仮面ライダーフリークス&恐怖!夜伽話
           なりすます性霊


 低級霊・・・響きからすると弱い存在に思えるが、実際には霊としての格が低いものを指して使
われる言葉である。

 今回のお話は、そんな低級霊が神や仏になりすまして近づいてきたという報告例である。
 本人にとっては、今まで経験した中でも最高に気持ちの悪い部類の話であると言う。

・・・それは理沙さん(仮名)が昼寝をしていた時の事であった。

 彼女は基本的にうつぶせに寝る事は無いらしいのだが、その時に限ってはうつぶせに寝ていた
らしい。

 そんな彼女がふと目を覚ますと、自分の下に他人の腕が視えたと言うのだ。
 誰かの上に自分が寝ている状況であったのだ。


 そして、その他人の身体の感触が生々しく伝わってきていたのだと言う。
 それは華奢な男性であったらしい。

 彼女は驚きつつも気色の悪さと面倒臭さを感じて、早く何処かに言って欲しいと願っていたの
だが、右上の付近から如何にも自分は神であるとでも言いたげな偉そうな、ありがたそうな事を
言っている声が聴こえてきたらしい。

 何と言っていたのかは忘れたらしいのだが、それはまるで、説法でもしている様な感じであっ
たのだと言う。・・・しかし、彼女は思った。本当の神様や徳の高い霊が、この様な気色の悪い現
れ方をする訳が無いと。

 そして、その華奢な男性は理沙さんに覆いかぶさって、あろうことか彼女の身体の中に入ろう
としてきたらしいのだ。彼女は「入れてなるものか」と必死に抵抗を試みたらしい。それこそ魂が燃える様な感じであったと言う。

「入れてなるものか!」

【何とかして入ってやる・・・】

 そんな【人間と霊】との精神的な戦いが、どれ位続いたのかは解らないが、かなりの時間戦っ
ていた様に感じられたという。

・・・しかし、彼女はふと不安になったと言う。

(もし、本当に神様だったら、こんなに拒否し続けたら失礼になるよね・・・)

 そして、彼女は心の中で念じたのだと言う。

(貴方が本当に神様ならどうぞお入りください)

 しかし、その瞬間に男性が悪意を持った顔でニヤリと笑った顔を彼女は見逃さなかった。
 実際には、うつぶせの彼女に、その姿が見える筈も無かったらしいのだが、狐目の男がニヤリ
と笑う映像が浮かんだのだと言う。

(やっぱり悪いやつだ!)

 
しかし、彼が理沙さんに入ろうと身体に重なった瞬間に、彼はパンッと弾けとんだと言う。
 それはまるで粉々になった様に・・・。

 ・・・神はいた。

 自分の中に護ってくれる存在を感じたのだと言う。
 それは決して自分の力で弾いたのでは無く、自分の中に護る存在がいた。
 それだけは瞬時に解ったという・・・。


・・・・が、しかしそれだけでは終わらなかったのだ。


 まだ彼女の元を離れてはいなかったのだろう。・・・翌日、その色情系の狐系の男は実力行使に
出たのだと言う。

・・・彼女は襲われた。その霊に無理矢理、強姦されたのである。

 理沙さんは辱めを受けながらも【浄化してください】と願ったらしい。

「貴方は死んでも尚、彷徨うほどに、幸福と呼べない生き方をしていたのかもしれないけれど、
あなたは本当に生きている間に、ただの一度も射精の有無は別として、幸福なまぐわいは無かっ
たの?・・・思い出してごらん。貴方が一番、幸福だったまぐわいを。・・・こんな見知らぬ他人を無
理矢理、辱めるものでは無かったでしょう? もう貴方は充分に苦しんだ。満たされない苦しみ
はもういいでしょう? 幸福への門は、貴方が見ようとしないだけで既に開いています。どうか
自分の欲に、自分で縛られないで幸福の門へと旅立ってください」
・・・と。

・・・しかし、その願いは最早、その男性には届かなかったのだと言う。

 彼女は、その後「粗塩」を舐めた。何だか、それが良い気がしたらしい。

 何もしてあげられなかった自分の力の無さを不甲斐なく思いながらも、彼女もこのまま一生辱
め続けられるられる訳にもいかない。

霊に犯されたと言う事実を彼女はご主人に告白し、また同時に、ご主人の守護霊に向けて、彼女
はメッセージを送った。

「旦那だけ護っておけばいいって事は無いでしょう?はるばる遠くから嫁いできた嫁が、辱めに遭ってるんだよ?何とも思わないの?」・・・と。

 彼女曰く、ご主人に話す事で、ご主人の本能として【護りたい】という想いが働く事もあるだろうし、ご主人の守護霊も黙ってはいられない状況を作ったのだと言う。

 そして、就寝前に彼女は念じたらしい。

「あまりにしつこいなら【呪詛返し】しますよ?・・・でも、どんな事情であれ、私は人を傷つけ
たくない。呪を解いてくれれば、全部水に流すから、意味のないことをしている事に、どうか気
付いて下さい」
・・・と。

 そして、それ以来、彼女の元に【その男性】が現れる事は無かったと言う・・・。