ぱえりあSS「年明けに備えて」


 12月に差しかかった、とある休日。
 空はよく晴れていたが、気温は冬らしくとても肌寒い。そんな日に外に出歩く人はあまりおらず、大抵の人が家で休日らしくまったりとしていた。
 橿原家でも例外ではなく、居間で真樹と実樹の兄妹がコタツでぬくぬくとしている。
 ぬくぬく
  ぬくぬく
 2人は、コタツの中で温まりながら本を読んでいる。
 ぽかぽか
  ぽかぽか
「にゃー」
 橿原家の飼い猫であるチャビもコタツの中でのん気そうに鳴き声を出した。
 ドタドタ
  ドタドタ
 そんな中、母親だけが忙しそうに歩き回っている。そんな母親を妹である実樹は不思議に思う。
(どうしたんだろう?休日だからってうちの母が何か家の事をやるわけじゃあるまいし…)
 実樹の思ったとおり、母親は休日に家事を色々とするような人ではない。平日はバリバリのOLらしいが、休日で母であることも忘れて遊びまわるような、実樹から言わせればダメ親である。だから、休日に家でこんなに忙しそうにしているのは、あまりないことなのだが…。
(…ま、いいか)
 少し考えた後、実樹は本に目を戻しまた読み始めた。
 ぬくぬく
  ぬくぬく
   ぽかぽか
    ぽかぽか
「あ〜〜やっぱり切らしている。」
 居間の外から母親の声が聞こえた。
「んー?」
「ん?」
 その声に2人の兄妹は振り返るが、特に変わった様子は無さそう。すぐに本に目を戻し、読書を続けた。
 ぬくぬく
  ぬくぬく
   ぽかぽか
    ぽかぽか
「しょ〜がない。買ってくるか〜」
 また、母の声が聞こえたが2人は気にせず、本を読んでいる。温まりながら、ゆったりと。
 ぬくぬく
  ぬくぬく
   ぽかぽか
    ぽかぽか
 そんな中、またしても母親の声が鳴り響いた。
「真樹〜! 実樹〜! あんた達、年賀状は何枚必要なの〜?」
「んー?」
「ん?」
 母親の声が聞こえた。今度は独り言ではなく、2人を呼んでいる。
「だから、年賀状よ〜。あんた達ももうそろそろ書かないといけないでしょ」
「年賀状?」
「もう、そんな時期?」
 年賀状。毎年この時期に必ず書く新年の挨拶。その事を2人も思い出したようで顔を上げる。どうやら母親がドタバタしていたのは、どうやら年賀状を探していたようだ。
 本を置き、実樹と真樹は、考え出した。まず、実樹がその質問に答えようと指折り数えだす。
「う〜ん……わたしは……塚ちゃんと……三原さんと……あとは〜」
「俺は……うーん……いちいち書くのめんどくせーな」
 そんな中、真樹は気の抜けた声で実樹に話す。
「みー。俺の分も書いてくんない?」
「む……」
 実樹は兄の提案に思い切り睨みつけて拒否した。
「睨むな。冗談だ」
 真樹は、すぐに引き下がる。実際、最初から書いてもらえるとすら思ってなかったのだ。
 そんなやり取りの中、
「お母さんの足りない分を買ってくるついでに、2人のも買ってくるから、何枚必要か言いなさい」
 母親が居間に顔を出して2人に言う。
「うーん、わたしはあと……先生とユウちゃんやアイちゃんの分かな?」
「俺は……う〜ん」
 実樹は大体決まったようだが、真樹はまだ決められずに考え込んでいた。
 それを見て母親は声を出す。
「それじゃ、2人とも決まったら言いに来なさいよ」
 母親は、そういって去っていった。未だ真樹は、指折り数えていた。
「それから去年、年賀状くれた人に出さないといけないし……」
「あ、そうだ。私もそうだった。」
 実樹は真樹の言葉を聞いて自分の事も思い出したようだ。
「去年の年賀状は何処にしまったかな? あれに住所とかも載ってたし」
 もらった人の確認や実樹は去年の年賀状を探そうとコタツから立ち上がった。すると、後ろから真樹が声をかける。
「ああ、確か2階の押入れの中にあったと思うぞ。俺の分も一緒に入れてたはずだから、ついでに持ってきてくれ」
「む……」
 実樹は、また真樹を睨み付けながらも呆れたように言う。
「もう、あんたってコタツに入ったら、出ようとしないんだから。しょうがないわね〜」
 実樹は文句を言いながらもそう付け加え2階へと向う。どうやら持ってきてくれるようだ。真樹は再び本に目を戻し、実樹が持ってくるのを待った。

*   *   *

「さ、さむっ」
 しばらくして実樹が戻り、すぐにコタツの中に入る。
「ほら。持ってきてあげたよ。あんたの分」
 持ってきたはがきの束を差し出して言う。
「あー」
 真樹はそう言って、受け取り見始めた。実樹も自分の分を読み始める。
 パラ
  パラ
   パラ
 実樹の分の葉書はすぐに見終わった。
 パラ
  パラ
   パラ
 だけど、真樹の分の葉書はまだ見終わっていない。読み終えた分を脇においていく。
 実樹が自分の束と、兄のもつ束を見比べてみた。明らかに自分のもらったものよりも多い。
(お兄ちゃんって意外と友達多いの?)
 実樹は、兄の葉書が気になり、年賀状を見ようと真樹の隣に行くことにした。
 …ごそごそ
  …ごそごそ
 実樹はコタツに入ったまま移動する。
   …ごそごそ
    …ごそごそ
 ヒョイ
 真樹の隣まで来ると、見ている葉書を覗き込んだ。
「なんだよ……?」
 真樹は妹の不思議な行動に怪訝そうな顔をして声を上げる。
「べ、別にいいでしょ! 年賀状くらい見たって」
「……まぁ確かに」
「だから、これ読んでいいでしょ。この読み終えた分」
「別にいいけど……」
 真樹にとって、見られたからといってどういうことも無い。真樹は興味無さそうに自分の葉書を見続けた。実樹も横から真樹が読み終えた分を見ていく。
 パラ
  パラ
(ん? これはユウちゃん。これはアイちゃんの分だ)
 ちなみにユウちゃんとアイちゃんというのは、2人の従姉妹にあたる人だ。実樹の分の葉書にもあったのだが、自分の葉書と見比べてみた。
(……何か違う)
 自分に来た2人の年賀状と真樹に来たものを比べてみた。すると、心なしか兄に来た年賀状の方が丁寧に書かれているような気がした。
 何か2人の兄に対する特別な想いが見え隠れしているようで、実樹は不機嫌になった。
(注:多分気のせい)
 
 パラ
  パラ
(ん……誰だろこれ)
 気を取り直して、しばらく読んでいくと、全く知らない名前が続く。
「ちょっと、あんた。ここら辺の人は誰?」
「ん? あー、そこらへんのは、クラスの連中から」
「クラスメイトからこんなに!?」
「それが何か?」
「べ、別にっ!!」
 クラスメイトからなのはいいとして、女子からの葉書が多いことを、実樹は気になった。ただのクラスメイトの女子からこんなに来るものだろうか。実樹自身はクラスの男子に年賀状など出したことももらった事もないのに。
(何で女子の癖に親しくもない男子に年賀状かいてんのよ)
 真樹のクラスの女子からに対して、実樹は憤りを感じ、更に不機嫌になった。
「ん?」
 それを真樹が感じ取ったようで実樹に話しかける。
「何で怒っているんだ?」
「べ、別に怒ってなんてないよッ!!」
 その声は明らかに怒っていた。

 パラ
  パラ
 真樹も去年の年賀状を全て読み終え、実樹もあと残す葉書1枚となった。そして、実樹が最後の1枚の葉書を手に取った。
 ピキーン!!
 その瞬間、周囲に凍りついたような音が鳴り響いた。
「ん?」
 真樹は、その音を聞いて周囲を見渡す。一方、実樹は周りになど目もくれず手に取った葉書を凝視していた。
 その葉書の名前には『三原絵梨』と書かれてあった。
 三原絵梨。
 実樹にとっては忘れもしないその忌むべき名前。実樹のクラスメイトである三原紗予の姉で、真樹のクラスメイト。女子の癖に真樹の名前を呼び捨てで呼び、自分に意地悪をして、他人の兄を勝手に脳内彼氏にする自称真樹の彼女である。
 実樹は、出会った時の事を思い出し怒りを噴出した。
 しかも、その葉書を読んでみて更に怒りが強まった。
 『あけましておめでとう』 と描かれてあるのはいいとしよう。だけど、その後ろに描かれてあるハートマークは何なのだろうか?
 ゴゴゴゴゴゴゴ!!
 部屋中に異様な音が鳴り響いた。まるで地震のように鳴り響く音。
「ニャー!」
 コタツの中で寝ていた愛猫チャビも驚いたように逃げていく。
「何だ? この近くで工事でも始めたのか? それとも風呂のボイラーでも壊れたのか?」
 真樹は周囲を見渡すが何もない。ただ、すごい形相で葉書を睨みつけている実樹がいるだけだった。
(どうしたんだ、アレ?)
 この音も気になるが、実樹の事も気になり声をかけた。
「おい、みー。何、怖い顔しているんだ?」
「むぅー……はっ、べ、別に何も怖い顔なんてしてないよ」
「そうか? 今確かに怖い顔していたけど…」
「もう、してないって」
 実樹は先ほどとは打って変わり笑顔で話している。気付けばあの音ももう鳴り止んでいる。
「うーん、ま、いーか」
 真樹は府に落ちないものを感じたが気にせず、読み終えた葉書を片付ける。そこで必要な年賀状の枚数を数え終わると声に出していった。
「んー? 俺は、30枚くらいあればいいか。おい、みー、お前は…?」
 実樹はまだ何か悩んでいたようだった。もう既に自分の分は数え終わったはずなのに。
 真樹は更に呼びかけた。
「おい、みー。お前さっき、数え終わっただろ」
「はっ! 何?」
 どうやら聞いていなかったようだ。真樹は呆れたように話しかける。
「年賀状の枚数だよ。俺はここにある分だけ送ればいいから、予備含めて30枚くらい。お前は?」
 実樹は少し考えた後、こう切り替えした。
「ねぇ、さっき、あんた年賀状書くのめんどくさいっていったよね」
「……ん? 言ったけど、それが何かあんのか?」
「だったら、わたしが書いてあげようか?」
「へ? でも、お前、さっき書かないって……」
「気が変わったの♪ だからいいでしょ。あんたもさっきかわりに書いてくれって言ってたし」
「まぁ、書いてくれるんなら、任せるけど……」
「うん、それじゃ、お母さんに年賀状の枚数伝えてくるから」

 たったったったったったっ

 実樹はそういい残し母親のところまで走っていく。
 真樹は妹の行動に違和感を感じていたが、とりあえず気にせずに任せることにした。

*   *   *

「お母さん」
 母親の部屋に入り、実樹は声をかけた。机に座り年賀状を書いていた母親は振り返って話す。
「あ、みーちゃん。それで年賀状、何枚必要だって?」
「その話だけど、わたしが買ってくるよ」
「あ、そう。それじゃ、お願いするわ。それから、ついでに買ってきて欲しいものとかもまとめて紙に買いとくから」
「うん、わかった」
 普段より聞き分けがよく母親に対して気のきく実樹だが、母親は特に気にせず、メモに買ってくるものを書き留めている。
「それから、ちょっと聞きたいんだけど……」
「な〜に?」
「こないだ取った写真あったよね?」
「ん?」
「ほら、フィルムが余っているからって、わたしとお兄ちゃんとで写したもの」
「あー、アレね」
「あの写真、今どこにあるの?」
「あの写真ね、こないだまとめて現像に出したから手元にあるけど……それがどうかしたの?」
「うん、ちょっと。欲しいんだけど。
「……? まあ、欲しいならあげるけど?」
 母親は何の疑問を待たず、その写真をだして実樹に手渡した。

*   *   *

「いってきます」
 実樹は、母親からもらったお金と買うものを書いたメモ用紙を手に家を出た。それから、先ほど母からもらった兄と一緒の写真、後は自分のお小遣いをひそかにもって来た。
 写真を見てみる。兄と自分がぴったり密着して写っている写真。真樹は無表情だが、自分はかなり赤面しているようで、今見るとかなり恥ずかしい。写す際、母親から『もっとくっついて』という要望があったからこうなってるのだが。
(よし。これを……)
 まず目指すは、この写真をはがきにしてくれる店。母親からもらったお金では足りないが自分のお小遣いで何とかなるだろう。
「ええと、たしかあの店で字も書いてくれたはずだし……ユウちゃんとアイちゃんには普通のはがきでいいとして、何枚くらい作ってもらおうかな?」
 これからの事を考えると、ちょっと恥ずかしい気もしたがこれぐらいのがちょうどいいだろう。あの、呼び捨て女に思い知らせる為には。
「ふふふふふふふふ……」
 実樹は写真を見ながら、いつもらしからぬ不気味な声をあげた。

 その頃、橿原家では……
(ゾォッ……)
 居間で真樹が寒気のようなものを感じ、即座に後ろに振り返る。
「気のせいか?」
 真樹はまだ何かを感じつつも本を読み続けた。

*   *   *

 やがて、時は流れ、今日は1月1日。
 どの家でも、正月らしく賑わっていた。新年を祝い、餅を食べて、そして年賀状が各家に配られる。そう、実樹の書いた年賀状も……

 岩戸家では……
 ガチャ
「うわ、いっぱい来ている」
 真樹のクラスメイトであり友人でもある岩戸勇一郎は、郵便受けを開けて束になった年賀状を取り出し、見始めた。
「ええと、これは母ちゃん宛てので……これは父ちゃん宛てのか。それで、これは、俺にだ。あ、これも」
 勇一郎は、年賀状の束をめくっていくうち自分宛てのものをいくつか見た。その中の一枚に目を留める。
「あ、これは、真樹からだ」
 クラスメイトの親友から来ている手紙。おもむろに裏を見てみた。
「え!?」
 信じられないものを見たような気がして、目を擦りもう一度よく見てみる。裏は写真になっており、そこには……。
「えええええぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!」

 三原家では……
「もってきたわよ年賀状」
「そう。それじゃわけちゃってくれる?」
 年賀状を持ってきた三原姉妹の妹である三原紗予はテーブルに着き、年賀状の仕分けを始めた。父、母、姉、自分の分と分けていく。
 一方、姉である三原絵梨は、自分の分にと分けられた年賀状を読んでいく。
「うんうん……あ、私この子に書いていない。これか書いちゃわないと」
 パラ
  パラ
 絵梨がめくっていく中、その中で手を止め目を輝かせた。
「あ♪ 真樹のもきている♪ どれどれ♪」
 絵梨は更に目を凛々と輝かせながら、真樹から来た年賀状をじっと見る。そして、何気に年賀状の裏を見た瞬間だった。
 ピキーン!!
「何?」
 何かが凍りついたような音に紗予は手を止め顔を上げた。するとそこには、姉が驚愕の顔で硬直していた。どうやら、凍ったのは姉のようだ。
「どうしたの?」
「なななななななななぁぁぁぁぁぁぁ」
 聞いても年賀状を見ながら、声をあげているだけである。
(何を見て驚いているのかしら?)
 紗予は気になり姉の持っている年賀状を覗き込んだ。
「な、何これ?」
 沙予が静かに声を出した後、姉の大声が家中にこだました。
「何よぉぉぉぉぉっっっ!!!!これぇぇぇぇぇぇぇぇッッッッッ!!!!」

*   *   *

 時も流れ……

 冬休みも終わり、今日から新学期である。
「おはよー」
「おはよ。それでね……なんだけどね」
「うんうん……知ってる……なんだってね」
「へぇ……なんだよ」
 久しぶりの再会になるクラスメイト達。教室では絶えず話し合いが行なわれている。
ガラッ
「ふぁぁぁぁぁ、おはよう」
 真樹は、気のぬけたあくびを出して、自分のクラスに入った。
「………」
「………」
「………」
「ん?」
 真樹が教室に足を踏み入れると同時に、外まで聞こえていた話し合いやざわめきは、ぱっと消えた。そして、必ず真樹の方を見てから、すぐに目をそらす。
「ひそひそ」
「ひそひそ」
「ひそひそ」
 更には、小声で話を始めた。
「???」
 真樹は、クラスメイトの態度に気持ち悪さを感じたが、とりあえずは席に着く。
(一体何なんだ?)
 まだ、真樹をチラチラと見てこっそり小声で話している。
 そんな気持ち悪さを感じていたときだった。
「はよー! 真樹! いやーお前すごいな!!」
 今、教室に入ったばかりの岩戸勇一郎が真樹のそばに来て大声を上げた。
「何だよ? すごいって?」
「いや、ホント尊敬するよ、お前。いつかは何かやる奴だと思ってたけど」
「?? ……いや、だから」
 真樹が質問しても勇一郎は答えようとせず、ただ真樹に対して賛辞を並べる。本当に尊敬のまなざしで真樹を見ている。真樹は落ち着いて質問を繰り返す。
「尊敬って何だ? 俺、尊敬されるようなことしたか?」
「またまた。謙遜しちまって〜」
「いや本当に分からないんだけど」
 ひそひそ
  ひそひそ
 勇一郎と話している間も周りでは、自分に対して何か噂話のようなことをしているような気がしていた。
「それにお前の言ってる事って、今、俺が陰口みたいに言われている事と何か関係あるのか?」
「……って、お前気付いてないのか? あんなことしていながら? 全く天然なんだから」
「あんなこと?」
 真樹は疑問点を話した。
「あんなことって何だ?」
「年賀状だよ。お前が出した年賀状」
「ね、年賀状?」
「ほら、思い出しただろ?」
(え?)
 思い出したもなにも真樹自身は、年賀状など書いていない。全て妹に任せたのだ。だから、年賀状の事など言われた所で分かるはずもない。
(あいつが書き間違いをしたとか? それともポストを入れ間違えたとか? いや…それでこんな風になるはずがないな)
 真樹は出来るだけ冷静に考えようとするが、全く思いつかない。そして、冷静になるほど周りの雑音が耳に入り、混乱してくる。
 ひそひそ
  ひそひそ
 真樹は、ものすごく嫌な予感がしていた。この話し声と訳の分からなさにたまらず勇一郎に聞いてみる。
「おい。俺の送った年賀状になんて書かれてあったんだ?」
「何って……? 自分で送ったものだろ? 何を今更」
「いいから! 教えろ!」
 勇一郎はいつもらしくない真樹の気迫に押されたじろいだ。
「ま、まぁ、他の奴にも見せようと思って持ってきたから、今も持ってるけど……」
 勇一郎はそういって鞄の中から年賀状を取り出した。真樹はすぐさまひったくるように葉書を取る。
 …
 まず真樹が見たその葉書の表面には、特に何も変わったことは書いていなかった。ただ、自分の住所と勇一郎の住所が書かれているだけである。
 しかし、気になるのはその裏だった。真樹は恐る恐る裏を見てみた。
 …
 ……
(!!)
 そこには、自分と妹の写真が貼ってあった。この写真はおそらくこの前、母親が撮ってくれたものだろう。その写真の右上に『あけましておめでとう』と正月らしく印字されている。
 そこまでは、まだよかった…
 しかし、更にはその下に横書きで印字されている文をみて、真樹は言葉を失った。
 そこにはこう書かれてあった。






『私たち結婚しました』







〜FIN〜





後書き

「ぱえりあ」とは、keraさんがWEBコミック及び個人誌にて連載している、まったり系兄妹漫画になります。実妹キャラ私的評価を見ていただければ分かるとおり、実樹が大のお気に入りです。
実際に小説にして書いてみると、この漫画独特のまったり感を出すのが難しかった……。
実樹の暴走については、個人誌「despacio5」で酔っ払い実樹を意識したつもりです(汗)

keraさん、このSSの掲載を許可していただきありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

keraさんのHPはこちらになります。



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