東芝「かなりやOS」修復記その1
(新)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその2 > 真空管ラジオ修復記2 > 東芝「かなりやOS」修復記その1
修理を依頼された、東京芝浦電気(TOSHIBA)の「かなりやOS、5LR−287」 の修復をして見ました。
修復前の様子。タバコのヤニで若干汚れている。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、トランスレスラジオの標準構成である。このかなりやOSは、愛称が同じで品番の異なる2種類のラジオが存在するらしい。詳しくはかなりやのお宿の佐藤様のページに紹介されているかなりやOS(5YC-557)とかなりやOS(5LR-287)を参照願います。(他のかなりやシリーズも、同様な違いがある機種が有った様です。)真空管はすべてマツダ製が付いていましたが、12AV6がヒーター切れでした。普通ヒーター切れは35W4が圧倒的に多いのであるが・・・?(真空管の熱容量の関係から、12AV6は電源を入れた瞬間に一番負担が掛かるらしいが・・・。)また真空管はすべてマツダ製である事から、交換されていないオリジナルであると推測され、35W4の管面の黒化もある事から、相当使われたと思われる。何故かヒューズが欠品である。
ラジオ工房の内尾様のページにも、かなりやOS(5LR-287)の修理記録がありました。
修復前の内部様子。それなりに汚れが付いていて汚い!
修復前のシャーシー上部の様子。汚れは年代相応であろうか?少し汚い!上部の大型抵抗は、110V端子にヒューズを接続した時の、ドロップ抵抗です。
修復前のシャーシー内部の様子。信頼性の低いペーパーコンデンサーは4個しか使われていない。大きな事故や故障もなかった様だ。
修復後のシャーシー内部の様子。修復はまず全てのペーパーコンデンサーを交換し、出力管の結合コンデンサーも交換しました。抵抗は、電力系のドロップ抵抗を交換し、他の小電力のカーボン抵抗はそれぞれ抵抗値を測って抵抗値が大幅にずれていた1個のみを交換しました。電源のケミコンは、ケミコンテスターにて確認したところ、漏洩電流が大きかったので交換しました。またパイロットランプも球切れだったので交換しました。電源コードは依頼主の方の希望により、新しいコードにオリジナルのプラグを取り付けました。ボリュームはガリ防止の為に接点復活剤を塗布し、ロータリーSWは接点を清掃し、真空管ソケットは接触不良を防止の為にバネを強めました。各真空管は、足の曲がりを専用治具で修正しました。ダイアル可動部分は潤滑剤を塗って、動きがスムーズになりました。その後各種絶縁を確認し、良好でしたのでヒューズを取り付けてヒーター切れの12AV6も交換し、通電試験しました。
修復が完了した所。ツマミの欠けは接着剤で修理して良好です。周波数のずれも少なく、調整はそんなにずれてはいません。各種調整後、1時間程テストして、問題がなさそうなので完了とする。思い出のラジオ、是非とも大切に末永くお使いください!
その後、依頼主の方から使用しているところの写真を送って頂きました。ケースもコンパウンドで磨いて綺麗にしたそうです。短波でVOAとかも聞いておられる様です。大切に使って頂き、ありがとうございました!
このラジオの修理依頼者の方のブログはこちらです。併せてごらんください。
以上、修復作業時間は約6時間、修復部品代は約2000円でした。