福井発東京行きの長距離バスに武生から乗り込み、関東方面に向かう美少年が4人… 
???「見てろよ、今度こそオーディションに受かってやるから!」 
???「僕の分析からして、君の歌声で合格はまず無いと思いますが、頑張って下さい」 
???「それよりmeが楽しみなのは、向こうに新しく増えた2人のgirlsだよ」 
?「ああ、可愛い子らしいよ…そして、今回のターゲットでもある…」 


 
『魔法合戦!さやかとまさみと美少年!?』
とある日の、とあるテレビ局… ロビーでソファーに腰掛けて暇を持て余している男子が2名… 片方が、もう片方を無言で見つめてくるので、尋ね返す。 フジオ「…どうしました?レオン君」 レオン「meは、もう退屈だよ〜…フジオ君、youは退屈じゃないのかい?」 フジオ「確かに、退屈と言われれば退屈ですね…」 レオンと呼ばれた方は、さらにグッタリする。 その隣で、フジオと呼ばれた方は、何やら手帳を読み込むばかり。 フジオ「トオル君のオーディションついでに、武生から出てきたのはいいですけど、     暁君はバトルレンジャーの撮影を見に行ったきり、鉄砲玉ですし…」 鉄砲玉…つまりは、飛んでいったら戻ってこないという事だ。 そして台詞から察すると、トオル・暁という仲間がいるようだ。 ここにいる2人と、出かけている2人。合わせて4人組であろうか。 フジオ「どうします?トオル君の様子でも見に行きますか?」 レオン「おいおい、あのnoisyな歌を聴くのかい?」 フジオ「やはり、これは賢明な選択ではありませんね…彼の音痴は筋金入りですし…」 レオン「なら、どうするんだい?」 そんな2人の目に、何やら興味深い人影が映った。それは… さやか「まさちゃん、いつまで台本読んどんねんな?」 まさみ「読み込んどくのに越した事は無いっしょ?それより、そっちは?」 さやか「あんなん、もう覚えきったわ」 まさみ「勉強も、それくらいだといいんだけどね」 さやか「それは言いっこなし…」 またしてもドラマの出演をゲットした、さやか・まさみの2人だった。 フジオ・レオン「あの子…」 レオン「(強気で活発そうなgirl…あいちゃんみたいだ…)」 フジオ「(知性と共に、強さも秘めた瞳…はづきちゃんとは、また違った印象ですね…)」 どうやらレオンの方はさやか、フジオの方はまさみが、それぞれお気に召した様子。 そうと決まれば早速、口説きにかかる。 レオン「Hey!you達、ちょっとme達とお茶してかない?」 フジオ「多少なら持ち合わせがありますから、僕らが払いますよ」 いきなりそんな事を言われても、さやか・まさみは唖然とするのみ… まさみ「何、この2人…」 さやか「ナンパかいな…?」 とにかく、付き合っている暇は無い。 さやか「悪いけど、うちら忙しいねん…考えとくわ」 関西では「考えておく」と言うと、遠回しに断った事になるそうだ。 まさみ「一昨日(おととい)来てもらえる?」 こちらの古風な返し文句は、流石まさみといった所。 相手にしている時間さえ勿体無いので、2人は足早に去っていく。 しかしレオンは、何も分かっちゃいない。 レオン「つれないgirl達だな〜」 そこに、同じような服装の男子が、もう2人やって来た。 暁「バトルレッドと握手できた〜…☆」 トオル「あ〜あ、この僕を落とすなんて、絶対あの審査員どうかしてるよ」 先程、話に挙がっていた、暁・トオルの両名である。 どうやら、それぞれの所用を終わらせて、仲間の元に戻ってきたようだ。 チラッと振り返りながら、まさみが顔を険しくする。 まさみ「2人増えた…4人組か…」 さやか「あんなチャラチャラしたの気にせんと、早よ行こ」 去っていくさやか・まさみの後ろ姿を見ると、それまで惚けていた暁の顔付きが変わった。 暁「狡いじゃないか…僕らのいない間に、彼女達に手を出すなんて」 フジオ「手は出してませんよ。たまたま彼女達の方から通りかかったので、挨拶したまでです」 レオン「ちょっと話しただけだけど、なかなか面白そうなgirl達だよ」 トオル「そりゃそうさ。何たって、この僕のライバル・おんぷちゃんが認めた子達だぜ?」 廊下の曲がり角を曲がる、さやか・まさみ。しかし、まさみが足を止める。 さやか「…まさちゃん、まだあいつらの事、気にしとんの?」 まさみ「あの4人…魔力を持ってる」 さやか「ほへっ!?」 まさみ「しかも、尋常な強さじゃない…」 さやか「レベル的にしたら、なんぼくらい?」 まさみ「数値化する基準が無いよ…まあ、確実に言える事は1つ…おんぷちゃんをも上回るね」 自分達ですら敵わない、あのおんぷをも上回る魔力…さやかに衝撃が走った。 さやか「ちょっ…ちょい待って!そいつら一体、何なん?」 まさみ「分からない…悪い気はしなかったんだけど…何を考えてるかも分からない…」 再び、美少年4人組の方を見てみよう。 トオル「でも、僕らがいない間に彼女達に声掛けるなんて、ちょっと頂けないよな…」 レオン「じゃあ君は、目の前をmain dishが通り過ぎてくのを、指を咥えてthroughするのかい?」 トオル「そうは言ってないけど、彼女らを帰しちゃうってのは、あんまりじゃないか。     せめて僕らが帰ってくるまで、何とか引き止めておくとかあるだろ?」 言い合うレオン・トオルの両名を、フジオが宥める。 フジオ「まあまあ…多少、手順は狂いましたが、彼女達に僕らを印象付ける事は出来ました…」 トオル「えっ?君らはともかく、僕と暁君は…」 フジオ「気付いてましたよ、まさちゃんは。4人揃った所で、去り際に振り向いてくれましたし。     それに口の動きからすれば、おそらく『4人組か』と小さな声で呟いたようですから」 暁「それに彼女、魔力を『感じる』んだろ?僕らの魔力を無視してる訳も無いだろ」 トオル「へぇ…やるじゃないか」 フジオ「では、そろそろ準備をしましょうか…彼女達と『遊ぶ』ためのね」 レオン「せっかく武生から出てきたんだ!トオル君のauditionだけで帰る手はnothing!」 暁「ふっ…彼女達が一体どんな反応してくれるか…楽しみだな」 4人の怪しい笑みと怪しい企み…さやか・まさみは、微塵も気付かず… その直後、控え室…おんぷが先着していた。 おんぷ「あら?2人共、何かあったの?」 まさみ「え?なして?」 おんぷ「ちょっと疲れた顔してる」 さやか「当たってへん事もないな〜…あんな、さっきロビーで変なのに絡まれたねん…」 おんぷ「変なの?」 まさみ「いけ好かない男子が4人…ま、適当にあしらってきたけど…」 おんぷ「ふ〜ん…」 そこに、スタッフの呼び声が。 スタッフ「おんぷちゃ〜ん、準備できてます〜?」 おんぷ「は〜い♪じゃあ、お先に失礼♪」 不快な面持ちのさやか・まさみを尻目に、おんぷの足取りは軽快だった。 そして深夜…自宅で就寝中のさやか・まさみ… その2人の耳を劈いて安眠を妨げたのは、パトレーヌコールの着信音だった。 おんぷ「さやちゃん!まさちゃん!」 さやか・まさみ「おんぷちゃん!?」 おんぷ「ごめん、あまり話してる暇無いの!     マジカルステージするから、ロイヤルパトレーヌに…」 さやか「おっしゃあ!」 まさみ「了解!」 おんぷ「プ〜ルルンプルンすずやかに〜」 さやか「プレサ〜リラティ〜なめらかに〜」 まさみ「ポクセル〜カソペ〜きよらかに〜」 おんぷ・さやか・まさみ「マジカルステージ!!!みんなを助けて!!!」 誰かは分からないが、とにかく助けねばならない…そんな思いで「みんな」と声を合わせた。 こうして、それぞれ離れた地点で、それぞれ純白の衣装に身を包んだ。 おんぷ「それで2人とも、これから私の今いる所に来てほしいんだけど、場所は…きゃっ」 まさみ「ん!?」 さやか「おんぷちゃん?…おんぷちゃん!?」 声を荒げても、おんぷの声が返ってこない。さらには通話もプツッ…と切れてしまった。 さやか「ちょっ…おんぷちゃん!おんぷちゃん!!」 戸惑いの声が、次第に悲痛な叫びに変わっていく。だが、それよりも大きな怒鳴り声が。 まさみ「落ち着きなっ!!!」 これには流石に、さやかもビクッとして、叫びは喉元で止まった。 まさみ「さやちゃん、まずは息整えな。して落ち着いたっけ、状況を整理さして」 さやか「うん…分かった…」 受話器を通して、さやかの深呼吸する音を聞いて一安心したまさみは、話を再開した。 まさみ「おんぷちゃんが、あたし達にロイヤルパトレーヌになるように言ってきた。     つまり、おんぷちゃんの近くで何かが起こってて、あたし達の助けが要るって事だ」 さやか「うん、それは分かんで…」 まさみ「問題は、あたし達を呼び寄せようとして、居場所を伝えようとした所で、電話が切れた…     察するに…信じ難いし、信じたくもないけど…おんぷちゃんが、敵の手に落ちた…」 さやか「そんなん嫌やっ!早よ助けなっ!」 再び興奮するさやかに、まさみの声も再び大きくなる。 まさみ「だから落ち着きなやね!!もう…その助けるのに、どうやって助けるかでしょや!」 さやか「あっ…堪忍…」 あまりのまさみの剣幕に、さやかは再びしょ気る。 まさみ「…とりあえず、さやちゃんは目を光らせて、おんぷちゃんの魔力を追って。     あたしも神経尖らせてみるから。同じ魔力を追ってけば、嫌でも出くわすしょ?     合流して、おんぷちゃん助けた後なら、喚くんでも何でも聞いてあげるから」 さやか「うん…分かった!」 まさみ「はい、宜しい」 それから、しばらくして…藤野原丘陵、宅地開発工事中止区域… 中途半端に残された林と、建設半ばで放置された構造物が入り組む地帯… そんな所を、おんぷの魔力を追って合流した2人が、歩みを進めていた。 さやか「何や、薄暗いなぁ…嫌な感じや…」 まさみ「おんぷちゃんの魔力は感じるけど、姿が見えない…そして感じる、別の魔力…」 さやか「敵、と見るんが筋やな」 まさみ「さやちゃん…相手の頭数(あたまかず)は…」 すると、言い出したまさみの声に、さやかも声を被せてきた。 さやか・まさみ「4人!!」 まさみ「やっぱりね」 さやか「おんぷちゃん以外の魔力も見といたさかい、バレとんで」 魔力を見る力で、さやかは相手の数を既に把握していた。 さらに、まさみも魔力を感知する事で、さらなる情報を得ていた。 まさみ「そして、この4人の魔力…覚えがある!」 さやか「…ほへ?」 まさみ「この胡散臭い魔力持ってて、4人で組んでるなんてったら…」 言われて、さやかも気付いた。テレビ局のロビーで出くわした少年達だ。 さやか「あっ…あいつらかいなっ!?」 先程の事を思い出すと、さやかは無性に腹が立ってきた。 さやか「ナンパの相手せぇへんかったからって、腹いせにおんぷちゃん攫ってくんかいな!」 勿論、まさみも怒りに燃える。 まさみ「おんぷちゃんの身に何かあったら…ただじゃおかないんだから!」 そして2人とも、真剣な顔付きに変わった。 さやか「さてと…4人固まって来るで」 まさみ「単純計算すると2対4、こっちが不利だけど…どうする?」 さやか「構へん。勢いで片付けたる!」 まさみ「それが聞ければ頼もしいや。でも無闇に力攻めしないで」 さやか「搦め手から攻めるんは、まさちゃんに任すわ」 まさみ「了解。それにしてもテレビ局で声掛けてきたのは、ふざけてたのか様子見だったのか…」 レオン「No,no…あれは本気さbaby」 聞き覚えのある、変に英語交じりの口調。 さやか「あんた…やっぱ、あの時の!」 暗い物陰から姿を見せたのは…まずはレオン。 レオン「Hi!また会ったね、さやちゃん」 さやか「会いたくもなかったっちゅうねん!…ほへ?あんた何で、うちの名前…」 次に現れたフジオが、平然とした顔をまさみに向ける。 フジオ「さやちゃんの名前だけではありませんよ…まさちゃん」 まさみ「ふうん…あたしも調べは付いてるって事か…」 トオル「ピンポーン♪」 3番手には、トオルがやって来た。 トオル「やあ!さっきはちゃんと挨拶できなかったけど、今こうして見ると、やっぱ可愛いね☆」 まさみ「3人目か…そんな軽い口車に乗るとでも思ってるの?」 さやか「おんぷちゃんはどこや!」 暁「やれやれ…随分と、ご機嫌を損ねたようだな…」 最後は、暁が臨場。まさみの顔が、さらに険しくなる。 まさみ「さやちゃん、こいつが親玉だ…他の3人と、魔力が格段に違う!」 さやか「確かに、狡そうな顔しとるもんな…うちら2人に、4人掛かりで来るだけはあんで」 暁「確かに4対2はフェアじゃない…でも君ら2人の強さは、4人分にも相当するからね」 フジオ「ロイヤルパトレーヌには、直接の魔法が効きません…     それだけでも、十分なハンデと考えていいでしょう」 レオン「それにyou達には、魔力が分かるってunbelievableなpowerがあるしね」 トオル「まあ、相手が誰だろうと、僕らは手加減しないよ」 レオン「Come on baby!」 臨戦体勢の4人に、さやかも息巻く。 さやか「ほぉ〜…やったろうやないか!相手したんで!」 まさみ「ちょっと待った!」 一触即発なムードを、まさみが制止した。 まさみ「なして問答無用で喧嘩吹っ掛けてくるかな?こっちは、今それどころじゃないの。     おんぷちゃんはどこなの?あたし達の目的は、おんぷちゃんだけだよ。     それとさやちゃん、怒ってるからって、簡単に相手の挑発に乗らないの。     でもって、ロイヤルパトレーヌの事まで全部お見通しな相手に、無闇に向かってかない」 さやか「は〜い…」 まさみ「はい、宜しい…という訳で、おんぷちゃんをどうしたか、吐いてくれない?」 トオル「言わなければ、どうするんだい?」 まさみ「質問してんのは、こっちだよ!先にこっちの質問に答えな!」 フジオ「答える義務も無いと思いますが?」 暁「まあまあ…見せてやろうじゃないか」 すると、暁の頭から触覚のように2本だけ飛び出た髪の毛が揺れる。 さやか「あっ…魔法…!」 まさみ「魔法を自由に使えるなんて…何者…?」 だが2人の頭上に、そんな疑問も消え去る程に、とんでもない光景が現れた。それは… さやか・まさみ「おんぷちゃん!!」 宙に浮かび、内部が透けて見える、大きなシャボン玉のような物。 その中に、瞳を閉じたおんぷが、力無く凭れ掛かっているではないか。 まさみ「ちょっと、あんた達…!」 顔から血の気が引いていく2人に対し、事を仕出かした本人達は涼しい顔をしている。 フジオ「僕ら4人相手に、1人でよく抵抗した方ですけど…」 レオン「この魔法が効かないtoughなbubbleに閉じ込められて、the end☆」 トオル「何とか破ろうと、手持ちのロイヤルシード全部と体力もみんな使い切って、この様さ」 まさみ「おんぷちゃんを抑え込めるなんて…ただ魔法が使えるだけじゃないって事か…」 さやか「あんたら…何で…こないな事…!」 込み上げてくる激情により、さやかの体は小刻みに震える。 暁「何でって、彼女が大人しくしてくれないからさ」 まさみ「あたし達と同じように、ふざけて声掛けて、言う事聞かなきゃ腕尽くでってか…」 燃えるような瞳で、まさみは4人組に睨みを利かせて… まさみ「最っ低!」 吐き捨てるまさみの怒りも、向こうには通じていないようだ。 フジオ「ですので、何も言わずに僕らと付き合う事をお勧めしますよ。     彼女みたいに、愚かな真似はしない方が、あなた達の身のためですから」 さやか「…っ!!」 おんぷの抵抗を、愚かな真似と言われ、ついに…さやかが爆発した。 さやか「プレサ〜パトレ〜ヌ!」 リースポロンを握り締めるさやかの手元に、緑色の目映い光が色濃く輝く。 そして辺りの木々が、枝葉を擦り合わせる音が起こり始め、徐々にその音が大きくなっていく。 最初は掠れるような軽い音だったのが、いつしかザワザワという音と共に大枝ごと揺れ動きだす。 暁「風…?」 さやかを中心とした周辺一帯に、吹き荒ぶ暴風。 それは次第にさやかの頭上で渦を作り、幾百幾千もの木の葉を取り込んでいく。 まさみ「凄い魔力…!」 驚きと共に、まさみは恐れすら抱いていた。さやかの魔力は、暴走寸前である…と。 まさみ「…さやちゃん!」 さやか「あんたら…許さへん!!!」 まさみ「駄目っ…!」 次の瞬間、台風かと思うくらいの突風と共に、大量の広葉が乱れ飛んだ。 鋭利な刃と化した大量の葉が、情け容赦無く4人に襲い掛かる。が… まさみ「ポクセルパトレ〜ヌ!」 その呪文と同時に、4人の髪も一斉に揺れた。 すると突如、発生した別の横風が、突風の進路を僅かに逸れさせた。 ザクザクッ!という音がした方を振り向けば、近くの木に広葉が何枚も突き刺さっていた。 レオン「Oh…Jesus…」 まさみ「ふう…何とか直撃は免れた…」 フジオ「危険極まりないですね…」 まさみと4人組の魔法が別の風を生み出し、さやかの攻撃を逸らしたのだった。 さやか「まさちゃん…何で邪魔すんねん!何で、こんな奴らなんか庇うねん!」 憤るさやかの大声に、さらにまさみが怒鳴りつける。 まさみ「頭冷やしなっ!!此間、狸さんに自分で垂れた説教、思い出してみなさいやっ!!」 回想… さやか「驚かすんはええけど、人に怪我させたらあかんって、あれほど言うたやないか!     あんたらが人間に住処壊されたり、怪我させられたりしたんは分かっとる!     せやけど、あんたらも仕返しに人間傷付けたら、人の事言えへんねんで!」 回想終了… さやか「あっ…」 途端に青菜に塩、さやかの高ぶった感情は鎮火していった… まさみ「それに魔法で人を傷付けたりしたっけ、おんぷちゃんだって怒るべさ!     …尤も、おんぷちゃんが本当に怒ったら、こんなもんじゃ済まないだろうけどね…」 そして、まさみは踵を返して、4人組にも怒りを向ける。 まさみ「あんた達もあんた達だよ!穏便に済ませりゃいいものを…今の見たしょや?     さやちゃんを怒らせたら、そっちが後で悔やむ事になるんだよ!     喜怒哀楽の感情が激しいさやちゃん…激昂した感情が、魔力を何倍にも跳ね上げる…     さやちゃんの歯止めが利かなくなって、大怪我したって知らないよ!     あたしだって、いつまでもそっちの面倒まで見きれないからね!」 睨みつけられた4人組は、顔を見合わせる。 フジオ「…だそうですよ」 暁「忠告ありがとう。それなら…魔法を使えなくしようか」 そう言うと、暁の髪が揺れる。すると、さやかの手の中が急に軽くなった。 さやか「?」 不自然に思って、手を見つめながら握ったり開いたりしていると、まさみが気付いた。 まさみ「さやちゃん、リースポロンがっ!」 さやか「ほへっ!?」 そう、さやかの手にしていたリースポロンが無くなっていたのだ。 トオル「探し物は、これかい?」 何と、さやかのリースポロンは、魔法によって瞬間移動させられ、トオルの手元に。 レオン「you達の魔法を使えなくするなんてeasy♪easy♪」 フジオ「何も使わずに魔法が使える僕らと違って、そちらは道具が無いと魔法が使えませんから」 余裕で講釈を垂れるフジオ。しかし、その余裕が命取りだった。 その間に、まさみが一気に間合いを詰めていた。 まさみ「ポクセルパトレ〜ヌ!」 走り込む間に魔法を発動、まさみのリースポロンから発光した光は日本刀に変化した。 そしてトオルに詰め寄ると、問答無用で横一線に斬り込んだ。 トオル「おおっと!」 咄嗟に上体を後ろに逸らして、まさみの攻撃を避ける。 さやか「ちょっ、まさちゃん!うちに人傷付けるな言うといて…」 まさみ「傷付けてないよ」 さやか「それは、向こうが避けてくれたさかい…」 まさみ「避けてくれるのまで、最初から見越してたから」 そう得意げに言うまさみの日本刀に、何やらカラン☆と引っ掛かっている物が。 トオル「…あっ!やられたっ」 それは、奪われたリースポロン。リング状の中心部分に空いた空間に、刀が通っているのだ。 まさみ「詰めが甘いね。さやちゃんのだけでなく、あたしのも取ってけば良かったのに。     まあ、あたしは取られたって、魔法なしでも同じように腕尽くで奪い返してたかな」 最初から、まさみの目当ては、これを取り返す事だけ。そのための斬り込み作戦だった。 トオル「やったな!」 まさみから再び奪おうとするトオルだが、まさみは無言で刀を後方に振るった。 すると遠心力で刀から放出されたリースポロンは、宙を舞って持ち主のさやかの元へ。 さやか「おおきにな!」 しっかりキャッチして、さやかも再び臨戦態勢。 まさみ「さてと、同じ手は二度も食わないよ。魔法の発動速度は大体一緒でしょ?     そっちが奪おうとして魔法出そうとしても、こっちも魔法で防御すれば相殺されるしょ」 フジオ「仰る通りです。奇襲戦法は、相手の警戒の薄さがあって成立するもの…     そちらが警戒していて、油断も隙も無いのならば、効果がありませんからね」 まさみ「この辺で、もう1回だけ聞いとくよ。おんぷちゃんを素直に返してくれる気は?」 レオン「勿論…nothing」 まさみ「そっか…じゃ、こっちも力尽くで、おんぷちゃんを取り返すしかないって事か」 交渉決裂…これで、まさみも吹っ切れた。 まさみ「したっけ…さやちゃん、おんぷちゃん閉じ込めてる泡、何とかして壊すよ!     あいつらが邪魔してくるなら…あたしが許可する。多少なら、懲らしめて良しっ!」 さやか「待ってました!」 4人組に囲まれた状態で、さやかは取り戻してもらったリースポロンを握る手に力を込める。 さやか「プレサ〜パトレ〜ヌ!」 緑色の眩しい光が、さやかの手元に輝く。 さやか「…おっしゃ!」 そして、さやかのリースポロンは長十手と化した。 トオル「何だい?その変てこな鉄の固まりは?」 ここで、情報収集に余念の無いフジオが解説。 フジオ「さやちゃんのは十手は、捕縛用の道具で、相手をあまり傷付けないのが売りですね。     因みに、まさちゃんのは日本刀…あらゆる刀剣類の中でも、特に芸術性が高いそうです」 レオン「どっちにしろ、girlの持つ物じゃないね」 さやか・まさみ「…!!」 小馬鹿にしたようなレオンの台詞が耳に入った途端、2人はそれぞれ長十手と刀を振るっていた。 さやか「さっき、怒り任せに出した技、使い勝手ええんやないか?」 まさみ「確かに。あたし達の得物を振り回したら、物が飛んでく魔法…応用も出来そうだし」 すると、それぞれから放たれた木の葉と氷柱が、おんぷを取り込んでいる泡に向かっていく。 そして次々に膜の外側に当たっては、無残にも砕けてしまう。 トオル「あははっ、そんな魔法じゃ壊れないよ」 すると、葉っぱの内の1枚が、トオルの頬を高速で掠めていった。 トオル「おっと!…おい、人は傷付けないんじゃなかったのか!?」 不意の攻撃に、腹を立てるトオルだが、さやかは笑って返す。 さやか「堪忍な、手が滑ってもうたわ。次は、しっかりあんたを狙ったろか?」 …とは言うが、最初から威嚇のつもりで当てる気は無かったが。 暁「ふっ…道具や魔法よりも、君ら2人の方が、よっぽど物騒だ」 フジオ「しかし、このまま彼女達の好き勝手にさせては、こちらの都合が悪くなります」 そう言ったフジオの魔力の波動に、まさみが鋭く反応した。 そして脳内では瞬時に、フジオが魔法を使おうとしていると予想した。 さらに行動を起こす。髪が揺れる前に、まさみの太刀筋がフジオに斬りかかった。 この間、1秒も掛かっていないのではないか。 感知能力・反射神経・頭脳・運動神経の、超高速連係プレーだ。 フジオ「おっと…」 だが、それでも、まさみの攻撃はフジオにヒラリとかわされてしまった。 まさみ「速い…!?」 4人の中で、一番おっとりして見えたフジオを狙ったつもりのまさみだったが、 予想以上のフジオの身体能力に、太刀は空を切ったのみだった。 フジオ「敵陣の中で弱そうな点を見抜き、そこを躊躇する事なく攻める…見事ですね」 まさみ「くっ…少し見縊ってたか…」 4人は全員、運動神経は悪くない。そこに魔法をも絡めてくるので、さらに面倒だ。 さやか「ほな、邪魔してくる4人とも纏めて、一気に片付けんで!」 そう叫んで、さやかは長十手を大振りする。 ついさっき、感情を爆発させた時ほどではないが、大量の鋭利な葉っぱが風に乗って乱舞する。 トオル「だけどな…」 ニヤリとするトオルの髪が揺れる。すると強風は収まり、葉は力無く地面に舞い落ちた。 さやか「んなアホな!?」 愕然とするさやか。すぐさま、まさみが駆け寄った。 まさみ「隙を見せないで!数では、あたし達が不利な事に変わりないんだから!」 さやか「せやった…堪忍な」 すかさず、まさみも新たな攻撃に出る。 魔法で刀になっていたリースポロンを、元の形に戻して呪文を一喝。 まさみ「ポクセルパトレ〜ヌ!」 今度は銀色の閃光が、弓矢を形作る。これを構えて、まさみは空へ放った。 まさみ「酒井正海流魔法道・氷雨」 空へ向かった矢が重力で反転、さらに分裂して無数の氷柱と化した。 さやか「まさちゃん!それやと向こう、怪我してまうで!」 まさみ「服だけ地面に釘付けするように念じてある!」 そして、土砂降りの氷柱が空中から4人を目掛けて、一斉に雪崩れ込んだ。 まさみ「これだけの数、全部を避けれる筈が無い!」 フジオ「避けるまでもないですよ」 しかし、ここでフジオの髪が揺れて、途端に紅蓮の炎が氷柱を飲み込んだ。 まさみ「しまった!」 氷柱は全て熱処理され、跡形も無く融けてしまった。 フジオ「氷が熱に弱いのは、自然の摂理ですからね」 まさみ「言われなくても、分かってる…」 淡々としたフジオの口調に、だんだんと苛立ってきたまさみに、さやかが一声。 さやか「まさちゃん、向こうのペースに乗せられんと!…な?」 口元が笑っているさやかの顔を見て、まさみも自然と笑みが零れた。 まさみ「さやちゃん…悪いね」 持ちつ持たれつ…さやか・まさみは、互いに助け合っていた。 四方から包囲する4人に対し、さやか・まさみは背中合わせになった。 取り囲まれた状態では、背後が最も危険。その死角を、それぞれで補っている。 さやか「こないな時…おんぷちゃんやったら、どないすんのやろ…?」 弱気になるさやかに、まさみが少しきつめの言葉を掛ける。 まさみ「泣き言なんか言ってる暇無いよ」 さやか「…せやったな」 言い方は厳しくても、自分を励まそうとしている事は、さやかには理解できていた。 まさみとの付き合いは、短いようで長い。まさみの言う事なら、一を聞いて十を分かるつもりだ。 暁「面倒だな…やっぱり、君達もこうするしかないのか」 さやか・まさみ「(…何か来る!!)」 4人全員の髪が同時に揺れたかと思うと、2人は為す術も無く、 おんぷと同様に、巨大なシャボン玉のような物に取り込まれてしまった。 さやか「なっ、何やこれ!?」 2人を閉じ込めたシャボン玉のような泡は、フワフワと浮遊する。 まさみ「おんぷちゃんにも、この手を使ったのか!」 宙に浮かぶ泡を割ろうと、さやかは側壁を蹴り飛ばす。 まさみも同時に、太刀の切っ先を勢いよく突きつけていた。 だが膜は、まるでゴムのように伸びるだけ伸びて、割れる気配が無い。 フジオ「物理攻撃は受け付けませんよ。それと魔法もね」 さやか「そんなん、やってみんと分からへん!」 すぐさま、さやかは長十手を振るった。 内部で旋風が起き、葉の刃が螺旋状に回りながら膜を切りにかかるが… レオン「さっきも言ったろ?それはtoughに出来てるからね」 トオル「その程度の魔法じゃ、掠り傷すら付かないよ」 その言葉通り、さやかの葉は泡に取り込まれるように消えていった… さやか「嘘やろ…」 まさみ「一定以上の魔力で、強い負担を掛ける必要があるか…     だけど1人の魔法じゃ、膜の限界に達しない…」 曇る2人の表情。さやかの十手、まさみの太刀が、リースポロンに戻る。 一方、4人組の方は、さやか・まさみが勝手に力尽きるのを待つだけだ。 暁「僕ら4人が力を合わせた魔法だ。君らに破れるかな?」 フジオ「おそらく無理でしょう。おんぷちゃんが脱出できなかった、という前例がありますし」 レオン「それにしても、実にfunnyな光景だね」 トオル「全くだよ。魔法が効かないドレスも、直接触れてなきゃ意味無いもんな」 すると、さやかが声を掛ける。 さやか「なあ、まさちゃん」 まさみ「何?」 さやか「これ、1人の魔法やったら、膜は破れへんのやろ?」 まさみ「そうみたいだけど?」 さやか「ほな、2人の魔法やったら、破れんのやろか?」 まさみ「…!!」 2人の魔法で、1つの泡を破壊する…これは単純だが、意外と思いつかなかった考えだ。 まさみの表情に、明るい希望が戻ってきた。そしてまた、さやかがとんでもない事を言い出す。 さやか「まさちゃん、キュアプリのアニメ版は見とったやろ?」 まさみ「え…実写版の役作りのために、おんぷちゃんと3人で、参考までに全編見たでしょや…」 さやか「ほな、一番最初の2人組のキュアプリ、覚えとるな?」 まさみ「うん…まあ…」 さやか「あれの最後の必殺技出すシーン、思い出してみぃ…     うち今、あのシーンから考えたん…こういう事は出来へんやろかってな♪」 そう言うと、さやかは左手を伸ばす。まさみを含んだ泡が浮かぶ方向へ。 まさみ「なるほどね…」 意図している事を酌んで、まさみも右手を伸ばす。さやかのいる方へ。 2つの泡が次第に近付き、そして側壁同士が触れ合った。 その接点に、さやか・まさみは手を伸ばす。 さやか「まさちゃん…」 まさみ「さやちゃん…」 2人の手の平が、泡の側壁を通して合わさった。 それぞれの親指と残り4本を互い違いの位置にして、2人は泡の側壁ごと握りしめる。 二重の泡の膜を通して、さやか・まさみは強く強く手を繋いだ。 レオン「あのgirl達、一体何しようってんだい?」 トオル「何しようと無駄さ」 さやか・まさみの考えが読めない4人を余所に、さらにこんな事を… まさみ「でもさ、台詞回しはどうするの?どっちがどっちの台詞?」 さやか「まさちゃんの声、黒い方と似とったやろ。そっち頼むわ。うち白い方な」 まさみ「ふふっ…了解」 フジオ「彼女達は、何を話し合っているのでしょう?」 暁「キュアプリって…まさか…」 4人が首を傾げている間に、さやか・まさみの方は準備が出来た。 さやか「ほな…!」 まさみ「したら…!」 さやか・まさみ「やろっか!!」 すると、2人を包む2つの泡が、それぞれ目映い光を放つ。 よく見ると光が炸裂するのは、2人が握り合った手元だ。 さやかは左手にリースポロンと、右手にまさみの手を。 まさみは右手にリースポロンと、左手にさやかの手を。 2人は左右それぞれの手に握る物に、目一杯の握力を注ぎ込む…! 泡の外では、これから起ころうとしている事に、まずは暁から気が付いた。 暁「…やっぱり、そうか!」 トオル「どうしたんだい?」 少し遅れて気付いた、フジオが解説。 フジオ「2人の手元には、2枚の膜の接点があり、密着しています。     つまり、あそこだけは膜が1枚だけになっているんです」 暁「あの一点だけに、2人分の魔法を集中させる気だ!」 レオン「Wait!あのbubbleに、2人の魔法をfull powerで…!」 トオル「嘘だろ…まさか、破れるっていうのか?」 暁「ああ…僕ら4人の魔法でも、抑えきれないだろうさ…!」 再び、さやか・まさみに視点を移す… まさみ「ポクセルパトレ〜ヌ!」 さやか「プレサ〜パトレ〜ヌ!」 2人の叫びに同調するかのように、2人の手元の光は眩しさを増した。 さらに光の中央には、王冠と2つの♪を組み合わせた、魔女界王室の紋章が浮かび上がる。 ロイヤルパトレーヌの魔法である、何よりの証だ。 さやか「キュアプリの素晴らしき魂が!」 まさみ「穢れし心を打ち破る!」 さやか・まさみ「キュアプリ・ドライブ・スマッシュ!!」 リースポロンから放たれた、さやかの緑の閃光と、まさみの銀の閃光。 2つの光が螺旋のように絡み合って、1本の光線となる。 2人は、それぞれのリースポロンを、繋ぎ合った手元に向けている。 握り締められた膜に、有りっ丈の力をぶつけるため、命の全てを燃やすように2人は叫ぶ…! さやか・まさみ「あああああ〜!!!!」 これには、流石に4人組も驚くばかり… トオル「おいおい…マジかよ…」 レオン「crazy…」 フジオ「これは一体…どう解釈すれば…」 暁「まさか、キュアプリとはな…ははは…」 そして、次の瞬間… パァァァン… 走る光線の目映さに、一瞬何も見えなくなったかと思うと、花火のように弾けた音。 この爆裂音と共に、2つの泡は跡形も無く吹っ飛んで、さやか・まさみの体が宙に放られる。 だが運動神経抜群の2人は、空中でちゃんとバランスを取って、スタッと着地した。 まさみ「清らかな厳冬の珠玉・キュアパール!」 さやか「滑らかな常夏の翠玉・キュアエメラルド!」 さやか・まさみ「2人はキュアプリ!!」 さやか「悪しき力の亡者達よ!」 まさみ「さっさと塒に籠りなさい!」 決めポーズ・決め台詞まで決まって、さやかは意気揚々。 さやか「よっしゃあ!これで、また元気になったわ〜!」 まさみ「…まあ、あたしも俄然やる気が出たかな♪」 さやか「でもって、泡からも何とか出られたで〜…にしても、随分やってくれたやないか〜…     さ〜て、あんたら!この落とし前、どないしてくれんねん!」 まさみ「あたし達を本気で止めたいなら、それこそ首を刎ねるか、     両手両足を切り落とさない限り、絶対に無理だよ!」 使い切ったロイヤルシードを素早くリースポロンに補填しながらも、4人を睨みつける。が… 暁「ふっ…」 小さく笑うと、暁は降参するかのように両手を上げた。 暁「やめとこう…これ以上やったら、本当に怪我じゃ済まない…」 トオル「命あっての物種って言うしな…」 レオン「こんなprettyなgirlを虐めるのも悪いしね」 フジオ「やはり続けるのは、得策ではありませんね…」 笑顔を浮かべる4人に、さやか・まさみも事態が飲み込めず、そして拍子抜けしてしまった。 さやか・まさみ「…??」 そして暁は、最後に1つだけ残った泡の中で眠っている、姫を起こしにかかる。 暁「おんぷちゃん、お芝居は終わりだ」 そう言って、髪を揺らす。すると、静かに泡が地面に降りてきて、壊れて消えた。 中にいた、おんぷはと言うと…何と、まるで寝起きのように伸びをしたではないか。 おんぷ「う〜ん…体、固まっちゃった」 さやか・まさみ「おんぷちゃん!?」 おんぷ「2人も、それからFLAT4もお疲れ様」 ここで、おんぷの口から何気なく出た4人組の愛称に、2人は耳を疑った。 さやか・まさみ「FLAT4…!?」 気付かなかったのも無理はない。さやか・まさみは、FLAT4と以前の面識は無い。 話だけは聞いてはいたが、その4人の顔は知りようが無かった。 そして今回、F2人の前ではLAT4はお互いの名前を呼び合わなかった。 よって強い魔力を持つ者とまでは分かっても、それがFLAT4だと理解できる理由が無かったのだ。 まさみ「嘘でしょ…魔法使い界の王子様と、取り巻き3人…」 さやか「んなアホな…」 まさみ「向こうに名前を聞かなかった、こっちにも落ち度はあるのかもしれないけど…」 さらに止めを刺すように、FLAT4がこんな事を始める。 トオル「じゃ、改めて自己紹介…」 フジオ「フジオのF!」 レオン「レオンのL!」 暁「暁のA!」 トオル「トオルのT!」 さやか「あ〜、やめやめ、そこまででええわ…もう付き合ったる元気も無い…」 飽き飽きした様子で、さやかはFLAT4のパフォーマンスを止めさせた。 まさみ「おんぷちゃん…もう何が何なんだか…ちゃんと一から説明して…」 おんぷ「実はね…」 数時間前…さやか・まさみと別れた後のFLAT4… トオル「やあ!おんぷちゃん!」 おんぷ「トオル君…今日も見てたけど、またオーディション落ちてたわね」 トオル「それを言うなよ〜…」 おんぷ「ダンスは凄く上手なんだけど…ねぇ」 フジオ「彼の音痴は筋金入りですから、そうそう直るものではありませんよ」 トオル「おい待てよ!そういう話をしに来たんじゃないだろっ」 こうまで言われては、トオルも向きになる。 暁「そうだった、そうだった…おんぷちゃん、さっき、そこで彼女達に会ってきた」 おんぷ「…で、どうだった?」 レオン「ちょっと怒ると怖いけど、2人ともprettyだったね」 おんぷ「確かに、普段は可愛いけど、怒ると凄いわね。あの2人」 レオン「おんぷちゃん、あの2人と本当にfightしていいのかい?」 おんぷ「ええ、これも一種の訓練みたいなものよ。     もし万一、私の身に何かあった時に、2人だけでどうするか…」 暁「君がいると、どうしても君を頼ってしまう傾向にある…って事かな?」 おんぷ「そうね。その辺の対処を考えてもらおうかしら…って思って」 フジオ「では、筋書きをもう一度確認しましょう。     遠隔マジカルステージで、3人がロイヤルパトレーヌになった後、     何者かに襲われたように装って、おんぷちゃんは電話を切ります。     そして僕らが犯人役として、捕らえたおんぷちゃんを2人に見せつけ、2人を襲う…」 おんぷ「私は寝てるふりでいいけど、みんなはお互いの名前を出しちゃ駄目よ。バレちゃうから」 レオン「OK☆」 トオル「そして、あの2人を上手く挑発してやればいいんだろ?」 おんぷ「まあ、そうなるわね。あと2人とも、たまに行動が読めないから、その辺は臨機応変に」 暁「台本なしのアドリブ勝負で、ぶっつけ本番か…結構ハードだけど、面白そうだ」 回想終了… おんぷ「という訳で、武生から出てくるのを前から聞いてた私が、こんなお芝居を思い付いて、     予めFLAT4と打ち合わせしてあったの。2人とも、ごめんね♪」 さやか「おんぷちゃん!訓練って、これ厳しすぎと違ゃうの?」 まさみ「しかも、おんぷちゃんは高みの見物決め込んでるし…」 おんぷ「だって、私がいたら訓練にならないじゃない♪」 まさみ「何だかなぁ…おんぷちゃん、訓練に託けて、遊び半分な気がする…」 おんぷ「う〜ん…そうとも言うわね♪」 さやか「言うんかいっ!」 呆けてみたおんぷに、さやかは間髪入れずに突っ込む。 暁「おんぷちゃん…2人共、なかなか頼もしいよ。正直、勝てる気がしなかった」 トオル「へぇ、暁君が弱気になるなんて、珍しい事もあるもんだ」 おんぷ「じゃあこの勝負、さやちゃんとまさちゃんの勝ちね♪」 レオン「さやちゃん、今度はmeと1対1で勝負だ!」 ビシッとさやかを指差して指名するレオンに、さやかはうんざり。 さやか「堪忍してや〜…今めっちゃ疲れとんねん…」 まさみ「そうそう…ロイヤルパトレーヌの力、最大出力で出し切ったから、     あたしもさやちゃんも、体力と精神力、一気に消耗してるんだから…」 フジオ「なるほど…あの計り知れない力は、魔力だけでなく、     体力・精神力をも源としているんですね…」 疲れ顔のまさみなどお構いなしに、フジオはメモ帳にペンを走らせる。 おんぷ「フジオ君、あと2人に聞いておきたい事は?今の内よ」 フジオ「そうですね…」 さやか・まさみ「もうやめて〜…」 おんぷ「うふふ…」 さやか・まさみとFLAT4まで巻き込んだ、おんぷのドッキリ作戦… 企てた張本人の、愉快そうな笑い声だけが明るく響いていた… 次回予告 おんぷ「えっ!?さやちゃんが怪我したですって!?」 まさみ「さやちゃん、頭打ったって聞いたけど、大丈夫?」 さやか「あの…あんたら…誰?」 おんぷ「まさか…さやちゃん…記憶が…!」 まさみ「それに、この嫌な感じは…!」 おんぷ「次回、おジャ魔女おんぷTriple‐S(トリプル・エス)    『思い出して!失われたさやかの記憶』…さやちゃん、私たちの事、覚えてるわよね…     お願い…さやちゃんを助けて…プ〜ルルンパトレ〜ヌ…!」 40話端書き はい出ましたね、FLAT4☆ ドッカ〜ン!の本編で転校した先の武生から、わざわざ足を運んでもらいました(笑) レオンの台詞に、なるべく英単語を入れなきゃって思ってたので、そこが書き難かった… 出てきて早々、まさやかを口説きにかかるw あいちゃんを彷彿とさせるようで、さやかはレオンがチョイスする事に。 頭脳明晰な所がポイントになったようで、フジオにまさみを選ばせてしまいました(汗) 勿論、まさやか2人が、そんなの(あんまりな言い方w)に靡く訳もなく… 2人とも、それぞれ気になる人が男子クラスメイトにいますし…(ぇ) そして、おんぷさんのナイショなドッキリ作戦に乗じて魔法合戦! さやかの繰り出した、葉っぱが刃として飛んでくる技、ポ○モンにありますなw そうすると、さやかは草タイプですか…でもって、まさみは氷タイプに(ぉぃ) ♯本編でも、どれみさん達4人を閉じ込めた泡、あれを再利用(笑) しかも、それをぶち破るのに、初代キュアプリの必殺技が爆裂!! 言い出すさやかもさやかですが、それに乗っちゃうまさみもまさみで… ついでに言うと、まさみの台詞は流れ的にブラック=なぎさの台詞に当て嵌まる…!? 実は声ネタだったり♪まさみの声に設定してしまってる声優さんは、なぎさの中の人☆ さやかの声は、また別に設定がでっち上げられてますが(ほのかの声じゃないですw) さて次回も、さやかが目立ちそうですが… FLAT4の次は、クラスメイトの男子達も出さないとならないですかな…?