花火を見る子供たち。

花火
「私は霊は見えない。・・・そう思って生きてきました。
 例え神社が目の前から消えようと、妙な発光体や女性の姿を目撃しても。
 たまたま偶然だと言い聞かせてきましたが・・・どうやらそろそろ・・・」



 今回のお話は愛理さん(仮名)が花火大会へと出向いた際に起こった出来事であり、
とうとう霊の姿を目撃してしまう様になってしまったと。
 それを自覚せざるを得なくなったと言う心霊体験談である。

・・・その日、彼女は中学時代の友人と花火見物に出掛けていたらしい。

 その花火大会は結構有名であるらしく、地元のみならず、
遠方から来られた方などもおり、その日もまた例年の如く大勢の人で賑わっていたのだと言う。

 彼女は割と直感で、その日の天気などを当てる事が出来るらしく、
その花火大会の当日は、彼女の直感では雨が降りそうな感じがしていたとの事で、
友人と共に近くのガラス張りの建物に入り、ゆっくりと花火を見物する事にしたのだと言う。

・・・すると彼女の感じていた通りに雨は降りだし、
「あらかじめ建物の中に入っていて良かったね」などと言う会話をしながら、
その建物の中から悠々と花火見物をしていたらしい。

・・・しかし、不意に何かが彼女の視界の端に映ったらしく、
何気なく上を見上げてみると・・・。

 ガラス張りの壁の遥かに高い場所に子供の影の様なものが三つ。
 べったりと張りついていたのであった・・・。


 まるで花火を見物しているかの様に並んでいた、その三つの影の様なものは、
窓に上半身のみを映し出しており・・・その下半身は見えなかったのだと言う。

 もちろん、そこには足場になる様な場所も無ければ、
対角線上に人の影が映りそうな所なども存在せず、
そしてそれは・・・ただの影と言うには余りにも濃い色合いをしていたのだと言う。

(何・・・あれ・・・?)

 彼女は慌てて辺りを見回してみたらしいのですが、
どうやら「その存在」は、彼女にしか視えていなかった様で、
一緒にいたと言う友人や、他の見物客達は花火にしか目を向けておらず、
頭上を見上げる素振りを見せる人はいても、
その影に視線を合わせる人は一人もいなかったらしいのだ。

 一緒に見物に言っていた彼女の友人は、そんな様子を不審に思った様で、
「どうしたの?」・・・と彼女に訪ねてきたらしい。

 彼女は「霊の声が聴こえる」と言う能力を元来持っていたのだが、
ほとんどの方には、それを隠していたのである。
 そしてまた、この友人にも「その事実」は全く告げてはいなかったのであった。

 彼女は必死で平静を装いながら、「何でもないよ」と返事をして、
そのまま再び花火へと視線を戻したのだと言う・・・。

(ちょっと、坊っちゃんお嬢ちゃん達・・・妙な所にいるんじゃないよ。
 足はどうしたの足は?・・・って言うか、何で私見えてるんだよ・・・)


 自分が霊の姿を視る事が出来るとは全く思っていなかった彼女は、
内心、かなり混乱していたらしいのだが・・・。

 正直な所「その影の様なもの」に対する恐怖感は全く感じられなかったのだと言う。

・・・そしてその後。

 花火大会も終了すると言う間際に、もう一度だけ見上げてみたらしいのだが、
その子供たちの影の様なものは、既に消え去っていたとの事であった・・・。

仮面ライダーフリークス&恐怖!夜伽話