彷徨う女郎


仮面ライダーフリークス&恐怖!夜伽話
 最初に断っておくが、この話には「霊体験よりも怖かった」事がオチとして用意されている。これは、私の友人である留美子さん(仮名)がまだ高校生だった頃の話だ。

 彼女の実家は福岡県の海沿いの場所にある染物工場である。
 彼女もまた両親とも「霊感体質」であり、彼女自身もどうやら、
それを引き継いでしまっているらしい。

 彼女の実家のある土地は昔、「女郎部屋」だったらしく、
いわゆる「お金と引き換えに性交渉をする」場所であり、
そこには様々な理由で「働く」 女性がいた。

・・それは彼女が高校二年生の「ある夏の晩」から、現れだしたのだという。
深夜二時位になると「女郎」が自分の部屋を歩き回るのだと言う。

 それは彼女に何をしてくる訳でもないが、その時間帯になると必ず目が覚めてしまい、
嫌でも「見てしまうのだ」と言う。

 あまりにそういう事が続くので、彼女が当時、交際していた彼氏もまた
「多少の霊感」を持ち合わせていたらしく、相談を持ちかけたところ、

「何か金属系の物を身につけてると見えにくくなるって思うんだけど・・
指輪とか、ネックレスとか?‥ホラ、良くテレビに出てる霊能者とかって霊視する時に、
そういうの外すでしょ?‥じゃあ、逆に着けてみたら見えにくくなるんじゃない?
銀とかは昔から魔除けにも使われてるっていうからイイかもよ?」

‥との答えが返ってきたので、彼女は早速、試してみたらしい。
 また、別の友人に聞いた話では「右手のひとさし指に指輪をつけると魔除けになる」
..との事だったので、その両方を組み合わせた形で
「右手のひとさし指に銀の指輪」をして寝てみたらしい。

・・その結果、それ以来「女郎」は見えなくなったらしい。
 本当に「いなくなった」のかどうかは定かでは無いが少なくとも、
それ以来「現れなくなった」のは確かだと言う。

・・また余談になるが(こちらが本題とも言えなくは無いのだが‥)
その時に交際していた彼氏とは、その半年後に別れたらしいのだが・・それから数年後。
 彼女は卒業後に就職した会社で出会った当時の元・上司である彼氏との結婚を控え、
寿退社の後、少しの間「結婚式場」でアルバイトをしていたらしい。

 たまたま、その日は同じ系列の「式場」に急遽、応援に行く事になったのだという。
・・すると、そこには「信じられない」事に
「別れた彼氏」の名前が新郎として書かれていたのだという。

・・ 運命のイタズラとでもいうのだろうか?
‥彼女は「元カレ」の式場で彼のグラスにシャンパンを注ぐ事になる‥。

 最も彼自身は、全く気がついていなかったのだが、
「彼の高校時代の友人達」は顔色を変えていたのが分かったと言う。

 後から聞いた話だが「元カレ」の「記念すべき結婚式のビデオテープ」には、
ひょっとしたら「同姓同名かも」‥と、
「彼の顔を確認する彼女の姿」が映ってしまっているのだという。

 彼女にとっては、
彼の「親戚や友人、新婦の前で顔を晒さなければならないが、バレたら大変な状況になる」

..その状況の方が
(幸いな事に、彼自身と親戚にはバレなかったらしいが‥。少なくとも、その時点ではだが)
彼女にとって、「女郎の霊よりも怖かった出来事」だったと言う。