幽体離脱 〜肉体を抜け出る体験〜
肉体は「魂の乗り物」だと聞いた事がある。
肉体の下には「幽体」と呼ばれるものが存在し、その下に「霊体」があるのだという。
人の死後、この順に「脱ぎ捨てて」行って「霊」となるらしいが。
‥だが、まだ生きているにも関らず「幽体」が抜け出てしまう事があるらしい。
たとえば良く聞く話では事故に遭遇した人が「手術台の上から自分を見ていた」
..などと言う出来事や、「臨死体験」として、霊界の入り口までいったが、
「過去に亡くなった祖母や親戚に戻された」などという体験をした方もいるという。
さて、これからする話は私自身の今の所、最初で最後の「幽体離脱」の体験談だ。
この話を「夢」だと決め付けてしまえば、それまでなのだが、
私自身は幾度も「霊体験」をしているので(当然、夢も見るが)
それが「霊的なもの」なのか、ただの夢なのかは「その内容」によらず区別は出来る。
もちろん、これも信じる信じないは別としてだが・・。
しかし、怖い夢を見たからといって「霊が出た」と大騒ぎするという訳では無い。
その事を理解して頂いた上で次に進んで頂きたい。
何故なら「この内容」は「ただの夢」だろうと思われる様な少し「滑稽」な話だからだ。
これは私がまだ高校生の頃の話だ。
いつもの様に眠りについていたのだが、
深夜に、ふと目覚めると「妙な感覚」に襲われたのだ。
・・何故だかは良く分からないが、
それは眠っている自分から「意識」だけが抜け出ている様な不思議な感覚だった。
そして私は眠っている自分の姿を隣から見て
「・・ははぁ!これが幽体離脱ってヤツだな?」と、少し楽しい気持ちになったものだ。
いわゆる「金縛り」などは頻繁に経験していたのだが、
「幽体離脱」は私にとっては未経験の
「珍しい出来事」だったので色々と試してみることにした。
・・まずは「外に出てみよう」と思いつき、玄関のドアを「すり抜けよう」としたのだ。
・・当然、「幽体」なら簡単にすり抜けられるだろうと思っていたのだが
‥玄関の戸に頭をコツンと遮られた。(それに関して痛みや他の感触は無かったのだが)
私の「冒険」は最初からつまずいた訳だ。
私は思いがけない事に、「‥アレ?おかしいなぁ?」と、
幾度かすり抜けようと「努力」してみた。
‥そのうち、なんとかドアの隙間をすり抜ける様に抜け出せたのだ。
まぁ当然、隙間など無いわけだから「隙間の辺りから」
..という表現の方が正しいのかもしれないが。 ‥とにかく、私は念願の外出をはたした訳だ。
そこには見慣れた住宅街の「寝静まった風景」があった。
・・私は屋根の上から自分の家を見下ろし、「いったい何所まで上がれるんだろう‥?」
と、興味が湧いた私はそのまま上昇し始めたのだが、
それが一瞬でとんでもない高さまで上がっていったのだ。
それこそ、雲の辺りまで。
・・山の上から夜景を眺めるなんてレベルでは無く「雲の辺り」から夜景が見渡せたのだ。
‥急に怖くなった私は、そこで「冒険」を中断してしまったのだった。
今、考えると「もったいない事をした」と後悔しているのだが。
‥とにかく私はスグに「帰宅」したのだが、
(ちなみに自宅に戻る時はすんなりと入る事が出来た)
今度は「身体に戻る方法」が分からない。
眠っている自分の横で戻るべき身体を眺めながら、
しばらく「どうしたら良いのだろう‥?」と、考えていたのだが
「不意に」身体に意識が戻り、目が覚めたのだった。
・・それが「戻る努力」のおかげかどうかは不明だが
「一瞬で意識」が肉体に戻った事を確信したものだ。
その時の目覚めた後の最初の感想は「あぁ〜良かったぁ‥」という「安堵感」であった。
・・私はそれ以来「願っても」同じ経験をする事は出来ないのだが・・。