犬鳴き峠
福岡県の中でも全国的に有名な「心霊スポット」として「犬鳴き峠」と呼ばれる場所がある。
その犬鳴き峠のトンネルでは様々な心霊体験の話が存在するのだが、これからする話は私の友
人の父親である健二さん(仮名)の体験談によるものだ。
・・・その「雨の降る夜」の出来事は彼にとって忘れる事の出来ない夜となったらしい。
健二さんの兄が運転し、健二さんが助手席に座っていたという「その白い乗用車」は帰宅する
為に、かの有名な「犬鳴き峠のトンネル」を通る事になったらしい。
..当時の彼らは、そこが「心霊スポット」だという事も知らなかったし、そもそも「霊の存在」
自体を信じてはいなかったという。
・・・そう、その出来事に遭遇するまでは・・。
その「雨の降る夜」の事。
そのトンネルの入り口付近に「傘もささずに立っている女性がいた」のだという。
彼は「・・どうして、こんな雨の降る中にあんな所に立っているんだろう?」‥と、不思議には
思ったのだが、哀れに思い運転していた兄に提案をした。
「なぁ、兄さん。あの人、一緒に乗せてやらない?」
しかし、そんな彼の言葉を無視する様に、兄は一向にスピードを落とそうとせず、それどころ
か逆に叱られたのだ という。
「馬鹿!放っておけ!」・・・と。
そして震える声で健二さんに、次の様に尋ねてきたのだという。
「・・・おかしいと思わないか?こんなに雨が降ってるのに・・・あの女全然、濡れてないぞ」
すっかり恐ろしくなった 彼らは見てみない振りをしながら「その女性」の横を通り過ぎて、トンネルの中へと入っていったらしい。
・・・だが「更なる恐怖」が彼らを待ち受けていたのであった。
入り口にいた筈の女性が、全く同じ姿のまま、出口で待ち受けていたのであった。
そして、その女性はフロントガラス越しに彼らの顔を見て「ニヤリ」と笑いながら姿を消して
いったのだという・・。
その時の女性が何者だったのかは知る由も無いし‥知りたくも無いという。
・・・そして、それ以来「霊感」が強くなってしまったのか、それとも「波長」が合いやすくなってしまったのか、健二さんはその後、度々「霊」を見てしまう体質となってしまったらしい。