![]() ![]() ビザンチン皇帝軍の中心となる部隊は「不死部隊」と呼ばれていました。いかにも強そうな名前の部隊ですが、戦力としてはお粗末なもので、セルジュークトルコ軍に蹴散らされた小アジアの敗残兵をかき集めて再編成した軍隊でした。集めた兵士をふたつに分けて模擬戦闘を行なわせ、優秀な働きをした者には「不死」の称号を与えたところから「不死部隊」と名付けられたのです。 自ら新皇帝を名乗るブリュエンニオスの率いる反乱貴族軍は、ビザンチン皇帝軍よりはるかに優秀な軍隊でした。中央には、かって帝国の主力部隊であったカタフラクトの伝統をひく重装騎兵部隊が置かれ、左翼には3千名、右翼には5千名の歩兵が配置されます。 ■戦闘経過 1. アレクシオスは自軍の兵力と装備が、敵軍に比べてはるかに劣っていることをよく知りながらも、兵達に戦闘態勢をとらせます。皇帝ニケフォロス3世から援軍派遣の知らせが届いたにもかかわらず、彼は援軍を待つことなく戦うことにしたのです。「敵がすぐそばにいるというのに戦わないのは、我が名誉を傷つけるものである。」と言い放ったアレクシオスは、反乱貴族軍の右翼めがけて攻撃を開始しました。しかし、反乱貴族軍の右翼を構成する歩兵部隊は強力で、攻撃をかけたビザンチン皇帝軍の「不死部隊」を簡単に跳ね返します。続いて、反乱軍のスキタイ人傭兵部隊が反撃に出ると、皇帝軍はほぼ総崩れ状態になってしまいました。しかしながら、スキタイ人傭兵部隊は戦闘の最中にもかかわらず略奪行為に夢中になります。そのあまりに野蛮で無秩序な行動には、味方のはずの反乱貴族軍も恐れをなして退却を始めてしまいました。 ![]() 2. 反乱貴族軍の異変に気づいたアレクシオスは、攻撃のチャンスと見て、側近の従者たちと共に敵陣に突撃していきます。敵の軍勢のなかに皇帝用の馬と剣を運んでいる兵士を見つけたアレクシオスは、すかさずそれらを奪い取ります。そして急いで自軍に戻ると、伝令に命じて「敵の司令官ブリュエンニオスは倒れたぞ!」と全軍に伝えさせました。アレクシオスは、皇帝の紋章がついた鞍を着けた馬を示すことで、敵司令官の死を兵士たちに信じこませ、崩壊しかけていた皇帝軍の士気を回復させます。ちょうどこの時に皇帝ニケフォロス3世の援軍(トルコ人傭兵部隊)が到着しました。トルコ人傭兵隊長はアレクシオスから敵軍の現状を知ると、急いで反乱貴族軍に突撃していきます。勇猛なトルコ人傭兵部隊が、戦闘に参加すると形勢は逆転して反乱貴族軍は敗北、司令官のブリュエンニオスも捕えられました。 |