『デイケア』
恵理さん(仮名)はデイケアという施設で働いている。
どんな施設かと言うと、指定通所リハビリテーションと言い、要介護者が可能な限り、居宅に
おいて自立した生活が出来るように、理学療法や作業療法などによるリハビリテーションを提供
するサービスであると言う。
また、集団での生活にての社会参加を促進する事によって心身機能やコミュニケーション能
力や社会関係の維持や回復を図る場でもあり、その業務は送迎、リハビリ、口腔ケア、レクリエーション等が一日のスケジュールになるらしい。
恵理さんの上司にあたる方の話によると、その昔、その場所は病棟であったらしく、死を迎え
る様な部屋もあると言う。また、リフォームはされているものの、建物自体が古く、色々と病棟
だった頃の名残も見られ、臓器を保存しておく様な部屋も未だに残っているらしいのだ。
そしてまた、霊的な感覚を持つという友人は、彼女と会う度に、その施設は一度、お祓いをし
ておきなさいと言われているらしいのだが…。
そういう背景もあってか、時折その施設では、奇怪な現象が起こるのだと言う。
そのひとつに【センサー付きのトイレ】があると言う。
誰かが前に立ち、離れると自動的に水が流れるセンサー付きのトイレ…。
しかし、誰もいない筈にも関わらず、そのトイレから何に反応をしたのか、勝手に水が流れる
様な事が、頻繁に起きているらしく、彼女もまた同様の経験をした事があるのだと言う…。
…また、こんな話もあると言う。
ある日、一人のご老人の写真を撮影した時の事であった。
その写真には何故か……まるで、炎が降り注ぐかの様に、不思議な赤い光が無数に写り込んで
いたらしいのである。
その施設に一緒に勤めている仲間達と、その不可解な写真を見ながら、気持ち悪いね…と、話
していたらしいのだが、それから三日後、その被写体となっていたご老人は急に亡くなられてし
まったのだと言う…。
その昔は病棟であったと言う、そのデイケアの施設には、この世のものでは無い者が彷徨い、
その影響を与え続けているのかもしれない…。