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◆「夏の香り」に出合うまで #1


韓国ドラマ人気の噂に初めて接したのは
冬のソナタ」が初放送されていた2003年の秋深い頃だった。
新聞の紹介記事を読んだのである。
一部で熱心な視聴者が生まれつつある人気ドラマ
冬のソナタ」をあなたは知っていますか? みたいな記事だった。
しかし、記事を読んでそのドラマを見ようをとは、別に思わなかった。

その年の年末、実家に行き、一泊し、翌朝目が覚めると、
隣のリビングからいつものようにテレビの音が聞こえてきた。
親が見ているのだ。
父かな?母かな?
私は布団に入ったまましばらく音声を聞いていた。
日本語なのに日本のドラマっぽくない感じがするなあ。
海外ドラマの吹き替えかな? でも内容的にアメリカのドラマじゃないような気がするなあ。
うーん・・・起きてみようっと。
なんだろう? なんだろう? と思いながらふすまを開けた。

両親がそろって静かにソファに腰掛け、熱心に画面を見ている。
私はすぐ「これって『冬のソナタ』でしょ!」と言った。
「あら、よくわかるわね、あんたも見てるの?」
「ううん、この前ね、とても今人気のドラマがあるって新聞に書いてあったの。
これがそうでしょ、なんかピンと来た」
・・・記事に写真は載っていなかったのだが、
すぐにこれが「冬のソナタ」だとわかった理由は、今でもよくわからない。

私もソファに座って一緒に見ることにした。
もう最終回の前の回らしく、話が佳境っぽくて深刻そうだ。
話の流れは分からなかったけれども、なんとなく終わりまで見ていられそうな気配はした。
なんだか珍しかったからである。
今まで見たことのない感じの画面作りと俳優さんたちがけっこう新鮮だったのだ。
内容がよくわからないから、感動はしなかったが、
とにかく最終回の最後まで、それなりに楽しく見れた。

終わって親に聞く。「このドラマ、ずっと見てたの?」
「(笑)ぜんぜん。今日初めて」
「えっ? 初めてなの?! だって今の最終回だったじゃん」
「昨日たまたま録画してあったのを見てみただけだよ」
ここで少し説明が要る。

私の父は何でもかんでも録画する癖がある。
ちょうどその頃にDVDを購入したこともあって、楽しかったのだろう。
新聞やテレビ雑誌などでちょっと誉めてあったりすると、
ドラマだろうが、映画だろうが、コンサートだろうが、ドキュメンタリーだろうが、
ジャンルに関係なく、とりあえず片っ端から録画する習性があるのだ。(笑)
病気だよ〜、と私たちは呼んでいるが、
この習性が後に、母が「夏の香り」に出合うきっかけになるのだから、
父の病気もたまには役に立つ。

じゃあ「冬のソナタ」の前の回までも録画してあるのだろうか? 
「録画してたんだろうけどね、見ないうちに消しちゃったよ」
・・・というわけで、今見た回の前の回までがあるのなら
見てもいいなあと思ったのだが、不可能であった。
この日はたまたま前の日に録画していたものを父がチェックしていて
つい見始めたらしい。
そういう日に、これまた私がたまたま泊まったのである。
今思えばこれもこれも運命だった〜?!(笑)

このように、「冬のソナタ」の19話の途中から&20話(最終回)が、
私の韓ドラ初体験である。
しかし、最終回までのいきさつがまったくわからなかったので、
特に興味をもつこともなく、韓ドラ体験はここでいったん終わる。

年が明けて2004年。
韓国ドラマにその後、接することもなく、月日は流れて春になった。
そしてヨン様が来日する。
ヨン様来日フィーバーのニュースを見て、
その人気ぶりに超驚き、そして韓流なるものが起こっていることを知った。

へぇ〜、あの「冬のソナタ」ってこんなことになっているわけ〜?! 
私は冬ソナを見たことがない世間の人たちと同じように驚き、
あのドラマはそんなによかったのかぁ?! と、少々びっくりした。
しかしながら、来日したヨン様の様子をニュース映像で見たときは、
日本にも、欧米にもいない、いや、今まで見たことのないタイプの
人気者であることは理解できた。
私はドラマの中の彼よりも、来日したときの彼の感じのほうが素敵に見えた。

このヨン様の来日が4月の中旬である。
その半月後のGWの次の週末、大阪から叔母(60代)が私の親の家に遊びに来た。
せっかくだから私も叔母に会おうと思って実家へ行った。

叔母は鞄からビデオテープを出した。
そして父にお願いしている。
「お兄さん、これに録画してほしい番組があるんだけど・・・」
「うん? なんだい?」
「今日土曜日でしょ、夜にNHKでやっている『冬のソナタ』を録ってほしいのよ(ニコッ)」
「『冬のソナタ』〜? なんだい? それは・・・」と、新聞のテレ欄を見る父。
私はすかさず「お父さん、年末に見てたあの韓国のドラマだよ。
今、総合テレビでやっているのよ」と口をはさんだ。
すると叔母が私に「○○(私の名前!)ちゃんも見てるのー?」
「ううん、ごめん、私は見ていないけど、ヨン様の来日ニュースはもちろん見たから。
総合で放送していることは知っているわよ。
でも、もしかして叔母さんさあ・・・はまってるのぉ〜?」
「フフフ、○○ちゃん、もうタイーヘンよ私。ヨン様、大好きになっちゃったの!」
そ、そうだったのか・・・。
この叔母さんの出現が大きなきっかけになった。

私たちの話を聞いていた父は「そういえば韓国ドラマ、他にもなんか録画してあったぞ」と
DVDの録画リストをチェックし始めたからだ。
そして
「これも韓国ドラマだろ? 『夏の香り』・・・」
すると叔母は「あ、これはね、四季シリーズの次の作品なのよ〜」と説明する。
私「なんなの? 四季シリーズって?」
叔母「これも『冬のソナタ』と同じ人が作ったドラマなの。冬の次が夏なの」
私「へぇー、そうなんだ。じゃあ叔母さん、ちょっと見てみる?」
「うん」
ということで、再生することになった。

映し出されたのは「夏の香り」の第3話だった。
(2004年5月1日からWOWOWで放送されたのが「夏の香り」の日本初放送)
オープニングタイトルでは、きれいな緑と「夏の香り」の文字がでる。
「ふーん、美しいじゃん」と私。
主演のソン・スンホンの顔と名前が出ると私はこう言った。
「ハハハ、これって韓国のキムタクかも〜?!」
続いてソン・イェジンの顔と名前が出たら私はこう言った。
「こっちは韓国の中山美穂かな〜?」
・・・私が初めて「夏の香り」の画面に接したときの第一声がこれである。。。

叔母も母もちゃんと見そうは雰囲気だったので、
私は別にここにいなくてもいいね〜思い、
オープニングが終わるやいなや、その部屋をなんと私は出て行ってしまった。
自分の趣味じゃないしなあ、という決めつけから
「インターネットでもしようっと」と思って席をはずしてしまったのである。

しばらくして、リビングに戻ってみた。
すると、両親と叔母は3人並んで熱心にあのまま「夏の香り」を見ていた。
誰も私のおしゃべりに付き合ってくれそうもなさそうなので、
仕方がないから、私もそこから一緒に見ることにした。
そのときに初めて目にした「夏の香り」の場面は今でも覚えている。
ホテルにミヌ(ソン・スンホン)が呼ばれて入ってくる。
お花を生けていたヘウォン(ソン・イェジン)の後ろをミヌが通り過ぎるのだが、
二人は気づかない。
というあのシーン。(笑)

母が私に言う。
「けっこう面白いわよ、これ」
叔母「うちではWOWOWが映らないから、姉さんのところで見られるとは思わなかったわ!」
父「うちには何でもあるからなあ、ハハハ!(笑)」
みんな楽しそうで何よりである。

私はと言うと、NHKだけでなく、WOWOWまでもが韓国ドラマを放送していることを知り、
韓流が本当に浸透してきているのだなと感じた。
夏の香り」の画面を初めて見ての印象のほうは、
以前に見たことがある韓国映画と同じようなトレンディさを感じるなあ、
韓国もずいぶんと洗練された生活しているんだなあ・・・くらいであった。
主人公たちの恋愛模様については、そのときはほとんど興味ももたなかったのである。

韓国ドラマは、キャラクターがはっきりしており、せりふがストレートなために、
話の途中から突然接すると、どうも違和感をもちやすい、と私は思っている。
話の流れに乗れないと、大げさに思えたり、
陳腐に感じたりしまいがちになるのではないだろうか。
夏の香り」の3話の途中から接してしまった私も
このときはそういう印象をもったのだと思う。
脇役の先輩たちの演技がはつらつとしすぎていたのかもしれないけど・・・。(笑)
とにかく、ソン・スンホンにもソン・イェジンにも特に惹かれることもなく、3話が終了。
続く4話も録画してあったが、私は見ずに自宅に戻ってしまったくらいである。

このように、スンホンに一目ぼれをしたということもなく、
冬のソナタ」を半年目の年末に垣間見たのに続いて、
私の2回目の韓ドラ経験は、
特になんということもなく終わったのであります。

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