留守中の酒井家の仏間…朧に揺れる影が2つ… 真浪「あの子も、もう13歳…どんどん大きくなるわね…」 正爺「だが、そう喜んでばかりもいられないだろ。父さん、感付いたみたいだからな…」 真浪「お父様、敵にしたら怖い人…でも大丈夫。まさみなら、きっと何とかなるわ」 正爺「そうだな、まさみを信じるとしようか。あとは、母さんが何を考えてるかだが…」『まさみとソソの大変な誕生日!?』 7月1日、夜半… 洞爺「まさみ、おるかな?」 まさみ「なっ、何?お爺ちゃん…?」 洞爺「入るぞ」 何と返事をし終わる前に、襖を開けて侵入してきたではないか。まさみは少し慌てた。 まさみ「お爺ちゃん!いきなり入ってこないでよ」 洞爺「いやいや、済まんな…」 頭を掻き掻き、洞爺は笑っていたと思ったら… 洞爺「ちょっと話があってな」 顔付きが一変して厳しくなって、同時に襖をピシッと閉めた。 まさみ「話?一体、何の?」 洞爺「まさみ…この間、学校の懇親旅行で山梨へ行ったそうじゃな」 まさみ「うん、行ったけど?」 洞爺「その道中、何か無かったか?」 まさみ「何かって言われても…」 ここまで言われれば、まさみも察しは付いた。 まさみ「(まさか帰りのバス…あのトンネルでの…)」 その意識が、まさみの頭を走った時の微妙な表情の変化を、洞爺は見逃さなかった。 洞爺「その顔、心当たりはあるようじゃな。中央道の小仏トンネル、渋滞の名所じゃ。 トンネル内で動けなくなった車の運転手が美空症候群に罹った事、知らんとは言わさん」 声は静かに、だが眼光は鋭く、まさみを射竦める洞爺… まさみ「…」 だんまりを決め込むまさみ…しかし1つだけ、心に決めた事があった。 まさみ「(おんぷちゃんと、さやちゃんのためにも…ここは凌ぐしかない…!)」 洞爺「あの時間、まさみ達が乗ったバスが、小仏トンネルに入っていったのは、 高速道路上に設置された監視カメラが、しっかり捉えておったわ」 まさみ「(そうか…バスのナンバーから、バス会社が分かれば、 どこの団体客が貸切にしたかは、すぐ分かっちゃうもんね…)」 洞爺「幣原先生に話を伺って、儂は耳を疑ったぞ。 まさみと、おんぷちゃん・さやかちゃんが一緒に出ていったと聞いてな」 まさみ「(幣原先生…喋っちゃったか…)」 洞爺「話してもらおうかのぉ…あの時、何をしておったのか…」 まさみ「それは、さやちゃんが勝手に外に出ちゃったから、おんぷちゃんと一緒に連れ戻しに…」 洞爺「ほう…では聞こう。まさみ達は一体トンネルの、どこで寝ておったのかな? トンネル中の者が眠っておったんじゃ。まさか寝ておらん訳はあるまい…」 まさみ「そんなの覚えてないよ…トンネルの中で目ぼしい物が無かったし…」 洞爺「(知らぬ存ぜぬを決め込むつもりか…)」 まさみ「(下手に場所は言わない方がいい…)」 変に弁明すれば、自らの墓穴を掘りかねない…そう、まさみは考えた。 洞爺「そうか…何か分かるかと思ったんじゃがのぉ」 残念そうな顔をする洞爺…しかし、まさみは表情を崩す事はなかった。 まさみ「(ここで油断しちゃ駄目。少しでも気が緩んだっけ、絶対に付け込まれる… お爺ちゃんは、そういう人だから…)」 まさみが考えている通り洞爺も洞爺で、こんな風に考えていた。 洞爺「(ふむ…流石は我が娘、容易には吐かぬか…)」 強かなものである。さらに洞爺は絡め手から攻める。 洞爺「ならば、まさみ…美空症候群を始め近年、不可解な事件が多発しておる…」 まさみ「それは知ってる。この世に魔法があるかもしれないんでしょ?」 洞爺「そうじゃ。まさみは魔法について、どう思う?」 まさみ「えっ…」 途端に顔が曇った。それもそうだろう。 まさみ「(魔法を肯定するような事を言ったら確実に疑われる…でも否定もしたくない… だって、あたしは…おジャ魔女なんだから!)」 さあ困った事になった。心の中で葛藤するまさみ… 無論、それを洞爺が手を拱いて見ている訳がない。 洞爺「まさみ…何も難しい事は聞いておるまいて… どうじゃ?この質問が答え難ければ、先日のトンネルでの事でも話してはみぬか?」 無論、そんな条件、まさみが飲む筈がない。 まさみ「お爺ちゃん…ううん、あたしから話す事はない」 洞爺「ほう…」 いい度胸だ…直接口にして言わずとも洞爺の表情が、そう言っていた。 まさみ「疑うなら疑っても構わないよ。でも、あたしは何も知らない。 もし何か知ってたとしても、こっちだって、 おいそれと知られる訳にいかないんだから、どっちにしろ黙ってると思うよ」 洞爺「ふむ…何も話さんのは誰のためじゃ?まさみの事じゃ、己がためではあるまい。 儂の思う所、おんぷちゃんか?さやちゃんか?」 まさみ「…」 痛い所を突かれて、まさみは黙す。 洞爺「あの2人のためなら、まさみは自らの体を張るじゃろ?」 まさみ「そりゃ、そうだよ!おんぷちゃんとさやちゃんは大親友だもん!」 洞爺「ならば、まさみ…」 まさみ「何さ?」 洞爺「その2人が仮に科学を覆す力、即ち魔法を使えて、 ここ数年の怪事件に関わっていたとしたら、どうじゃな?」 まさみ「そんな…」 洞爺「あの2人なら、何が何でも庇うじゃろ」 まさみ「今のあたしが2人を庇ってるって言うの?」 洞爺「違うなら、何故そんなに向きになる?」 まさみ「…もう知らない!」 遂に堪えかね、まさみは立ち上がって荒い足音で、その場を去った。 洞爺「ふむ…若いのぉ…」 7月2日、朝… おんぷ・さやか「ええ〜〜!?」 まさみ「迂闊だったよ…高速道路の監視カメラにバスが写ればバス会社とナンバーがバレる。 会社とナンバーがバレれば、そのバスをいつどこの誰が貸し切りにしたかバレる。 うちの学園の懇親旅行で使ったのが分かれば、 あたし達が、あの現場のトンネルにいた事がバレる…」 俯くまさみだったが、おんぷの表情は普段とあまり変わらなかった。 おんぷ「でも、私達が魔法使ってた所が直接カメラに写ってた訳じゃないんでしょ? それなら私達3人、知らぬ存ぜぬで通しましょ」 まさみ「でも…」 おんぷ「出来る事は、それしかないわ。 それとも、まさちゃんは魔法でお爺ちゃんの記憶、消せる?」 そう言うおんぷの目付きが、鋭くまさみに突き刺さった。 まさみ「そ、そんな事、出来る訳…」 おんぷ「でしょ?なら大人しくして、無闇な行動は我慢して」 まさみ「…分かった」 さやか「なあ、その話、終わった?」 おんぷ・まさみ「…え??」 さやか「いや、むずくて暗い話やったさかい、聞き流してもうた」 まさみ「聞き流した…だって!?」 こんな事を言ってしまって、真面目なまさみの逆鱗に触れない訳がない。 まさみ「さやちゃん!人が真剣に話してるってのに、それを聞き流すって…!」 さやか「ほへぇ、堪忍して〜」 まさみ「いや、さやちゃんは事の重大さってのが、全然分かってない!」 声を荒立てるまさみ。このままでは乱闘になりかねない。 ここで、仲裁は時の氏神。おんぷが間に割って入る。 おんぷ「まあまあ…まさちゃん、落ち付いて… さやちゃんも悪気があった訳じゃないんだし、こうしてちゃんと謝ってるんだし…」 さやか「ほんま、堪忍…」 まさみ「…もう。悪気があったら、それこそこんな風には許せないんだからね!」 さやか「素直に『ええよ』って言うたらええのに…」 まさみ「さやちゃん!何か言った?」 さやかは、ブンブンと首を左右に振った。 おんぷ「うふふ…さやちゃんは、口は災いの元。 まさちゃんは、向きにならないで本当の事は認めましょ」 さやか・まさみ「お、おんぷちゃん!!」 おんぷ「あ、まさちゃん、急いだ方がいいんじゃない?」 まさみ「ああっ!弓道部の朝練!」 慌てて、まさみはダッシュした。 遠近学園敷地内の弓道場で、弓道部が朝錬の真っ最中。 弓道着に身を包み、まさみも朝から鍛練に励む。 キリキリキリ…ヒュッ!ドスッ!…張り詰めた弓から矢が放たれ、的に命中する。 まさみの隣には、同輩であるB組の百済ゆみ。隣の的を狙って、同じく弓を引く。 百済ゆみ「まさちゃん最近、調子いいんじゃ…」 キリキリキリ…百済ゆみが思いっきり弓を引く。 百済ゆみ「…ない?」 ヒュッ!ドスッ! 最後の「ない?」と同時に放たれた百済ゆみの矢が的に当たる。 まさみ「そうかな?…まあ、誕生日も近いから、気分が乗ってるのかも…」 キリキリキリ…答えながら、まさみも弓を引き… まさみ「…ね!」 ヒュッ!ドスッ! まさみは「ね!」で矢を放った。こちらの矢は、百済ゆみのよりも的の中心近くに刺さった。 百済ゆみ「えっ?まさちゃんの誕生日…」 キリキリキリ…その間に百済ゆみは、次の矢を継いでいた。 百済ゆみ「…いつ?」 ヒュッ!ドスッ! これも、まさみの矢には及ばない。 まさみ「7月4日。つまり…」 キリキリキリ…タイミングは代わりばんこ。まさみは弓の弦(つる)に、渾身の力を込めて… まさみ「…明後日!」 ヒュッ!ドスッ! 今度は何と、図星(=的の中心)に勢いよく突き刺さった。 百済ゆみ「嘘っ!?ど真ん中ぁ!?」 まさみ「ふふっ…ゆっちゃん、まだまだだね!」 朝錬も終わり、C組の教室に向かうまさみに、おんぷ・さやかの明るい声が飛んでくる。 おんぷ「お疲れ様♪」 さやか「今朝は弓道部やったっけ?」 まさみ「(弓道部の朝練って言った筈なのに…もう忘れてるの…)」 先程の別れ際に言った事を、どうやら本当に覚えていないようだ。 素直に首を傾げるさやかと、面白がって笑うだけのおんぷ。まさみは無視する事に決めた。 まさみ「…もうすぐ神宮さんで、夏祭りやるっしょ? そこでやる奉納弓道に、うちの弓道部も招かれてるからね」 おんぷ「まさちゃんも、やるのね?」 まさみ「勿論♪」 得意気に、まさみは微笑んだ。 さやか「今から張り切ってんねんな〜…うち絶対、見に行くで!」 おんぷ「応援するわね♪」 まさみ「ありがと…ふふっ、何だか照れくさいや」 さやか「照れて、どないすんねんな」 おんぷ「そうそう。しっかりしないと…」 まさみ「う〜ん…あたしが励まされて、どうするんだか…まあ、頑張るだけだね!」 そして3人が、教室に1歩足を踏み入れた途端に… 加藤めい「まさちゃん!ちょっと早いけど、お誕生日おめでとう!」 東久邇なるみ「明後日が、お誕生日なんですって? どうして、もっと早く教えて下さらなかったの?」 まさみ「…え?」 いきなり女子達に取り囲まれて、まさみは困惑気味。 寺内たけこ「私が公式HPのプロフィール見て気付かなかったら、 誰も分からなかったかもしれないのよ?」 東久邇なるみ「それにほら、これを見て下さいな♪」 すると加藤めい、何やらゴソゴソと取り出したるは… 加藤めい「じゃじゃ〜ん☆C組女子一同の寄せ書きだよ! 速攻で連絡網回して、みんな速攻で書いたんだから!」 いつの間にか、まさみの周りに女子が全員集まっていた。 まさみ「みんな…!」 さやか「羨ましいな〜…こんなに誕生日、祝(いお)うてくれる人がおんねんで…」 まさみ「うん…感謝しなきゃなんないね…」 そして、話すのは好きだが話の筋を読むのは遅いさやかが、ようやく事の次第に気付く。 さやか「…ん?まさちゃん、誕生日やて!?」 おんぷ「さやちゃん…今まで、その話をしてたじゃない…」 さやか「で、いつ?」 まさみ「明後日、4日…あれ?話した事、無かったっけ?」 おんぷ「多分、無いんじゃないかしら…私も、初めて聞いたような気がする…」 まさみ「そっか…まあ誕生日がいつだろうと、人付き合いには、あまり関係無いし… 話題にならない限り、あたしからは話さないからね…」 真面目なまさみらしいと言えば、まさみらしいのだが… さやか「何、言うてんねん…うちら、大親友と違(ちゃ)うんか?」 おんぷ「そうよそうよ…何でも気軽に話してくれてよかったのに」 当然このお二方は、ご不満のご様子だ。 まさみ「ごめん…でも今、あたしの誕生日は分かったんだし、それでご勘弁」 拝むように両手を合わせて、まさみはおんぷ・さやかに向けた。 さやか「…まあ、大目に見たろ」 まさみ「人が下手(したて)に出れば、いい気になって!」 おんぷ「うふふ…」 さやか「あはは…」 まさみ「…ふふっ」 そんな風に笑い合っていた3人に、東久邇なるみが割り込んだ。 東久邇なるみ「さて、そろそろ瀬川さんと西郷さんに1つ、お仕事を…」 おんぷ・さやか「え??」 東久邇なるみ「もう!揃いも揃って、鈍い方達ですわね… あなた達2人にも、寄せ書きを書いていただかないと!」 加藤めい「そうだよ〜!C組女子一同には、まだ2人分足りないんだから〜」 よく見ると寄せ書きの色紙には、まだスペースが残っていた。 寺内たけこ「さ、早く完成させて。じゃないと、まさちゃんに渡せないわ」 言われて、おんぷ・さやか共に微笑み合った。 おんぷ「だって♪」 さやか「せやな…何、書いたろか」 すると、おんぷは悪戯っぽい笑みを浮かべて、さやかに言った。 おんぷ「さやちゃん、早く書いてね。私が最後を飾るんだから♪」 さやか「あ〜っ!おんぷちゃん、せこっ!」 放課後、仕事に向かうまでの間に事務所に寄って、しばしの休息を取る3人。 言わば、学校生活と芸能生活の合間である… さやか「おわっ!まさちゃん宛てのメール、仰山来とんで!」 3人の中で一番パソコンに強いのは実は、さやかだったりする。 おんぷは小学3年の時に、ファンからのメールを人任せにして痛い目に遭っている。 それ以来、それなりに気を付けるようにはなったが、まだ上手とは言い難い。 まさみに至っては何と、インターネットで検索すら出来ない程のパソコン音痴。 おんぷと出会ってすぐの日、おんぷの事を調べるのにも、 洞爺の手を借りていたのを、思い出していただきたい。 よって、ファンからのメールの扱いは、さやかが一手に取り扱っている。 おんぷ「見せて見せて…そっか、まさちゃんの誕生日祝いね♪」 まさみ「どれどれ…うわっ、大量だね…これ、どうやって返事しよう…」 自分の誕生日を祝ってくれるのはありがたいのだが、まさみは後の事を考えて困り顔になった。 さやか「どうって、一通だけ文考えて『全員に返信』ってやったら、一括で返事出せるで?」 まさみ「それだと、何か味気無いしょや…」 さやか「ほな一通一通、ちまちま考えるしかないで…少なくとも、うちは付き合いきれんわ…」 おんぷ「でも、返事を出さない訳にもいかないわよね…」 そこに、最近影の薄い社長・マジョルカの声が響く。 マジョルカ「メールの返事もだけど、このプレゼントの返事も考えとくれよ…」 そう言って、マジョルカは指パッチン。 すると、ボンッという音と煙と共に、こちらも大量のプレゼントの山が現れた。 おんぷ「きゃっ…」 さやか「何じゃあこりゃあ…」 おんぷ「その台詞…何か、ドラマで聞いたような…」 まさみ「うわっ…文字通り、山積み…」 マジョルカ「まさみ、全部お前宛だよ。明後日、誕生日だからって、ファンから届いてね」 とりあえず手元に近かった物から、まさみは幾つか伝票に目を通してみた。 まさみ「岡山県岡山市、石川県七尾市、茨城県水海道市…全国各地から来てるよ…」 さやか「最近、おんぷちゃんと一緒に結構テレビ出たからな〜…」 おんぷ「良かったじゃない。まさちゃんの事、こんなに多くの人が応援してくれてるって事よ」 まさみ「そっか…うん、何かやる気出てきた!」 ここで、まさみの最近の活躍を、ダイジェストで見てみよう。 CD発売前、新曲のレコーディング… まさみ「巡り巡る季節は 回り回る風車(かざぐるま)♪ あたしも風が歌うように 四季を歌い継ごう♪ 咲き競う花々と 春を祝う鳥の歌♪ 夏の積丹ブルーは 遠く波が鳴る♪ paykar sak cuk mata rekpo a-ki♪ spring summer fall winter I sing the song♪ 春・夏・秋・冬 歌 歌おう♪ あたしの歌は どこまでも♪ pirka rera tura rekpo a-ki♪ 風と一緒に歌おうよ♪」 スタジオに清風の如く澄んだ歌声が、吹き抜けるように流れるのだった… 撮影だって、難なくこなした。 カメラマン「はい、笑って…うん、いいねえ!」 おんぷ先輩の指導がいいのか、気取ったポーズで、カメラ目線もバッチリ。 まさみ「(ポイントは、え・が・お…っと♪)」 そして脇役だが、テレビドラマ出演も果たした。 俳優・女優の名は出すが、役柄は敢えて出さずに、後のお楽しみとしよう。 湯尾「うちのご隠居様にお任せして。大丈夫、決して悪いようにはしないから」 まさみ「あの…ご隠居様は一体、どのようなお方で…?」 里美「何、ご覧の通りの旅の隠居…ただ少々、お節介が玉に瑕でしてな」 もうお分かりになったであろう。そう、大人気の時代劇「水戸老公」である。 代官の悪政に苦しむ町娘の役に、まさみが抜擢されたのだ。 瀬川おんぷのクラスメイトという、おんぷ人気が七光りになったのと、 水戸老公のレギュラーでもあり、まさみを贔屓にしている様子の女優… つまり湯尾が、まさみを推したのもあるらしい。 無論、真面目なまさみは、他人の力を借りたのを良しとしていないが、 さやかに「ええやん、まさちゃんの人望が厚いっちゅう事やん」と丸め込まれてしまった。 何はともあれ、酒井まさみ時代劇デビューと相成ったのである。 以上、まさみの芸能活動、近況ダイジェストでした… それからしばらくして、おんぷ・さやか・まさみの仕事の刻限が迫ってきた。 3人は、美保に車で迎えに来てもらい、仕事場へ直行する。 美保「あ、まさちゃんに知らせなきゃならない事があったんだけど、いいかしら」 まさみ「何でしょう?」 美保「明後日の4日は、オフの予定だったんだけど、急にお仕事が入っちゃって…」 まさみ「ええっ!?」 かなり驚いたようで、声が大きくなってしまったまさみに、 吃驚ついでに、さやかまでが素っ頓狂な声を出す。 さやか「ほへっ!」 おんぷ「まさちゃん、どうしたの?」 さやか「いきなり大声、出さんといてや…」 おんぷ「声の大きさに関しては、さやちゃんも人の事、言えないでしょ」 さやか「えへっ♪」 美保「まさちゃん、ごめんなさいね…せっかくのお休みだったのに…」 まさみ「いえ…」 少し暗くなった、まさみの表情…おんぷ・さやかは顔を見合わせた。 まさみ「それで、その急に入った仕事ってのは?」 美保「まさちゃん、あなた明後日が、お誕生日だっていうじゃない。 それを聞いた番組プロデューサーが、あなたの誕生日記念の特番をやるって。 この企画、昨日やっと通ったそうよ。少し遅れてたら、間に合わなかったわね。 嬉しい事じゃない。ねえ、まさちゃん?」 まさみ「ええ、まあ…」 返事の歯切れが悪かった。それを見て、さやかがおんぷの肩を突(つつ)く。 さやか「おんぷちゃん…」 すると、おんぷはフッと溜め息を吐いて言った。 おんぷ「私も前に、こんな事あったな…ママ、覚えてる? クリスマスはパパと一緒に過ごすんだ…って我が儘言った事…」 これは、おんぷが小学4年の時の事だ。 美保「ええ、そんな事もあったわね」 笑って言う美保だったが、まさみは逆に淋しそうな表情を呈して、ポツリと呟いた。 まさみ「あたしは…そんなんじゃないから…」 その夜、酒井家… 仕事を終えて、まさみは自分の部屋で嘆く。 まさみ「あたしの誕生日…お爺ちゃんとお婆ちゃんの数少ない楽しみなのに…」 そんな、まさみを慰めるように、ソソが現われて優しく声を掛けた。 ソソ「まさちゃん、元気出してよ。 もうすぐ誕生日だから絶好調だって、まさちゃん自分で言ってたしょや」 まさみ「だって、まさか誕生日に家にいられないなんて思わなかったんだもん…」 悲しげな表情は変わらないまさみ… まさみ「あたし達の仕事は、多くの人に夢や希望を与える仕事… 自分勝手な事で怠ける訳にいかない…」 ソソ「そうだよね。じゃないと、おんぷちゃんに怒られるよ」 まさみ「したっけ、あたしの誕生日は、どうなるのさ…」 するとソソ、光に包まれて… まさみ「あっ…!」 ソソ(まさみ姿)「ふふっ♪」 主人のまさみそっくりに化けたソソに、まさみはハッとした。 まさみ「ソソ、あんた、まさか…!」 ソソ(まさみ姿)「そう、そのまさかだよ。 家にはあたしが残って、お爺ちゃんとお婆ちゃんの相手するよ」 それを聞いたまさみ、物申そうとしたが、先にソソに止められてしまった。 まさみ「ちょっとソソ…」 ソソ(まさみ姿)「おっと、その先は何も言いっこなし。 まさちゃんは、あたしに任して、お仕事に専念してくれればいいからさ」 笑って言うソソに、だんだん感情が高まってきたまさみ。 まさみ「ソソ…」 ソソ(まさみ姿)「あたしは、まさちゃんに仕える身… まさちゃんのためなら、身代わりだって何だってするよ」 遂に、まさみは感極まってソソに抱き付いた。 まさみ「ありがとう!ソソ!嬉しい事、言ってくれるじゃないのさ!」 ソソ(まさみ姿)「当然の事でしょや!まさちゃんは、あたしのご主人様なんだから! 主(あるじ)の笑顔は、あたしにとって何よりの幸せだよ!」 まさみ「こいつ〜!」 そして、運命の7月4日、夜… 某テレビ局のスタジオでは… タレント「まさちゃん、お誕生日おめでとう!」 酒井まさみ誕生日記念の、生放送特番の収録が行われていた。 まさみ「皆さん、ありがとうございます!」 満面の笑みをカメラに向けて、まさみは輝いていた… 同時刻、酒井家でも… 洞爺「まさみ、誕生日おめでとう」 七恵「もう13歳だなんて…大きくなりましたね」 ソソ(まさみ姿)「ありがとう!お爺ちゃん、お婆ちゃん」 嬉しそうに頬を赤らめる演技力は、本物のまさみだと言われても分かるまい。 七恵「さ、さ、あなた、まずは一献…」 お銚子を上手に傾ける七恵。お猪口いっぱいの酒を貰い、洞爺は上機嫌。 洞爺「うむ。さあ!今夜は飲むぞ!」 その後… 洞爺「ぐぁ〜…」 顔を真っ赤に染めて、座布団を枕に眠り出した洞爺… 七恵「お酒を飲むと、いつもこれなんですから…」 布団を掛けてやってから、七恵はソソを手招きした。 七恵「まさみ、まさみ」 ソソ(まさみ姿)「何?お婆ちゃん」 七恵「お片付けが終わったら、ちょっと私の部屋へ来てもらえますか」 ソソ(まさみ姿)「うん、いいよ」 何の疑いも無く、七恵に言われるままに、七恵の部屋へ入ったソソ… 襖を締め切った状態で、話が切り出された。 七恵「あなた…まさみでは、ありませんね?」 ソソ(まさみ姿)「えっ…!?」 突然の事に、ソソは返事に困った。 ソソ(まさみ姿)「な、何言い出すのさ…あたしはあたし、酒井まさみだよ?」 すると七恵、質問を始めた。 七恵「それなら、あなたの誕生日は?」 ソソ(まさみ姿)「明日、7月4日」 七恵「あなたの好物は?」 ソソ(まさみ姿)「納豆。ちょっとポン酢を垂らすと、これが案外いけるんだよね」 七恵「では…」 紙と筆ペンを用意し、七恵は2文字の漢字を書いた。 七恵「この名を持つ江戸時代のお大名、まさみなら分かりますよね?」 書かれた二文字は「忠相」…ソソは考えた。 ソソ(まさみ姿)「(忠相…確か、大岡裁きで有名な大岡越前のフルネームは、 大岡越前守(えちぜんのかみ)忠相(ただすけ)… 時代劇、まさちゃんと一緒に観てたんだ…間違える訳がないっ!)」 自信たっぷりにソソは、七恵に答えた。 ソソ(まさみ姿)「大岡越前守忠相!江戸南町奉行の後、寺社奉行に昇進した折に、 石高が一万石になって、旗本から大名になってる…」 七恵「引っかかりましたね」 何と意外な答えが返ってきた。ソソは、すぐさま聞き返した。 ソソ(まさみ姿)「えっ!?どういう事!?」 七恵「酒井雅楽守(うたのかみ)忠相(ただみ)… 譜代大名の酒井家に、この字で『ただみ』と読む、お大名がいるんですよ」 ソソ(まさみ姿)「酒井…しまった…」 七恵「そう、同じ姓を名乗る大名家ですからね… まさみなら、大岡忠相よりも先に答えている筈ですよ…本当のまさみなら、ね」 しまった…ソソは焦った。額(ひたい)から汗が滲み出た。 ソソ(まさみ姿)「(バレた…!?)」 七恵は何も言わない。ソソは窮地に立たされた… ソソ(まさみ姿)「もはや、これまで…!」 その瞬間、七恵は目にも留まらぬ速さで、卓上の布巾をソソの口に捩じ込んだ。 ソソ(まさみ姿)「うぐっ…」 七恵「舌を噛み切らせはしませんよ。たとえ何者であろうとも、命は大切にしてもらわないと…」 ソソ(まさみ姿)「う…」 七恵「…そろそろ死神は、いなくなりましたかね」 ソソの気持ちが落ち着いた頃合いを見計らって、七恵は布巾をソソの口から出した。 七恵「ごめんなさいね。ちょっと苦しかったでしょ」 ソソ(まさみ姿)「お婆ちゃん…」 七恵の顔が、質問攻めの最中よりも穏やかになっていた事に、ソソは気付いた… そして改めて七恵は、ソソに問い質した。 七恵「まず、あなたは何者なんですか?」 ソソ(まさみ姿)「それは…言えません」 俯いて答えるソソ。七恵は、ふうっ…と軽く息を吐いた。 七恵「ではあなたは、まさみの何なんです?」 ソソ(まさみ姿)「あたしは…まさちゃんの影のようなものです」 七恵「影…ですか?」 ソソ(まさみ姿)「はい、影です。まさちゃんを主(あるじ)として付き従い、 事あれば、まさちゃんの影武者として身代わりになり、 まさちゃんに、この身も心も全てを捧げる… それが、まさちゃんの影である、あたしの務め…」 真剣な顔付きで、七恵に訴えかけるように話すソソ。 七恵「真面目なんですね。あの子に似て」 ソソ(まさみ姿)「はい。あたしの性格は、まさちゃんの性格ですから」 七恵「あ、そうですよね。あなたは、あの子の影なんですから…」 ソソ(まさみ姿)「そういう事になります」 七恵は笑い、ソソも笑った。既に尋問という雰囲気は消え失せていた。 次第に警戒心も解れてきたソソは、七恵に対して何だか申し訳なくなってきた。 ソソ(まさみ姿)「ごめんなさい…」 いきなり謝られて、七恵は訳が分からず聞き返した。 七恵「え?どうして?」 ソソ(まさみ姿)「お婆ちゃんに…いえ、お爺ちゃんにも… 誰にも言えない秘密を、まさちゃんに持たせちゃったから… 厳密には、あたしのせいって訳じゃないんですけど、 あたしのせいと言えば、あたしのせいでもあるから…」 ソソは罪の意識を感じていた。まさみは肉親にも話せない秘密が出来てしまった。 まさみに秘密を作らせたのは自分ではない。しかし、完全に無実だと胸を張っては言えない。 何しろ自分は、その秘密を守る片棒を担いでいるのだから。同罪と言っても過言ではない。 故に、七恵に詫びねば…と自責の念に駆られたのだった。 頭(こうべ)を垂れ続けるソソに、七恵はどう対応したかと言うと… 七恵「顔を、お上げなさい」 ソソ(まさみ姿)「えっ…?」 予想に反して、七恵が優しく声を掛けてくれた事に、驚きを隠せないソソ。 七恵「あなたには、浮かない顔をしてほしくありませんね。 まるで、まさみが悲しんでいるように見えて、あまりいい気分ではありませんから…」 ソソ(まさみ姿)「お婆ちゃん…」 七恵「それに、あの子が影でこっそり何かしている事、気にならないと言えば嘘になりますけど、 まさみの名前には『正』の字があるでしょ? 何が正しくて何がいけないか見極める術(すべ)は、きちんと教えたつもりです。 あの子が自分の正義を貫いて選んだ道なら、私は何も文句は言えませんよ。 この春からまさみの様子が、どことなく様子が変わったとは思ってましたが、 悪い子になったようには見えませんでしたからね…」 ソソ(まさみ姿)「お婆ちゃん…!」 七恵「ふふっ…」 終始、穏やかな表情を崩さなかった七恵。その優しさに、ソソは瞳を潤ませていた。 ソソ(まさみ姿)「ところで、お婆ちゃん…」 七恵「はい、何でしょ」 ソソ(まさみ姿)「なして、あたしがまさちゃんじゃないって分かったの?」 すると七恵は、今日付けの新聞を持ってきて、テレビ欄を指差した。 ソソ(まさみ姿)「あっ…!」 そこには「生放送・酒井まさみちゃん誕生日おめでとうスペシャル」なる文字が踊っていた。 七恵「私達がテレビを観ないと思って、油断しましたね」 そう、洞爺・七恵夫婦はニュース以外、ほとんどテレビを観ないのだ。 それ故まさみもソソも、新聞のテレビ欄まで気が付かなかったのだ。 七恵「まあ実の所、気付いたのは私だけで、あの人は知らないんですよ」 洞爺の事だ。この人は、自分が出演した番組すら観ない事もあるという、少し変わった人物だ。 七恵「だからこそ、先に酔い潰れてもらいましたけどね。 あの人、祝い酒だと特に酔いが回るのが早いんですよ」 流石は長年連れ添った夫婦、相手の事は知り尽くしている。 ソソ(まさみ姿)「そう言われてみればお婆ちゃん、お爺ちゃんにお酒やたらと勧めてた…」 七恵「ええ。こうして2人きりで話をしたかったのでね。 あの人がいると、どうしても話がややこしくなるでしょ」 ソソ(まさみ姿)「確かに。それは言えてるね」 七恵「さて…これから、どうします? 私に知られてしまった以上、影武者のお仕事は、少々やりにくくなるのでは?」 ソソ(まさみ姿)「はい、あたしの正体が他人に知られたとなったら、まさちゃんに迷惑が…」 心配そうな顔になったソソに、七恵はやっぱり微笑むのだった。 七恵「その事なら、心配ご無用ですよ。 今夜の事は、あの人には黙っておきますし、私も胸の内に仕舞っておきますから」 あの人とは勿論、酔い潰れて鼾をかいている洞爺の事だ。 七恵「ですからあなたも、私があなたの事を知ってしまったのは、まさみには内緒にして下さいね。 あの子に余計な心配をかけたくないですから」 ソソ(まさみ姿)「はいっ!」 まるで本当の祖母と孫のように、七恵とソソは明るく微笑み合った。 七恵「あ、最後に」 ソソ(まさみ姿)「何でしょう?」 七恵「あなたの、お名前は?」 ソソ(まさみ姿)「ソソ…って言います」 七恵「そう…可愛らしいですね」 ソソ(まさみ姿)「それじゃ、あたし部屋で布団に入ってます。 まさちゃんには、寝入る所まで正体はバレずに済んだって事にしときます」 七恵「分かりました。私も辻褄を合わせましょ」 ソソ(まさみ姿)「はい…」 静かに頷くと、ソソはそっと瞳を閉じて、自らを光で包み込んだ… 七恵「まあ…」 驚く七恵の目の前には、小さく可愛らしい妖精が光の中に浮かんでいた。 ソソ「お婆ちゃん、ありがとう…あたし絶対、今日の事は忘れません…!」 七恵「私も、ずっと忘れませんよ…」 満面の笑みと共に、ソソはまさみの部屋へと消えた… 七恵「もう1人、とても小さくて可愛い孫が出来てしまいましたね…」 一方テレビ局、仕事を終えたまさみの元には… おんぷ・さやか「まさちゃん、お疲れ様♪♪」 まさみ「おんぷちゃん!さやちゃん!」 疲れも吹き飛んで、まさみの顔からは笑みが零れた。 …と、安心したのも束の間。 2人にいきなり両腕を引っ張られ、まさみは体勢不利なまま、引き摺られていった。 まさみ「ちょっと!一体、何のつもり?」 さやか「ん?まさちゃんの誕生日、これから祝うんや」 おんぷ「取って置きのパーティー会場を予約しておいたんだから」 まさみ「取って置き…?」 首を捻るまさみ…果たして、おんぷ・さやかのドッキリな大作戦とは… ルカ・エンタープライズ事務所、社長室… まさみ「え…魔女界との扉…?」 扉の前まで連れてこられて、まさみは困惑気味。 おんぷ「さ、お着替えお着替え♪」 さやか「早う早う☆」 まさみ「もう…本当に何、考えてるんだか…」 …とは言いながらも、まさみも2人と一緒にタップを手に踊る。 シュッシュ♪ おんぷ「プリティ〜ウィッチ〜おんぷっち〜♪」 さやか「プリティ〜ウィッチ〜さやかっち〜♪」 まさみ「プリティ〜ウィッチ〜まさみっち〜♪」 さて、お着替えが終わった途端に、おんぷ・さやかがまさみの背中を押しだした。 さやか「レッツゴーや!」 まさみ「ちょっ、ちょっと…」 おんぷ「つべこべ言わない♪」 強制的に魔女界への扉を通された、まさみに飛び込んできたのは… パン!パパン!パン! まさみ「うわっ…!?」 クラッカーの破裂音に襲われたまさみに、さらに飛びかかってきたのは… ??「まさみ〜!」 白無垢の衣装に身を包み、弾けんばかりの無邪気さで、まさみを迎えてくれたのは… まさみ「…ハナちゃん!?」 ハナ「ち〜っす♪お誕生日おめでとう!…まさみママ」 まさみ「ハナちゃん…うん、ありがとね」 おんぷ・さやかの粋な計らいに、まさみの瞳には熱い涙が込み上げてきた… まさみ「そっか、また女王様に無理言って、大きくしてもらったね… もう、我が儘っ子なんだから。あたし達の娘は…」 ハナ「だってだって、まさみとも、みんなともい〜っぱいお喋りしたかったんだもん☆」 まさみ「みんな…?」 そう言えば、最初のクラッカーの音の数からして、周りには複数の人間がいなくてはおかしい。 まさみが辺りを見回すと、事の次第を知っている、おんぷ・さやか以外に見慣れない人影が… どれみ「お誕生日おめでとう!それと初めましてだね。あたし、春風どれみ」 美しい桃色の見習い服に、特徴的な2つのお団子頭が笑顔を輝かせていた。 はづき「初めまして。私、藤原はづきです。あなたの事、テレビとかでよく見てるわ」 暖かな橙色の見習い服と、眼鏡の中に優しそうな瞳が収まっている。 ももこ「Hello!Nice to meet you!My name is Momoko Asuka!Happy birthday, Masa-chan!」 光を放つ黄色の見習い服に、左右対称な輪っか状の髪の毛、さらには英語で捲くし立てた。 ぽっぷ「ち〜っす!初めまして、春風ぽっぷで〜す」 燃えるような赤の見習い服に、大きく跳ねた髪と明るい声、1人だけ歳と体格が離れている。 まさみ「ああ…なるほどね…」 最初こそ呑み込めていなかったまさみも、だいぶ状況が理解できてきた。 まさみ「凝った事してくれて…MAHO堂メンバー大集合か…!」 そして、忘れてはいけない、おジャ魔女がもう1人… あいこ「そういう事(こっ)ちゃ!お誕生日おめでとさん、まさちゃん」 ハナともう1人、まさみと面識があるあいこが、笑いながら肩を抱いた。 まさみ「あいちゃん…久し振り。連休以来だね」 さやか「まさちゃん!そないな事、後でも言えるやろ!とにかく今は弾けてぇや!」 おんぷ「そうそう。まさちゃんが一番楽しんでくれないとね。 何てったって、まさちゃんのお誕生日パーティーなんだから♪」 ここで、日本文化に興味こそあれ知識が生半可な、ももこが言い出すには… ももこ「そう言えば、お侍さんとか昔の人って、20歳になる前に大人になるんだよネ? この前、時代劇で言ってたヨ。元服って」 どれみ「げんぷく?原発の親戚?」 突然ボケたどれみに、一同ずっこけた。 あいこ・さやか「何言うてんね〜ん!!」 どれみ「わっ」 さらに間髪入れずにツッコミが入って、どれみは浪花っ子2人に張り倒された。 どれみ「痛〜い…やっぱ、あたしって世界一不幸な美少女だ〜…」 あいこ「元服と原発って、どれみちゃんのボケの方が原発よりよっぽど強力やて」 はづき「どれみちゃん、ボケるのはいいけど、ちょっと唐突すぎるわ…」 ぽっぷ「お姉ちゃんったら…全くもう…妹のあたしの方が恥ずかしいよ」 滅多打ちにされて、どれみはへたり込んでべそをかく始末。 どれみ「あ〜〜…みんな、あんまりだよぉ〜…」 おんぷ「まあ、どれみちゃんらしいじゃない」 さやか「まあ、せやな。楽しゅういこか!」 ハナ「わ〜い!ハナちゃん楽しいの大好き〜!」 そしてここで、はづきの解説。 はづき「ちなみに元服っていうのは、日本の昔の成人式の事なの。 なるべく早い方が良いとされてて、早ければ5歳、遅くても10代の内に済ませたそうよ」 さらに、こういう事例には詳しい、まさみも補足説明。 まさみ「でもそれは、あくまで男子の話。 女子は18歳から20歳、結婚と同時に行うものだったらしいよ」 はづき「あら、流石まさちゃん。私より一枚上手(うわて)みたいね」 ももこ「エ〜?じゃあ、まさちゃんは元服じゃないノ?」 まさみ「おあいにく様…今年13だから、あと7年くらい待ってもらおっか」 あいこ「ほな、話の落ちもついた事やし、切れ目のええ所で一丁いったろか!」 そして、まさみ以外のおジャ魔女達が声を揃えて… どれみ・はづき・あいこ・おんぷ・ももこ・ハナ・ぽっぷ・さやか 「まさちゃん、13歳のお誕生日おめでとう!!!!!!!」 まさみ「みんな…ありがとう!!」 その深夜… まさみ「ふう…ただいま帰りました、っと」 魔法で自分の部屋に人知れず忍び込み、一安心のまさみ。 まさみ「お爺ちゃんもお婆ちゃんも、寝るの早いから…さてソソ、起きてる?」 膨らんだ布団に小声を掛けると、寝間着姿のまさみになり済ましていたソソが出てきた。 ソソ(まさみ姿)「お帰り。まさちゃん」 まさみ「今日も、ご苦労様」 労いの言葉を受け取ると、ソソは元の姿に戻った。 ソソ「まさちゃんこそ、お疲れ様」 まさみ「ありがとね。で、何か変わった事あった?」 ソソ「…無かったよ」 まさみ「そっか。なら、いいけど。ふぁ〜…あたしも早く寝なきゃ…」 欠伸するまさみは、眠気のせいかソソが返事に一拍置いたのを気に留めなかった。 ソソ「(本当は、凄くいい事があったんだけど…ね♪)」 その微笑みの理由は…ソソと七恵だけのナイショ… 次回予告 まさみ「…という訳で酒井まさみ、歳を1つ取らせていただきました」 おんぷ「よく考えてみたら私達の中では、まさちゃんが一番お姉さんなのね」 さやか「うん。しっかりした、ええお姉ちゃんや」 まさみ「全く、手間のかかる妹だよ…また跳ね回ってくるみたいだし…」 さやか「次回、おジャ魔女おんぷTriple‐S(トリプル・エス) 『彗星のごとく!羽衣纏ってさやかは翔る!』ほな次回も弾けて、プレサ〜パトレ〜ヌ!」 18話端書き まさみの誕生日であります。まずは、おめでたいです。筆者の頭も、おめでたく…w これに際して、ソソと七恵お婆ちゃんという、あまり出番の無かった2人の組み合わせです。 前半、洞爺お爺ちゃんが何か危ない雰囲気にしちゃいますが、結局大きな動向は無しで… しかも今回タイトル前に、真浪&正爺夫妻まで出てきちゃって、酒井家勢揃いでした。 …で、何だかんだで七恵お婆ちゃんに半分バレます。 まさみの正体がバレた訳じゃないですが、ソソの事を知られちゃったので半分と(ぇ) 酒井家以外の事柄も挙げねばですよね。まず弓道部です。 以前に出てきた弓道部の同級生・百済さん、下の名前付けてしまいましたw 百済ゆみ、通称ゆっちゃんです。弓道部だけに弓(ゆみ)とは、単純明快ですね… あ、加藤めい・寺内たけこ・東久邇なるみが出てきたのは久々かも(ぇ) また今回ちょびっとですが、まさみ念願の水戸老公出演☆ さあ、この先レギュラー化はあるのか!? そして相変わらず、変な所に拘ってます。 今回は、まさみのファンから届いたプレゼント、これの贈り主の住所にご注目。 岡山県岡山市、石川県七尾市、茨城県水海道市… これらを郵便番号に直して、7桁の内の頭3桁を取りますと、不思議な事が起こります。 岡山県岡山市=704、石川県七尾市=926、茨城県水海道市=303… まさみ7月04日生まれ、さやか9月26日生まれ、おんぷ3月03日生まれ… はい、Triple‐Sの誕生日と合致します!以上w 最後には、MAHO堂メンバー大集合で大盛り上がり☆ これでようやく本編レギュラー全員出ましたね。めでたしめでたし…? ちなみに、ポン酢を納豆に垂らすと、本当に意外といける味です。 色々なポン酢を試してみた筆者としましては、梅じそポン酢がお勧めです。 興味を持たれた方は是非、一度お試しあれ…