不可解な叔父。
今回のお話は令子さん(仮名)がまだ幼稚園児だった頃に体験した心霊体験談である。
…それはある日の事。彼女が自宅にいた際に叔父が不意に訪れたのだと言う。
眼鏡をかけた、いつもの顔で、白いワイシャツを着ていたらしい。
ただ、ひとつだけ変っていた点があった。
叔父は胸から上だけの姿で宙に浮いていたのであった。
…しかし、当時の彼女はまだ幼かった為に、それが不可解な現象であるとは理解出来ずに、恐怖心も抱
かずに何故、叔父が【そんな所】にいるのだろうとしか思わなかったらしい…。
そして彼女が大人になって改めて母親に、その時の事を語ったのだと言う。
「叔父さん、何か未練でもあったのかなぁ…」
そんな風に訊ねてみた所、母親の口から意外な返事が返ってきたのだと言う。
「あの時は、まだ叔父さん生きていたんだよ?」
…そう。彼女が幼稚園児の頃に、はっきりと視たという胸から上だけの叔父は、生きている人間の想念。
所謂、生霊であったのだ。
その当時、叔父の事も関わる親戚間での”いざこざ”があったらしいのだが、結局、彼女は詳しい事を
教えては貰えなかったのだと言う…。