
こっくりさん
こっくりさん、キューピッドさん、エンジェル様…。
色々と呼び名があるが、元々は「テーブルティッピング」という名のゲームで全て、本来は同一のもので
ある。素人でも簡単に出来る「降霊術」として有名なものだ。
…しかしながら、素人が行うと「低級な霊」に憑かれたりする確率の「非常に高いもの」として、ほぼ全て
の「霊能者」や「霊能研究者」の方々が「絶対に行わない様に」と警告をしている代物でもある。
もちろん「自己暗示」によるものもある様だが‥。
そして、これらに関する話は「非常に多く存在する」のだが、ここでは私の友人である「嘉穂さん」(仮名)
の体験談をお話しよう。
…それは彼女が中学生の頃の話になるが、学校で「こっくりさん」が流行っていたのだという。
「○○さんが好きなのは誰ですか?」
…などという「たわいも無い」占い等をして楽しんでいた程度だったらしいのだが。
…通常「こっくりさん」を行う際は十円玉を使用する(割り箸・鉛筆の場合もある)のだが、ある日の事「こ
っくりさん」からお告げがあったのだという。
それは数人で指を乗せた「文字盤」の上で十円玉が言葉をなぞっていったという「お告げ」であったらし
い。
…その内容とは、
「ごえんだまをもっていなさい そうしたらまもってあげる」
…というものであったという。
…彼女はしばらくの間、言われた様に「五円玉」を持ち歩いていたらしい。
そして数日後の、ある日の事。
…家庭科の授業で教室の移動をしていた際に階段で足を踏み外してしまった嘉穂さんは、危うく頭を打
ちつけてしまう目にあったらしい。
幸いにも何事も無かったらしいのだが、その後に呼び出した「こっくりさん」によれば、その時に護って
あげたのは自分だと言ってきたのだという。
幾度か「そういう危ない目に遭った」らしいが、その都度「こっくりさん」は護ったのだと言っていたらし
い。
…しかし親に「その事」を話した所、「そんな事は止めなさい!」‥と、ひどく叱られたらしく、それ以来「こ
っくりさん」をやめたのだという。…ちなみに彼女の家族もまた、霊感が強いらしい。
…そして、しばらくすると「お守り」として持っていた筈の「五円玉」も何処かへ無くしてしまったらしい。
そして…と、ここで彼女は頭をかしげ、考え込みだしたのだ。
..実は、この話は彼女と二人で食事をしながら聞いていたものなのだが、しばらく記憶を手繰り寄せる様
に考え込んだ後に、次の様に言葉をつなげた。
「何か‥とても怖い目に遭った筈なんだけど‥思い出せない‥」
以上が「この話の全て」ではあるが、私の知識から少し捕捉しておこう。
…人はあまりの「恐怖」や「悲しみ」に出会うと「自我」を保護する為に、脳が記憶を封じる事や、記憶を消
去する事があるらしい。
私自身、目の前で「記憶喪失になる瞬間」を目撃するという貴重?な経験がある。
…それは、一時的なものであったり、半永久的なものであったりはするらしいのだが。
…仮に彼女の「思い出せない理由」が「そういう事」であったとするとしたら…。
彼女の記憶を消去してしまうほどの恐怖とは如何なるものであったのだろうか?
…ただ、ひとつだけ言える事はやはり「素人の安易な降霊は止めておいた方が良い」‥と言うことであろ
うか。