仮面ライダーフリークス&恐怖!夜伽話
     生きた人間じゃない。


 今回のお話は、玲子さん(仮名)がまだ中学生であった頃に体験したと言う心霊体験であり、
彼女と当時の友人の六人で、人魂が出るという事で有名な「とあるお寺」に行った時のお話であ
る。

…それは、ある夏の日の深夜0時過ぎの事であった。

 お寺に着いた彼女達は、まず入り口から入ると、お墓を抜けて、お地蔵さんの前を通り、本堂
へと向かったのだと言う。

 しかしながら、何も見えず、気配すら感じる事の無かった彼女達は、あの噂は嘘だったのかと
少々がっかりしながらも、とりあえず、もう一周して帰ろうと話し合っってい決めたらしい。
 そして、彼女達はまた入り口まで戻ると、先程と同じ道順で回ったのだと言う。

 再び入り口から入ると、お墓を抜け…そして、お地蔵さんの立ち並ぶ前に着いた瞬間…。
 急に周りがざわめき出し、何処からか風が吹いてきたらしい。

…何かいる。

 元来、霊感の強かった彼女は一瞬でそれを感じ取ったのだと言う。
 そして、そんな不気味な感覚を受けながらも、そのまま再び本堂へと向かっていったらしい。
…やがて本堂へと近づいて行き、ふと辺りを見回すと…本堂の横に若い女性の姿がはっきりと見
えたのだと言う。

 最初は、同じ目的で来た人が、誰かを待っているのかと思い、その女性に近づいて行った彼女
達だったのだが…。


 生きた人間じゃない。


…それは、瞬時に判ったと言う。

その女性は、青白い顔をして、夏にも関わらず分厚いコートを着ており…その眼は彼女達の方を
じっと睨んでいたらしいのだ。


 六人の友人の中に、彼女の他にはもう一人、霊感が強い子がいたらしく、立ち止まって、その
響子さん(仮名)と、その女性について話していたのだが…そうしている間にも他の友人達は、
その存在にすら気付かない様子で、どんどんと本堂へと近づいて行ったらしい。

 そして、その本堂の横に立っている女性の方を視ると…いつの間にか、その表情を変えると、
不気味な笑顔を浮かべながら、彼女達に向かって手招きをしていたと言うのだ。


…それを見た瞬間に、彼女と響子さんは同時に叫んでいたと言う。

「近づいちゃ駄目!」

 その突然の叫び声に、先に進んでいった四人の友人は驚き、急いで彼女達の元へと急いで戻っ
てきたのだと言う。…そして、口々に「どうしたのか」と訊ねてきたらしいのだが、説明を後回
しにすると、急いでそのお寺から出る事にしたのであった…。

 お寺の出口へと差し掛かった彼女は、響子さんと二人で、興味本位で来た事を謝罪すると、そ
のお寺を後にしたのだと言う…。

…もしもあの時、本堂へと進んでいく友人達を制止出来ずに、あの手招きをする女性の霊に近づ
いていってしまっていたら、友人達はどうなってしまっていたのだろうか…と。

 そんな事を考えると、今でも恐怖で鳥肌が立つ様な思いをするのだと言う…。


 私も、心霊サイトを運営している事から、数々の心霊写真を視る機会があるのだが…実際に、
お寺の本堂付近に彷徨う霊体が写り込んでいる事は決して珍しくは無いのだ。

 そんな場所へ、霊が活発になると言われている時間帯に興味本位で行ってしまったとしたら、
どんな怪異が起こっても珍しくは無い…と。

 そんな風に私には、思えるのである…。