祟りを起こした守り神の像。
今回のお話は小夜子さん(仮名)が、まだ幼かった頃に体験したという、お話である。
一体の守り神の像が一転して、祟り神と化してしまい、それによって次々に家族が不幸に見舞われたと
言う、偶然の一致と言う様な言葉では、到底片づけられない奇怪な体験談である…。
彼女は過去に引っ越しを経験しているのだが、その引っ越す前の実家の屋根の上には、石で出来た
一体の守り神の象があったのだと言う。
まだ幼かった彼女に、その理由は知らされてはいなかったのだが、ある日、その像を屋根の上から下
ろして、庭にある岩の上に置く事になったらしいのだ。
…しかし、庭にある岩に、その守り神の像を下ろしてから数日後…何故か、その像の両腕にヒビが入っ
たのだと言う。…すると、その数日後に、彼女の兄が両手首を骨折してしまったらしい。
ここまでであれば、偶然の一言で、片付けられてしまうのだが、そんな出来事が次々と彼女の家族の
身に降りかかり始めたのである…。
兄の骨折より、しばらく時が経った頃…今度は、その像の指の部分が欠けていたのだと言う。
…すると今度は、彼女の母親が手の親指を骨折してしまったらしいのだ。
また、その像の背中の部分にヒビが入った時は、またしても彼女の父親の背中の骨にヒビが入ってし
まい、入院する事になったのだと言う…。
更に、その像の肩にヒビが入ると、今度は彼女の姉が交通事故を起こして、肩を骨折して入院してしま
ったらしい。
そんな【守り神の像と家族の怪我の因果関係】を感じとった彼女は、自分が常々思っていた事を、母親
に伝えたのだと言う…。
「お母さん。この像の欠けたり、ヒビが入ってる所を皆、怪我してるよ…?」
小夜子さん本人は、何故か幼い頃から、お経を唱える事が好きだったせいなのか、彼女本人は怪我をする事は無かったらしい…。
そんな一連の出来事と、守り神の像の一件を、近くのお寺で相談してみた所、その像には神様が宿っ
ていたのだと言う。…それを地面に下ろし、尚且つ数年もの間、放置をしている事が原因だと言う事を聴
かされた家族は、その像をお寺に持って行くと、塩水で清めた後に、再び、その像を屋根の上に戻した
のだと言う。
…そして、その後は家族が怪我をする様な事は無くなり、落着きを取り戻したとの事であったのだが…。
その家から引っ越した所、間もなく父親は亡くなり、母親は肝炎に鬱病を発症し自殺…。
そして、兄は蒸発してしまい、消息不明となってしまったのだと言う…。
本来は守り神であった筈の【神の宿る像】の取り扱いを誤ってしまったが為に、一転して【祟り神】とな
り、様々な不幸な出来事が家族を襲う事になったと言う、恐ろしくも奇怪なお話であった…。