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「カスミサンショウウオの生態 」(2009.March.14 Update)
 里山の詩(2)

湿地の生物
カスミサンショウウオ (H.nebulosus)

オス

生殖孔/繁殖期

尾部

特長
オスはメスよりも体が大きくなります。
肋条(側面の凸凹)が目立ち、頸部が太く
尾部では先が広くなっています。
確実な判別は成熟個体の繁殖期の
生殖孔
大きさです。

メス

生殖孔/繁殖期

尾部

特長
メスでは尾部の先が尖って短く
黄色いスジも薄いものが多いです。
繁殖期の
生殖孔の大きさがちがいます。
卵をもっている場合、すぐ判別できます。

カスミサンショウウオは10cm位の西日本に分布する小型のサンショウウオです。
幼生は水中で暮し、成体になると陸上で過ごします。
通常、体色は黄色味がかかっていて、
尾の上には黄色い線があるのが特長です。
個体の中には斑紋が顕著な美しいものもみられます。


高地型

標高の高い地域に生息する個体は、高地型とされています。

高地型については
羊歯のような模様があること、後足の指が4本の個体が多く大型になることなどが主な特長とされています。

広島県・大朝町の個体 ♂

斑紋

成長に伴ない斑紋が消失すると思われます

場所によりブチサンショウウオと混生する場合もあるそうですが、私の調査では、まだ確認していません。

島根県・桜江町の個体 ♂

後足の指

繁殖期のオスの尾は、広く大きくなります。

私の調査している東広島市の低山地(標高200メートル程度)では、後足の指が4本のものは未確認ですが、稀に斑紋が似たものを確認しています。しかしこの地域のオスの尾は、繁殖期でもそれほど大きくは広がりません。

低地の斑紋型 ♀

右/東広島市産の♂

それぞれの産地の2個体、計4個体(オスのみ)の画像です。
同時に島根県・桜江町の卵塊を入手しました。
今後、新しい発見などがあるかも知れません。/09.03.08

島根県・桜江町

色彩変異

小型の若い個体は黒色、大型の個体は黄色をベースに斑が入ります。

斑の大きいもの

斑の細かいもの

白い斑が多いもの

メスに多いもの

斑紋の顕著なもの

新成体は成熟するまでの間は再び水に入ることはありません。

個体差はありますが、オスで2〜3年、メスで3年間は陸上で過ごします。

食性

幼生期は水中の生き物を、陸に上がると地上の小さな生き物を捕食します。

ミズムシ

ヨコエビ

ガの幼虫

アカムシ

アオムシ

幼生は最初、水中の微小な生き物を食し、やがてミズムシやヨコエビなどを捕食します。

上陸後はワラジムシや昆虫の幼虫、クモなどを捕食しているようです。

others

成体の飼育に試した餌と結果

生き餌が入手が困難な時は、レプトミン(左)などを軟らかくして、ピンセットなどでつまみ目の前で動かして、与えてやると良いでしょう。

○=食べるもの

ワラジムシ

アオムシ

チャバネゴキブリ

孵化直後のカマキリ

△=工夫のいるもの

コオロギ

ミミズ

動きが素早いもの、隠れやすいもの

×=食べ(れ)ないもの

だんごむし

ミルワーム

殻が固い(食いつくが・・・)


成長

新成体は4センチ程度ですが、成熟すると大きいものでは10センチ以上になります。

新成体(当年上陸)

翌春

翌々春

成熟個体

体長の比較

新成体は成熟するまでの間は再び水に入ることはありません。

個体差はありますが、オスで2〜3年、メスで3年ほどは陸上で過ごします。

others

体長10センチを越えるものは少なくなりました。なかなか迫力があります。

10センチ以上のオスと通常の個体の比較

9.2センチのオス

8.2センチのメス

斑紋型と通常型

産 卵

産卵時に複数のオスが放精し、体外受精を行います。

1/30産卵 (飼育下)

放精後のオス(野外)

産卵前のメス

産卵後(同一個体)

オスはその後も卵のそばにいます、メスは産卵が終わると早々と水辺を離れます。

受精卵は黒く、受精した瞬間から発生が始まります。この卵嚢(らんのう)には65個の卵が入っていました。

others

夜行性で昼間はじっとしています。飼育個体で観察したものです。

ミズゴケの上

手のひら

翌春の個体

20センチ水槽

卵嚢(らんのう)

卵嚢(らんのう)は長い螺旋状のもので、中にたくさんの卵が入っています。

初観察・2007年2月26日

形状

受精卵

未受精卵

1〜2月頃、まずオスが繁殖に適した水場に集まり、続いてメスがやってきます。

受精は夜間水中で行われ、産卵後オスはしばらくは近くにいます。未受精卵は白濁しています。

初期の発生

受精した瞬間から発生が始まります。(2007.data)

2/26

2月27日

2月28日

受精卵の発生(細胞分裂)の進行は早く、24時間後にはすでに凹凸ができます。

だ円形のラグビーボール状に変わるまで2・3日です。

3月1日

3月2日

3月3日

3月4日

3月5日

まず頭部、次に尾部が突出してきます、そして最後に頚部がのびてきます。

尾部の先ものびてサンショウウオらしくなってきました。

3月6日

3月7日

3月8日

3月9日

3月10日

お腹の袋が日ごとに小さくなり、このころになると時々動くものもいます。

※以上の画像は屋外でほぼ24時間毎の記録です。

続きは >>>

カスミサンショウウオの成長

参 考

分布調査 生態 成長 調査-2009 2008

生息環境

繁殖は湿地や休耕田、水たまりなど、開発の進みやすい環境でおこなわています。

成体は繁殖期以外は水に入らず、隣接する低山地で陸上の生活を2〜3年続けます。この行動を追跡・調査するのは非常に困難です。

生活環境

隣接する低山地

越冬は繁殖地から離れた湿った場所で行われます(50メートル以上も珍しくありません)。単独での越冬が多く、オスはいち早く目覚め繁殖地へ移動します。今年のオスは1月5日から繁殖の場所へ移動を始めました。

越冬環境

オスの待機場所

昼間の気温が10度位になると、産卵のためメスは少しづつ集まってきます。2009年のメスの初見は1月5日です。メスの産卵は2〜3月くらいまでに行われます。産卵後に工事や干ばつなどで渓流・細流の水の流れが止まり、卵や幼生が死滅する場合も多くあります。

繁殖環境

すぐに身を隠すオス

others

初見日 A=越冬場所/B=繁殖場所(オス)/C=繁殖場所(メス)/D=卵嚢(らんのう)

調査期間

A=越冬場所

B=繁殖場所(オス)

C=繁殖場所(メス)

D=卵嚢(らんのう)

2008.12〜2009.3月

dec.07

jan.05

jan.05

D-

2007.12〜2008.3月

jan.07

feb.03

mar.07

mar.08

2006.12〜2007.3月

特定できず

feb.17

feb.07

feb.26


参考ページ

両生類くらぶ 分布調査 生態 成長 調査-2009 2008

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