仮面ライダーフリークス&恐怖!夜伽話

        歪む空間。


 心霊スポットとは、幽霊が頻繁に現れると言われている場所を指して用いる俗称である。

 その多くは、病院や学校の跡、山中のトンネル、自殺の名所などで、噂がたっている場所。
 過去に忌まわしい事件や事故が起こった場所などが心霊スポットと呼ばれる事が多いだろう。

 そして通常、霊的な感覚が鋭い方であれば、心霊スポットとまで呼ばれている場所にまで、
足を運ぶ様な事はしないのが常識である。

 興味本位に足を踏み入れてしまった事で【霊と呼ばれる存在】の怒りに触れ、悲惨な結果を、
招いてしまったという様な怪談も数多く存在する。

 しかし、過去に全く、誰も亡くなった事が無いという場所を探す方が、きっとはるかに難しいのでは無いであろうか・・・?

 非日常的な空間・・・それは気がつかないだけで、どんな場所にも存在する可能性はあるのだ。

・・・さて、実は今回のお話は所謂【心霊スポット】についての話では無い。

 しかし、日常の空間でありながら【異質なるもの】を感じさせる場所についてのお話であり、
 私が【違和感を感じる場所】を避けて通る様になる【きっかけ】となった体験。
 【某・有名リサイクルショップ】での体験談である。

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 それは、友人の愛理さん(仮名)と遊びに行った、ある日の夕暮れの事であった。

 数日前に愛理さんが、駐車場で寝転んでいる霊を目撃したという、リサイクルショップの
駐車場に興味を抱いた私は、そこへ寄ってみようと彼女に提案したのであった。

 私は、その男性の霊も一時的に姿を現しただけであり、いつも【その場所】に存在している
様なものでは無いだろうと思っていたのだ。
 しかし、その心霊体験談の舞台となった場所が、一体どの様な所であったのかと言う事を、
興味本位ではあったのだが、この目で確認をしてみたいと思ったのである。

 予想通りではあったのだが、そこに彼女が語っていた男性の霊は既に存在してはいなかった。

その場所・その時間に、【偶然存在していただけ】なのであろうと思っていたので、その事に
ついては正直な所、全く気になってはいなかったのである。

 そして私達は、そのリサイクルショップの店内へと入っていったのであった・・・。

 私は店内に入ると、まず古本を見る為に、正面入り口から一番左側の通路へと入って行った。
 その通路の突き当たりは、その店内の左奥に位置する場所になっている。
 そこへ目を向けた私は・・・【ある異常】に気がついたのだ。

 店内の左奥に位置する場所が、何故か歪んで視えるのだった。

 錯覚かと思ったのだが、何度見直しても、やはり歪んで視える事に変わりは無かった。
 まるで、その部分の空間だけが捻れるかの様に【ぐにゃり】と歪んでいるのだった。

「何だ?あの歪みは・・・?」

 はじめて目の当たりにする【その不思議な光景】に興味を示した私は、周囲の気配を探った。
 霊的なものに対しては自分の意志よりも敏感な右腕を中心に、周波数を合わせる様に。
 その右腕の痺れの強弱により、原因となっている場所を特定していったのである。

 私は左側の通路を探りながら突き進み、歪んだ空間のあった場所へ突き当たると、そのまま
右側へと曲がっていったのであった。・・・そこは店内の奥の通路に当る通路である。

(・・・奥は若干、右腕の痺れが弱くなってるな・・・。じゃあ問題はやはり先程の場所か?)

 そんな事を考えながら歩いていると、別のコーナーへ行っていた愛理さんが、不意に現れると次の様に声をかけてきたのである。

「氷川さん(仮名)。一番右側の通路と、この奥の通路・・・良くラップ音がするんですよ」

 ラップ音程度ならば、もはや気にもならないのだが、この時点で私が気になっているのは、
【不可解な空間の歪み】であったのだ。

「・・・ああ。・・・でも、ここは左程じゃないよねぇ?この奥の通路よりもねぇ・・・むしろ・・・」

 そう彼女に呟く様に告げると、またもや引き返し、問題の通路に戻ってみたのであった。
 するとやはり、その通路に移ると腕の痺れが強さを増していったのだ。
・・・しかし、それだけでは無かった。

 強い耳鳴りと共に、徐々に右腕が痺れを増してくるだけでは治まらず、それはまるで肩口から
切り落とされるかの様な痛みまで感じ始めたのであった。
 あまりに過剰な反応を始めた右腕に、本能的に危機感を感じたのであった。

 (これ以上、ここにいるのは危険だ)


 そう判断した私は、即座に店の外へと出る事に決めた。
 店内にはまだ、愛理さんが残っている筈だったのだが、一刻も早く店の外へ出なければと。
・・・そう感じたのである。

 そして彼女に、何も告げる事無く、私は外へと急いだのだが・・・。
 彼女は既に、それを察知していたらしく、すぐに私と合流したのであった。

 実は愛理さんは、人の居場所を察知する能力にも長けているのだ。
 顔を思い浮かべながら、相手を探せば、大抵見つかるのだと彼女は語っていた。


 しかし、どうも【近寄ってはいけない場所】だと、気付くのが遅かったらしく、すぐに私は、どうしようもない虚脱感に襲われてしまい、しばらく倒れこんでしまったのだ。
 それは、以前「心霊写真による霊障」を受けてしまった時の状態に酷似していた。

「いや・・・あそこ強烈だね・・・。普通にあんな場所があるって凄いよなぁ・・・。
 あの店には、行かない方がいいんじゃないの?」


 ほとんど車内で倒れこんだまま、彼女にそんな感想を告げると・・・彼女は次の様に答えた。

「いや・・・あのですね?・・・実は私、あの通路って入れないんですよ。
 そこをズイズイと入って行くもんだから、凄いなぁ〜この人。入っていけるんだ〜って。
 そう思ってたんですよね〜」


 そんな話は聞いてなかった私は疲れ果てた声で、彼女に告げた。


「・・・それなら、そうと早く言いなさいよ・・・」


 ちなみに、私は霊障から身を護る為に、その「石を見分けるセンス」を見込んで、愛理さんに作って頂いた天然石のペンダントとブレスレットを御守りとして身につけていたのだが・・・。

 その場所に行った直後、ほぼ全ての石が変色し、ひび割れていたのであった・・・。

・・・そして、それ以降、私と愛理さんは二度と、その【リサイクルショップ】に足を運ぶ事は
無くなったのであった・・・。