不自然な写真
私の妻の実家には、私自身しか気がついていない「ある不自然な写真」がある。
妻の実家の義父は数年前に「喉頭癌」に侵され、生きるか死ぬかを選ばなければならない様な
大手術をうけて、声を失う代わりに一命を取りとめたのだった。
・・・その手術が行われ、数ヶ月が経った「ある日」の事。
私は自分の子供たちも写っている妻の実家にある「アルバム」を何気なく見ていた。
そして一枚の「不自然な写真」に気がついてしまったのだ。
それは手術前の義父の写真なのだが、その後ろに「電源の切れているテレビ」があった。
ブラウン管などは通常、電源が入っていても画面が「写真には、まともには写らない」という事は当然、知ってはいるのだが、電源は切っているのであるから画像は映っていなくて当然だ。
写真として画像に残るとすれば「ブラウン管」に反射する風景ぐらいのものであろう。
・・・しかし、その写真のブラウン管には不自然なものが写っていたのである。
カメラに向かって正面を向いている義父の後ろにあった「そのテレビのブラウン管」に、人間の首から腰までの姿が正面を向いて写っているのだ。
・・・しかも、それは私から見ると、どうしても「義父自身のもの」にしか見えなかったのだ。
しかし、それはありえない筈なのだ。
何故ならば義父は「カメラに正面から写っている」のであるから、仮にもし反射していたのだ
としても「後姿」になる筈なのだから・・・。
しかし、ブラウン管に写る【その姿】もまた正面を向いていたのであった・・・。
その写真が撮影されたのが、入院の数ヶ月前であった事から、何らかの因果関係があるのかも知れないが、残念な事に私にはその判断はしかねるのである・・・。
良く視られる心霊写真の中では、身体の一部が写ってない場合、先祖霊が警告として、そういう形で伝える場合もあると言う。・・・もっとも、単なる通りすがりの霊の影響だという事もありえるらしいのだが・・・。
しかし、余りにも不吉さを感じさせる写真であるが故に、その事を話題にする事は出来ないのであった。このまま気がつかずにいた方が良いのであろうと思われたからである。
その写真の意味する所が、義父自身の生霊と呼ばれるものなのか、それとも「何らかの警告」にあたるものであるのか・・・。
その真実は分からないままなのであるのだが・・。