タケモトリュウセイさん。
今回のお話は、三井さん(仮名)の妹の息子にしか視えていないもの…。
その二歳になる甥っ子に纏わる不気味なお話である。
ある日を境に、甥の明日夢くんが『タケモトリュウセイさん』と言いだす様になったのだと言
う。
それは全く、身に覚えのない接点のない名前…。
三井さんの弟…甥っ子の父親にあたる方が、その『タケモトさん』について、色々と質問を投
げかけると、明日夢くんの口から信じられない言葉が出てきたらしい…。
「タケモトさんは怖い人。タケモトさんは交通事故で頭が割れて海に落ちた」
「タケモトさんは、お山から来た」
「タケモトさんは僕を可愛いって言ってくれる」
そして、実家の金魚の水槽を指さして、次のように言ったらしい。
「あれがあるからバァバの家には入ってこれない」
タケモトさんは、どうやら水が怖いらしいのだと言う…。
そして、次の様にも言っていたらしい。
「いつもパパのベッドの所にいる」
丁度その頃からか、明日夢くんの父親は、寝ても身体の疲れがとれなかったりするようになっ
ていたのだと言う。
更に明日夢くんのお父さんは、次の様に問いかけてみた。
「タケモトさんは、俺たちには視えなくて、君にだけ視えるの?」
…すると「うん」と頷いていたらしい。
タケモトさんの事を明日夢くんが話だした頃から、明日夢くんが突然、車から落ちて目の下を
怪我したり、寝不足でも無いのに目の下に酷いクマが出来るようになったのだと言う…。
彼女は、甥っ子を連れて、近々「お祓い」に行ってくるのだと語ってくれた…。
手遅れになって、あっちの世界に連れていかれる前に…。