登りついた。この尾根が地図の1895m地点らしい。
シラビソやオオシラビソの樹林帯を尾根沿いを進むように下ると、また深い笹ヤブになってしまった。
そこから針葉樹の繁る1950m峰のピーク状の地点を過ぎて、ヤブ尾根を南西に辿る。尾根沿いはネマガリダケが繁茂して歩きづらいので、尾根の東側をトラバース気味に進む。
東側の低地から県境の通る1938m地点ピークの尾根にトラバース気味に登る。尾根を少し進んで、ぬかるみのような水たまりのある尾根の最高地点を過ぎる。
その1938m峰の広尾根から笹ヤブを下り、尾根の東側を次の登りにかかるあたりまで進んでみる。そこから南方の尾根にピークが見えた。あれが1981.7mの三角点ピークだろう。あのピークを越えて南西へ下ったあたりに引馬峠があるようだ。
そこで進路を180度方向転換して、先ほどの1938m峰の尾根に戻る。そして、また笹ヤブを登り、ぬかるみのような水たまりのある1938m地点ピークを越え、迷いやすい広尾根を北へ進む。
ヤブ尾根を進み、樹林の中の1950m峰ピーク地点を通過し、北側へ尾根を下る。
そこからヤブの少ない西側を辿り、1950m峰と1895m峰の鞍部に降りる。往路では気づかなかったが、登りにかかる笹ヤブが深くなるあたりの立木に、古い看板が見えた。
再び倒木で歩きづらいネマガリダケのヤブ尾根を登り、1895m峰の東西にのびる尾根の東端に出た。そこから前方に先ほどガスっていた台倉高山のピークが間近に見えた。気温はいくらか下がって10℃くらいだ。
そこで1895m峰の尾根の西端から北東方向にネマガリダケのヤブを下り出す。往路では通らなかった小さな沢と尾根を横断して、台倉高山の急峻な斜面の登りにかかる。
先ほどから空には雲が覆っていたので、台倉高山からの眺望はほとんど得られなかった。北東方向の帝釈山はすっかり雲に隠れていた。
登山道をピッチを上げて進み、途中の「三段田代」の湿原で休憩する。曇って日差しがないので、気温も7℃くらいに下がっていた。それから、県境の通る尾根の西側を巻いて下り、オサバグサの斜面を抜けて、ようやく午後4時半過ぎに馬坂峠に着いた。
それからガスがたちこめる峠を後にする。途中の「遊山清水」で一服し、夕靄に煙る帝釈山南面を見ながら林道を下り、法面崩落の箇所を過ぎて、ようやく薄暗くなる頃駐車地点に着いた。| 日程 | 2005年10月21日 (金) |
| 天候 | 晴れのち曇り |
| 行程時刻 | 林道通行止め手前の駐車地点6:35→遊山清水7:03→馬坂峠7:08〜7:15→(台倉山登山口)→小沢源流部7:31→鹿の休み場7:54→三段田代8:15〜8:20→2028m峰ピーク付近8:54〜8:57→2060m峰(北峰)鞍部の小湿原9:12〜9:17→台倉高山頂上9:25〜9:50→(南西へ)→1895m(尾根状)地点11:03〜11:10→1950m峰ピーク付近11:56→1938m峰ピーク付近12:21→1981.9m峰北側の鞍部(引き返し地点)12:30→(戻り)→1938m峰ピーク付近12:38→1950m峰ピーク付近13:00〜13:05→鞍部(山火事防止の看板)13:25〜13:28→1895m(尾根状)地点13:40〜13:50→台倉高山頂上15:02〜15:12→2060m峰鞍部の小湿原15:19→2028m峰ピーク付近15:31→三段田代16:00〜16:05→鹿の休み場16:20→小沢源流部16:35→馬坂峠16:47〜16:52→(林道下り、桧枝岐側へ)→遊山清水16:56→駐車地点17:21 |
| 備考 | ♦今回のコースでハイキングとして楽しめるのは台倉高山までです。台倉高山から先は展望のないヤブ漕ぎハイクになるので一般の方にはお奨めできません。 ♦今回は林道が一部不通で馬坂峠まで車で行けませんでしたが、林道が開通すれば馬坂峠から登れるようになり、かなり歩行時間が短縮できます。 |
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