玉入れ遊び
「……もう入れるよ。いいよね」
「えっ、まだ心の準備が……あっ」
「さっきから、そればっか。もう待てないって」
「ま、待って! ダメ、ダメ! あっ、あーーーっ!」
「……あんたたち、なにやってんのよおおおーーーーーっ!!」
今日、居間でユリちゃんとサッカーのゲームをしていたら、 突然、アヤカが物凄い剣幕で怒鳴り込んできた。
「「……え?」」
ユリちゃんもオレも、思わず手を止めてきょとんとしてしまう。
「……え……え?」
すると、アヤカはその場に立ち尽くして目をきょときょと泳がせる。
次の瞬間、顔が火を吹いたように真っ赤になった。
「ごめん、ちょっとうるさかった? 廊下まで聞こえてたかな……」
「あ……うん……」
謝るオレに対し、応えるアヤカはどこか歯切れが悪い。
「ユリちゃん、すっげー下手なんだよ。
ゴール前でわざとゆっくりボール回しても全然取れないし」
「えーーっ! もっと手加減してくれたっていいじゃない」
「だから、あれ以上は待てないって」
そんなオレたちの会話を聞いているのかいないのか、 アヤカは何だか曖昧に笑っているだけだった。
「はー、あつっ。あっついわね。半袖でもいーくらいね、うん」
アヤカは一人とりとめもないことをつぶやきながらほてった顔をぱたぱた手で扇ぐ。
所在無さげに部屋の中をうろうろした後、座って水をゴクゴク飲みながら、普段読みもしないような雑誌をパラパラと落ち着きなくめくっていた。