赤い服の女
今回のお話は、私の友人である愛さん(仮名)が、一人で自宅にいる時に体験したと言う心霊
体験談である。
彼女は彼氏と同棲しているのだが、その日は彼氏が夜勤で不在だったのだと言う…。
彼女は、とあるカルト宗教に入ったものの、考え方の違いからか、集団での宗教活動は行わず
に、個人的にお経を読む事を日課にしていたらしい。
お経を読み終えて、しばらくすると、何故か急に左肩が痺れてきたのだと言う。
そして、それを無視していると、徐々に全身が痺れ始め、一人で部屋にいるにも関わらず、何
だか人がいる様な気配を感じて来たらしいのだ。
そこで私に電話があり、一部始終を聴くことになったのだが…大半の霊観持ちの方々と言うも
のは、霊を感知すると、身体の何処かに変調を来たすものだ。
そこで私は弱い霊ならば祓える日本酒風呂を提案した。
日本酒風呂とは、清酒をコップ一杯ほどお風呂に入れて入浴するだけの簡単な儀式ではあるも
のの、健康的にも良く、何より弱い霊ならば剥がれて行き、また生き霊の類も憑きにくくなると
言われている霊術のひとつである。
…しかし、全身にまで痺れが来ていると言う事は、それなりに強い力を持った霊もいる筈だとは
思っていたのだが…。
さて、早速「日本酒風呂」を実行した彼女は、それにより大半の霊がいなくなった事を感じら
れたのだと言う…。
どうやら見事に痺れは無くなったらしいのだ。
…ただ一体を除いては。
私が思うに、おそらく、全身に痺れを感じさせるほどの力を持った霊であるだろう。
赤い服を着た女性の霊が姿を現したのだと言う…。
愛さんは、その霊に対して次の様に語りかけたらしい。
「すみません。私は貴女をお救いする事が出来ません、お帰りください」
…何度か繰り返すうちに、その霊から次の様に話しかけられたのだ言う。
「悪さはしないから、ここに居させてください…」
そう言われたので、そのままにしておいたら、姿も視えなくなり、悪感もしなくなったので、
おそらく帰ったのだろうと言う事であった…。
彼女は、そんな事があって以来、夜にお経を唱える事は止めておく…と、語ってくれた。