お墓に眠る様々な方々・・・。
よくお墓は、この世を去られた方々の家であると言われており、
また、それは「人の姿」そのものであるとも言われています。
今回のお話は、彼女がお墓参りをした際の出来事・・・。
水城さん(仮名)が幼い頃に経験されたという、
亡くなられた方々との会話の心温まる心霊体験談です。
それは彼女がまだ、5歳の頃の事でした。
法事で母方の先祖の墓地のある寺を訪れた時の事です。
お経が長くて退屈していた彼女は一人、墓地で遊んでいたのだそうです。
それは彼女が母方の先祖の墓に一足先に、水を巻いてお参りして、
沢山持っていた飴をお供えして手を合わせていた時の事でした。
・・・何処からともなく、周囲からおばあさんの声がしたのです。
不思議に思った彼女は、周囲をキョロキョロと見渡しました。
するとその声は、彼女の参っていたお墓の・・すぐ後ろ。
他家の墓石のあたりから、その声がしていたのだそうです。
「お嬢ちゃん〜おばちゃんにも飴をちょうだいな」
その姿は彼女には全く見えなかったのですが、
その声は全く怖くは無く、とても優しい声だったので、
彼女は不思議に思いながらも無邪気に返事したそうです。
「うん!あげる!」
そう返事をして、手に持った飴を、そのお墓にお供えして手を合わせたのでした。
すると更に、あちらこちらから、彼女に声をかけてくる人達がいたのだそうです。
それは、姿は見えなかったらしいのですが、みな老人の声だったといいます。
「いい子だね、おじいちゃんやおばあちゃんに逢いに来たんだね?」・・・と。
そこは小さな墓地で、その墓石の数も十も無かったと記憶しているそうです。
「このおばちゃんにもあげたから、みんなにもあげるね!!」
飴を供えたばかりの墓を指差し、沢山の老人たちに向って、
彼女は、そう返事をしたのでした。
そしてお墓の一つ一つにお水を巻き、飴をおいてお参りをしてあげたのだそうです。
全てのお墓に飴をお供えをしたら、何だかとても気持ちが良かったのだとの事でした。
・・・すると後ろから。
今度は「知らない人達」から声をかけられたのだそうです。
それは、お墓参りに来て居た方々。
これは「生きている方」ですが、お墓参りに来られていた方々だったのでしょう。
どうも、そんな彼女の様子をみていたようでした。
「うちのお墓に飴をくれたのはお嬢ちゃん?」
そう訊ねられた彼女は、黙ってコクコクと頷いたのでした。
「どうもありがとうね」
そのおばさんは、彼女に蜜柑をくれたのだそうです。
また、その後にも、幾人か見知らぬ方々が、彼女の行動を見ていたらしく、
彼女は、その方々から、持って来たお茶やお菓子を頂いたりしていたのだとか・・・。
そして、そんな状況のまま、彼女は母から声をかけられるまでお墓にいたのだそうです。
それは彼女にとって、不思議に思いこそすれ、全く怖い出来事では無かったそうです。
・・・きっと無邪気な子供の姿を見て、
お墓におられた方々も、微笑んでいたのかも知れませんね・・・。