仮面ライダーフリークス&恐怖!夜伽話
           父の手のひら。


 今回のお話は、日菜佳さん(仮名)の体験した、本当に些細な出来事ではあるのだが、霊との
波長が合わずに、視る事が出来なかった場合には、こういう伝え方もしてくる事もあるだろう…
と、そんな事を考えさせられる様なお話である。

…彼女の父親は急死と言う形で亡くなられたのだと言う。

 彼女の父親は家族と一緒に神奈川県に住んでおり、彼女は、群馬県で一人暮らしをしていたら
しい。

 そして、ある日の事であった…。

 彼女の父親が急死したと言う訃報が入り、彼女は急いで実家に向けて、車を走らせたのだと言
う。

 父親の遺体は、監察医の都合により、自宅に戻るには数日かかるかもしれないと言われていた
らしいのだが、その日に限って、 いつもならば渋滞している道が、奇妙にさえ思える程、順調
に進んでいたらしく、いつもこんな感じであれば、距離の離れた実家へと帰る事も、さして苦に
ならないだろうと思った程であったのだと言う。

…そして、彼女がようやく自宅に到着し、庭に車を乗り入れたと同時に、その反対側から黒い車
が入ってきたらしいのだ。

 その時は、丁度、母親が出迎えてくれたらしく、 あの車はいったい何なのかと訊ねた所、自
宅に戻るには、数日かかるかもしれないと言われていた父親の遺体が、丁度戻ってきた所であっ
たらしいのだ。

 そして彼女は、慌てて家に入ると、 父親を出迎えたのだと言う…。

 普段ならば渋滞していた道路が、奇妙にさえ思える程に順調に進み、数日かかると言われてい
た父親の遺体が到着した時間に、彼女が自宅へたどり着いたのも、もしかしたら【何らかの力が
働いた】のかも知れないと、彼女は語ってくれたのであった…。


 そしてまた、父親の葬儀の際には 甥っ子2人が、指をさしてこんな事を言っていたのだと言
う。

「 じーじが階段の所に立ってるよ?」

 もし、逢えるものであれば、自分も逢いたいと、彼女も願っているらしいのだが…。残念な事
に、未だに夢の中でも逢えずにいるとの事であった…。


 また、その父親の新盆の際にも、不思議な現象が起きたのだと言う。
 それは、僧侶の読経の最中の事であったらしい。

 彼女は入口付近に座っていたらしいのだが、彼女の背中に、手のひらの様なものが「ぴとっ」
とついたのだと言う。
 驚いた彼女は、静かな席にもかかわらず、立ち上がって必死に背中をはらったけれど、何もつ
いてはおらず、彼女に手をつける様な位置には誰もいなかったらしいのだ。

「きっと、お父さんが、お盆で家に帰ってきたのかな?」

…そんな風に彼女は思う事にしたのだと言う。

 何故ならば、彼女の父親は、立ったり座ったりする際には一旦、彼女の背中に手をつく癖があ
ったからなのだと彼女は語っていた…。

…そして、そんな彼女が、一枚だけ大事にしている心霊写真があると言う。

 それは、他の人には視えないかも知れないけれど、父親の死に顔に視える様なものであるらし
い…。


 そして、彼女は既に父親に逢っているのだ…と、私には思えてならないのだ。

 父親の姿を視る事が出来ない彼女に対して、新盆の際に触れたと言う「てのひら」…。
 私には、それが彼女に対する父親からのメッセージだったのでは無いかと思えてならないので
ある…。