赤い服の女の子。
日常の空間の中に紛れ込む霊・・・。
それは「霊」だと認識が出来る環境で無ければ、気づかない事も多いであろう。
・・・今回のお話は、霊の姿を視る様になってしまった、
愛理さん(仮名)から寄せられた「日常に紛れる霊」のお話である。
その日、職場の閉店時間が迫り、
彼女はいつものように閉店作業に追われていたのだと言う。
店内の清掃や、翌日の準備などに忙しく立ち回っていたらしいのだが、
お客さんが来店したらしく、その受付の手伝いの為に、
彼女は出入口にあるカウンターに向かったのであった。
そこには所謂「常連」の方で男性と女性がひとりずつ。
・・・そして、その女性の後ろには小学二年生くらいの、
赤い服に真っ黒な髪をツインテールにした可愛い女の子がいたのだと言う。
その女性の方は三原さん(仮名)と言う方らしいのだが、
彼女に子供がいるとは思っていなかったらしいのだ。
(・・・あれ?三原さんって・・・お子さんいたっけ?)
てっきり女性客の子供だと思った彼女は、
日報を出すためにカウンター内の棚に向かい、再び三原さんに目を向けたのだが・・・。
(あれ?あの子は?)
既にそこには、あの女の子の姿は無かったのであった。
その時は別段、不思議にも思わなかったらしく、
きっと幼いから退屈し、外に遊びに行ったんだろうと思ったらしいのだ。
しかし、もう外も暗い事だし、何かあったら大変だと思ったらしく、
愛理さんは店内にいた方が安全だと判断し、隣にいた男性店員に確認したのだと言う。
「さっきの女の子って何処に行きました?」
すると、男性店員はひどく訝しげな表情で次の様に答えたのだと言う。
「・・・女の子?いたっけ?」
思いもよらない言葉に愛理さんは切りかえしたのだ。
「え・・・?赤い服にツインテールの子ですよ。今入ってきたじゃないですか。」
愛理さんが、そう告げると男性店員は、
気味が悪いと言う様な表情をしながら返事をしたのであった。
「もう〜変な事言うなよ〜。
俺ずっと見てたけど、子供なんて入ってこなかったよ?」
(なんで?あんなにはっきり見えたのに!)
彼女は喉まで出そうになった言葉を飲み込み、
笑顔を作りながら全く逆の言葉を告げたのだと言う。
「あ、じゃぁ気のせいですよね〜」
それは、これ以上「気味悪がられるのは嫌だ」と言う思いからであったのだろうが・・・。
・・・しかし、その女の子は確かにいたのだと言う。
その赤い服の女の子は今頃・・・何処を彷徨っているのであろうか?