SilenceSS「わがままホリデー」



この作品は「Silence〜涙をふいて」(c)Circle Mebiusの二次創作作品です。
この物語は、エンディング後の話となっております。
「Silence〜涙をふいて」のネタバレを含みます。







 コンコン

 夜の一室、一葉はドアをノックして中に声をかけた。
「ねえ、お兄ちゃん?」
 ノックをして少しの間の後、中から声が返ってくる。
「一葉か? 入っていいよ」
 優しそうな男の人の声。

 ガチャ
 ドアを開けると中ではベッドに腰掛けている男性の姿。
「おにぃちゃん……」
 一葉の兄がそこに座っていた。
「どうしたんだ? 一葉?」
「お兄ちゃん……その……一緒に寝てもいいかな?」

……
……

 暫しの沈黙のあと、兄は優しく微笑んで言う。
「いいよ。おいで。一葉」
「っ……いいの!?」
「何、言っているんだ? 俺たちはもう恋人同士だろ?」
「お兄ちゃん……」
「いつでも来いよ」
「おにぃちゃんっ!」
 一葉は、嬉しさに任せて兄の胸へと飛び込んだ。

……
……

「えっ?」
 兄に抱きつこうとした瞬間、兄の姿が消えたのだ。
 兄だけではない。
 腰掛けていたベッドまで、消えてしまったのだ。
「え〜??」
 一葉は間抜けな声を上げながら、そのまま自由落下をして……。

*   *   *

「え〜〜??」

 ズドン!!
 盛大な音が響き渡った。
「う……う、うん?」
 一葉が目を覚ますとそこには、光が差し込んでいた。
 さっきまで夜だったはずなのに。
 そう思いながらも辺りを見渡してみる。
 すると、先ほどまでいたはずの兄の部屋などではなく、紛れもなく自分の部屋だった。
 そして、自分は、ベッドから転げ落ちて、床に這いつくばっていた。
 そこから導き出される答えは一つ。
「……もしかして夢オチ?」
 声に出してみると恥ずかしくなる。
 あんな夢を見て、しかもベッドから転げ落ちるという目覚めを経験したのだ。
 一葉の顔は、朝から熱く火照った。
 しかし、あの夢には、何の意味があったのだろうか?
 自分の願望とか……欲求不満とか……まさか正夢とか……。
 一葉の火照りは、顔だけでなく体中にまで広がった。
 体中がこそばゆい感じがする。
「あ〜も〜やめ〜」
 一人でもだえているのが馬鹿馬鹿しくなって呟いた。
「だ、第一、お兄ちゃんがあんなに優しいわけないしね」



*   *   *

 ガチャ
「お兄ちゃん。朝だよ〜」
 兄の部屋まで行き、声をかけた。
 ベッドで寝転んで眠っていた。
 すぅすぅと息を立てて気持ち良さそうに。
 その寝顔を見ると一葉は何故かいらいらしてきた。
(私はあんな夢を見て、あんな目覚め方をしたのに、お兄ちゃんは……)
 そう思うと、ふつふつと兄に対する怒りが湧き上がってきた。
 どんな夢を見ているのか分からないけど、とにかく悪夢にして悪い目覚めを体験させてやろう。
 身勝手とはいえ、そんな考えがわいてきた。
「どうしてくれようか?」
 今まで温度差で悪夢を見せて起こす、という方法をとったことがあったが、今日はそんな悠長なことはしていられない。
 兄も自分も学校があるし、それに、そんなことではこの怒りは収まりきれそうにない。
 このやり場の無い怒りを発散するには、もっと手っ取り早くて攻撃的なほうがいいだろう。
「よし!」
 一葉は勢いよく兄の寝ているベッドめがけて走りこんだ。
「とお!」
 そして、ジャンプして兄の体にダイブした。
 いわゆるフライングボディプレスという技である。
「おきろー!」
 勢いよく兄の体とぶつかり合った。
「ぐげぇ!」
 ドスンと激しい音と兄の悲鳴が鳴り響く。

……
………
 しかし、何かがおかしい。
 兄にぶつかっても反発せずに、一葉の体はそのまま兄と共に下へ向っているのだ。
(あれ?)
 一葉がそれに気付いた時には、もう遅かった。

  ズドォォォォォン

 ベッドは音を立てて真っ二つに折れて崩れ去り、一葉と兄はそのまま床へと叩きつけられた。
「きゃあぁぁ!」
「ぐああぁぁ!」
 一葉は、あまりの痛みに悲鳴を上げた。


 兄である悠次は激しい痛みで目を覚ました。
「な、何だ?」
 悠次が目を開けると、すぐそばになぜか妹の一葉が体中をさすりながら転がっている。
 目を合わせると、苦笑いを浮かべた。
 それだけでもおかしいのに、何かがもっと変だった。
 自分は、ベッドで寝ていたはずなのに、まるで床に這いつくばっているかの様な視点だった。
 起き上がりとりあえず近くにいる妹に話を聞いてみた。
「一葉。何でここに?」
「あ、あは、あはははははは……」
 聞いても一葉は、まるで誤魔化したかのような笑いを浮かべるだけ。
 嫌な予感がして、おそるおそる周りを見渡してみた。
 そこは確かに自分の部屋……しかし、何かが違っている。
 悠次の真下には、ガレキと化したベッドの残骸が転がっていたのだ。



*   *   *

 ムスッ……
 居間で、悠次は不機嫌な顔をしたまま、パンにバターを塗っていた。
 一葉も向いのテーブルでパンを食べている。
 そして、悠次の機嫌を伺うようにゆっくりと口を開く。
「もうっ、お兄ちゃんってば……さっきから謝ってるじゃない」
「大体なんであんなことになったんだよ」
「だから、私はただ、お兄ちゃんを起そうと思って……」
「それで、俺のベッドに爆弾でも仕掛けたのか?」
「爆弾なんて仕掛けてないよ! 私はちょっとベッドに飛び乗っただけだよ!」
「ほう、それで俺のベッドは全壊及び再起不能になった訳か? お前相当重くなったようだな?」
「おっ、重くなってなんかいないよ!」
「い〜や、お前は相撲取りも裸足で逃げ出すほどの重量に違いない」
「だから〜、重くないって!」
「レオパルド戦車と互角に張り合えるほどの重量に違いない」
「う〜〜……重くないの! それにベッドが壊れたのは私が原因じゃなくて、きっとお兄ちゃんのベッドが最初からボロボロだったんだよ」
「やかまし。俺のベッドは、新品同然だったわ!」
「だったら、お兄ちゃんの怠け癖がベッドにうつったんだよ」
「うつるかっ!」
「ほら、よく言うじゃない♪ ベッドは持ち主によく似るって」
「言わねぇ!」
 さっきまで悠次の機嫌をうかがっていた一葉はどこに行ったのか。
 まるで、怒っている兄を楽しんでいるように一葉は笑っていた。
 その様子は悠次の頭を痛くさせた。
「ったく……今日から俺は何処で寝ればいいんだよ」
 悠次は笑いを浮かべる一葉をにらみつけた。
 一葉も負けじと答える。
「お兄ちゃんってば、ベッドの一つくらいで心が狭い」
「な!」
「そんな小さなことをこだわるなんて人間としての器が小さい証拠だよ」
「お・ま・え・なー」
 悠次は怒りでぶるぶると身を震わせている。
 もうガマンできずに言い切った。
「あー! もー! だったらお前のベッドよこせ!」
 突然の悠次の話に、当然とばかりに一葉は反論する。
「なっ、何でそうなるのよ!」
「何でって当たり前だろ! ベッドを壊したのはお前! 壊したものは返すのが道理だ!」
「そんなのダメっ! ベッドなかったら私だって困るんだから」
 一葉が言い終わると、悠二は一瞬勝ち誇ったような顔を見せた。
「そして、ベッドの一つくらい小さなことでこだわるのは、人間としての器が小さい証拠だって言ったよな」
「うっ、それは……」
 確かに先ほどそう言った。
 少しばかり失言だったようだ。
「う〜〜」
 一葉は一瞬にして追い詰められた。
 こうなっては、理屈で勝負しても勝ち目は無い。
 残された手段は駄々をこねて乗り切るくらいしか思いつかなかった。
「もう! ダメって言ってるでしょ! 私が使っているからはダメなものはダメなの!」
「いや、絶対もらう。絶対に」
「う〜〜」
「うーー」
 いがみ合う2人。
 そのまま時間が流れ、一葉が声をかける。
「お兄ちゃん、時間! もう、こんな時間だよ。早く大学行かないと単位もらえないんじゃないの?」
「誤魔化すなよ」
 そういいながらも時計を見る悠次。
「げっ、本当に時間だ」
 悠次は手に残ったパンを口に放り込み、ドタバタと仕度を始めた。
 一葉も仕度を終え、学校へと出発することにした。
「それじゃ、私も学校に行かないと」
「あっこら、一葉! 今日帰ってきたら、絶対ベッドもらうからな!」
悠次が叫ぶ中、一葉はいち早く学校へと出発した。



*   *   *

「う〜ん、う〜ん」
 学校で一葉は、窓際の席で外を見ながら唸っていた。
「どうしようかな〜?」
 兄が今朝言った言葉を思い出しながら。

――あー! もー! だったらお前のベッドよこせ!
――いや、絶対もらう。絶対に

 このままでは確実にベッドを持っていかれそうだ。
 確かにベッドを壊したのは自分。
 ゆえにベッドを返すと言うのは道理に適っている。
 だから、話し合ったところで不利なのは変わらないだろう。

「どうしたらいいのかな?」
「一葉ってば、どうしたの?」
 一葉が悩んでいると、声をかける子がそこにいた。
 メガネをかけた小柄な子だ。
「あ、ともちゃん」
 一葉はその親友の名前を呼ぶ。
「一葉、何か悩みごとでもあるの?」
「そんな風に見えた?」
「見えるも何も、すごい難しそうな顔をしてうんうん唸っていたじゃない?」
「そう、それなんだけどね……」
「今回もどうせ、お兄さんのことでしょ」
「なっ、なんでわかるのっ!?」
「分かるって。一葉の考え事とか悩み事って、たいていお兄さんの事じゃない」
 ともちゃんは、笑いながら言う。
 一葉は、その答えに不満そうに、ぷいと頬を膨らました。
「そ、それじゃ、まるで私がお兄ちゃんの事ばかり考えてるみたいじゃない!」
「あれ〜♪ ちがうのかな〜」
 ともちゃんは、にやにや笑いながら一葉の顔を見つめてきた。
 一葉は、色々反論しようと思ったが、否定するのを諦めた。
(ともちゃんにはごまかせないか……。ともちゃんは知っているんだよね……)
 ともちゃんには、前々から色々と相談にのってもらったりしている。
 それで話した事と言えば、ほとんど兄の事ばかりだ。
 そういう事もあって、ともちゃんは一葉と兄の事を何から何まで知っていると言っても過言ではないほど。
 ……だから、知っているのだ。
 一葉が兄の事を好きだと言うことまで。
「それで、それで。今日はお兄さんと何かあったの?」
「もう、そんなんじゃないってば。今日は……」

 一葉は、ともちゃんに今日家で起きた出来事を説明した。
 兄のベッドを壊してしまった事。
 そして、怒った兄に自分のベッドを取られそうな事を全て話した。

「何、一葉とお兄さんって、まだ別々のベッドに寝ているの?」
「ま、まだって何!」
 ともちゃんのいきなりの発言に、一葉はうろたえた。
「だってさ、一葉とお兄さん。もうそろそろ、一緒のベッドに寝てもいいんじゃない」
「だから、どうしてそういう話にっ」
「そうだ、お兄さんのベッド壊れちゃったなら、逆にいい機会でしょ。一葉のベッドを使って一緒に寝たら?」
「あんな小さいベッドで2人も寝られないって、お兄ちゃんは言うしっ!」
 ともちゃんと兄の話をすると、必ずこういう話になってしまう。
 ちなみにともちゃんは、一葉と兄が兄妹を超えた関係で事すら知っている。
 だから、仕方ないと言えば仕方無いのだが。
「それに……おにぃちゃんは一緒に寝てなんてくれないよ……」
 そう寂しそうに呟いた。
 一葉と兄は、兄妹を超えた間柄でありながらも、最近は一緒のベッドで寝ていない。
 そんなことを思いだしていると、ともちゃんが声をかけた。
「ふ〜ん、一葉は、お兄さんと一緒に寝れなくて寂しいんだ?」
「そ、そうじゃないってば……私はっ、そ、そう、お兄ちゃんにベッドを取られない方法を考えてるのっ!」
 さきほどから、脱線してしまっているが、つまりは、兄にベッドを取られそうで悩んでいたのである。
「それだったら、一石二鳥な方法があるよ」
「え?」
「一葉がベッドで寝られて、お兄さんにもベッドをとられない方法」
「え? え?」
 ともちゃんは戸惑う一葉にこっそり耳打ちをした。



*   *   *

「ただいま」
 大学から悠次が帰ってきた。
 一葉は、兄を迎えに玄関まで行って声をかける。
「おかえり〜」
「どうしたんだ一葉? そんなにニコニコ笑顔浮かべて」
「え〜、そんなに笑ってなんていないよ」
「言っておくけど、いくらご機嫌をとってもベッドはもらうからな」
 悠次は一葉を睨みつけ、まだ忘れていないことをアピールする。
 しかし、一葉は更に笑いを浮かべていた。
「あはは、無理だよ。お兄ちゃん」
「無理? 何がだ?」
「だって、私のベッド、もう無いもん」
「え?」
 一瞬、わけがわからなそうに立ち尽くした。
 しかし、その後すぐ、急いで一葉の部屋まで駆け上がる。
 バタバタと足音を立てて。


 バタン。
 悠次が一葉の部屋のドアを開けるとそこには……いつもあるべきものがなかった。
 一葉のベッドが跡形もなく消えていたのである。
「これは一体?」
「ほらね、だから言ったでしょ」
 呆然と立ち尽くす悠次。
 いつの間にか追いついた一葉が声をかけた。
「私のベッドはもう無いって」
「どうしたんだよ? お前のベッドは?」
「ともちゃんにあげたんだよ。ともちゃん、ベッドもって無いから」
「ともちゃんって、お前の友達にか? 一体どうして?」
 悠次が戸惑い質問を投げかけている間、一葉は勝ち誇った笑みを浮かべた。
「さあ、これで私のベッドも無くなったんだからおあいこだよね」
「おあいこって……まさかお前それだけのために……」
「そう、お兄ちゃんがベッドを壊して使えなくなっちゃったから、私だけが使うのは悪いと思って。私っていい妹でしょ♪」
 一葉が陶酔している中、悠次は脱力して疑惑のまなざしで見た。
「いや、俺のベッドを壊したのはお前なんだが……一葉、お前、何か裏が無いか?」
「やだな。お兄ちゃん、私はただ反省しただけだよ」
「う〜ん……」
 悠次は腕を組み考え込んだようだ。
 やはり一葉の行動を疑っているようだ。
「それからこれからどうする気だ? 俺もお前もベッドが無くなった訳だけど」
 悠次がその質問を投げかけた瞬間、一葉は待ってましたとばかりに目を輝かせた。
「だからさ、次の日曜日に新しいベッド買いに行こうよ〜」
「へ?」
「だから、このままベッド無しの生活を送るわけに行かないでしょ。いい機会だから買っちゃおうよ」
「……もしかして、俺の金でか?」
「当たり前でしょ! 私のお小遣いでベッドなんて買える訳無いでしょ」
「おいおい……こういう事かよ……」
 悠次は、一葉の企みに気付き肩を落とした。
 一葉は構わず一気に話す。
「それに家の財布は、全部お兄ちゃんが握っているんでしょ」
「な、納得いかねぇ」
 考えてみても、明らかにおかしい。
 一葉によってベッドを壊された自分のベッドはともかく、なぜ一葉のベッドまで買わなければいけないのだ?
 これでは、自分の損が2倍になっただけでは無いか?
 そんなことを思っていると、一葉が腕を組み、猫なで声を上げてきた。
「ね〜、お兄さま。いいでしょ〜」
「……」
「ハンサムでカッコいいお兄さま〜」
「やめろ。そのお兄さまってのは……」
「まさか、優しいお兄さまが、自分だけ新しいベッドを買って、私に床で寝ろというの?」
「第一な……」
「お兄さま〜〜うるうる」
「はぁ……」
 こうなってしまうと、OK出すまで粘られることを悠次はよく知っていた。
 仕方無しに悠次は覚悟を決めた。
「わかった。俺のベッド買いに行くついでだ。買ってやるよ」
「やった♪ やった〜♪」
 悠次を尻目に、一葉は喜んでいる。
 悠二はため息をつきながらも、嬉しそうにしている一葉を見て、それでもいいかと思ってしまう。
(俺も甘いなぁ)
 喜びを表現し終わった一葉が、悠二に向き直ってこう告げた。
「それじゃ、お礼に今日は私がご飯作ってあげる」
「……それはやめてくれ」



*   *   *

 次の日曜日。
 街中の大型デパートにて、一葉は悠次の手を握ってベッド売り場へと向っていた。
「お兄ちゃん。こっちこっち」
「おい、待てよ一葉」
「私、こないだから買う候補を決めているんだ。お兄ちゃんのも」
 何が嬉しいのか、一葉は始終楽しそうに歩いている。
「おいおい。言っておくけど高すぎるのは駄目だぞ。予算はさっき教えただろ」
「うん、あの予算で十分足りるよ」
「言っておくけど、2人あわせてあの予算だぞ」
「分かってるって」
「もしかして、俺のものを安くして、自分のに高いのを買おうと思ってないか?」
「ちがうよっ。ちゃんと私のベッドもお兄ちゃんのベッドも同じだから」
「同じって……別に俺はこだわらないから、予算内なら何でもいいけど」
「大丈夫。予算内ならいいんでしょ」
「確かにそうだけど……」
(本当に大丈夫なんだろうか?)
 悠次は先ほどから嫌な予感がしていた。

 そうこうしているうちにベッド売り場に到着した。
 デパートの一角であるベッド売り場。
 そこは文字通り一面ベッドだらけだった。
 見渡す限りのベッド。
 安そうなパイプベッドから、予算では買えなさそうな高級ベッドまで並んでいる。
「それで一葉、どれなんだ? 買うベッドの候補は?」
 一葉は、大きめのベッドが多いコーナーに行き、一つのベッドを指差した。
「まずは、これなんてどうかな?」
 一葉の選んだベッドは、シンプルな感じの落ち着いたベッドだった。
 どちらかと言えば和風な感じがする。
 それはいいとしても、問題は……
「ちょっと大きすぎないか?」
 見たところ、今まで使っていたベッドの倍くらいの大きさだ。
「そう? これくらいがちょうどいいと思うけど」
 一葉は大きさの問題は気にかけていないようだ。
 違うベッドも指差して言う。
「それじゃあ、こっちのベッドはどうかな?」
 次に一葉の選んだベッドは、少しおしゃれな感じのするベッドだった。
 先ほどのとは違って洋風な感じがした。
 しかし、これにも先ほどのベッドと同じ問題があった。
「って、これも大きすぎるだろ」
「それでお兄ちゃん。どっちがいいかな?」
 一葉は大きさの問題など、全く聞いておらず話を続ける。
 前使っていたベッドと比べ、大きすぎることに気付いていないのだろうか?
「おい、一葉。よく見てみろ。いくらなんでも大きすぎるだろ」
「もう、お兄ちゃん。文句多すぎ」
「多すぎってなぁ……」
 至極、正論を述べたつもりが一葉は、あくまでこの大きいベッドを買うつもりらしい。
 違うベッドを指差し話を続ける。
「私、本当はこのベッドが買いたかったんだけど、予算オーバーだったからなぁ」
 悠次は、一葉が指差した方向に目を向けた。
 そこにあったのは、一目で見て分かるほどの高級ベッドだった。
 まるで王族が使っているかのようなベッド。
 高そうなオプションであるカーテンやら、灯りなどが取り付けられてあった。
 そして、セットになっているマットレスや布団もものすごく高そうだ。
 そのベッドの値段は……
「うわっ」
 悠次は、値札を覗き込み悲鳴を上げた。
 予算の10倍以上の値段だったのだ。
 こんなのは、いくらなんでも無理だ。
 しかも、よく見てみると、それは新婚用に使われるダブルベッドだった。
(本当はこのベッドが買いたかったって……縁が無いだろうが!)
 気を取り直して、一葉の先ほど選んだベッドを見比べてみた。
 色、形、大きすぎるとしか思えないサイズ、そして値段。
(値段?)
 悠次は、2台のベッドの値段を見てみた。
 確かに、先ほどみた超高級ベッドに比べると可愛いものだ。
 しかし、それでも自分と一葉の分を買えば予算がオーバーしてしまう。
 これでは、1台しか買えない。
「一葉、これ2台とも予算オーバーだぞ」
「え〜、間に合うってば、値札よく見てみてよ。ちゃんと買えるでしょ」
「おい、俺の分も買わなきゃいけないだろ。この値段じゃ1台しか買えないだろ」
「でも、これは一台でいいんだよ」
「え?」
 悠次が混乱している中、一葉は平然と告げる。
「だって、これ2人用だから」
「えーー!」
 悠次は驚き、もう一度ベッドを見直してみる。
 先ほどまで大きすぎると感じていたベッド。
 それは、紛れも無いダブルベッドだった。
(何を考えているんだ! コイツは!)
 悠次は、あきれ返り一葉に食ってかかった。
「何でダブルベッドなんだよ!」
 一葉も負けずに悠次に怒鳴り返す。
「べ、別にいいでしょ! こっちの方が安上がりだったんだから!」
「いくら安くてもダブルベッドは無いだろ」
「それに、お兄ちゃん、言ったじゃない! 予算内なら何でもいいって」
「それとこれは別だ。第一、これどこに置くんだよ」
「お兄ちゃんの部屋でいいでしょ。クーラーが置いてあるんだし」
「お前、毎日、俺の部屋で寝る気か?」
「うん、そのつもりだけど」
 どうやら、一葉は本気みたいだ。
 本気でダブルベッドを買うつもりらしい。
 しかし、流石にダブルベッドを買うわけにはいかないだろう。
 ここは譲れない。
 悠次はそう決心して、更に声を荒げた。
「ふざけんな! シングルでいいんだよ!」
 一葉もさらにヒートアップして大声で返す。
「別に寝られれば、ダブルベッドでも同じでしょ!」
「だから、何でダブルベッドだ。ベッドを買ってやるとは言ったけど、ダブルベッドを買うとは一言も言ってないだろ!」
「何言ってるの! シングルベッドを買うとも言ってないでしょ。ベッドと言えばダブルベッドも入るのよっ!」
「言わなくとも、2人分と言えば、普通はシングルベッドを2台買うことを想像するだろ!」
「2人分なんだから、ダブルベッドでも同じじゃない!」
「ああ、お前って本当に、あー言えばこーだ」
「それはそっちでしょ! バカ兄貴〜!」
「バカはお前だ! バカ一葉〜!」
「う〜!」
「む〜!」
「ふ〜!」
「うが〜!」
 2人はしばらく睨み合う。
「何で、寝るときまでお前と一緒に寝ないといけないんだよ!」
「む〜〜……」
 そう言うと一葉は、下を向いて唸りだした。
「ふ〜〜……」
 顔は見えないが怒っていることが見て取れる。
「お、おい、一葉」
 いい加減、一葉を落ち着かせようと声をかけた瞬間、一葉は顔を上げた。
「バカ〜〜!! 死んじゃえ〜〜!!」
 一葉はそう叫ぶと、そのまま走り去っていった。
「……たく、何なんだよ。アイツは……ハァ」
 ただ一人取り残された悠次は盛大にため息をついた。
 すると、周りからヒソヒソと声が聞こえ始めた。
 周りを見ると、皆、悠次の方を見て話している。
(げっ、もしかして、この状況……)
 すると、女店員が駆けつけてきて話し出した。
「お客様、お二人の関係に口を挟むようでなんですが、新婚生活においてダブルベッドは必需品といっても過言ではありませんよ」
「いえ……そういうわけでは」
 やはり、周りからは勘違いされていたようだ。
 悠次は気まずそうにその場を後にした。




*   *   *

 次の日。
 カランカラン……
「う〜ん、どうしたもんかな〜」
 悠二は『ぎゃらりぃ・あや』でテーブルに着きながらうんうんと唸っていた。
 ちなみに今日は、講義がないので暇をもてあましている。
 思い出されるのは昨日の事。
 一葉は、デパートから帰って以来、ずっと怒りっぱなしだ。
 昨日の夜も今日の朝も。
 食事の時はむすっと口を閉じたままだし、それ以外は部屋に閉じこもりっきり。
 わざわざ一葉の好きなざるそばを作ったのに、機嫌は直らなかった。
 残さず食べてくれはしたが。
(でも、何で俺があいつの機嫌を直さなくちゃいけないんだ?)
 一葉の事で悩んでいると、そんな考えも浮かんできた。
 無茶なことを言い出したのは、一葉の方だというのに。
 ダブルベッドを買うなんて……。
「どうしました? 悠次さん」
「うわっ」
 突然の声に驚き、声のした方を向く。
 悠次の足元からの声だった。
「あやさん」
 そこにいたのは、この店の主であるあやさんの姿だった。
 あやさんは、神妙そうにこちらを見ている。
「もしかして、悠次さん、悩み事ですか?」
「……そんな風に見えますか? あやさん」
「ええ、すごく難しそうな顔をして唸ってましたから」
「そうですか……」
「きっとまた、一葉ちゃんの事で悩んでいるんでしょ」
「な、何で一葉の事だって……」
「だって、悠次さんの悩み事ってたいてい一葉ちゃんのことじゃないですか?」
「いや、それは……」
 悠次は否定したくなったが、否定出来ないことに気付いた。
 最近の悩み事は、ほとんど一葉の事ばかりだ。
「それで、今回は一葉ちゃんと何があったんですか?」
 あやさんは、全てを見透かしたように微笑みかけた。
「それが、一葉の奴がベッドを……」
 悠次は話そうとする中、思いとどまった。
 あやさんには、前から一葉共々お世話なっていて、悩みの相談事も聞いてもらったりしている。
 しかし、昨日の事は相談してもいいことだろうなのだろうか?
「どうしたんですか?」
 あやさんが怪訝な顔で見つめてくる。
「そ、それがですね。一葉に駄々をこねられたんですよ」
 悠次は結局、ダブルベッドの事を伏せて話すことにした。



*   *   *

「う〜〜……」
 一葉は教室の窓辺で今日も唸っていた。
 しかめ面で、遠くから見ても不機嫌であることが伝わってくるほど。
 その不機嫌オーラにあてられてか、誰も近寄ろうとしない。
 そんな中、ただ一人メガネをかけた女子生徒が近づき話しかけた。
「一葉、機嫌悪そうだね〜」
「何。ともちゃん」
「それで、ダブルベッド作戦はどうなったの……ってその顔を見れば分かるか」
「うん、お兄ちゃんってば、買ってくれなかった」
 ぷんすか怒りながら一葉は、昨日の出来事を話す。
 すると、ともちゃんはまずったとばかりの表情を浮かべて呟いた。
「ありゃりゃ、作戦は失敗か」
 どうやら、一葉がダブルベッドを買ってと言い出したのは、ともちゃんの入知恵だったらしい。
 言い出したともちゃんは、少々気まずそうだった。
「ごめん、一葉。私が考えなしに作戦を立てたばっかりに……」
「別にともちゃんは悪くないよ。悪いのはイジワルなおにいちゃんなんだから」
 ともちゃんが謝る中、一葉は窓の外を見つめた。
 思い出される昨日の兄の言葉。

<何で、寝るときまでお前と一緒に寝ないといけないんだよ!>

 その言葉を思い出すと、すごく悲しい気分になった。
(もしかして、お兄ちゃん。もう2度と私と一緒に寝てくれないのかな?)
 初めて本当の意味で一緒に寝た時の事を思い出した。
 それは病院での出来事だった。
 たしか、誘ったのは自分からだった。
 兄妹とはいえ、そういう事をしても変じゃない関係だったから別に間違えたことをしたとは思っていない。
 そして、その後、血を吐いてしまったことも思い出された。
(お兄ちゃんにとって、嫌な思い出なのかな……。後悔しているのかな……)
 自分にとっては、悪い思い出ではない。
 それに何があっても、後悔はしなかったと自信を持っていえる。
 でも、兄はどうだろうか?
 もしかして、兄は自分を傷つけてしまったと思っているのではないだろうか?
(もしかして……私が血を吐かなければ、まだ一緒に寝てくれたのかな……)
 そう思うとますます悲しくなった。
「かっ、一葉。泣いてるの?」
 突然のともちゃんの声で我に帰った。
「え?」
 どうやら一葉は知らないうちに涙を流していたようだ。
「わっ、泣いちゃだめ〜、一葉。私が悪かったからっ」
 ともちゃんの慌て声が鳴り響いた。



*   *   *

 ぎゃらりぃ・あやにて、悠次とあやさんの声が聞こえる。
「う〜ん、そういうことですか?」
「ええ……そうなんですよ」
 とりあえず、悠次は昨日の出来事をあやさんに告げ終わった。
 ちなみにダブルベッドの事は言っておらず、一葉にねだられたものがあるとしか言っていない。
 流石に妹にダブルベッドをおねだりされたとは、言えないだろう。
「まったく、買ってもらえなかったからって、拗ねるほどの歳じゃあるまいし」
「でも、もしかすると、一葉ちゃんは甘えたかっただけなんじゃないですか?」
「甘えたかった?」
 悠次は昨日の出来事を思い起こしてみるが、どこが甘えたかった事と関係あるのだろうか?
 よく分からない。
「それから、聞きましたよ。一葉ちゃんから」
「な、何をですか?」
「最近、一葉ちゃんに冷たいそうじゃないですか」
「へ? 一葉がそんなことを?」
 冷たい?
 悠次は考えてみるが、それもよく分からない。
 そんな心当たりなどないのだ。
「いや、冷たくした記憶なんてないんですけどねぇ……」
「私は、最近、冷たくしているからこそ、一葉ちゃんは悠次に甘えたかったと思ってるんですが」
「う〜ん、そんな歳でもないとおもうんですが……」
 あやさんの言うことは、どちらもよく分からない。
 いつもは、心を見透かしたようにアドバイスをくれるあやさん。
 しかし、今回のは筋違いに思えた。
 いつ、自分が一葉に冷たい態度を取ったというのだろうか?
 それに、甘えたいというのも一体何なのかよく分からない。
 昨日の買って欲しいと言い出したベッドを思い起こす。
(第一、ダブルベッドだぞ。新婚家庭が使うような。そんなものの必要は……)
 ダブルベッドは、普通に寝るだけでなく、違う意味でも寝るためのものでもある。
 そんなものを一葉と自分で使ったら……。
「それに、悠次さん」
 あやさんは、悩んでいる悠次に声をかける。
「さっき、一葉ちゃんはそんな歳でもないと言いましたけど、それは違いますよ」
「へ?」
「大きくなったら大きくなったで、子供の頃とは違う意味で甘えたり、優しくして欲しくなるもんなんですよ」
「子供の時とは違う……ですか? つまり大人としての甘えに答えたり、大人として優しくするって事ですか?」
「そうですよ」
 あやさんは、自信たっぷりにそう答える。
 どういうことだろうか?
 一葉は、大人として甘えたいと言うことだろうか?
 そして、自分は大人として一葉に冷たくしていると。
 それが、ダブルベッドと何の関係が……
(あっ)
 悠次はただ一つの心当たりを思い浮かべた。
 病院での出来事。
 あの出来事から自分は、一葉に冷たくしていたかもしれない事に。
 それは自分にとって、一葉を大事にするつもりでした行動だった。
 でも、一葉はそんなこと望んでいなかったとしたら。
 その行動を一葉が『冷たい』と受け止めてしまったのだろうか?
 そして、ダブルベッドをおねだりされたのは、一葉の遠まわしな甘え方だったのか?
 ダブルベッドの使い方。
 考えてみれば、そんなの一葉でも知っているはずだ。
(確かに俺って鈍感かもな……)
 悠次は、ちょっとだけ自分に呆れて声を出した。
「そっかぁ……」
 すると、あやさんは満足そうな笑みを浮かべていった。
「何かを見つけたようですね」
「ありがとう。あやさん」
「えっ、私は何もしていませんよ」
 あやさんを改めて見る。
 まるで、さりげなく全てを見透かしているかのような、すごい人だ。
(いや、人じゃないか……)
「悠次さん? 何か?」
「いえ何も……。それじゃ、あやさん。俺、行かないといけない所があるんで」
悠次は、ぎゃらりぃ・あやを後にする。
「いってらっしゃい。悠次さん」
 後ろから悠次を見送る声が聞こえた。
(早く行かないと……)
 悠次は、急いで足を運ばせた。



*   *   *

「ただいま〜」
 一葉は、自宅のドアを開け、家の中に入る。
 出て行く時の怒り顔ではなく、元気のない顔で帰ってきた。
「おかえり。やっと帰ってきたか」
 玄関から悠次が声をかける。
 どういうわけか、帰ってくるのを待っていたようだ。
「む〜」
 一葉は、悠次の顔を見るや否や、頬を膨らませる。
 まだ怒っていることをアピールしているようだ。
「おい、一葉ちょっとこっち来い」
 そう言って、悠次は一葉を手をつかみ、引っ張る。
「どうしたのっ。お兄ちゃん」
 悠次に引っ張られながらも不機嫌そうな声を上げる。
 文句を言いながらも悠次に連れられたまま、歩かされた。
 そして着いた先は、悠次の部屋の前だった。
「何よ。お兄ちゃんってば。こんな所にまで連れてきて」
「いいから、俺の話を聞けよ」
「私の話も聞かないでいきなり引っ張ってきたのに?」
「……全く、俺ってのはつくづく甘い奴だな……」
「むー、だから、何なの?」
 すると、悠次は自分の部屋を指差していった。
「開けてみろよ」
「え?」
 一葉はキョトンとした顔でドアのノブに手をかけた。
 力を込めてゆっくりと開けた。

 そして、そこにあったのは……。
「お、お兄ちゃんっ! これって!」
「全く……予算の10倍以上もしたぞ」
 それは、一目で分かるくらいの豪華なベッドだった。
 どこかの国の王族が使っていそうな絢爛さ。
 大きさはゆうに2人が寝るのには十分過ぎるほど。
 紛れもなく、一葉が欲しがっていた予算大幅オーバーのダブルベッドである。
「お兄ちゃんっ! どうしてこれをっ!」
「どこかの出来の悪い妹が機嫌を直してくれないから、優しいお兄ちゃんは妹のワガママに答えてあげましたとさ」
 一葉が目を大きくしている中、悠次は意地悪そうに答えた。
「全く……今日中に配達して組み立ててもらったら、余計金がかかったぞ。また、バイトでもしないとなぁ……」
 それでも、一葉は目を輝かせて抱きついてきた。
「お兄ちゃんっ!」
「うわっ」
「お兄ちゃんっ! お兄ちゃん!」
「おい、一葉……。離れろよ」
 抱きつきながら、一葉がそっと囁く。
「……お兄ちゃん、いいの?」
「ああ、高かったけどな……」
「そうじゃなくて……お兄ちゃんと一緒に寝ていいの?」
 悠次はゆっくりと頷く。
 すると、一葉がより抱きしめる力を強めた。
「お兄ちゃん、本当に今日からここで寝ていいの?」
「何、言ってるんだよ。そのつもりでこれを欲しがったんだろ?」
「うん……」
「全くお前って奴は……いつもわがままで、その上に素直じゃなくて、分かりにくいんだから」
「お兄ちゃんが鈍感なだけだよ」
「やかまし」
 2人は、憎まれ口を叩きながらも嬉しそうに笑いあっていた。
 一葉も悠次も嬉しいのだ。
 その一葉が、嬉しそうに口を開いた。
「それじゃ……お礼に今日のご飯は……」
「お前には作らせないぞ」
「む〜、まだ何も言ってないよ」
「言いかけただろうが」
 悠次はこのことが予想できていたかのように、先に口を開く。
「今日は俺が作るからな。絶対に」
「それじゃ、今日私食べたいものがあるんだけど」
「はいはい、それじゃ買い物にでもいこうか?」
「うん♪」
 悠次と一葉は、腕を組みながら買い物に出かけた。
(全く、もう寝る時も一緒なんだから
 そう思いながらも、悪い気はしない。
 悠次も今、すごく嬉しいからだ。


……
………

 ちなみに一葉がリクエストした夕食は、うなぎの蒲焼だった。
「一葉……この食事に深い意味はないよな……」
「エヘへ♪ どうかな?」




〜FIN〜


後書き

 「Silence〜涙をふいて」とは、Circle Mebius製作の同人(フリー)ゲームです。
 前々から、この作品の2次創作を書きたいとは思ってましたが、中々、考えが纏まらず時間がかかってしまいました。
 なので、変更したり没にしたりで、当初の構想とは似ても似つかない形になっています。
 でも、そのうち没にした話も書いてみたいなぁ……。

 後書きで書くのもなんですが、ED後(しかも18禁Ver)の物語になっていますので、フリーゲーム版しかプレイしていない人には、若干分かりにくいかもしれません。

 江本さん、公開の許可をありがとうございました。

 製作サークルのCircle Mebius及び製作者の江本さんのサイトはこちらです。
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