暗くて寂しいから…。
今回のお話はミカさん(仮名)から寄せられた、交通事故により突然に命を断たれた友人の霊
に、危うくあの世へと連れて行かれそうになった…そんな内容の体験談である。
事の発端は、彼女が高校を卒業した年の七月の事であった…。
彼女の友人のミチさん(仮名)が突然の交通事故により、亡くなってしまったのだと言う…。
彼女は、友人のエミさん(仮名)と共に、その亡くなったミチさんの葬儀に行こうとしていた
のだが、葬儀の行われている寺院の場所が、なかなか分からずに、ようやく到着したのは、ほぼ
葬儀が終わってしまっていた頃であったらしい…。
しかし、その後一ヶ月も経たないうちにミチさんの葬儀に共に行ったエミさんまでもが、また
しても交通事故により、その若い命を散らしてしまったのだと言う…。
…そして、余りにも立て続けに起こった交通事故による死に対し、次第に次の様な噂が立ち始め
たのである。
ミチさんの霊がエミさんを、あの世へと連れて行ったのだ…と。
そんな噂や、不幸な出来事が重なった事もあり、それぞれの親御さんが、近隣にいると言う高
い霊能力を持つと言われている、ある巫女さんの元を訪れたのだと言う…。
…そこへ最初に訪れたのは、最初に事故で亡くなったミチさんの親御さんであった。
その巫女さんに対して、亡くなったミチさんの霊が訴えかけてきた言葉は…想像を超えた実に
恐ろしいものであったと言う…。
「…ここは暗くて寂しいから、あと数人連れていく…」
…そして、その後日。今度はミチさんの霊に連れて行かれたのでは無いか…と噂されていたエミ
さんの親御さんが、その巫女さんの元を訪れ、事故とミチさんの霊に対する関連性を訊ねたらし
いのだ。
その話によれば、エミさんの事故に関しては、偶然に時期が一致しただけであり、決してミチ
さんに連れて行かれた訳では無いとの事であったと言う…。
…そして、その凄惨な事故が起こってから翌年の事。
それは奇しくもミチさんの一周忌に近い七月の事であったと言う。
ミカさんは、急に襲ってきた猛烈な睡魔に勝てず、ついつい居眠り運転をしてしまい、車を側
溝に落としてしまうと言う事故に遭ってしまったらしいのだ…。
彼女は偶然にも、亡くなった友人達の親御さんが訪ねていったという、その巫女さんの元へ行
く機会があり、その時期が時期だけに彼女も気になったらしく、自分の起こした事故について、
その巫女さんに訊ねてみた所、次の様な返事が返ってきたのだと言う…。
「その事故に関しては間違いなく、ミチさんが貴女をあの世へ連れて行こうとしていたと言って
いるわよ…」
自らの意志とは関係なく、突然の交通事故により、その若い命を散らせてしまった者…。
それは、時として悪霊と化し、生きている人間を引きずり込もうとする事もあるのだと言う、
ひとつのお話であった…。