何か、でるんです。
今回のお話は、恵理さんがとあるお婆さんに聞かされたという心霊現象のお話である。
何でも、そのお婆さんの隣には、歳の差の離れたカップルが住んでいたらしいのだが、痴情の
もつれからなのか、何か犯罪に巻き込まれてしまったのかは定かでは無いらしいのだが、その二
人共が、ある人物によって刺し殺されてしまうという惨劇が起こったのだと言う…。
通常、そういう場合には次の居住者に説明があるのだが、程なくして、新たに入居してきたカ
ップルがいたらしい…。
しかし、惨殺された二人の魂は成仏出来ずにいたのだろうか…。
数日後、お婆さんの元へ訪れたカップルは青ざめた顔つきで、次の様に言ったのだと言う。
「…あの部屋…なにか、出るんです…」
そのアパートの前には大きな木が生えていたらしいのだが、毎晩の様に人魂がふたつ、まわる
様に浮かんでいたのだという…。
そして、その後は、問題の部屋をお祓いしてもらった所、それ以来は部屋にも…そして、その
大木の周りを飛び回る人魂も出なくなったのだと言う…。
人伝えの話の為に、あいまいな点も多くはあるのだが、一連の出来事は、自分の意志とは関わ
りなく、突然葬り去られたカップルの怨念の起こした怪異だったのであろう…。