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カントリーロード プロローグ
日頃、気晴らしに走るお気に入りのカントリーロードが幾つかある。そのうちの一本が地方都市間を結ぶ県道118号線の湖畔沿いの区間だ。途中、擦れ違う事さえ出来ないポイントもある。距離にして20km足らずの区間だ。湖畔沿いの道は蓮田と点在する集落が程よく視界を開閉して、移りゆく風景が目に心地よい。しかし、いつの間にか微速度的に所々で改修工事が進み何やら立派な道路に変貌しつつある。取り立ててどこがと言う程の景色がある訳ではないのだが、それだけに気付いた時には失ってしまいがちな風景なのである。この様な風景は手が届かなくなってしまってから初めてその価値に気付くものだ。言ってみればセレモニーに出される豪華なご馳走では無く、毎日口にするローカロリーでヘルシーご飯の様な景色なのだ。カントリーロードの風情が気付かぬ内に消えて無くなる前に描いておきたかった。 |
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1.「道路案内板」
Strathmore Imperial seriesカントリーロードのアップから一年近く経とうとしている。最近スケッチ風な絵もたまにはいいかなと思い、片隅に忘れられていたスケッチブックを埋めだした。水彩の手順など気にせず緊張感も無く気楽に描き進めた。程なく如何にもここにもある、そこにもある余所で見慣れた淡彩画になった。 |
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2.「小さな旅の始まり」
ARCHES 県道118号線カントリーロードの旅の始まりは古くから開けた小さな集落を抜けて行く。買い物は車で10分ほどの郊外店舗まで出掛けるので商店は指折り数える程度だ。元々が農村だったのでどの家も構えが大きい。それに比べると道路は昔のままで車社会に対応していない。擦れ違いには随分と気を遣う。 |
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3.「青い倉庫」
Strathmore Imperial 前掲作のシーンを更に迫った位置で描いた。スケッチの気軽さから気構えたところが無く、前掲作よりも構図の収まりが良い。こちらを作品にした方が正解だったかもしれない。 |
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4.「山門へ到る」
Strathmore Imperial ゆるゆると登り坂の路地が奥の方に誘っている。突き当たりの山門が視線をしっかりと受け止めている。道は山門の前を迂回している。今回のスケッチブックシリーズではどれも緊張感が無いせいか、いつもならとても気にする水平線と垂直線が緩んでいる。 |
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5.「辻褄の四合わせ鏡」
Langton 露地の辻には合わせ鏡の様にカーブミラーが設置されている。勿論、安全対策なのだが現実には見えない更なる奥の景色まで見通している不思議を感じた。視線の先には湖水の対岸に私が毎日散歩しているグリーンホスピタルのシンボルであるランドマークの風車が見える。 |
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6.「金看板」
ARCHES 地味な色彩が支配するカントリーロードの中で異彩を放っているのがホーロー引きのカントリービルボードだ。余程、需要があるのだろうか。それとも痛んだトタンを張り替えるのも何だからトタン板代わりなのかな。因みにこれ全部高利貸しの金看板でうかつに借りると塗炭の苦しみに遭うぞなんてね。 |
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7.「廃店Aコープ」
WHITE WATSON カントリーロードに金色の飾りは似合っても動く金は少なかった様だ。看板は未だ新しかったがシャッターは閉じたままだった。生鮮品が売れなかったかな。この辺りの人はみんな売るほど作っているからね。 |
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8.「結界」
ARCHES 広々とした空間は遮る物無くまともに眺めるよりも、建物の隙間から時折垣間見える広がりの方が何となく心惹かれるものがある。畔に続く道に黒々とした倉庫の影が落ちて、異界が接する結界の様に空間を仕切っている。 |
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9.「朝の光」
Langton このルートは曲折しながらもほぼ東西に延びる軸線を作っている。カントリーロードを光に向かって進んでいるのだが、逆に光が向こうからやって来る様に感じても何の不思議も無い。「未来は輝く光の中からやって来て、過去は漆黒の闇に消えて行く・・・」と言うのがお気に入りの台詞だ。今、未来に向かって進んでいる。 |
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10.「坂路地」
WHITE WATSON 紙はWHITE WATSON、水彩紙とのことだが最低の紙だった。水を弾き漸く塗りつけてもミクロのピンホールが無数に表れて何度ぬっても潰れない。これは悪い筆癖を付けてしまう。発色も悪く入門用にも練習用にもならない。絵描きの言う事を聞かない最悪の紙だ。 |
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11.「単線道路」
ARCHES 絵を描いていて感じたのは、このルートでは電柱や標識などの柱がやたらに目立ち、画面構成に強い影響を与えている事だ。地盤の悪さも手伝ってか柱のほとんどが垂直を保てない。田圃側へ傾いていて何か強力な気の力でも働いているかと思ってしまう。でも、事実は狭い道路から障害物を取り除き道幅一杯に使う為の配慮だろう。 |
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12.「朝飯前」
Strathmore Imperial 淡彩画は気楽さが信条かも知れないがやはり物足りなく感じてしまう。思い切り押し込んでメリハリを付けたくなる衝動をこらえながら怠惰な雰囲気を味わってみる。 |
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13.「宅配便」
Strathmore Imperial 最近はとにかく人が歩いていない。ちょっと近所に出掛けるにも車を使ってしまうので人影が無いのだ。その代わり車が添景になっている。 |
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14.「ボーダーガーデン」
Langton これだけの大木になっても切らずに生やしておけるのは古くから居を構えている農家なのだろう。庭先に樹木の影が落ちても引きがあって住まいに十分な光が届くのは羨ましい。この時代に夏の日の緑陰を持てるのは贅沢な限りだ。特別立派なファサードではないが、屋敷周りを花で飾り植木も良く手入れしてあり主の気持ちが表に出ている。狭い道路では水路に蓋をして金を掛けずに拡幅整備したりするものだ。しかし、この区間では車がすれ違えないほど狭いのに、水路のままにしてあるのは壕として機能させているのだろう。塀やフェンスを巡らして"入るな"と言うメッセージよりも、水路で間を開けて"入れませんよ"と言うメッセージの方が住まう人の柔らかな気持ちを感じる。何より風景が美しく保たれる。豊かな草木は豊かな心と一体だといつも感じている。 |
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