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樹魂/JUGON
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樹木は精神的なバックボーンの象徴。常緑樹は永遠不滅の命を、落葉樹は変化変滅する輪廻を象徴しています。命を支える根幹にこそ幾世代にも渡るドラマが隠されているのです。そして私は梢の先に付いている一番新しい一枚の葉です。反対側の梢に付いている一枚の葉も元を辿れば同じ根幹に支えられています。つまり私とあなたは同じ命なのです。
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01「メタセコイア」
540mm×740mm 以前、千駄ヶ谷に住んでいた頃、よく新宿御苑に出掛けた。新宿に出るのにも電車と同じ料金を払って御苑の中を歩いて行ったものだ。雪が降った日は雪景色を眺めに、晴れた翌日には絵を探しに出掛けた。御苑の広場の中程に立っていたメタセコイアだ。濡れてまだ黒々とした木肌と青い陰影に心を引きつけられた。巨木を描くきっかけになった。 |
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02「経津主大神」*スギ
(ふつぬしのおおかみ) 540mm×740mm 武甕槌大神(たけみかづちのかみ)と共に国家鎮護の神だ。巨木は神社仏閣に多く、御神木として大事にされている。人物でも描き込めば木の大きさが分かり易くなるが、木霊の気が穢れてしまいそうなので描かない。物事すべからく根幹が大事と言う様に、梢よりも根幹の部分に命のルーツが、そして気のエネルギーが集中している。 |
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03「宇気母知神」*タブ
(うけもちのかみ) 740mm×540mm 宇気母知神は食べ物の神で神話に出て来る古い神だ。タブの木でイヌグスとも言い、古くはクスノキと誤解されていた様だ。かなり古くから有名な巨木で、近くには垂れた枝が地面に根を下ろし、今は独立した木になって立っている。根幹を描くときなかなか日差しが届かないので時間を選ぶ。何やら様々な気が宿っている様で如何にも無意識の世界に息づく木霊の様だ。不気味ささえ感じるのはそれほど深い無意識に通じているからだろう。 |
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04「阿弥陀如来」*イチョウ
740mm×540mm 境内にはイチョウの巨木が数本ある。主役は本堂の前に天高く聳えている樹齢1000年のイチョウだ。その木は捻れの為に根幹が首の様に細く、構図の収まりどころがうまく見つからなかった。この木は鐘突堂の近くに立つイチョウだ。やはり数百年の齢を重ねて木肌が美しく金色に輝いていた。 |
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05「八柱神」*ケヤキ
540mm×740mm かつて近郷八か村が合併した折りに各村の神を合祀して八柱の神社となった。社は豊富な彫刻に飾られている。ご神木の欅は中が虚になっていて数百年の雨風に耐えてきた古豪の趣だ。八柱の神々は素戔嗚尊・木花咲耶姫命・倉稲魂命・軻遇突知命・大山咋神・厳島姫命・誉田別命・別雷命です。 |
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06「屋敷神」*エノキ
540mm×740mm 道端の個人敷地に佇む榎の大木だ。枝葉末節の子孫が、根幹である先祖達の太い腕で支えられている様だ。木肌の色合いと相まってどこか家族の暖かみを感じる。旧居は保存文化財になっていて 往事の暮らし振りが垣間見られる。 |
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07「級長津彦命」*ヤマザクラ
(しながつひこのみこと) 740mm×540mm 別名「龍田彦」とも言い風神で五穀豊穣を司る。我が家から100kmの距離にある隣県の山里に棲む山桜の古木。花の時期を狙って出掛けたものの、未だ咲いていなかったり、既に散ってしまったりして3〜4年ほど通っただろうか。漸く何とか都合の良い光に恵まれて取材ができた。桜は古くなると捻れるものが多い様だ。根幹が荒々しく太く捻れる姿に一目惚れして何年も通った。緑色に苔むした木肌も魅力的だった。 |
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08「プラタナス」
740mm×540mm 新宿御苑の千駄ヶ谷門を入ると最初に出会う木立がプラタナスだ。この絵は描きかけて直ぐに中断した。黄緑色がかった木肌の色味がややこしく、光のメリハリが弱くて1年近く放置していた。気が満ちてこない時というのはあるもので、その間はどうにもこうにも描く気が起こらない。それどころか見る気もしない。そうしている内にある日突然、一気に描き出すのだ。程なく順調に仕上がりを迎えた。 |
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09「武甕槌大神」*スダジイ (たけみかづちのおおかみ) 2006.10.19 シリーズ・カントリーロードの取材中に発見したスダジイの古木。鹿島神社の境内に立っているご神木だ。荒々しい木肌や朽ち折れた枝元など、永年月の風雨に晒されて来た物語が刻まれている。樹木に光が当たるのは朝早い内のごく僅かな時間だ。この木は何の抵抗も無く随分と素直に描き上がってしまった。
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10「薬師如来」*イチョウ
2006.12.02 この木を描くまでに何年掛かっただろうか。この木を描きたいと思ったのが十数年前だったが、その頃はこの木の気迫に負けていて遠巻きにしていただけだった。樹齢1000年を越すご霊木だ。天を覆う程の枝葉の広がりが有るのだが、その大きさに比してねじれた根幹が首の様に細くよく大樹を支えていられるものだと関心していた。ここに来てどうにも描きたい意欲が沸々と溢れて遂にその姿を描き起こす気になった。 それにしてもこのゴツゴツとした造形は樹魂を宿すに風格十分な趣がある。今までに描いた樹木にも皆それぞれの樹魂が宿っていたがこの木にも違わず立派な樹魂が宿っている。眺めているだけで悠久の時が流れて行く。 |
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11「大己貴命」*スダジイ (おおなむちのみこと) 2007.01.21 このうねる筋立ちはまるで猛り狂う筋肉の様であり、この筋立ちの中を数百年の物語が脈々と流れている。大己貴命とは大黒様の本名で国造りの神様だ。この数百年の間ずっと力が要ったのだろう。 この面に光が当たるのは朝早い内だけなので時間に合わせて何度か取材に出掛けた。今は木の虚にコンクリートを詰められてしまい絵のモチーフとしては台無しになってしまった。延命処置は人間にも盛んに施されるが、今の時代は命有るものを自然に任せる事が容易では無い時代なのかもしれない。 |
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12「早春賦」*エノキ 2007.04.19 風景は冬の色味を引きずって未だ淡いままだ。しかし、眼を見晴らすとそこには一面に春の胎動が始まっている。枝先はふくらみだした新芽が春舞台の袖で幕開けの合図を待っている様だ。 |
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