ラムセス2世率いるエジプト軍(2万名以上)  対 ムバタリシュ王率いるヒッタイト軍(1万7千名)
エジプト軍について
エジプト軍は4つの師団に分けられていました。神々の名にちなんでアモン師団、ラー師団、プタハ師団、 ステフ師団と名付けられており、それぞれ5千名の兵士を擁しています。戦力を構成するのは、2輪の戦車、弓兵と槍兵そして斧使いでした。 ヒッタイト軍の戦車
ヒッタイト軍の戦車は重装備で3人乗りが多く、エジプト軍の2人乗りの戦車より機動性は低かったようです。ヒッタイト軍の戦車隊は、数的に劣勢なエジプト軍の戦車隊を攻撃しても、これを思うように追跡できなかったため壊滅的な打撃を与えることが出来ませんでした。
戦闘経過
 エジプト王ラムセス2世は、ヒッタイトからの逃亡者2人がもたらした情報を信じて、敵のヒッタイト軍は遠方にあって、まだカデシュには到着していないと思い込み、カデシュの北西に野営地を定めるため護衛の部隊だけを率いて出発しました。野営地に着いたラムセスが後続の軍を待っている時、2人の逃亡者が実は敵のスパイであることが判明しました。ヒッタイト軍はこの時すでにカデシュの東に到着して、エジプト軍を奇襲しようと待ち構えていたのです。エジプト軍は、アモン師団、ラー師団、プタハ師団、ステフ師団の順にラムセスの待つ野営地に向かっていましたが、それぞれの師団はある程度の距離をおいて進軍していました。チャンス到来と見たヒッタイト軍は、オロンテス川を越えてエジプト軍のラー師団を側面から攻撃します。予想しない攻撃でパニックにおちいったラー師団は前方を進むアモン師団に向かって逃走し始めました。後方から押し寄せてきた友軍の混乱ぶりに驚いたアモン師団の兵士たちも士気を失い、一緒になって潰走してしまいます。 これを見たラムセスは戦車に乗って戦場を駆け巡り、ファラオの勇敢な態度を披露して、エジプト軍兵士たちのパニックを鎮めることになんとか成功しました。

 ヒッタイト軍の気のはやい兵士たちは、戦闘が終わっていないのにエジプト軍の野営地を略奪し始めます。その間に沿岸地方からエジプト軍の傭兵隊が到着し、油断していたヒッタイト軍に奇襲攻撃をかけました。傭兵隊が戦ってくれている間に、バラバラになっていたエジプト軍の戦車隊は、軽快な機動力を生かして短時間で集結することが出来ました。ラムセスが戦場の真只中にいたのに対し、ヒッタイト王ムバタリシュは終始1キロメートルほど離れた川向こうで指揮を取っていた為に有利なチャンスを逃してしまったのです。 再編成した部隊を率いたラムセスは、ヒッタイト軍をオロンテス川の対岸へ撃退することに成功します。       
夕方近くになってエジプト軍のプタハ師団が接近してくると、ヒッタイト軍はカデシュの町に逃げ込んで防備を固めました。エジプト軍のステフ師団はまだ遠く離れていたので、ラムセスには城壁内の強力な敵陣地を攻めることが出来る兵力がありません。戦術的には勝利したエジプト軍ですが、この地でヒッタイト軍を壊滅させることは諦めて撤退するしかありませんでした。

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