消すことの出来ないホラー映画
〜観せられてしまう惨劇映像〜
これは、私がまだ幼少の頃の話。
..まだ、物心つくかつかないかの頃に起きた不思議な現象についての話である。
当時の年齢すらも覚えていない程に幼かった頃なのだが、
それでも子供心に焼きついてしまう程、当時は恐ろしく感じられた出来事であった。
私はその頃、毎晩「祖母」と寝ていたのだが、その寝室にはテレビがあり、いつもテレビを観な
がら眠っていた。
何故なら、祖母が先に眠ってしまったりすると暗くて怖いからだった。
..そんな訳で、いつもテレビをつけたまま寝る様にしていたのだ。
..その日はたまたま、そのタイトルを言ってしまうと有名すぎる程のホラー映画が放送されてい
た。
まだ幼かった私にとっては、ひどく怖い映画で、あまりの恐怖心から布団を被って目を塞ぎ、観
ない様にしていたのだ。
..いま考えれば「単にテレビを消せば良かったのでは‥?」とも思うが、それで逃れられたのか
どうかも定かではない。
…いや、きっと逃れる事は不可能だったのでは無いだろうか?
..さて、ここで本題に戻るのだが普通に考えれば、布団を被って目を閉じれば当然、映画などの
音声は聞こえてきても仕方が無いとは思うが、当然の事ながら映像など見える筈が無い。
…だが、その時は違った。
私の目蓋の裏にまで、鮮明に映画の画像が写しだされてしまうのだ。
目を閉じても「映画」は続き、目を開けてテレビの画面を見れば、その映画が、目蓋の裏に映
っていた、その映画の画像の続きになっているのだ…。
どんなに恐ろしくて観たくないと拒否しても、その映画は「観せられてしまうのだ。
..そんな状況を私は、どう理解すれば分からなかったのだ。
..何故なら私は、まだ幼かったのだから…。
そして、その状況は「映画が終わるまで」続いたのだ。
惨劇映像がウリの、その映画は私が大人になり、ホラー映画を楽しめる様になった今でも、再
び観る気にはなれないのだ。
この現象を、どう理解すれば良いのであろうか?
..大人になり「あの頃」よりも「そういう経験」を幾度か経験してきた今になっても…。
適切な言葉を私には、持つことが出来ない。