日本人形
今回のお話は、秋月さん(仮名)から寄せられた、人形に宿る霊魂のお話である。
当時、高校生であった秋月さんは、毎晩の様に怖い夢を見ていたらしい。
その内容とは、深夜、眠っている自分の横に、日本人形が飾ってあり、その人形の髪がズルズ
ルッと伸びて、彼女の首を絞めつけてくるのだが、苦しくて母親に助けを求めてようとしても声
が出ない…。
…そんな内容の夢であったと言う。
ある日、毎晩の様に続く悪夢に悩まされていた彼女は、母親に訊ねてみたのだと言う。
「…もしかして、私の部屋に日本人形って無かった?」
しばらくの沈黙の後に、母親は次の様に言ったらしい。
「…何で分かったの?」
母親の話によると、その日本人形は確かに、かつて存在しており、嫁いできた時からあったら
しいのだが、どうしても気味が悪く感じられて、何とかして処分をしたかったらしく、寺へと持
って行ったらしい。
すると、その寺の住職は、母親に【その日本人形】について、次の様に語り始めたのだと言
う…。
「この日本人形には…女の子の魂が入っている。…まだ成仏出来ていない様だねぇ。…この子は
ご主人の姉にあたる方で、四歳で亡くなっている様ですよ…」
そして、その日本人形は、その寺で供養をしてもらったのだとか…。
何故、既に供養をしてもらった筈の、その日本人形が、十数年もの時を隔てて、再び彼女の夢
枕に立ったのか…。
それは、未だに解らないままだと言う…。