仮面ライダーフリークス&恐怖!夜伽話
          誘う少女。


 幽体・・・そんな言葉を耳にした事があるであろうか?

 それは魂である霊魂と肉体の中間に位置していると言われているものであり、時にそれは意識
的、無意識に関らず肉体を離れる事もあるのだと言う。

 今回のお話は私の友人である美穂さん(仮名)が中学生の時に経験したという、恐怖の心霊体
験談である。

 比較的に多くの霊的な感覚の優れている方などは、遺伝的に親などから受け継いでいたりするのだが、彼女の家系では他にその様な資質を持った者はいないらしく、霊的な体験をするのは彼女のみであるという。

・・・そして、そんな彼女の実家には「寝ると必ず金縛りに遭うソファー」があったのだと言う。

 しかし、彼女の家族の中では、彼女だけが霊的な感覚を強く持っている為、その現象に関しては彼女のみが経験をしていたらしい。


・・・それは、とある日曜日の昼間の出来事であった。


 その日は特に予定も無く、テレビを観ていたらしいのだが、特に観たい番組があった訳でも無く段々と退屈を感じ始め、次第に睡魔が襲ってきたのだと言う。

(・・・このソファーで寝ると面倒なものを呼んじゃうんだけどなぁ・・・ああ・・・でも眠いや・・・)

 彼女は睡魔に勝てず、そのソファーで、うとうととし始めてしまったらしい。
 そして、何時しか彼女は眠りに落ちたのだと言う。

・・・それから、どれ位眠っていたのだろうか?
 彼女が目を覚まして、起きようとした瞬間の事であった。
 その現象は、やはり起こってしまったのである。

 自分の意志とは関らず声も出せず、身体が動かない状態・・・。
 所謂、金縛りにあってしまったのだ。

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 ここで一旦、金縛りと呼ばれるものに対しての科学的な見解を記しておく事にする。

 医学的には、睡眠麻痺と呼ばれ、睡眠時の全身の脱力と意識の覚醒が同時に起こった状態であると言う。

 その原因は多岐に渡り、不規則な生活や寝不足。過労やストレスなどから起こるとされ、脳が
しっかり覚醒していない為に、人が上に乗っているように感じる事もあると言う。

 また、自分の部屋に人がいるのを見たり、耳元で囁かれたり、身体を触られているといった様
な幻覚を伴う場合もあり、これは夢の一種であると考えられ、心霊現象と思われる事もある。

 ただし金縛りの起きる状態が、ほとんど就寝中である事から学者の説明は【睡眠との関係】に
ついてであり、覚醒状態においての金縛りに関しては現在の科学では、ほぼ未解明であり、精神
的なものに起因するとされることも多いのだと言う。

 勿論、美穂さん自身も、その事を理解しており、自分の現在の状況は、そういう状態なんだと
自分に言い聞かせてみたのであったらしいのだが・・・。


・・・しかし、残念ながら、そういう類のものでは無かったのだと言う。

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「・・・遊ぼうよ」


 動けずにいる彼女の耳に、推定、五歳くらいであろうかと思われる女の子の声が聴こえてきた
のであった。

「遊ばない」

 自分の身に何が起こっているのか・・・そして、この少女が【この世のものではない存在】であ
る事を認識していた彼女は、諦めてもらう為に、そう返事をしたのであった。

 だが、その少女はしつこく誘ってきたのだと言う。

「遊ぼうよぉぉぉ」

 美穂さんは、その少女の口調が強くなっていた事に気がついたのだが、あえて再度諦めて貰う
ように返事をしたらしいのだ。

「・・・遊ばない」

・・・すると少女は諦めるどころか・・・彼女の右腕を掴むと引っ張りはじめたのである。

 彼女は、壁際に設置された、そのソファーに仰向けになって寝ていた。
 当然、ソファーの背もたれの部分は壁になっている。

・・・そう、彼女の掴まれている右腕の方向には・・・壁しか無いのであった。

 普通の人間ならば存在する事の出来ない空間に、その少女は・・・存在している事になる。

「離して・・・遊べないから・・・」

 彼女は諭すように話しかけたのだが、とても子供の力とは思えない程に、その少女の力は、徐
々に強くなっていったのだと言う。

・・・そして、少女に引っ張られている右腕から、彼女自身の幽体が徐々に抜け出して行く事を感じていたらしい。

(引き摺られる!!)

 そんな恐怖心に襲われたものの、なす術も無く、徐々に彼女の幽体は、引き摺り出されていっ
たのだと言う・・・。


・・・しかし、そんな中、彼女が当時飼っていた【普段はほとんど鳴く事が無い】猫が叫びながら
彼女の元へ駆けてきたのだと言う。

【ミギャァァーーーー!!」

 そして、猫が美穂さんの身体に飛び乗ったと同時に、その少女は姿を消し、彼女の引き摺り出
されかけていた幽体も元の身体に納まり、金縛りからも解放されたのだと言う・・・。


 動物は、人間では察知出来ないものを察知する能力があり、猫などは、霊的な感覚が強い部類に属するとも言われている。

 彼女は、他の部屋でくつろいでいた筈の飼い猫が、自分の危機を察して護ってくれたのだと。
 そう思えて仕方が無いのだと言う・・・。


・・・そして最後に私から。


 実は、この投稿を受け付けた際から、見直した際などに。
 また夜伽話として掲載するにあたっての文章の再構築をしている際も。

・・・幾らかの些細な怪現象が起こっていたと言う事を報告をさせて頂く事にする。