仮面ライダーフリークス&恐怖!夜伽話
        行くなよ。


 今回のお話は、ひとみさん(仮名)が、おそらくは守護霊からの忠告を無視してしまったが為
に体験する事になった、騒霊現象を伴った心霊体験談である…。

 彼女のかつてのご主人は、何の連絡も無いままに、車の中で練炭自殺をしてしまったのだが、
その出来事が起こったのは、そのご主人の葬式当日の事であったと言う。

 彼女の耳に何処からともなく、次の様な声が聴こえてきたらしいのだ。

「一ヶ月間は、二階の寝室には行くなよ…」

 ご主人の突然の死に対し、心が不安定になっていた彼女は、それまでの間は、病院に個室を借
りて安定剤を投与していたので、病院と家との往復をしていた為に、二階の寝室には足を踏み入
れてはいなかったらしいのだ。

…しかし彼女は、その「何者かの忠告」に対して恐怖心よりも、むしろ好奇心の方が勝ってしま
ったらしく、先祖代々の霊能者であると言う霊感が強い女性の友人と二人で、二階の寝室に向か
っていったのだと言う…。

 すると、その部屋では所謂、ポルターガイスト現象が起こっていたのだ。

 そんなに激しい風が吹いている訳でも無いのに、窓ガラスが今にも割れんばかりの勢いで、が
たがたと音をたてており、ストーブやテレビは、誰が触っている訳でも無いのに、何故か点いた
り消えたりを繰り返していたのだ…。

 そして彼女の背中に激しい衝撃が走ったかと思うと、何かが背中に乗った様な感覚に襲われた
のだと言う。…そして、そのまま彼女は息が止まり、声が出なくなってしまったらしい。

…そんな彼女の異変を察した友人は、その場で除霊を始めたのだと言う。

 その除霊の最中にも窓ガラスは、がたがたと激しい音をたて、煙突は今にも折れそうな程に揺
れ、誰もいなかった筈の階下から、何かが二階へと上がってくる足音などが聞こえてきていたら
しいのだ…。

…何とか、その場にいた霊を祓い終えた友人は、線香と粗塩、そして清酒を供えて、その二階の
寝室を清めたのだと言う。

 そして、除霊を終えた友人は、彼女に次の様に告げたらしい。

「…悪い浮遊霊が集まってる。庭にある大きな木と、二階の寝室に悪い霊が集まってる…」

 彼女は現在、その家を出て、アパートで暮らしているので、その家がその後どうなっているの
かは分からないままなのだと言う…。