もうひとりの私
〜出会ってはならないもの〜
これは私の友人である梨花さん(仮名)がまだ高校生だった頃の話になる。
彼女はたまに妙な経験をする事があったという。
‥ある日、彼女が学校から帰ってきた時の話だ。
「ただいま〜!」
‥と、彼女がいつもの様に家に帰りついて自分の部屋に戻っていった時の事だったらしい。
・・しかし、その日だけは「いつもとは異なる光景」を目撃してしまう事になったという。
自分の部屋のドアを開けた「その瞬間」・・彼女の目には信じられない光景が映ったらしい。
‥彼女の部屋に誰かいるのだ。
彼女は一人っ子で今、家にいるのは母親と自分だけの筈なのに。
・・何故か「若い女性」が、自分の部屋で‥しかも自分の学習机の椅子に座っていたのだという。驚いた彼女は、おそるおそる声をかけたらしい。
「だ、誰‥?」
..すると、その「彼女」は、ゆっくりと彼女の方を振り返ったのだという‥。
だが、その顔をみて梨花さんは「更なる恐怖と戦慄」を覚えたのだという。
‥何故なら、それは彼女が「最もよく知る人物」
‥それは紛れも無い、 「自分自身」であったというのだ。
‥ちなみに彼女はその時、
学校帰りだったので「制服のまま」であったのだが「もう一人の自分」は、
「私服」であったらしいが‥。
‥彼女が声も出せずにいる中、
その「もう一人の自分」はずっと「彼女」に微笑みかけながら、
うっすらと消えていったのだという。
・・こんな話を聞いた事がないだろうか?
もう一人の自分の姿を見た人物は、やがて死に至るという話を。
海外では「ドッペルゲンガー」‥そうも呼ばれている現象であり、
または生きたまま「幽体」だけが「肉体」を離れて彷徨う「生霊」だという場合もある様だ。
・・ いずれにしても、幸いな事に彼女は死に至るという事は無く、今では一児の母親となっているのだが。