四月馬鹿




「おーい! 雪火!」

 今日、近所を散歩していると、 前からやってきた允が手を振りながら駆け寄ってきた。

「これから、よろしく! 一緒にがんばろーな」

「へ!? なにを?」

 満面の笑みを浮かべてオレの手をぎゅっと握る允に、 なんのことかさっぱりわからないオレは思わず聞き返した。

「あれ? 村崎さんから聞いてないの?」

 きょとんとしたオレの顔を見て、允は不意に真顔になる。

「オレと一緒にユニットやるんだよ。もちろん、女の子のカッコで」

「は?」

「つぐみと謎の美少女との新ユニット! ぜってー売れると思うぜ」

「謎の美少女って……女装したオレのことか……??」

 フリフリの衣装を着込んだ自分の姿が一瞬ちらりとオレの頭をよぎった。
と、その時、允の顔が、にへっと悪戯っぽい笑顔になる。

「なーんてね、ウソでしたーっ! 真に受けるなよ。あははっ」

 呆気にとられたオレを尻目に、允はペロッと舌を小さく出して去っていった。



 ミツル……エイプリルフールは昨日だぞ……。





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