ジョン・ジャービス提督の率いるイギリス艦隊(戦列艦15隻)
対 コルドバ提督の率いるスペイン艦隊(戦列艦27隻、他に小艦艇と運送船多数)
戦闘経過
1. イギリス艦隊と遭遇した時、スペイン艦隊は前後2隊に別れており、隊列は乱れていました。対するイギリス艦隊は、15隻がきちんと一直線に並んだ単縦陣をつくり、旗艦ビクトリー号は中央に位置しています。スペイン艦隊の前方隊の10隻と後方隊の17隻の間には大きな隙間が空いていたので、イギリス艦隊はここに突入して敵を2つに分断しました。

2. 激しい砲撃によって、敵の小艦艇を戦場から追い払ったジャービス提督は単縦陣をとくと、艦隊を3つのグループに分けることにします。イギリス艦隊は全艦が北方に艦首を向け、進んでくるスペイン艦隊の後方隊17隻を正面から攻撃する作戦でした。この複雑な艦隊運動を命じる信号旗が、旗艦ビクトリー号のマストにあがっている最中に、イギリス艦隊の後から4番目にあったネルソン艦長のキャプテン号が単独で列を離れます。単縦陣の後方にいたネルソンには、スペイン艦隊が反転して北方に逃れようとしていることがわかったのでした。司令官の命令を無視して敵艦隊を追撃し始めたネルソンを追って、後続のエクセレント号も進路を外れます。

3. イギリス艦隊のキャプテン号が単独で突撃してくるのを発見したスペイン艦隊は、再び回頭すると進路を元に戻して、激しい砲撃を開始します。7隻以上の敵艦から砲撃されることになったキャプテン号は、帆はボロボロになり、前部マストの半分を失い、舵輪さえ破壊されてしまいました。しかし後続のエクセレント号が砲撃を開始すると、これを避けようとしたスペイン艦2隻が衝突してしまい、キャプテン号は危機を脱します。こうしている間に他のイギリス艦も戦闘に参加し始め、イギリス艦隊はスペイン艦隊の後方隊17隻の捕捉に成功し、近接攻撃によってスペイン艦4隻を捕獲するという大勝利をおさめました。 ネルソン艦長の活躍
1. 敵艦の砲撃を受けて大きな損害を出したキャプテン号ですが、ネルソン艦長と乗組員たちの士気は非常に高いものでした。エクセレント号の砲撃を避けようとして衝突した2隻のスペイン艦のうち、近い方のサンニコラス号に近づくよう命じたネルソンは、敵艦にキャプテン号をぶつけて横づけすると、自ら剣を抜いて切り込み部隊の先頭に立ち、敵艦に跳び移ったのです。ネルソン率いる切り込み部隊は、燃えさかる炎をくぐり抜け、大砲の硝煙にむせかえりながら、敵艦の後甲板に向かいます。ネルソンの部下であるエドワード・ベリーが、スペインの軍艦旗を引きずり降ろすと、後甲板上にいた数人のスペイン士官は、駆けつけたネルソンに降伏のしるしとして自分たちの剣をさしだしました。

2. キャプテン号が衝突したサンニコラス号の反対側には、スペイン艦のサンホセ号が先の衝突で索具が絡みあって離れられない状態になっています。サンホセ号の方がサンニコラス号より大型艦なので、甲板が高い位置にあり、スペイン兵たちがそこからマスケット銃でサンニコラス号の後甲板を狙って射撃を始めました。この射撃で20名近くのスペイン兵が負傷し、7名のイギリス兵が犠牲になると、怒り狂ったネルソンは、サンホセ号も捕獲するするためにキャプテン号から増援部隊を呼び寄せ、再び切り込み部隊の先頭に立ちます。ネルソン率いる大部隊が、サンニコラス号からサンホセ号に跳び移って激しい白兵戦を展開するとサンホセ号のスペイン兵たちは降伏せざるをえませんでした。ネルソン艦長はこの海戦で2隻の戦列艦を捕獲することになり、この戦功によってナイトの爵位を受けることになります。

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